難病患者として、医療費負担増は治療を諦めることと同じ。複数科受診時の合算ができない、医療保険と介護保険の同時負担増、高齢者の金融資産で負担能力を判断する制度の問題がある。軽い風邪と難病を同じに扱わず、複数制度の負担増を全体で見てシミュレーションし、患者と合意形成してほしい。
懸念
暮らしに影響・難病患者
2026年4月13日 11:28
インタビューの分量1129文字👫インタビューを受けた人
治癒することのない難病で、8つの診療科に月1万~5万円の自己負担をしながら継続的に治療を受けている。罹患による収入減少で生活基盤が脆弱であり、医療保険と介護保険の両方の負担増が生活に直結する当事者。
💬主な意見
複数科受診時の高額療養費合算問題
難病患者は複数の科にかかることが多いが、現在は医療機関ごとに計算されるため合算できない。後期高齢者医療では既にシステムが機能しており、事務手続きが煩雑というのは理由にならない。
元の回答を見る医療保険と介護保険の重層的負担増
難病患者の多くは罹患後に収入が減少し、身体機能低下で介護保険も利用する。医療保険と介護保険の両方で同時に負担増となるのは、既に脆弱な生活基盤に追い打ちをかける。
元の回答を見る金融資産と負担能力の乖離
高齢者の金融資産が多いのは老後の生活費のための貯蓄で、毎月の収入が少なければ負担能力は低い。金融資産だけで負担能力を判断するのは生活実態を無視した乱暴な議論。
元の回答を見る🎤すべての会話ログ
こんにちは。本日はお時間をいただきありがとうございます。OTC類似薬の一部保険外療養の創設、正常分娩への保険適用などを盛り込んだ医療保険制度改革法案についてお聞きするインタビューです。 まず、この法改正のうち、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマはどれですか?
高額療養費の自己負担の見直し
ありがとうございます。高額療養費の自己負担の見直しについて、特に関心がおありなのですね。 では、あなたの立場に最も近いものを教えていただけますか?
当事者・関係者(仕事や生活で影響を受ける)
ありがとうございます。具体的にどのような立場からこの見直しに関心をお持ちですか?例えば、ご自身やご家族が長期的な治療を受けていらっしゃるのか、あるいはお仕事の関係からか、教えていただけますか?
治癒することのない難病患者として
そうなのですね。難病で長期的な治療を続けられているのですね。ありがとうございます。 そうした立場から見たときに、この高額療養費の自己負担の見直しについて、なぜ・どのような点が気になりますか?具体的に教えていただけますか?例えば、現在の費用負担の状況や、この見直しに期待することなど、差し支えない範囲でお聞かせください。
長期的(死ぬまで)に高額な医療費がかかる者にとって、医療費が上がることは治療を諦めて死を選んでくださいと言われているに等しい。長期療養者に対して年額上限が出来たことは前向きに考えられる面もあるが、高額療養費の月額上限の年収毎の細分化に対して区分が雑すぎる。なぜ月額上限の区分細分化と違う区分を作るのか理解不可能。また難病の治療においては疾患にともなう症状によって複数の科にかかることは少なくなく、その病院に該当の科がなければ別の病院となる。そのためそれらの科の医療費は高額療養費として合算することができない。 これまでも制度上かなり問題があるにもかかわらず、今回の見直しでも改善するつもりが見えない。そもそも年収に応じて年額上限を決める場合、他国のように上限額を年収の◯パーセントとせず、区分を作るのは現代のITの時代においてあまりにもおかしい。
ご説明ありがとうございます。非常に深刻で具体的なご指摘をいただきました。難病による長期療養という人生全体に関わる課題だからこそ、制度の問題点が切実に感じられるのだと思います。 お聞きしたいのですが、現在の制度で「科ごとに高額療養費が合算されない」という問題について、実際にどの程度の経済的負担が生じているのでしょうか。例えば、複数の科にかかられるときに、月の自己負担額がどの程度になるのか、具体的な感覚で教えていただけますか?
現在一つの科で月に5万かかるところもあれば、1万程度の科もある。8つの診療科にかかっている。
そうなのですね。8つの診療科にかかられていて、それぞれ月1万円から5万円程度の幅がある。そうすると月の合計の自己負担がかなり大きくなるわけですね。 現在の高額療養費制度では、個々の医療機関ごとに計算されるため、複数の科にかかられている場合、それぞれが上限に達していても合算されないという理解でいいですか?そうすると、もし全ての科の医療費を合算できたら、今の状況はどう変わると思いますか?
難病患者で上限に到達する人がある程度増えるでしょう。それにより負担が下がる可能性があります。そもそも後期高齢者ではすでに合算が行われていますし、システム的には出来ている話ではあるので、事務手続きが煩雑になるからというのは合理的な理由ではないと思われます。
その通りですね。後期高齢者医療では既に合算の仕組みが機能しているというのは、非常に説得力のあるご指摘です。つまり、技術的・システム的には十分可能でありながら、難病患者など現役世代の長期療養者には適用されていないということですね。 ここからは別の視点で確認させていただきたいのですが、今回の法案では「長期にわたって継続的に療養を受ける者の家計に与える影響を考慮する」ことが法律上明記されるようになります。ただ、具体的な上限額の引き上げ幅や詳細は政令で定められます。 こうした現状を踏まえて、この見直しが実際に運用される際に、あなたが懸念されるハードルや、さまざまな事情の人のケースが十分に考慮されていないと感じられる点はありますか?例えば、複数科受診の問題以外にも、難病患者特有の事情で見落とされそうなことがあればお聞かせください。
難病患者の多くは罹患してから収入が減少していると思います。それによりただでさえ生活基盤が脆弱なところに追い打ちをかけるような制度改正になっています。またそのような患者は身体機能が低下することも少なくなく、医療保険以外にも介護保険なども利用しているケースがあります。しかし医療保険以外でも負担の増加が行われようとしています。さらに誰もが高齢者になりますが、このような難病患者もいずれ高齢者になります。しかし高齢者は負担能力がまだあるというような雑な議論により医療費以外でも高齢者の負担が上げられようとしています。
ご指摘ありがとうございます。難病患者が直面する多層的な課題が本当によく伝わってきます。罹患による収入減少という基本的な生活基盤の脆弱化に加えて、医療保険と介護保険の両方で負担が増加し、さらに高齢者層での追加負担の議論まで重なるという、本当に厳しい状況ですね。 あなたが指摘される「医療保険以外でも負担増が進む」という点について、具体的にはどのような制度や負担の増加を念頭に置いていらっしゃいますか?例えば、介護保険の自己負担や、高齢者医療での負担増など、具体的な事例があればお聞かせください。
介護保険の自己負担、高齢者の金融所得に対する社会保険料への反映があります。そもそも高齢者は収入が大きく減る老後のために貯蓄をしているので、若い人に比べて金融資産が多いのは当然です。しかし収入がすくないので、それは負担能力が高いということになりません。
本当に重要なご指摘ですね。金融資産と負担能力は別問題だということですね。貯蓄は将来の生活費に充てるものであり、毎月の収入が少なければ、その月月の生活は苦しい。金融資産の多さだけで「負担能力がある」と判断するのは、高齢者の実際の生活実態を無視した乱暴な議論だということですね。 そうすると、難病患者がやがて高齢者になったとき、罹患による収入減少で築いた貯蓄まで社会保険料として吸い上げられる可能性もあるということですか?それは現在の経済的困難さをさらに深刻にする可能性があるわけですね。 ここで最後の質問にさせていただきたいのですが、こうした現状を踏まえて、この医療保険制度の改革を設計する人に、あなたが一つ伝えるとしたら、それは何ですか?難病患者としての経験や願いから、ぜひお聞かせください。
軽い風邪や一時的な怪我などと一生治癒することのない難病などを同一に考えるなということと、医療保険一つだけで議論するのではなく、介護保険や金融所得の社会保険料反映など様々な負担増を全体でみて、最終的にどれだけの負担増になるのかを具体的に丁寧にシミュレーションを行い、患者とのコンセンサスをとってもらいたい。
ご意見ありがとうございます。非常に大切なメッセージをいただきました。 「軽い風邪と難病を同じ制度で扱わないこと」「複数の制度による負担増を全体で可視化し、具体的にシミュレーションした上で患者と合意形成を進めること」——これらは制度設計の根本的な考え方を問い直すご指摘ですね。 あなたが述べられた課題や懸念は、現在の改革案の中では十分に反映されていないように見えます。特に、複数科受診時の高額療養費の合算問題、医療保険と介護保険の重層的な負担増、金融資産と実際の負担能力のズレなど、難病患者特有の事情が見落とされているという点が印象的です。 本日いただいたご意見の内容は、政策決定者にとって極めて重要な示唆を含んでいると思います。ここまでのお話をまとめて、レポートを作成させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
インタビューを完了します。難病患者として、高額療養費制度の複数科受診における合算問題、医療保険と介護保険の重層的負担増、金融資産と負担能力の乖離など、複合的な課題を指摘しました。