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防災庁の構想は理解できるが、基礎自治体との連携が具体的でない。現地に連絡員を派遣して情報を一元化し、被災者や支援者にも公開することが重要。また、拠点が2つでは不十分で、地震だけでなく水害対応も含めて、到着時間を基準に全国に配置する必要がある。

期待&懸念

期待&懸念

暮らしに影響・災害ボランティア

👫インタビューを受けた人

東日本大震災以降、東北を中心に豪雨や地震の被災地で、ボランティアセンターやボランティア団体を通じて家屋復旧支援など継続的に災害ボランティア活動に携わっている

💬主な意見

意見1

基礎自治体への連絡員派遣と情報公開が必須

被災自治体は対応で手一杯なため、防災庁が主体的に連絡員を派遣して情報を吸い上げる必要がある。その情報をボランティア団体や市民にも公開することで、支援の効率化と迅速化につながる。

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意見2

複数地点での同時災害対応への懸念

関東と東北での同時発生など、複数箇所での同時災害時に拠点2つでは対応が分散し、注目度が低い地域の支援が手薄になるリスクがある。

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意見3

到着時間と水害対応を基準とした拠点配置

朝の発災なら明るい時間に、夜の発災なら翌朝に到着できる範囲を基準に拠点を配置すべき。また地震だけでなく、近年多発している水害対応も含めて配置と人員を考える必要がある。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日はお時間をいただきありがとうございます。大地震や大災害に国が一体となって備えるために「防災庁」をつくる法案についてお聞きしたいのですが、よろしくお願いします。 まず最初に、この法案にどういう立場で関わっていますか?

災害ボランティア経験者

ありがとうございます。災害ボランティアのご経験をお持りなのですね。差し支えなければ、具体的にはどのような災害でボランティア活動に関わられたのか、教えていただけますか?

東日本大震災以降、東北を中心とした豪雨、地震災害時の家屋の復旧支援で災害ボランティアセンターを通したもののほか、知り合いのボランティア団体を通して活動をしました

そうですか。東日本大震災以降、継続的に東北の復旧支援に携わられていたのですね。豪雨や地震など、様々な種類の災害で現場の支援経験を積まれた背景があるのですね。 次に、今回の法案(防災庁の設置、災害対策基本法の改正)について、現時点でどの程度ご存知ですか?

聞いたことはある

ありがとうございます。では簡単に要点をお伝えしておきますね。 今回の法案は、災害対応の司令塔として、内閣の下に新しく「防災庁」をつくるというものです。専任の防災大臣を置いて、他の省庁に対して防災対策を求める権限を持たせます。あわせて災害対策の基本ルールを定めた法律も改正し、事前の備えや避難生活の質の向上を理念に加えるという内容です。 こうした背景の中で、この法案について、全体としてどのように評価していますか?

具体的に何をするのですか?

良い質問ですね。具体的には、こういうことになります。 今は内閣府の中に防災チームが約220人いるのですが、これを「防災庁」という独立した組織に変え、352人体制に増やします。そして防災大臣が他の省庁に対して『こういう防災対策をしてください』と勧告できる権限を持つようになります。 また、南海トラフ地震が懸念される地域など、大地震の可能性がある地域に「防災局」という拠点を2か所設けて、地域に近い場所で災害への備えを進めるということも含まれています。 こうした組織を通じて、平時から災害に備える仕事と、実際に災害が起きたときの対応を、両方きちんとできる体制にしようというのが狙いです。 ボランティア活動を通じて現場を見てこられた立場から、この構想についてはどのようにお感じになりますか?

具体的に何かをするものではなく、指示をする機関ということですか?

まさにそこが重要なポイントですね。ご指摘の通り、防災庁は『何かを直接やる機関』というより『指示・調整をする機関』という性格が強いんです。 具体的には、防災大臣が他の省庁に『こういう防災対策をしてください』と勧告する権限を持つということですが、これは強制力というわけではなく、『勧告』なので、各省庁がどこまで従うかは運用次第という側面があります。 つまり、今まで省庁ごとにバラバラだった防災の取り組みを、防災庁を通じて一つの方向にまとめようというのが基本的な考え方です。 ボランティア活動で現場を見てこられたあなたの視点からすると、こうした『指示・調整をする機関』という形で、実際に災害対応が改善されるのか、何か感じるところはありますか?

各省庁の取りまとめはできると思いますが、最前線で対応する基礎自治体との連絡調整についてはどうなっていますか? リエゾンのような存在もいるのでしょうか?

非常に実践的で重要な質問ですね。実際に災害ボランティアとして現場に携わられてきたからこそ出てくる視点だと思います。 法案の詳細を確認したところ、基礎自治体との連絡調整のための具体的な仕組み、例えばリエゾン(連絡員)のような配置について、この法案では明示的には定められていないようです。ただし、先ほどお話しした地方に設ける「防災局」が、その地域の基礎自治体との連携窓口になることは想定されているようです。 ただ、あなたがご指摘になった『最前線での調整』という観点から見ると、現在の法案内容だけでは、その具体的な仕組みが十分に設計されているかどうか、正直なところ不透明な部分があります。 ボランティア活動を通じて現場を見てこられた経験から、基礎自治体との連携について、特に課題に感じていることや、こうあるべきではないかという考えがあれば、教えていただけますか?

例えば、能登の地震ではプッシュ型で消防隊が動きましたが駐車場などがなく滞留した問題や、東日本大震災で山間部からの救出をヘリコプターで行ったもののその後、降ろした場所に放置され、その存在を防災対策関係者が知らないなどの問題を聞いたことがあります。 事実関係は不明ですが、非常に問題があると思います。

そうですね。ご指摘ありがとうございます。そうした現場での混乱や情報の断絶は、実際に深刻な問題だと思います。 能登地震でのプッシュ型支援による駐車場不足や滞留の問題、また東日本大震災での山間部からのヘリコプター救出後に、救出された人の所在が関係者に把握されていなかったという課題ですね。これは要するに、**各機関がそれぞれ対応しているものの、全体を見ている人がいない、情報が一元化されていない**という状況を示していると言えます。 防災庁がこうした調整機能を果たせるようになれば、例えば「プッシュ型で消防隊を派遣する際には、事前に受け入れ態勢(駐車場など)を調整する」「ヘリで救出した人の情報を一元管理して、その後の対応につなげる」といったことが可能になるはずです。 あなたが見てこられた現場の実態を踏まえると、この法案の防災庁が、そうした『全体を見て、情報を一元化する』という役割を、実際に機能させることができるかどうか——それが成否の鍵だと感じられていますか?

解決には基礎自治体との連携を具体的にどうするか考える必要があると思います

おっしゃる通りです。法案の構想自体は理解できるとしても、実際の問題解決には『基礎自治体との連携を具体的にどうするか』という設計が不可欠ですね。 あなたが挙げられた能登地震の駐車場問題や東日本大震災での救出者の情報断絶といった事例は、まさにその『具体的な連携の仕組みがない』ために起きた問題だと言えます。 そこで改めてお聞きしたいのですが、あなたのボランティア活動の経験から見て、防災庁と基礎自治体の間に、どのような具体的な連携の仕組みがあれば、今あなたが指摘されたような問題は解決される、あるいは改善されると思いますか?例えば、事前の調整体制、災害時の情報共有のやり方、リエゾン配置など、思いつくことがあれば教えていただけますか?

基礎自治体からの情報を送ってもらうのではなく、地方自治体への連絡員の派遣は必須になると思います。 とても基礎自治体で情報を集約し、送れるような人員はいないと思います。

そうですね。ご経験から出ている指摘だと思います。基礎自治体は災害が起きた時点で、被害対応や住民対応で手一杯になるので、情報を『集約して上に送る』という余裕がないということですね。むしろ防災庁側から『連絡員を派遣して、現地で情報を吸い上げる』という姿勢が必要だということですか。

その通りです。できれば、その情報が被災者、支援者にも公開されればより早い支援につながると思います。

非常に重要なご指摘ですね。つまり、防災庁が基礎自治体に連絡員を派遣して情報を集約するだけでなく、その情報を被災者や支援者にも公開することで、『誰がどこにいるのか』『どんな支援が必要なのか』といったことが、ボランティア団体や市民レベルでも把握できるようになり、支援の効率化と迅速化につながるということですね。 これは、あなたのボランティア活動の経験から出ている、非常に実践的で重要な示唆だと思います。能登地震の時にも、東日本大震災の時にも、そうした情報の透明性・公開性があれば、現場の混乱や支援の空白が減ったはずです。 この観点から見ると、この防災庁法案には『基礎自治体への連絡員派遣』と『情報の公開・透明性』という2つの具体的な仕組みが組み込まれるべきだというのが、あなたのお考えですね。 ところで、今回の法案で、あなたが特に気になっている点はどれでしょうか?さきほど挙げていただいた『基礎自治体との連携』という観点も含めて、複数あるかもしれませんが、一番強いものを一つ選んでいただくとしたら、どれになりますか?

地方防災局の設置・運用

ありがとうございます。地方防災局の設置・運用が、あなたにとって一番気になっているのですね。

はい

わかりました。地方防災局の設置・運用について、もう少し詳しくお聞きしたいのですが、なぜこの点が一番気になっているのでしょうか?どのような懸念や期待があるのかを教えていただけますか?

拠点が2つで十分なのか、地方防災局の人員体制はどうなるのかが分かりません

なるほど。2つの拠点で本当に十分なのか、また各拠点の人員体制がどのようになるのか、その詳細が見えないということですね。 あなたのボランティア活動の経験からすると、東北の豪雨、地震など様々な災害に関わられてきたと思うのですが、例えば東北だけ見ても、『拠点が1つか2つで、災害発生時や事前準備の局面で、きめ細かく対応できるのか』という懸念があるのでしょうか?

過去にも関東と東北など同時期に災害が重なったことがあります。 その場合、有名な場所に報道支援が偏ったように感じます。 複数個所に災害が及んだ場合の対応力が気になります。

そうですね。過去に関東と東北で同時期に災害が重なった時に、報道支援が有名な場所に偏ってしまったということですね。つまり、拠点が2つだけでは、複数箇所で同時に災害が発生した場合に、対応が分散してしまい、一部の地域や支援が手薄になってしまうのではないかという懸念ですね。 あなたのボランティア経験から見ると、例えば関東と東北で同時に大きな災害が起きた場合、防災庁の地方防災局2拠点で、どの程度の対応ができると思いますか?それとも、もっと多くの拠点が必要だと感じられていますか?

最低でも朝の発災では明るい時間に着ける、夜の発災では朝に着ける範囲に必要でないかと考えています。その数は分かりません。

非常に実践的で重要な視点ですね。つまり、災害発生時にできるだけ早く現地に到着して対応を開始する必要があり、そのためには『朝の発災なら明るい時間に着ける』『夜の発災なら翌朝に着ける』という到着時間を基準に、拠点の配置を考える必要があるということですね。 それは、ボランティア活動で現場を見てこられたからこそ出てくる、非常に説得力のある考え方だと思います。対応の遅れが被害拡大につながることを、あなたは実感されているのですね。 そこで確認させていただきたいのですが、今回の法案では『大地震が起こる可能性がある地域のうち2カ所に防災局を設ける』という内容になっていますが、あなたが挙げられた『到着時間を基準とした拠点配置』という考え方は、この法案の設計には反映されていないように見えます。 この点を踏まえて、もし制度設計者に何か一つ伝えるとしたら、あなたは何を伝えたいですか?

震災に限らず、近年多発している水害対応も含めて配置と人員を考えてほしいです。、

ありがとうございます。それは非常に重要なご指摘ですね。地震だけでなく、近年多発している豪雨水害にも対応できるよう、地方防災局の配置と人員体制を考えるべきだということですね。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。東日本大震災以降、継続的にボランティア活動を通じて災害現場の実態を見てこられたあなたの経験から、防災庁設置法案に対する深い洞察をお聞きすることができました。 現場の視点から、基礎自治体との連携の具体性、地方防災局の配置と人員体制、そして地震だけでなく水害対応も含めた体制設計の必要性など、制度設計に直結する重要なご指摘をいただきました。これらのご意見は、今後の法案検討に非常に貴重な示唆をもたらすものだと思います。