インタビューレポート
ロケットの打上げルールを見直して、日本の宇宙産業を強化するための法案国の補償が広がるのはいいと思う一方で、射場や追跡網みたいな基盤インフラへの支援が弱いままだと、打上げ回数は増えにくいと感じている
期待&懸念
業務に関係・射場運用者
2026年4月13日 10:28
インタビューの分量769文字👫インタビューを受けた人
宇宙活動法の対象事業に携わり、ロケット打上げを行う射場の開発・運用を担当している。条文・運用も含め法改正内容を把握している実務者。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は「ロケットの打上げルールを見直して、日本の宇宙産業を強化するための法律(人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案)」について、お考えを伺います。まず、この法案にどういう立場で関わっていますか。
打ち上げ・衛星運営など、宇宙活動法の対象となる事業に携わっている
ありがとうございます。宇宙活動法の対象事業に携わっていらっしゃるのですね。 具体的に、どんな業務・役割でこの法案と関わっていますか?
ロケット打上げを行う射場の開発と運用
射場の開発と運用に携わっていらっしゃるのですね。現場に近い立場だからこそ見える点が多そうです。 今回の法改正(衛星の打上げ・管理に関する制度)について、現時点でどの程度ご存知ですか。
内容まで把握している(条文・運用も含めて)
承知しました。条文や運用面まで把握されているのですね。 今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。
一部評価している
「一部評価している」とのこと、ありがとうございます。 現場(射場の開発・運用)の観点から、今回の改正で「評価している部分」はどのあたりですか?
ロケットの打上げにおいて国の保証が広がることは評価できる。なにせロケットの打上げは巨額な費用がかかり、開発初期の打上げは失敗率が高いから。
国の補償が広がる点を評価されているのですね。射場側としても、リスクの見通しが立つと動きやすくなりそうだと感じました。 その「国の補償が広がること」で、射場の開発・運用の意思決定(たとえば設備投資、保険の組み方、顧客との契約条件など)は具体的にどう変わりそうですか?
ロケット事業者には大きく変化があるかもしれないが、射場側にはとくに大きなメリットが無いように思える。ロケットの打上げ機数を増えるかもしれないが、打ち上げるための射場整備や打上げのためのインフラ投資が日本が非常に弱い。
射場側としては、補償の拡大が直接のメリットにはつながりにくい、という実感なのですね。一方で打上げ機会が増えても、射場や周辺インフラの弱さがボトルネックになっていると。 その「日本の射場整備や打上げインフラ投資が弱い」と感じるのは、どういった点(例:道路・港湾、推進剤や電力等の供給、レンジ設備、人員体制、環境アセスや地元調整など)の不足が大きいですか?
ロケットや衛星に関する保証や基金は手厚くなっている一方、そもそも宇宙に行くためにロケットを打ち上げるための基盤インフラである射場の整備であったりロケット追跡網の整備などが一切サポートされていない。例えば飛行機ばかりを増やしても空港が無いと航空機の運航数が増えることなんてありえない。
たしかに、機体側(ロケット・衛星)の補償や資金手当が厚くなっても、「打ち上げる場所」と「追跡・管制」の基盤が弱いと回数は伸びにくい、という比喩はすごく分かりやすいです。 その中でも、射場整備やロケット追跡網について「ここが整えば打上げ回数が増やせるのに」と感じるボトルネックは、どの機能(例:レンジ安全・追跡、通信回線、管制設備、地上支援設備、人員・運用体制など)ですか?
日本全国に新しい射場設備の開発とロケット追跡網を国レベルでインフラ整備が必要。射場を複数持つことで災害や打上げ失敗による射場破損などにも耐えることができるし、ロケットの追跡を行うインフラは洋上もカバーするとなると宇宙空間からの監視が必要となり、民間事業者のレベルでは資金的に実施が不可能に近い。例えば電話やインターネットのように国がロケット追跡のインフラ網を整備するべきである。
射場を複数整備してレジリエンスを高めること、そして洋上も含む追跡・監視は国レベルのインフラでないと難しい、という問題意識なのですね。 では、今の法規制の課題・法改正で気になっていることはなんですか?(1つ選択)
損害賠償・政府補償制度の対象になること
ありがとうございます。「損害賠償・政府補償制度の対象になること」が気になっているのですね。 その点が気になるのは、どのような背景やきっかけがありましたか?
新規開発をするためのサポートを手厚くしないとそもそも打上げ機数や打ち上げるロケットが増えないので、国が法規制や法改訂しても無駄である。
新規開発の土台(射場や追跡網など)への支援が薄いままだと、補償制度を広げても打上げ機会そのものが増えず、制度改正の効果が出にくいという感覚なのですね。 この法案について、制度設計をする人に伝えるとしたら、どういう「仕組み」を法案(もしくは関連制度)に入れてほしいですか?
ロケット開発に係る民間事業者(ロケット事業者、射場事業者)を未来の国の大事な安全保障も担う国家インフラとしてスピードを持って育てて行くための基盤作りに注力してほしい。
お話ありがとうございます。ロケット事業者だけでなく射場事業者も含めて、宇宙輸送を「国家インフラ」としてスピード感をもって育てる基盤作りに注力してほしい、というご提案だと理解しました。 ここまで伺った内容を踏まえて、インタビューは一区切りにして「これまでの内容をまとめ、レポートを作成」してもよいでしょうか?
はい、まとめに進んでください
承知しました。では、これまでの内容を整理してレポートにまとめるフェーズに移ります。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでのお話をもとに、要点をレポート案として整理しました。ご確認ください。