インタビューレポート
先端技術のベンチャー育成を支援する新しい法人を作る法案スタートアップ支援は大事だけど、助成が設備や論文に流れて事業化に結びつかないのが心配。成功した経営者の目利きで、利益と雇用につながる支援にしてほしい
期待&懸念
専門的な有識者・大学研究者
2026年5月3日 18:42
インタビューの分量890文字👫インタビューを受けた人
大学・研究機関の研究者/大学関係者として、研究支援制度や助成金の使われ方を現場で見聞きしている立場。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は「先端技術のベンチャー育成を支援する新しい法人を作る法案」について、感じていることを丁寧に伺えればと思います。差し支えない範囲でお聞きしますが、この法案にどういう立場で関わっていますか?
研究者・大学関係者
ありがとうございます。今回の法案改正(グローバル・スタートアップ・キャンパス運営法人の設立)について、現時点でどの程度ご存知ですか?
ほとんど知らない
ありがとうございます。前提をそろえるためにごく簡単に要約すると、この法案は、東京に整備される「グローバル・スタートアップ・キャンパス」を運営し、大学などの研究成果をベンチャー創業・事業化につなげる支援(助成、施設提供、出資・貸付、知財支援、人材育成、交流の場づくり等)を行うために、国と民間が協力する新しい認可法人を設立するものです。 この法案について、全体としてどのように評価していますか?
どちらかといえば良くない
率直なお考えをありがとうございます。「どちらかといえば良くない」と感じるうえで、特に引っかかっているのはどのあたりでしょうか?
ベンチャー企業の創出スタートアップ支援は、とても大事だと考えています。一方で、このような支援の助成金はいくつかありますが、成功しているとは、あまり感じられません、大学の研究のために、予算が消費されていることが多く、本気でベンチャーきげん企業を作ろう、スタートアップを支援しよう実績に繋がっていないように思うからです
問題意識、とても伝わってきました。支援自体は重要なのに、実績(創業や事業化)に結びついていない感覚があるのですね。 「大学の研究のために予算が消費されていることが多い」とのことですが、どういう使われ方だと“研究費として消えてしまっている”ように見えますか?
大学の研究費として使われ、それらが実社会に結びつくようなコンセプトで研究が使われていないと感じるからです 大学の設備導入や、その延長として論文発表としての実績、使われていることが多く、実際に申請すると人もそれを狙っている人が多いからです。お金を取得すること自体が目的化しているというところもあります. ベンチャー企業は、技術の最先端を研究し、それを社会に活かすことが狙いとなっていますが、これを心から目指しているところは少ないと思います.
お話を伺うと、 - 支援資金が「設備導入→論文実績」へ流れやすく、社会実装や創業の筋道(コンセプト)が弱い - 申請側も“お金を取ること”が目的化しがち という点に、かなりのもどかしさがあるのですね。 この新しい法人が「実績(創業・事業化)に繋がっている」と感じられるためには、支援の要件や審査で何が明確に求められている状態だと良いでしょうか?
大学の研究成果を発端にするのではなく、社会のニーズから発想を得て、研究を探すようなスキームが良いと思います 数年単位で利益を出せるようなシステムを作ること、高度だが汎用性の高い技術を使うこと,自社で商品を作らなくても、大手に技術を振り込めるようなシステムを作ること、公の人が審査するのではなく、民間の人が、これは使える利用できると思えるような審査をすること
方向性がとても具体的で、よく分かりました。研究成果起点ではなく社会ニーズ起点でテーマを組み立て、数年スパンで収益化の道筋が見えること、汎用性の高い技術や大手への技術移転も含めた出口設計、そして審査も「使える」と判断できる民間目線が重要、ということですね。 いま挙げてくださった中で、この法案(新法人)の設計として特に気になっている点はどれですか?
研究成果が本当に事業化につながるか
そこが一番の焦点になっているのですね。 「事業化につながるか」を判断するとき、あなたの中ではどんな成果が見えてくると“つながった”と評価できますか?
利益を産んで雇用を生んでいること
明確な基準ですね。利益と雇用が生まれていることが、事業化の実感につながるのだと理解しました。 では、この法案について、制度を設計する人に伝えるとしたらどんなことを伝えたいですか?
民間の大手企業などが審査し、うまく使えるかどうか利えきを生んでくれるかどうかという点を重視しるべきかと思います。大手企業が寄付をしてでも事業をさせたいと思うか、公金で運営するのではなく、民間企業のお金の寄付を公はバックアップするような形で支援する、そのぐらいの感覚の投資がいいと思います チャレンジ精神を持った経営者を支援するものであり、研究者を支援するものではないというスタンスが重要と思います
ご意見、すごく筋が通っています。 特に、 - 「使えるか/利益を生むか」を見られる大手企業など民間の目線で審査すること - 公金中心ではなく、民間が寄付・投資したくなる案件に公がバックアップで乗る設計 - 支援対象は“研究者”というより“チャレンジ精神を持った経営者”であるべき というスタンスが核なのだと受け取りました。 最後に1点だけ伺いたいのですが、もしこの新法人がその方針(民間の目利き・民間資金を軸に公が後押し)で運用されるなら、この法案への全体評価はどの方向に動きそうですか?
一点修正をさせてください、民間の目利きというよりも経営者成功した経営者の見聞きという点に変更させてください。それであれば、全体の評価は、とても上がります
修正ありがとうございます。民間一般というより「成功した経営者の目利き・見立て」を審査や伴走の中核に置くべき、ということですね。それが担保されるなら法案の評価は大きく上がる、というお話もよく分かりました。 ここまで伺った内容をまとめてレポートを作成します。よろしいでしょうか?
お時間を割いてお話しくださり、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容に誤りや抜けがないか、ご確認ください。