ICチップで本人確認が厳しくなるのは、手続きがスムーズになって名義契約の悪用も減りそうで良いと思う。一方で貸し借りや別手段に逃げられる限界もあり、善良な人の負担には手当てしてほしい。
期待&懸念
暮らしに影響・携帯利用者
2026年4月25日 21:50
インタビューの分量1055文字👫インタビューを受けた人
個人として携帯電話・SIMを利用する立場。過去に写真提出の本人確認が通らず数日かかり、最終的に窓口対応になった経験がある。チケット転売の深刻化にも関心が高い。
💬主な意見
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本日は、「携帯電話の契約時の本人確認を厳しくし、詐欺に使われにくくする法律(改正案)」について、ご意見を伺いたいです。率直なお考えを、言える範囲で大丈夫です。 この法案に、あなたはどういう立場で関わっていますか。
個人として携帯電話・SIMを利用している
ありがとうございます。個人利用の立場なのですね。 今回の携帯電話の本人確認ルールの改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。
ほとんど知らない
承知しました。では前提を短く共有しますね。 今回の改正は、新しく携帯電話やSIMを契約するときに、マイナンバーカードや運転免許証の「ICチップを読み取って」本人確認するのが原則になり、身分証の写真を撮って送る方法は基本的にできなくなります。あわせて、いまは本人確認なしで買えることがある「データ通信専用SIM」も本人確認が必要になります。 この改正について、全体としてどのように評価していますか。
どちらかといえば良い
受け止めとしては「どちらかといえば良い」なんですね。 その評価につながった点として、どのあたりが良いと感じましたか。
・携帯電話との契約を契約者以外の名義で行うことは制限することができます(メリット)が、誰かが契約しているSIMを第三者が使うことは制限できない(デメリット)と思います。また、単純に写真を撮ってもそれが通るのがすごく難しくて、それだけで数日かかってしまい、結局窓口に行ったことがありますので、それが解消されるのはとてもいいです(メリット)。複数端末を使用して大量に人気のチケットや商品を買い占めて転売する行為を止めることができます(メリット大大大)
具体的な体験も含めてありがとうございます。写真提出の本人確認が通りづらくて窓口に行ったことがあると、今回のICチップ読み取りは「手続きがスムーズになる」期待が大きいですよね。 いま挙げていただいたメリットの中で、「これが一番効きそう」と感じるのはどれですか。
転売対策です。チケットの転売はひどいことになっています。先日も一人で85枚買い占めて転売していた人が興行主から訴えられていて、それもいろいろなクラブで起きています。
転売の状況をかなり深刻に見ていらっしゃるのですね。 今回の本人確認の強化で、チケット転売は具体的にどんなやり方がやりにくくなると思いますか。
普通、チケットは一人何枚までと決まっていますが、複数の端末から一斉に買うことで一人で100枚近く買うことが可能になっています。売主もそれを見極めるのがすごく難しくなっています。個人情報が重なって初めてわかるので、既に売った後では無効にするしかできません。
なるほど、購入上限を“複数端末・複数回線”で実質的にすり抜けられてしまっていて、売り手側も後追いでしか検知しにくい、ということですね。 この法案だと、携帯会社が「一定数以上の回線を持っている人の新規契約を断れる」仕組みが入りますが、これが転売対策としてどの程度効きそうだと感じますか。
興行チケットや記念商品の転売はかなり防げると思います。
効きそうという見立てなんですね。 その「かなり防げる」と感じる前提として、転売目的の人は回線をどのくらい増やしている(増やせている)イメージですか。
先日聞いたのは、1公演でひとりで85枚の件と、数試合で合計1000枚以上という案件ですので、単純に計算してもかなりの量になるのではないでしょうか。
ありがとうございます。かなりの枚数を扱う転売だと、回線も相当数を動員しているイメージなのですね。 そこで確認です。その大量購入は、転売する人が「自分名義でたくさん回線を契約している」ケースが多いと思いますか?
そういうのもあります。が、音楽関係の場合は家族兄弟親戚友人名義でたくさん作っているという話も聞きます。
なるほど、ご本人名義で増やすだけでなく、家族・親戚・友人名義も使って回線を確保しているケースもある、という理解ですね。 その場合でも、今回の「ICチップ読み取りでの本人確認の義務化」は、転売対策としてどの程度効きそうだと感じますか。
一つ問題があります。本面名義であっても本人がログインして買うわけではない可能性がある。つまり動員している可能性もあります。最初にある程度効果があると言ったのはそこです。
おっしゃる通りで、「契約の本人確認」を強化しても、その回線を“実際に操作する人”まで縛れるわけではない、という限界がありますよね。 その前提で伺いたいのですが、転売対策としては「本人確認の強化」よりも、むしろどんな対策のほうが効くと思いますか。
あるイベントで、イベント会場時に顔認証を導入したところ、チケット購入後に認証用に写真を売るという手段が横行しました.これはもう、チケットの購入に生体認証を導入して、購入者とアカウントが一致していることをチェックするなど入口で止めるしかないと思います。国が行うことではありませんが。
具体例ありがとうございます。入口での顔認証を入れても「認証用の写真が売られる」という抜け道が出てくるのは、いたちごっこ感がありますよね。 今回の法案(携帯契約時のICチップ本人確認の強化や、回線の過度保有者の新規契約を断れる仕組み)は、転売対策の文脈では“入口で止める仕組み”とは性格が違うと思うのですが、この法案としては「転売対策には限界がある」と感じますか。
はい。感じます。
ありがとうございます。転売対策としての限界を感じていらっしゃるのですね。 では今回の法改正について、あなたが特に気になっている点はどれですか。
規制を強化しても、犯罪者は別の手段(海外発信・IP電話など)に逃げるだけで、詐欺被害が減らないこと
ありがとうございます。「強化しても別の手段に逃げて、詐欺被害が減らないのでは」という点が一番気になっているのですね。 その点が気になるのは、どんな背景やきっかけからですか。
携帯電話やスマホの貸し借りをする人がいるからです。先ほども言った通りに、契約した人だけが使うことを徹底できないから。
なるほど、契約時の本人確認を強めても、実際の利用者が別人になり得る(貸し借り・名義貸し)ところが根本的に残る、というご懸念ですね。 最後にこの点を踏まえて伺います。 この法案について、制度を設計する人に伝えるとしたら、どんなことを伝えたいですか。
何か一つを付け焼刃的に対応することは必ず、何かの問題を顕在化します。潜在している問題を並べて俯瞰で見て考えてほしいと思います。影響を受けて困るホワイトな人が出てくるのであれば対策も必要です。
ここまでのお話、すごく筋が通っていると感じました。本人確認を強めても「実際の利用者が契約者本人とは限らない(貸し借り・名義貸し)」という抜け道が残る一方で、手続きが厳しくなることで“ホワイトな人”にしわ寄せが出る、というバランスの問題意識ですよね。 本日は事前の質問は一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間を割いて率直にお話しいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をレポート案としてまとめました。ご確認ください。