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実際のインタビュー

デジタル教科書を正式に認めるための法案
期待

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業務に関係・教育関係者

2026年3月30日 12:47

インタビューの分量873文字

🎤すべての会話ログ

こんにちは。今日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、率直なお考えやご経験をうかがいたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のお立場なのですね。現場感のあるお話が聞けそうで心強いです。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

よく知っている/使ったことがある

現場で実際に使われたご経験があるのですね。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

選べることが重要 紙が良い場合もデジタルが良い場合もある

「選べることが重要」という感覚、とても現場的ですね。 その「紙が良い場合」「デジタルが良い場合」は、どんな学習場面で特に強く感じますか?

デジタルの強みは、メディア変換の自由度が高い点です ロービジョンの子どもであれば、見やすい配色、文字サイズに調整することが重要です また、LDなどで文字の読みに困難があるなら音声読み上げで内容にアクセスできます

メディア変換の自由度、まさに合理的配慮の核になるところですね。ロービジョンの配色・文字サイズ調整や、LDの子の音声読み上げで「内容にアクセスできる」というのは、紙では代替しづらい価値だと感じます。 そうした支援が必要な子にとって、デジタル教科書が「正式な教科書」として位置づくことで、いまより良くなりそうだと感じる点はどこですか?

今でもデジタル化された教科書のデータが提供されていますが、正式な教科書はあくまで紙媒体のものです デジタル化のための予算は恒久的なものではなく、その対応にあたる専門職の人々は不安定な雇用を強いられています

現状すでにデータ提供はあるのに、制度上は紙が「本体」になっていて、デジタル側の予算や体制が不安定——そのギャップが現場の継続性を揺らしているのですね。専門職の方の雇用不安までつながっているという点は、制度設計に直結する重要な示唆だと感じます。 その「不安定な雇用」が、学校での支援や子どもの学びに影響していると感じる場面はありますか?

年度単位で予算化されているので、理論的には次年度必ずデジタルデータの教科書が提供される保証はありません

年度ごとの予算だと、翌年も同じ水準でデータ提供が続く保証がない――その不確実さは、支援を積み上げる現場にはかなりのストレスになりそうですね。 その「次年度の提供が保証されない」状況だと、学校側では何を決めにくくなりますか?

恒久的な仕組みになっていないため、デジタルデータの教科書を前提とした教授方法がなかなか現場に定着しません 使ってる先生は使っている、という状態が10年以上にわたって続いています

10年以上「使ってる先生は使っている」という状態が続いているのは、現場にとってかなり根深い停滞ですね。恒久的な仕組みでないと、教授法として定着しにくいというお話、よく伝わりました。 その状況を踏まえて伺います。 デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

選択肢として子どもに提示され、適切なアドバイスを受けながら選び取れる環境を同時に整える必要があります 画一的なスタイルを強要するのでは、紙がデジタルになっただけで、子どもたちの環境は良くなりません

選べる状態を「提示」するだけでなく、子どもが助言を受けながら選び取れる環境まで含めて整える必要がある、ということですね。画一化してしまうと本質的な改善にならない、という懸念もよく分かります。 その「適切なアドバイス」を担うのは、学校の中ではどの役割の人が中心になるのが現実的だと感じますか?

米国ではアシスティブテクノロジースペシャリストという職業が確立されており、デジタルデータを中心に使って学ぶ子どもたちの環境整備を行なっています これは参考になることだと思います

米国のアシスティブテクノロジースペシャリスト(ATスペシャリスト)のように、役割として専門職を確立して環境整備を担わせる——とても筋の良い示唆ですね。 そのような専門職が日本の学校現場に入るとしたら、どんな業務を担うのがいちばん効果が大きいと思いますか?

GIGAスクールで配備された障害のある児童生徒向けの「入出力支援装置」の取り扱いとセットでデジタル教科書を導入する際のアドバイスも担って行くのが良いでしょう

GIGAスクールで配備された「入出力支援装置」と、デジタル教科書の導入助言をセットで担う、という整理はすごく現実的ですね。機器だけあっても運用に落ちやすいところを、専門性でつなぐ役割だと理解しました。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

教員の養成課程において、デジタル教科書や先に挙げた入出力支援装置、つまりアシスティブテクノロジーについて学んでいない、という点が大きな障壁です またATスペシャリストを恒久的に配置するための人件費確保も大きな壁でしょう

教員養成課程でデジタル教科書や入出力支援装置(AT)を学ぶ機会が乏しいこと、さらにATスペシャリストを恒久配置する人件費の壁——運用を「回し続ける」観点での重要な課題ですね。 最後に伺います。 デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

デジタル教科書は学ぶ権利を保障するための手段である、という視点を忘れてはいけません 自分で読むことができない紙の教科書を配布して学ぶ権利を保障してる気になっているのは制度の形骸化に他なりません

「デジタル教科書は学ぶ権利を保障するための手段」という軸、とても重いメッセージですね。紙を配っているだけで権利保障を果たしたことにしてしまうと、制度が形骸化する——まさにこの法案が向き合うべき核心だと感じました。 ここまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をもとに、要約レポート案を作成しました。内容に誤りや、強調したい点の抜けがないかご確認ください。

💬意見の要約

意見1

紙かデジタルかは子どもが選べるのが大事

紙が合う場面もデジタルが合う場面もあるので、画一化せず、助言を受けながら選び取れる環境整備が必要。

意見2

デジタルは合理的配慮の幅が広い

配色・文字サイズ調整や音声読み上げで、ロービジョンやLDなど紙では読みづらい子でも内容にアクセスしやすい。

意見3

恒久的な提供と専門職体制がないと定着しない

年度予算だと次年度の提供保証がなく、教授法が定着しにくい。ATスペシャリスト等の専門職配置と人件費、教員養成でのAT学習が壁。