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医療保険改正の選定療養制度は、適応症の判別が曖昧なため、医療現場で疑義照会が増加し、薬局の人件費負担が1~2時間増える可能性がある。また高額療養費の引き上げにより、患者が治療を遅延させて年収を下げる逆インセンティブが生じ、社会全体の経済損失につながる懸念がある。

期待&懸念

期待&懸念

専門的な有識者・薬学専門家

👫インタビューを受けた人

薬学分野の専門家。医療現場での実装課題を深く理解し、制度設計における経済的波及効果まで分析する視点を持つ。

💬主な意見

意見1

処方箋への【選】表記による疑義照会削減

一般名処方の【般】のように、選定療養対象は処方箋に【選】と表記することで、薬局での判別が容易になり疑義照会が大幅に減少する。医師の記載業務には2~3点の診療報酬を設定すれば、負担と患者費用のバランスが取れる。

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意見2

高額療養費に達した月数に応じた累進的軽減制度

現行制度では年4回と年12回受診者の負担感覚が異なる不公平がある。所得比率による上限設定と、高額療養費に達した月数の増加に応じて軽減率を下げる制度を導入すれば、治療遅延の逆インセンティブを減らせる。ただし社会保障費増大が課題。

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意見3

マイナ保険証による複数医療機関の支払い一元管理

現在、患者は複数医療機関の合計自己負担を把握できず、高額療養費対象なのに一時的に過度な支払いが発生する。マイナ保険証で各機関の支払い合計を一元管理できれば、累進的軽減制度の実装も可能になる。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は、医療保険のルールを見直して、出産費用をゼロにし、薬や医療費の負担の仕組みを変える法案についてお話しをお伺いしたいと思います。 まず最初に、この法改正のうち、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマはありますか?当てはまるものを選んでいただけますでしょうか。

市販薬と似た処方薬(OTC類似薬)への追加負担

ありがとうございます。市販薬と似た処方薬への追加負担についてご関心なのですね。 次に、あなたの立場についてお伺いしたいのですが、以下のうち最も近いものはどれでしょうか?

有識者・研究者

ご回答ありがとうございます。有識者・研究者としてのご立場なのですね。 具体的には、どのような分野の有識者・研究者でいらっしゃいますか?また、この法案に関わる領域(医療、薬学、保険制度、経済など)についても教えていただけますでしょうか?

薬学

ありがとうございます。薬学の専門家からのご視点ですね。それでは、市販薬と似た処方薬への追加負担について、あなたが特に気になる点は何ですか?具体的にお聞かせいただけますでしょうか。

選定療養対象は、成分のうち特定の適応症が対象になるという話だが、その適応症であることがわからない場合は選定療養としなくてもいいのか?しなかった際に返戻対象となる可能性がある場合は、適応症が判別できなければ医師への疑義照会が発生するため、医療従事者への負担が増え、結果として人件費がかかる政策になるリスクがある。

非常に鋭い指摘です。つまり、選定療養の対象となる医薬品でも、その患者さんの「適応症」によって判断が分かれる場合、医療機関側で適応症を特定できなければ、返戻リスクを回避するために疑義照会を行わざるを得ない、という構造的な問題ですね。 薬学の専門家の視点からすると、この運用上の曖昧さが、実装段階で現場の医師や薬剤師、事務職員の業務負担をかなり増やす可能性があるということかと思います。 そこでお伺いしたいのですが、この適応症の判別が曖昧になりやすい具体的な医薬品や疾患領域について、現場で見かけることはありますか?また、そうした運用上の負担が実際に発生した場合、医療現場にはどのような影響が生じると予想されますか?

フェキソフェナジン(先発名:アレグラ)は花粉症として一般用でも処方としてもあるが、皮膚炎としては処方でしかない。 アトピー性皮膚炎の患者は色々なアレルギーを持ってることが多く、スギ花粉によるアレルギー(花粉症)も併発することが多い。そして、花粉症の時期はアレルギー誘発により皮膚炎の悪化もしやすい。そのため、フェキソフェナジンが追加されたとしても花粉症か皮膚炎悪化リスク低減のためかの判断が難しく、担当医しかわからない可能性もある。 担当医が処方箋に追加理由または適応症の記載をしていればいいが(この場合は医師の処方箋記載に時間がかかる)、そうでない場合は調剤をする薬剤師が患者からのヒアリングをし、適応症が確認出来なければ疑義照会をする必要がある。疑義照会の場合は薬剤師が3分、疑義された医師が1分程度の時間がかかる。この時期はこのような処方が多くなるため、合計すると1時間〜2時間ほどの業務が発生する可能性がある。

非常に具体的で説得力のある例をありがとうございます。フェキソフェナジンの花粉症シーズンにおけるご指摘は、この制度設計の現実的な課題を浮き彫りにしていますね。 つまり、適応症の判別が医学的に曖昧な場合、薬剤師が個々の患者さんに対して症状をヒアリングし、疑義照会という追加業務が発生する。その結果、花粉症シーズンに薬局全体で1時間から2時間の業務時間が増加するということですね。これは、制度導入による医療現場への隠れたコストになります。 ここで別の視点でお伺いしたいのですが、このような適応症判別の曖昧さによる疑義照会の増加が、実際に以下のことにつながると懸念されていますか? 例えば: - 患者さんの待ち時間が増える可能性 - 薬剤師の負担増により、他の業務(服用指導など)の質が低下する可能性 - 医療機関全体での人件費負担の増加 あるいは、他に懸念される波及効果がありますか?

例えの3つについては懸念はしている。 また、3つ目の人件費負担の増加はさらに3つのリスクがあると考えている。 1つ目、人件費増加による倒産。 2つ目、倒産抑制のために保険点数増大による医療費負担増加。 3つ目、医療費増大による薬価引き下げによる医薬品供給悪化

非常に深刻で重要なご指摘をありがとうございます。適応症判別の曖昧さという制度設計の問題が、実は医療現場全体、さらには医療経済全体の悪循環につながる可能性があるということですね。 つまり:疑義照会の増加 → 薬局の人件費負担増加 → 経営危機 → 保険点数引き上げ要求 → 医療費増加 → 薬価引き下げ → 医薬品供給の逼迫、という連鎖反応のご懸念ですね。 これは、制度導入時の短期的な負担だけではなく、医療システム全体の持続可能性に関わる問題を指摘されています。 そこで、薬学の専門家として、この問題を制度設計の段階で防ぐためには、どのようなアプローチが考えられると思いますか?例えば: - 適応症ごとの明確な判別基準を事前に医療現場に周知する - 処方箋の記載様式を統一する - 疑義照会を減らすための仕組みを作る あるいは、他のアプローチがありますか?

一般名処方の場合、【般】成分名、剤形、規格という記載となっており、一般名処方であることがすぐに分かる仕様となっている。 選定療養となる場合も、薬剤の冒頭に【選】などのように分かる仕様となれば薬局での業務としては多くの時間はかからないと考えられる。ただし、この場合は医師が選ぶのに少しの時間や知識を有する必要、患者から好ましくないと思われるという疑念が出てくるため、選んだ際には1点程度の点数をつける必要もあると思われる。

なるほど、非常に実用的な提案ですね。一般名処方の【般】という表記方式を応用して、【選】という標識をつければ、薬局現場での判別が一目瞭然になり、疑義照会の大幅な削減につながるということですね。 ただし、それと同時に医師側の負担と、患者への説明の課題も同時に浮上するというご指摘も重要です。つまり、医師が選定療養に該当する医薬品を正確に判別し、適切に【選】と記載するには知識と時間が必要。そして患者さんからは「なぜ追加負担が必要なのか」という疑問や不信感が生まれるリスクがある。 そこで、医師側の判別・記載負担を軽減し、かつ患者さんの理解を得るために、【選】と記載した際に1点程度の診療報酬点数をつけるべき、というご提案ですね。これは医師の追加業務を正当に評価する仕組みということかと思います。 この点数設定について、薬学の専門家としてのご経験から、1点という数字はどのような根拠に基づいていますか?また、この程度の診療報酬では医師の判別・記載業務を実際にカバーできると思われますか?それとも、他の課題が残ると考えられますか?

1点というのには根拠はなく、あくまでもフィーをつける必要が生じるということであり、何点でもいいとは思う。 医師の記載業務が10秒ぐらいかかるとして、医師の時給が一万円前後であることを考えると2〜3点ぐらいが妥当かと思われる。 点数を高くしすぎると、患者の負担がただ大きくなるため、実際に点数をつけるのであればそこの塩梅は必要と思われる。

ありがとうございます。医師の時給1万円前後と、記載に要する10秒程度という実装上の時間から逆算すると、2〜3点が合理的という、非常に説得力のある試算ですね。 つまり、制度設計において重要なのは、医師の追加業務負担を正当に評価しつつ、患者さんの負担増を過度にしないバランスを取ることだということですね。高すぎる点数は、この法案本来の目的である「医療費の効率化」と矛盾してしまう。 ここまでのお話をまとめると、市販薬と似た処方薬への追加負担という制度自体は理解するものの、適応症判別の曖昧さが現場に大きな負担をもたらし、最終的には医療システム全体の経済的な悪循環につながるリスクがある。そしてそれを防ぐには、処方箋への【選】という標識、医師の判別記載への適切な診療報酬評価、そして患者への説明といった実装レベルの工夫が不可欠だということですね。他に補足したいことはありますか?

OTC類似薬についてはない

ご協力ありがとうございます。市販薬と似た処方薬への追加負担についての課題と対策案については十分に理解できました。 次に、別の視点からお伺いしたいのですが、この制度改正を実際に運用するうえで、OTC類似薬以外の部分(例えば出産費用の保険適用、高額療養費の見直し、75歳以上の金融所得反映など)について、ハードルがあると思いますか?また、様々な事情にある人のケースが十分に考慮されていると思いますか?

いいえ(考慮が不十分/ハードルが大きい)

ありがとうございます。考慮が不十分、またはハードルが大きいというご判断なのですね。 薬学の専門家としてのご視点から、OTC類似薬以外の部分で、特に見落とされやすい、あるいは課題があると思われるケースはありますか?例えば、地域差、年齢層、経済状況、または複数の疾患を持つ人など、様々な観点から具体的なご懸念があれば教えていただけますでしょうか?

R9年8月からの段階を多くした高額療養費の上限金額について、ギリギリ医療費が届かない場合、治療を最大1年程度遅らせて、働くのを控えて年収を下げ、上限金額になるようにする人が出てくる可能性も考えられる。それで多該当を目指す可能性は考えられる。

非常に深刻な指摘です。つまり、高額療養費の自己負担上限額が段階的に引き上げられることで、その上限に到達するための医療費が自己負担となる患者さんが、逆説的に『上限に到達するまで待つ』という行動を取るリスクがあるということですね。 さらに、その上限額そのものに到達するために、治療を先延ばしにしたり、わざと年収を下げて医療費自己負担のカテゴリーを下げるという、極めて不健全な『逆インセンティブ』が生じる可能性があるということですね。 これは、制度の本来の目的である『医療へのアクセス改善』と真逆の結果をもたらす可能性があります。 薬学や医療経済の視点からすると、このような患者さんの行動変容(治療の遅延、就業控制)による健康被害や、結果として重症化してからの治療による医療費増加といった二次的な悪影響も懸念されますか?それとも他の角度からの懸念がありますか?

治療開始遅れによる悪化への医療費増加などの影響は考えていない。どちらかというと、社会全体の経済損失が発生の懸念をしている。

非常に重要なご指摘です。個々の患者さんの医療費だけではなく、社会全体の経済的な損失という、より大きなマクロ的視点を持たれているのですね。 つまり、患者さんが治療を遅延させたり就業を控えることで、その人の生産性低下、所得減少、税収減少といった波及効果が生じ、結果として社会全体の経済活動が縮小するというご懸念ですね。 これは医療保険制度改革の本来の目的である『制度の持続可能性確保』と矛盾した結果になる可能性があります。 そこでお伺いしたいのですが、この高額療養費の段階的引き上げについて、薬学の専門家として、社会経済的な損失を最小化するためには、制度設計の段階でどのようなアプローチが考えられると思いますか?例えば、段階的引き上げの速度や幅を調整する、特定の疾患や患者層への配慮をする、といったことが考えられるでしょうか?

税金の制度と同じような所得の割合に対しての上限金額の設定が望ましいと考えられる。また1年間の上限金額に達した回数により、割合を下げていく制度となっているのがいいと思う。なぜなら、現行の高額療養費でも年4回受診者と年12回受診者では負担感覚に違いがあると感じるため。

`極めて洞察に富んだご提案です。税制における所得控除のように、患者さんの所得に応じて高額療養費の上限金額を段階的に設定する、というお考えですね。さらに、1年間に上限金額に到達した回数が多い患者さんに対して、その割合を下げていくという累進的な仕組みも提案されているということですね。 これは非常に重要な指摘です。現行制度でも、年4回受診者と年12回受診者では、同じ自己負担上限額でも『実質的な負担感覚』が全く異なる。つまり、慢性疾患で継続的に治療を受けている患者さんほど、相対的に負担が重くなるという不公平が生じているということですね。 そこでお伺いしたいのですが、このような『受診回数に応じた累進的な軽減』という仕組みを導入した場合、実装上の課題や懸念はありますか?例えば、受診回数の把握、制度の複雑性、患者さんへの説明など、薬学の現場で想定される問題点はありますか?

現場では医療機関ごとの窓口負担で高額療養費か把握をしています。つまり、他の医療機関の窓口負担は把握することができず、患者にとっては高額療養費の負担金額以上の支払いが一時的に発生してます。そのため累進的な減税も現在は窓口毎でしか出来ないと考えられます。マイナ保険証により各医療機関での今月の支払い合計額または合計点数が把握出来るようになれば解決できる可能性はあります。

非常に実用的で具体的なご指摘をありがとうございます。現在の高額療養費の仕組みの根本的な課題を明らかにされていますね。 つまり、患者さんが複数の医療機関を受診する場合、各機関の窓口では『その医療機関だけ』の自己負担しか把握できず、全医療機関を通じた合計の自己負担額は把握できない。その結果、高額療養費の対象となる可能性があるのに、一時的には高額な自己負担が発生してしまうということですね。 そして、マイナ保険証の導入により、各医療機関での支払い合計額や合計点数がリアルタイムで把握できるようになれば、この課題は技術的に解決可能だということですね。これは非常に重要な指摘です。 そこでお伺いしたいのですが、マイナ保険証による一元管理が実現した場合、あなたが先ほど提案された『受診回数に応じた累進的な軽減制度』の実装はどの程度現実的になると思いますか?また、その際に新たに生じる課題や懸念がありますか?

受診回数ではなく、「高額療養費に達した月数に応じた累進的な高額療養費軽減制度」という表現が私の考えに近いです。 そしてこの課題としては、社会保障費が増大する可能性があるということが上げられます。ここが解決しないと実装の可能性は低いと思います。

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ご指摘ありがとうございます。表現の修正をいただき、より正確に理解できました。つまり『受診回数』ではなく『高額療養費に達した月数』に応じて軽減率を段階的に引き上げる、という制度設計ですね。 慢性疾患で毎月高額療養費の上限に到達する患者さんに対して、その月数が増えるごとに負担率を段階的に下げていく。これにより、治療を遅延させるインセンティブを減らし、かつ継続的な治療を受けやすくするということですね。 そして、その実装上の最大の課題が『社会保障費の増大』という、制度設計の根本的なジレンマに直面する、というご指摘ですね。つまり、患者さんの負担を軽減すればするほど、公的負担(税金)が増大する、という構造的な問題です。 最後に、この制度を設計する人に、薬学の専門家として何か一つ伝えるとしたら、それは何ですか?あなたが今回のお話の中で述べられた課題や懸念、そして提案などを踏まえて、制度設計者に最も伝えたいメッセージがあれば、お聞かせいただけますでしょうか?

日本の医療制度は国民皆保険により作られていると思ってます。つまり、誰でも医療機関に受診が出来なくなれば、それは日本医療の崩壊とも言えます。そこの制度設計を誤らないようにしてもらえると幸いです。

ご指摘ありがとうございます。非常に重要なメッセージですね。日本の医療制度の根幹である『国民皆保険』という理念と、その維持のための経済的持続可能性のバランスを取ることの重要性を改めて認識させられます。 今回のお話を通じて、市販薬と似た処方薬への追加負担から始まり、高額療養費の段階的引き上げに伴う社会経済的な損失、そしてそれを解決するための制度設計の課題まで、非常に多角的で深い洞察をいただきました。 薬学の専門家として、医療現場での実装上の課題を具体的に指摘いただき、その解決策についても技術的・制度的な視点から提案していただきました。特に、マイナ保険証を活用した一元管理、処方箋への【選】表記、医師の判別記載への診療報酬評価、そして『高額療養費に達した月数に応じた累進的軽減制度』といった提案は、制度設計の現場で十分に検討される価値がある重要な示唆だと思います。 これまでのご協力をありがとうございました。いただいたお話の内容をまとめて、レポートを作成させていただきたいと思います。

本インタビューでは、薬学の専門家から、医療保険改正案における市販薬と同じ成分の処方薬への追加負担制度(選定療養)の実装上の課題と、高額療養費の段階的引き上げに伴う社会経済的な懸念について、具体的で深い指摘をいただきました。