💬インタビューレポート
一般市民
一般市民として関心を持ち、デジタル教科書は名称を知る程度。導入時の端末・通信環境格差や家庭負担、学校運用面の課題を中心に意見を述べた。
💬主な意見
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こんにちは。本日は「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案について、感じていることを伺えればと思います。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
一般市民として関心がある
ありがとうございます。一般市民として関心を持たれているのですね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
名前は聞いたことがある程度
ありがとうございます。「名前は聞いたことがある程度」なのですね。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
具体的なデジタル教科書の内容を知らないので断言はできない 同じ内容が記されているのであれば、少なくとも内容面では差異はないと思う デジタル媒体であるほうが、図表の拡大・縮小や動画・音声コンテンツなどプラスできるものがある 紙媒体である方がプラス効果があるとしたら、紙の方が慣れているので読みやすかったり、書き込みなどがしやすい可能性がある しかしデジタルネイティブとされる若年層であれば、デジタル媒体の方が慣れている可能性があるので、このメリットも薄いかもしれない 総じて、デジタル教科書の方がメリットが大きい可能性が高い
整理されていて、とても分かりやすいです。内容そのものは同じでも、拡大縮小や動画・音声など“表現の拡張”でデジタルのメリットが出そう、という見立てなのですね。 その上で伺いたいのですが、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
現状では、端末および通信環境の差、紙教科書が無くならないことによる二重化が問題だと思う 現在は端末を各家庭が購入することになっており家庭への負担となっている。その3分の2以上が支援されるとはいえ、家庭で使用する端末(スマホなど)は必ず購入するため、ついかで携帯通信端末を購入することのいなっている。 また若干古い情報かもしれないが、導入されている端末の価格が不自然に高くなっている。セキュリティ面や教育用接続環境費用だったと思うが、通常の企業や家庭で掛かっていない費用が計上されているのは、補助金がいわば「たかられている」状態になっている。 また学校内での通信環境整備は、各学校に一任されているため、通信速度や接続可能台数などに大きな差が生じており、まともな使用ができていないことがある。 また宿題など家庭学習でも端末を用いるが、その際は家庭での通信環境の差が影響する。そしてそれは各家庭の収入やITリテラシーに左右され、それらによって学習格差が広がる恐れがある
かなり具体的な懸念ですね。端末・通信の環境差がそのまま学習機会の差につながり得る、という点が特に重く感じられました。 いま挙げてくださった中で、「家庭の収入やITリテラシーによって学習格差が広がる恐れ」について、格差がいちばん表れやすいのはどんな場面だと思いますか?
世帯収入が少ないことにより通信環境を構築できない、あるいはITリテラシーが乏しいため家庭に十分な環境が構築されていない、あるいは構築されていても児童などが使用できない 上記のような状態にある場合、家庭学習が阻害されてしまう これにより学習機会の差が生じると思う
ありがとうございます。家庭側の通信環境や設定・運用の力(ITリテラシー)の差が、そのまま家庭学習の時間や質の差になってしまう、ということですね。 その「家庭学習が阻害される」という状況について、具体的にはどんなタイプの宿題・課題だと影響が大きいと思いますか?
通信環境に限定して言うのであれば、調べ学習が主になる。それ以外にも最近ではLLMを使用して考察をすることもあると思うが、それも困難になる。 また単にIT端末へのアクセスに親が熱心でない場合、そもそも家庭で端末に触れる機会が少なくなるかもしれない。そうなればあらゆる課題でその影響がある。
なるほどです。通信が必要な調べ学習や、(もし授業で扱うなら)生成AIの活用のような“オンライン前提”の課題で差が出やすい、ということですね。また、家庭側の関与が薄いと端末に触れる機会そのものが減って、課題全般に影響し得る点も重要だと感じました。 では、学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
この選択肢の中であれば、教員の負担および研修、授業設計の難しさ、および学校のルール作り、が主なハードルになると考える
挙げていただいた点、どれも現場では効きそうですね。特に「教員の負担・研修」「授業設計」「学校のルール作り」は、整備が追いつかないと形だけ導入になる不安があります。 その中でも「教員の負担および研修」について伺います。負担が大きくなりそうなのは、どういった作業や場面だと思いますか?
今までメインとして使ったことのないものをメインにするため、それに慣れるまで試行錯誤が生じる。 単に教科書紙面のデータをタブレットで見るだけなら、今までと変わらないが、それだと教員にも生徒にも「なぜタブレットを使うのか」という不満が生じる そのため試行錯誤をして新たな教授法を試すだろうが、それにより学習現場が混乱する また研修サイドも、一般企業などある程度同じ属性が対象の学習を指導したことはあると思うが、あらゆる属性のある児童・生徒が対象の学習は指導した経験がないと思うので、それも試行錯誤になる
おっしゃる通りで、「単に紙面をデジタルで表示するだけ」だと納得感が弱く、結局“デジタルの良さを活かす授業”にするための試行錯誤が教員側に集中しそう、という見立てですね。さらに研修する側も、多様な児童生徒を前提にした指導設計の経験が薄いと試行錯誤になる、という点も現実的だと感じました。 最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?
単に紙を代替するデジタル化ではなく、それ以上の効果を出してDXをできるような制度設計を心掛けてほしい
ありがとうございます。「紙の置き換え」ではなく、学びの質を上げるDXにつながる制度設計にしてほしい、というメッセージですね。 ここまでで一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間を割いて詳しくお話しいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容に相違がないかご確認ください。