💬インタビューレポート
道路管理職員
指定区間外の国道、県道、市道の管理を担当する自治体職員。防災計画や平時の予防段階での予算調整に関わっており、大規模災害時には避難路や救援物資輸送経路としての道路機能確保が責務。
💬主な意見
予防段階での予算分散が課題
“災害予防に関する予算が各省庁に分散しており、横断的なプロジェクトを進める際に複数の省庁採択基準をクリアする必要がある。これが現場での実務的な課題になっている。
複合災害への対応能力への懸念
“地震と大雨洪水が同時発生するような複合災害が起きた場合、352人体制の防災庁で本当に対応できるのか疑問がある。自治体のマンパワーも限界があり、BCPに沿ってやれることをやるしかない状況が続く可能性がある。
自治体のマンパワーを踏まえた設計が必須
“防災庁の制度設計は、自治体の現実的なマンパワー不足を踏まえたものであるべき。机上の空論や絵に描いた餅にならないよう、実際の自治体職員数の限界を前提とした体制構築が重要である。
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こんにちは。本日は、防災の司令塔として内閣直下に防災庁を設置し、事前防災から復旧・復興まで一貫した体制を構築する法律についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず最初に、この法案にはどういう立場で関わっていますか?
自治体職員や関係者
ありがとうございます。自治体職員として関わっておられるのですね。差し支えなければ、具体的にどの部門や業務で防災に携わっていますか?
指定区間外の国道、県道、市道の管理
なるほど、道路管理のご専門なのですね。ご存知の通り、大規模災害時には道路が避難路や救援物資の輸送経路として重要な役割を担います。道路管理の立場から防災に関わっておられるわけですね。ありがとうございます。 では次に、この防災庁設置法案と災害対策基本法の改正についてですが、現時点でどの程度ご存知ですか?
概要は知っている
ありがとうございます。概要をご存知とのことですね。簡単に補足させていただくと、この法案では、内閣の下に新しく防災庁を設置し、専任の防災大臣を置きます。防災大臣には、他の省庁に対して防災対策を求める勧告権が与えられ、府省庁の縦割りを排除した一貫した対応を目指しています。あわせて災害対策の基本ルールを定めた法律も改正し、事前防災と避難生活環境の質向上を理念に加える、というものです。 この法案について、全体としてどのように評価していますか?
どちらかといえば良い
ありがとうございます。「どちらかといえば良い」というご評価なのですね。その評価につながった理由として、特に大きなポイントは何でしょうか?できれば、道路管理のご経験の中で具体的な場面や事例があれば教えていただけますか?
内閣府と国交省で縦割りにならず、国として一貫した対応が取れるのは良いと思う。
そうですね。実際に道路管理の現場では、内閣府と国交省の調整がどのような形で課題になってきたのでしょうか?これまでの経験の中で、縦割りによって対応が遅れたり、判断が分かれたりするようなことがありましたか?
管内で大規模災害が発災したことがないので事例がない。
なるほど、ご自身の管内では大規模災害の経験がないのですね。ありがとうございます。では、実際の災害時というより、平時の防災計画や準備の段階で、内閣府と国交省の間で調整が難しいと感じられることがあれば、お聞かせください。あるいは、他の自治体の事例や報道などを通じて、縦割りの課題を感じられたことはありますか?
報道等でも指摘されますが、災害が起きる前の「予防」に関する予算は各省庁に分散しており、横断的なプロジェクトを動かそうとすると、それぞれの省庁の採択基準をクリアしなければなりません。
なるほど。予防段階での予算が各省庁に分散していて、横断的なプロジェクトを進める際に、複数の採択基準をクリアしなければならないというご指摘ですね。これは非常に実務的で具体的なご経験だと思います。
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ありがとうございます。予防段階での予算の分散と複数の採択基準の課題、よく分かりました。では、今回の法案で、あなたが特に気になっている点はどれですか?
人員・体制の妥当性
ありがとうございます。人員・体制の妥当性が気になられるのですね。具体的には、352人体制というのが十分だと思われないのでしょうか、それとも別の側面で懸念がありますか?
352人で足りるのか?
そうですね。352人体制で本当に全国の防災対応に当たれるのか、という疑問ですね。道路管理のご立場からすると、予防段階の予算調整や、災害時の対応指示など、防災庁がどのくらいの機能を果たせるかが、あなたの仕事にも関わってくるのだと思います。 この352人という人数について、どのような懸念をお持ちですか?例えば、現場(地方)への対応力が不足するのではないか、それとも、本庁での企画・調整機能が限界があるのではないか、あるいは別の側面ですか?
複数の大規模災害が同時発生した場合の対応
なるほど。複数の大規模災害が同時に発生した場合に、352人体制で対応しきれるのか、という懸念ですね。それは、例えば南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震が同時に発生するようなケースを念頭に置いていますか、それとも、別のシナリオを想定されていますか?
地震と大雨洪水とか
なるほど。地震と大雨洪水が同時に発生するような複合災害のシナリオですね。そういった場合、352人で本当に対応できるのか、という実務的な懸念だと思います。 道路管理の観点からすると、地震で道路網が寸断される中で、同時に洪水による被害が広がるようなケースを想定されているのでしょうか?そうした場合、防災庁からの指示や調整が自治体に対してどう機能すると思われますか?
指示があっても、マンパワーは限られている。BCPに沿ってやれる事をやるしかない。
そうですね。つまり、防災庁からどんな指示があっても、自治体側のマンパワーが限られていれば、各自治体は自分たちのBCP(事業継続計画)に沿ってやれることをやるしかないということですね。言い換えると、防災庁が中央で調整力を持つことよりも、自治体側の準備体制がより重要だということを実感されているのですね。 そうすると、防災庁が設置されることで、あなたのような道路管理部門の準備や対応は、具体的にはどう変わると考えられますか?現在のBCP体制に影響を及ぼすようなメリットがあると予想されますか?
予算の手当てや、リエゾンを通じた、プッシュ形支援は、よりよくなるのでは?
そうですね。予算の手当てがより充実し、リエゾン(派遣職員)を通じたプッシュ型支援が現在より改善される可能性があるということですね。つまり、自治体が支援を請求するのを待つのではなく、防災庁から主動的に必要な支援が届く体制になる、ということですか? そこまでのお話を整理すると、複数の大規模災害が同時発生する場合、防災庁の352人体制だけでは十分な直接対応は難しいという懸念はある。ただし、予算面での調整や、プッシュ型支援の仕組みが改善されれば、現在よりは自治体の対応がしやすくなる可能性がある、ということですね。他に補足したいことはありますか?
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最後に、この制度を設計する人に、何か一つ伝えるとしたらそれは何ですか?
机上の空論、絵に描いた餅にならないように、実態に応じた設計を望む。
ありがとうございます。「机上の空論、絵に描いた餅にならないように、実態に応じた設計を望む」というご指摘ですね。これは、道路管理や防災の現場での経験から、非常に重要なご指摘だと思います。 「実態に応じた設計」というのは、具体的にはどのような側面を指していますか?例えば、自治体のマンパワーの限界、予算の実際の配分方法、あるいは地域ごとの災害リスクの違いなど、どのあたりを特に念頭に置いていらっしゃいますか?
自治体のマンパワーですかね。
そうですね。自治体のマンパワーが限界にある中で、防災庁の制度設計を進める必要があるということですね。つまり、防災庁が理想的な対応体制を掲げても、実際にそれを支える自治体側の人員が足りなければ、結局は機能しないということを強調されているのだと思います。 そうすると、防災庁が設置されることで、この自治体のマンパワー不足の課題が解決に向かうと思われますか、それとも、この制度だけでは限界があると考えていますか?
ここまでのインタビューをまとめさせていただきたいと思います。以下のレポート案をご確認ください。 【インタビュー要約レポート】 **回答者の立場:** 自治体職員(道路管理部門) **法案に対する総合評価:** どちらかといえば良い **主な主張:** 防災庁設置により、内閣府と国交省の縦割りが解消され、国として一貫した防災対応が可能になることは評価できる。ただし、複数の大規模災害が同時発生した場合の対応については、352人体制で十分か疑問が残る。自治体のマンパワーは限界があり、防災庁の指示だけでは実際の対応は難しい。予算調整やプッシュ型支援の改善は期待できるが、制度設計は自治体の現実的なマンパワー状況を踏まえるべき。 このレポート案でよろしいでしょうか?修正点などあればお聞かせください。