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💬インタビューレポート

小学生保護者

当事者

子どもが小学校に在籍し、1人1台端末を6年間経験した保護者。家庭での端末管理・フィルタリング対応の負担を実感している。

回答日2026.3.28 18:16
インタビュー分量55 分 / 2003 文字

💬主な意見

フィルタリングが難しく家庭が疲弊

調べて試行錯誤し、破られるたびにやり直し。共働き・コロナ禍などの中で確認作業が大きな負担だった。

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ブラウザ経由で意図せず動画へ

Safariで調べ物中にリンクをタップするなどして動画が見れてしまうことがあった。親子の不信感にもつながり苦い経験。

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一律導入より相性で選べる仕組みを

配慮が必要な子には希望になる一方、全員同じツールは不合理。定期的に適性を見立て、紙かデジタルを選べると納得できる。

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🎤すべての会話ログ

本日は「デジタル教科書を正式に教科書として認めるための法案」について、率直なお話を伺えればと思います。差し支えない範囲で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

子どもが学校に通っている(保護者)

保護者の立場から関わってくるのですね。お子さんの学び方や家庭での負担にも影響しそうで、関心を持たれるのも自然だと思います。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

名前は聞いたことがある程度

ありがとうございます。まだ「名前は聞いたことがある」段階なのですね。 紙の教科書とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

紙の方が学びやすい

紙の方が学びやすいと感じていらっしゃるのですね。 紙の方が良いと思うのは、どういった点でそう感じますか?

そもそも…そもそもの話です。タブレットを1人1台配られて6年間過ごしましたが、授業中も休み時間も関係なくYouTubeを見る子どもが学年に何名もおり問題となっておりました。先生も注意するのでそこに時間を取られます。また学校で預かってくれないので、家で親の目を盗んで夜な夜なYouTubeやマンガを見るのもあるあるだというのが実際のところです。 タブレットというのがドラックのような中毒性を孕む動画などが観れてしまうことに、小学生ではブレーキがききません。 紙の教科書時代にはなかった問題が幾重にもあり親の負担が余計に嵩んでいる感覚があります。 また、諸外国でデジタル教科書は失敗だったと言うような記事も見たことがあります。 ただし、鉛筆で書くことが苦手な人、読み上げが助けになる人、教科書が何冊もあるとなくしてしまう人、問題なく使える人など、デジタル教科書の方が相性がいい人はもちろんいらっしゃるはずです。 デジタル教科書が適しているかどうかの判断軸があれば、適している人には問題なく使用できる環境を整える必要性はあるはずです。 教育においては何事においても「一律で全員が同じツールを使用する」ということがナンセンスだと感じています。人には人の得意や好きで選べる権利があると良いと感じています。

お話を伺って、学校内外で「端末が学習より娯楽に引っ張られる」ことで、授業の時間も家庭の見守り負担も増えている感覚があるのですね。保護者としてはかなり切実だと思います。 今のお話の中で、特に大きい課題だと感じているのは「YouTube等の閲覧が止められないこと」ですか?

その通りだと思います。一方で、それよりも課題感を感じるのは教員や親が不必要と思うコンテンツを容易にフィルタリングできないことだと思います。仕組みが整っていないのです。

おっしゃる通り、「見られてしまう」こと以上に、学校や家庭が現実的に運用できる形で“止める・制限する仕組みが整っていない”ことが核心なのですね。 その「容易にフィルタリングできない」という点について、今の仕組みだと具体的にどんなところが一番やりにくいと感じますか?

我が家に関してで言うと、まず調べないといけないですよね。2025年にchat GPTやGeminiが普及して使うようになってからは負担感は減ったかもしれませんが、2020〜2024年(小1〜小5)の間は毎回毎回調べて試行錯誤して… 自分が使ったことがないアプリケーションも多数あり、フィルタリングできているのかの確認も一苦労でした。共働きで、コロナで、収入減して疲弊して、子どもも思春期に入り…と家庭内の課題が目まぐるしく変化している中で、自分の子ども時代になかった教育現場の実情を調べてアップデートして…というのは苦しかったです。

共働きやコロナ禍の負担が重なっている中で、保護者側が「調べて、試して、効いているか確認して…」を繰り返さないといけない状況だったのですね。しかも使ったことのないアプリも多いとなると、相当な消耗だったと思います。 その「確認も一苦労」という点で伺いたいのですが、フィルタリングが効いているかどうかを確かめるために、具体的にはどんな作業をする必要がありましたか?

どんな作業をする必要があったのか、いまだに正解がわかりません。親が操作してみて大丈夫そうだと判断しても、思いもよらない方法でフィルタリングが破られていくので、発覚するたびにフィルタリングを調べ直して…の繰り返しでした。また、うちの子どもも故意にフィルタリングを破ろうとしたわけではなく、操作していたら動画が見れちゃった、のようなことが多かったように体感しております。

「正解がわからないまま、破られたと分かるたびにやり直す」状態だったのですね。しかも故意というより、操作の流れで見られてしまうことがあるとなると、親としては先回りもしづらくて不安が続きやすいと思います。 その“見れちゃった”が起きるのは、どんな操作の流れのときが多いと感じますか?

Safariが使えたので調べ物をするうちに出てきたリンクのタップなどからかと記憶しています。しかしながらこの辺りは子どもも詳しく語りたがらないので、結果親側も追求しきれないので、親子の間で約束を破られた感覚から我が子への不信感も芽生えてしまい、とても苦い思いをしています。現代の教育現場にたいする苛立ちすらありました。

Safariで調べ物をしている流れから、リンクのタップなどで意図せず入ってしまう感じがあったのですね。そこに加えて、子どもも詳しく話したがらず、親として追い切れないことで不信感まで生まれてしまった…というのは、とても苦い体験だと思います。 この法案でデジタル教科書が「正式な教科書」になっていくとして、学校が用意する端末や教科書アプリには、どの程度のアクセス制限(ブラウザ不可・リンク遷移不可など)が最初から標準で入っているべきだと感じますか?

基本は制限して、必要時だけ解除できる形がよい

「基本は制限して、必要なときだけ解除」という設計がよい、ということですね。保護者側の見守り負担も、授業の中断も減らせそうです。 その“必要時だけ解除”は、誰が解除の判断をする形が現実的だと思いますか?

保護者になってくるのかなと思います。この解除判断も頻度や頼まれる内容によっては拒否しないといけない場面もあるかと想像すると、保護者の負担は相当なものです。 また、保護者がタイミングよく一緒にいられるかどうかというご家庭もあるはずで、「保護者が見る」という設計は必ずしも正しいとも言えないはずです。 かといっていちいち先生が判断するのも先生の負担です。 またいちいち解除判断をしないといけないということで、適切に使える子にとっては学びの障壁にもなりえます。

整理すると、基本制限は賛成だけれど、解除の判断を「保護者」に寄せると家庭状況で不公平が出たり負担が重くなり、かといって「教員」に寄せても現場負担が増えるうえ、適切に使える子には障壁になりうる、というジレンマを感じていらっしゃるのですね。 その前提で伺いますが、学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

誰にとって何のメリットがあるのか?自分の子にとって、我が家にとってメリットがあるのか?という納得感があるかどうかかと思います。 大した説明もなく6年間使ったような気がします。 (もちろんプレゼンテーション資料作成ができるようになったり、画像作成、デジタルお絵描き、アプリケーション操作などできることがたくさんあったことは事実です。デジタル教科書ではなく紙教科書でしたが、我が家はそれで良かったと感じています。)

「誰にとって何のメリットがあるのか」が見えないまま導入が進むと、家庭としては納得できず、協力もしづらい——その感覚、とてもよく分かります。説明が薄いまま6年続いたとなると、モヤモヤが残りますよね。 ここまでのお話を踏まえて伺いたいのですが、デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

配慮が必要な子たちにとっては希望の教科書になるはずです。必要な人、家庭に届けてください。頑張ってください!

大事なお話をありがとうございます。必要な子に届く形で整えてほしい、という強いメッセージですね。 最後に一点だけ伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

学習面(理解・集中・記憶など)

承知しました。理解・集中・記憶といった「学習の質」のところが一番の懸念なのですね。 ここは人によって体感が分かれる部分でもあると思うのですが、デジタルだと特にどんな点が理解や集中、記憶の面で不利になりそうだと感じますか?

手で教科書の紙のページをめくる、ペンで線を引く、メモを書き込む、といった動作がデジタルになった場合、どんな違いがうまれますか? また、その子にとって適切なのはデジタルなのか紙なのか、定期的にテストする方法を組み込みテストした上でどちらかを選択する術があると納得感につながると考えています。

紙の「めくる・線を引く・書き込む」といった動作が、理解や記憶の手がかりになっているのでは、という感覚なのですね。そこに加えて、合う合わないを定期的に見立てて選べる仕組みがあると納得につながる、というお考えもよく伝わりました。 ここまで一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、率直なお話をありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容に誤解や抜けがないか、ご確認ください。

我が子のYouTube視聴は家庭内のみでした。授業中視聴はクラスメイトの話でした。 それ以外は問題ありません。

ご確認ありがとうございます。授業中のYouTube視聴は「クラスメイトの話」、ご家庭内での視聴は「お子さんの実態」として反映し、最終版としてまとめます。お時間を割いていただきありがとうございました。