インタビューレポート
個人情報の使い方にルールを追加し、悪質な違反には課徴金を科せるようにする法案法改正は良いと思うけど、公開された病歴や信条みたいな機微情報が同意なしで集められてAIで悪用され、なりすまし詐欺に使われるのが怖い。漏えい前提で悪用しにくい仕組みや、最初は最小限の情報で使える設計がほしい。
期待&懸念
一般的な関心・一般市民
2026年4月29日 16:31
インタビューの分量1054文字👫インタビューを受けた人
自分の個人データがどう使われるかを気にする一般の立場。法改正は聞いたことがある程度だが、AI学習による悪用やなりすまし詐欺、防犯カメラ・転職エージェントでの情報流通に不安を持つ。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は「個人情報の使い方にルールを追加し、悪質な違反には課徴金を科せるようにする法案」について、感じていることや評価をうかがいます。差し支えない範囲で大丈夫です。 この法案に、どういう立場で関わっていますか。
自分の個人データがどう使われるか気になる一般の立場
ありがとうございます。一般の立場で「自分のデータがどう使われるか」が気になる、ということですね。 今回の個人情報保護法の改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。
聞いたことはある
承知しました。「聞いたことはある」くらいの距離感ですね。 今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。
良いと思う
良いと思われているのですね。 今回の法改正で、あなたが特に気になっている点はどれですか。
一定の条件のもとに、ネット上に公開されている機微な情報(病歴・信条など)が本人の同意なく集められるようになること
ありがとうございます。不安になりやすい論点ですよね。 その点が気になるのは、どんな背景やきっかけがあってのことですか。
AI学習の結果、悪用される懸念があります
懸念のポイントが「AI学習の結果、悪用されるかもしれない」というところなのですね。 その「悪用」のイメージとして、どんなことが起きるのを想像していますか。
巧妙な詐欺が増えてきているので、なりすましなどで犯罪に使われるのが怖いです
たしかに、詐欺が巧妙化している中で、なりすましに使われる不安は大きいですよね。 「ネット上に公開されている機微な情報が集められる」ことで特に怖いのは、どんな情報が組み合わさって本人になりすまされるケースでしょうか。
オレオレ詐欺の巧妙化や、ビジネス会議の偽装などが考えられます。
具体例がすごくイメージしやすいです。オレオレ詐欺の巧妙化や、ビジネス会議の偽装のように「相手が本物だと思わせる」方向で悪用される懸念なのですね。 その中でも、特に現実に起こりそうだと感じるのはどちらですか。
どちらも同じくらいでしょうか。今でも電話の詐欺は後を絶たないし、犯人はどちらにしても騙せたら金銭を盗めるので
たしかに、電話もオンラインも「騙してお金を取る」という目的は共通なので、両方とも現実味がある感覚、よく分かります。 そのうえで、この法案について制度を設計する人に伝えるとしたら、どんなルールや歯止めを入れてほしいですか。
個人情報を管理する側が、盗まれないようにするのも大事ですが、必ずヒューマンエラーは起こるので、悪用できない仕組みを考えてほしいです。
おっしゃる通りで、「漏らさない努力」だけだと限界があって、ヒューマンエラーが起きても“悪用できない設計”に寄せてほしい、という要望ですね。 ここでいう「悪用できない仕組み」として、どんなタイプの対策を特にイメージされていますか。
偽札が作れないように、他人の声や肖像を使うには本人の許可(二段階認証のような)がひつようになるとか
なるほど、「声や肖像」を本人の許可なしに“使えない状態”にする、という発想ですね。いまの懸念だと、特に“声”のなりすまし対策のイメージが強いのかなと感じました。 今回の法案の枠内でいうと、顔の特徴データについては「事業者が利用目的を公表する」「本人が理由を問わず利用停止を求められる」といったルールは入る一方で、いまおっしゃったような“本人許可がないと声・肖像が使えない”という認証の義務化までは直接は書かれていません。 この点を踏まえて、顔データについて「利用停止を求められる」仕組みは、なりすまし対策としてどの程度効くと思いますか。
少なくとも、コストがかかるので試そうとする犯罪者は減るのではないかと思います。
たしかに、利用停止の権利が明確になると、事業者側の対応コストや手間が増える分、「やりにくさ」が出て抑止に働く、という見立てですね。 では、この“コストがかかることで抑止になる”という点で、特に効果が出そうだと思うのは「事業者が顔データを使っている事実や利用目的を公表しなければならない」という部分でしょうか。
現状の、顔データや音声が使われる場面があいまいで、例が挙げにくいです。事業者が使う場合、どのような例が考えられますか?
挙げやすいところだと、事業者が顔データ(顔の特徴量など)を使う場面は次のような例があります。 - スマホの顔認証(端末ロック解除、アプリログイン) - 銀行・証券・携帯の本人確認(オンラインでの本人確認で、自撮りと本人確認書類を照合する等) - オフィスやマンションの入退館管理(顔パスでゲートを開ける) - 店舗の防犯カメラの高度化(万引き常習者の検知などをうたうもの) - イベント会場や施設での入場管理(チケットと顔の紐づけ) - 小売のマーケティング分析(属性推定や来店者数の計測をうたうもの) この中で、あなたが「これは便利だと思える」よりも「これは怖い・避けたい」と感じる使われ方は、どのあたりに近いですか。
マーケティングと防犯カメラ以外は、本人に直接許可をもらえそうですね。マーケティングと防犯カメラに関しては、管理者が漏洩しないか悪用しないか、心配になります。
整理すると、本人が能動的に使う(顔認証ログイン等)ものは許可の取りようがある一方で、マーケティングや防犯は「撮られている側が気づきにくい」ので、運用者の漏えい・悪用が心配、ということですね。 この法案で導入される顔データのルールの一つに「顔データを扱う事業者は、その事実や利用目的を公表しなければならない」というものがありますが、マーケティングや防犯カメラの文脈だと、この“公表”はどの程度あれば十分だと感じますか。
よくある文面だと、「個人を特定しない範囲で使用する」とありますね。犯罪者は捕まってほしいので、防犯カメラは悩ましいところですが、外部媒体にコピーできない(警察などを除き)ようになっていたらいいのかな
たしかに「個人を特定しない範囲で」という文面だけだと、実態が見えにくいですし、防犯目的は必要性もあるので悩ましいですよね。いまのお話だと、特に「外部媒体にコピーできない(例外は警察など)」のような“持ち出しを技術的に塞ぐ”点が重要に見えました。 では、防犯カメラの顔データについて「警察などを除き、外部にコピーできない」仕組みが入った場合、あなたの不安はどの程度下がりそうですか。
次の不安は、警察がどの程度信頼できるかの問題になってしまうので、この法案の範囲では安心できるかと思います。
ありがとうございます。事業者側の持ち出しを技術的に塞げれば、次は「警察をどこまで信頼できるか」という別の論点に移るので、この法案の射程としてはひとまず安心できる、という感覚なのですね。 ここまでのお話を踏まえて、この法案が成立した場合、あなたの行動として「利用停止を求める」「そのサービスを避ける」など、何か変えようと思うことは出てきそうですか。
個人情報でいくと、転職エージェントなども気になっています。個人情報を登録せざるを得ない中、いろんな企業の担当者などの目に触れる必要もあるので、どこかで漏れてもおかしくないけれど、身の守り方もわからない
転職エージェントのように「登録しないとサービスが成立しない」場面だと、漏えいリスクを感じつつも、個人側で身の守り方が分からないという不安が出ますよね。 この法案で強化される点の一つに、名簿を他社に渡すときに「渡す先の身元や利用目的を事前に確認する義務」を厳しくする(闇名簿対策)があります。 転職エージェントに関して、あなたが特に不安に感じるのは「どんな情報」が外に出てしまうことですか。
ポートフォリオ的なものは、匿名で出しても、過去に公表したことがあれば辿ることができてしまいます。かといって、公表したことのないものではポートフォリオの質が落ちます
たしかに、ポートフォリオは中身の性質上「匿名にしても、過去の公開物などから特定されうる」一方で、完全に未公開のものだけにすると説得力が落ちる、というジレンマがありますよね。 その状況で、いちばん避けたいのは「ポートフォリオがどんな相手に見られてしまうこと」でしょうか。
絵で仕事をしていたことがあるので、無断転載で商売に使われたり、個人を特定されてSNSに上げられたり、ということが思いつきます。
お仕事の成果物が無断転載で使われたり、個人特定されてSNSで晒されるようなことが起きるのは、かなり怖いですよね。 この法案の話に引き戻すと、いま挙げてくださった不安のうち「個人を特定される」リスクに関係しやすいのは、どちらかというと“個人情報(転職情報など)とポートフォリオ情報が結び付いて外に出る”ケースかなと思いました。 そこで伺いたいのですが、転職エージェントに対して「この条件が明確なら登録してもいい」と思えるのは、どんな条件ですか。
個人を特定できない程度の情報で登録できて、担当者とある程度信頼関係を築いたうえで、担当者が紹介する企業名を教えてくれてから、その選考の間しか使わないという条件で書類を使ってくれるなら安心できるか、と感じてます
ありがとうございます。 「最初は個人を特定しにくい情報だけで登録できる」「担当者と信頼関係ができてから」「紹介先企業名を開示したうえで」「選考期間に限定して書類を使う」——利用の範囲と期間がはっきりしていると安心、ということですね。 この条件の中で、いまの転職サービス側にいちばん強く求めたいのはどれに近いですか。
個人を特定しにくい情報だけで最初は登録できること
ありがとうございます。最初の段階からフルスペックの個人情報を出さずに済むことが、安心感に直結しているのですね。 この法案の文脈でいうと、事業者側のルール強化(目的外利用の禁止、提供先確認、違反への課徴金など)に加えて、利用者が「最初は最小限の情報で始められる」設計は、実務的にも効きそうだと感じました。 ここまで伺ってきた内容をまとめてレポートにしますので、要約フェーズに移ってもよろしいでしょうか。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をもとに要約レポート案を作成しました。内容に誤りや、ニュアンスの違い(言いすぎ/弱すぎ)がないかをご確認ください。