🎯この法律のポイント
AI開発などの統計作成が目的の場合は同意なしでデータを使える
統計情報の作成やAI開発のためだけにデータを使う場合、本人の同意がなくてもデータを他の事業者に渡せるようになります。目的外の利用は禁止されます。
16歳未満のこどもの個人情報を保護する仕組みを新設
こどもの個人情報を扱うときは、保護者の同意を得ることが義務になります。こども本人や保護者は、理由を問わずデータの利用停止を求められます。
顔の特徴データの取り扱いに新しいルールを導入
顔認証のデータには、これまで法律上の明確なルールがありませんでした。
この法案で、顔データを扱う事業者はその事実や利用目的を公表しなければなりません。本人は、理由を問わず顔データの利用停止を事業者に対して求められます。
悪質な違反に対して課徴金を科せる制度を新設
個人情報を不正に取得・提供して利益を得た事業者に、その利益に相当する額の課徴金を国が命じられるようになります。なお、課徴金の対象となるのは被害者が1,000人を超える大規模な違反に限られます。
闇名簿対策として名簿の転売ルールを厳しくする
名簿を他の事業者に渡すとき、渡す先の身元や利用目的を事前に確認する義務が加わります。不正な利用を防ぐための仕組みです。
✏️この法律が必要な理由
デジタル技術の進展で保護と利活用の両方が求められている
AI開発や医療研究のために個人情報を活用する場面が増えています。同時に、不正利用や詐欺の被害も増えており、ルールの見直しが必要になりました。
こどもや顔データの保護が法律で明確になっていない
こどもの個人情報や顔認証データについて、これまで法律上の明確なルールがありませんでした。ガイドラインはあったものの、法的な義務ではなかったため、十分な保護ができていませんでした。
悪質な事業者への抑止力が不十分だった
これまでは、違反行為をやめればそれまでに得た利益をそのまま保持できる仕組みでした。課徴金を導入することで、違反によって得た利益を取り上げる仕組みを作ります。
👀意見が分かれるところ
AI開発のためのデータ活用と個人のプライバシーは両立するのか
統計やAI開発の目的なら同意なしでデータを使えるようになります。一方で、本人が知らない間にデータが使われることへの懸念があります。
課徴金の対象が限られているが十分な抑止力になるのか
課徴金の対象は、不正な取得・提供や無断での第三者提供など悪質な5つの違反に限られており、情報漏えいは対象外です。より幅広い違反に適用すべきという意見があります。
具体的なルールは今後決まるため事業者が準備しにくいのではないか
この法案では、具体的なルールの多くを後から個人情報保護委員会(個人情報の保護を担当する国の機関)が決める仕組みになっています。今の時点では詳しい内容がわからないため、事業者が対応を準備しにくい面があります。
🙋影響を受ける人
- 個人情報を扱う企業全般:こどもの情報、顔データ、委託先管理などの対応が必要になります
- AI開発・データ分析を行う事業者:統計目的なら同意なしでデータを活用できるようになります
- 医療機関:研究目的でのデータ活用がしやすくなります
- 16歳未満のこどもと保護者:保護者の同意が必要になり、利用停止を求めやすくなります
- 名簿事業者:提供先の確認義務や罰則の強化に対応が必要です
よくある質問
Q. この法律はいつから適用されますか?
A. 原則として公布の日から2年以内に施行されます。具体的な日付は今後決まります。
Q. 課徴金はどのくらいの金額になりますか?
A. 違反によって得た利益に相当する額で、国に納めなければなりません。違反で得た利益を取り上げる仕組みです。これとは別に、刑事罰として懲役や罰金が科される可能性もあります。
Q. 自分の顔データが使われているか確認できますか?
A. はい。この法案が成立すると、顔データを扱う事業者はその事実と利用目的をウェブサイトなどで公表しなければなりません。公表情報を確認することで、自分のデータが使われているか知ることができます。また、理由を問わず事業者に顔データの利用停止を求めることもできます。
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