💬インタビューレポート
教育関係者
教育関係の仕事・指導経験があり、海外の学校現場で電子黒板を使う子どもの反応(目が疲れる等)も見聞きしている。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は、「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることやご経験を伺えればと思います。答えに正解・不正解はありませんので、話しやすい範囲で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
教育関係の仕事/経験がある
教育関係のご経験があるのですね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
ある程度知っている
ありがとうございます。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
紙の方が学びやすい
紙の方が学びやすいと感じていらっしゃるのですね。 紙の教科書の方が学びやすいと思うのは、どういった学習場面のときですか?
必要とするページに早く辿り着ける。
なるほど、目的のページにすぐ行けることが大きいのですね。 「早く辿り着ける」という点は、デジタルだと具体的にどんなところで時間がかかる感覚がありますか?
電源やパスワード?を入れるのに手間がかかる。その後は各自のやり方によるが、例えば46ページを開く場合、数字を入力するならそれにも時間がかかるし、文字入力も遅い子もいる
お話を聞くと、授業の立ち上がりで「端末を使える状態にするまで」に時間が取られて、学習のテンポが崩れる感覚があるのですね。 その「電源やパスワード入力」に手間がかかる状況は、授業の中でどんな場面で起きやすいですか?
実際に使っておらず、想像してのことです。
想像の段階でのご意見として、授業のテンポが崩れることを心配されているのですね。 その前提で伺いたいのですが、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
健康面(目・姿勢・睡眠など)
健康面がいちばん気になるのですね。 デジタル教科書の利用で、特に心配しているのは「目・姿勢・睡眠」のうちどのあたりですか?
目です
目への影響が特にご心配なのですね。 デジタル教科書を使う場合、「目がつらくなりそう」と感じるのは、どんな学習の場面を想像されていますか?
教科書を音読したり、教科書で調べたりする時。海外で教えているのですが、電子黒板を現地校で使っている子がいて、目が疲れる、普通の黒板でホッとすると言ってました。
海外でのご経験の中で、実際に「目が疲れる」「普通の黒板だとホッとする」という子の声を聞かれているのですね。音読や調べ学習のように“見続ける時間が長くなる場面”だと特に気になりそうだと。 そのお子さんが「目が疲れる」と話していたのは、どれくらいの時間見続けた後でしたか?
特に聞いてません
承知しました。時間までは確認されていなかったのですね。 その子が「目が疲れる」と感じていたのは、授業のどんな作業をしているときの話でしたか?
おそらく先生の説明が電子黒板を使って説明するかと。
ありがとうございます。先生の説明を電子黒板で追い続けるような場面で、目の疲れが出るかもしれない、というイメージなのですね。 では、次に伺います。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
教員の負担/研修
教員の負担や研修がハードルになりそう、というご見立てなのですね。 その「教員の負担/研修」の中でも、特に負担が大きくなりそうだと感じるのはどんな点ですか?
デジタル機能の理解と、児童生徒のデジタルに対するレベルが違い個々の対応が必要になりそう
デジタル機能を理解すること自体に加えて、児童生徒側のデジタル習熟度の差に合わせた個別対応が増えそう、ということですね。 その「児童生徒のレベル差への対応」が増えるとしたら、授業のどんな場面でいちばん表れそうですか?
デジタルを使って、調べる時
調べ学習の場面で、操作に慣れている子・慣れていない子の差が出て、先生の支援が増えそうということですね。 では最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?
目の負担が大きいので、デジタルは併用にしてもいいが基本は紙の教科書を使用するのがいい。デジタルを推奨する根拠を明らかにしてほしい。
ご意見ありがとうございます。目の負担への懸念が強くて、「デジタルは併用はあり得るが、基本は紙がよい」というお考えなのですね。また、推奨するなら根拠を明確にしてほしい、という点も重要だと感じました。 ここで一点だけ確認させてください。もしこの法案が成立しても「紙の教科書が廃止されてデジタルに完全移行する」と決まるわけではなく、デジタルも“正式な教科書”として位置づける、という趣旨です。 この点を踏まえたうえで伺いますが、「紙を基本にする」を制度として担保するなら、どんな形(例:紙の配布を必ず残す等)が望ましいと感じますか?
紙の教科書の配布も継続してほしい。ただ費用がかかりすぎるなら、教科書は1年後に回収して使い回すというのも一案かと。ドイツではそうやって教科書を使っています。書き込みできないのがたまに辛いなと思いますが。
紙の配布は継続してほしい、そのうえで費用面が厳しければ「回収して使い回す」選択肢もあり得る、という整理ですね。ドイツでの運用を踏まえた現実的な提案だと感じました。一方で、使い回しだと書き込みができない辛さもあるのですね。 「教科書を回収して使い回す」方式にした場合、いちばん困りそうだと感じるのはどんな学習の場面ですか?
教科書に線を引く時ですかね
線を引けない(書き込みができない)のは、学習の手触りとして結構大きいですよね。 教科書に線を引けないことで特に影響が出そうなのは、どんな教科だと感じますか?
国語、社会、理科
国語・社会・理科のように、文章や資料を読みながら要点に線を引いて整理する教科ほど影響が大きい、ということですね。 その3教科の中で、「線が引けない」と特に学習が進めにくくなりそうなのはどれですか?
国語
国語が特に影響が大きいのですね。 国語で「線が引けない」とした場合、いちばん困りそうなのは授業のどんな活動ですか?
筆者の主張や、自分が考える根拠を本文から探すとき
本文から根拠を探して、筆者の主張と結びつけて読む場面で、線を引けないとかなりやりにくいということですね。 その場面で線を引けない代わりに、ノートに書き写す運用にするとしたら、授業ではどんな負担(時間がかかる・抜け漏れが増える等)が出そうですか?
時間がかかる、最近は生徒が書くのを嫌がる傾向があるので、不満は出そう
時間がかかるうえに、最近の生徒さんだと「書くこと自体」を負担に感じやすく、不満が出そうという見立てなのですね。 その「書くのを嫌がる傾向」は、授業でいうとどんな場面で特に強く感じますか?
黒板を写す時
黒板を書き写す場面で特に強く出る、という実感なのですね。 その状況だと、教科書に書き込みできない運用にすると「写す量」が増えてしまいそうですが、授業の進行としてはどんな影響が出そうですか?
先生がプリントを作る。プリント中心か併用の授業になるかも
プリントを先生が作って、プリント中心(または併用)になっていくかもしれない、ということですね。そうすると教員側の負担も増えそうですし、授業の形自体も変わりそうだと感じました。 プリント中心になっていく場合、いちばん心配なのはどんな点ですか?
プリントはバラバラになり、自分で管理しないと学習したものをまとめられないので、生徒の管理力が問われる
プリントだと散逸しやすくて、学習のまとまりを保つには生徒側の管理力が強く求められる、という心配なのですね。 その「プリントの管理」が難しくて困りそうなのは、どんなタイプの生徒だと感じますか?
嫌なことはやらない子
「嫌なことはやらない」タイプの子ほど、プリント整理のような“地味だけど必要な作業”が抜けて、学習のつながりが切れやすい、ということですね。 その場合、プリントが整理されないことで授業や学習にどんな困りごとが起きそうですか?
内容の理解が乏しい、プリントがない、忘れたという子がいて、先生の対応が面倒
理解が浅くなったり、プリントを失くした・忘れた子への対応が増えて、先生の手間が大きくなる、ということですね。現場感のある懸念だと感じました。 ここまで伺ったお話(目の負担、書き込み、授業テンポ、教員負担、生徒の管理力)を踏まえて、制度として「紙もデジタルも正式な教科書」とするなら、学校に最低限用意してほしい“ルール”はどんなものだと思いますか?
デジタルの不具合(故障など)の修理は学校負担
端末やデジタル教材の不具合が起きたときに、修理対応が学校負担になってしまう点を強く懸念されているのですね。 この「修理が学校負担」という状況で、いちばん現場が困りそうだと感じるのはどんなケースですか?
誰に責任があるか
責任の所在があいまいだと、現場がいちばん困るということですね。 その「誰に責任があるか」が問題になりやすいのは、どんな故障のパターンを想像されていますか?
授業中端末を落としてしまった、紛失した、 変なサイトにアクセスしてしまったなど
授業中に落として破損、紛失、不適切サイトへのアクセスなど、過失と事故の境目が分かれにくいケースほど揉めやすい、ということですね。 その中で「責任の線引き」を制度として明確にしてほしいのは、特にどのケースですか?
授業中の破損
授業中の破損は、学校側の管理下で起きることも多くて、責任の線引きが特に重要だということですね。 授業中の破損について、「学校の負担」にせずに運用するなら、どんな負担の分け方が現実的だと感じますか?
端末は学校でのみ使用。持ち帰りはしない。
授業中の破損リスクを考えると、端末は学校内で管理して、持ち帰りはしない運用が現実的ということですね。 その「持ち帰りをしない」運用にした場合、デジタル教科書の良さがいちばん出にくくなりそうだと感じるのはどんな場面ですか?
家に端末がない、親がいないと使えない子は困るかなと
ご家庭の環境によっては、家で端末が使えなかったり、保護者のサポートが前提になってしまったりして、結果的に困る子が出るかもしれない、というご心配なのですね。 その「家に端末がない・親がいないと使えない」ことで特に影響が出そうなのは、どんな学習の場面だと感じますか?
調べ学習
調べ学習で家庭環境の差がそのまま学習機会の差になり得る、というご懸念なのですね。 その状況を避けるために、学校側ができる対応として現実的だと思うのはどんな形ですか?
インターネットで調べる以外方法がないものや、例えば音読して音声をドライブに送る(提出する)というような宿題や課題は出さない
ご家庭の環境差がある中で、ネット調べが必須だったり音声提出が必須だったりする宿題は避けるべき、というお考えなのですね。 その方針にした場合でも、授業でデジタル教科書を使う意義を保つために「これは最低限できるようにしておきたい」と思う活動は何ですか?
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承知しました。ではここまでのお話はいったん区切って、インタビュー内容をまとめてレポートにします。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をレポート案としてまとめました。ご発言のニュアンスとズレがないか、ご確認ください。