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デジタル教科書を正式に認めるための法案
期待&懸念

期待&懸念

暮らしに影響・保護者

2026年3月27日 20:32

インタビューの分量1271文字

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本日は「学校においてデジタルを含む教科書を使えるようにする法律案」について、感じていることや経験を伺いたいです。率直なお話で大丈夫です。 この「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

子どもが学校に通っている(保護者)

保護者として関わっておられるのですね。学校での教科書の扱いが変わると、家庭での学習のしかたや準備にも影響が出そうです。 お子さんの学校では、今の時点でデジタル教科書(教科書の内容を端末で見られるもの)は使っていますか?

使っていない

ありがとうございます。現時点ではデジタル教科書は使っていないのですね。 この法案で、もし今後お子さんの学校でもデジタルを含む教科書が導入されるとしたら、最初にイメージするのは「期待」の方ですか、それとも「不安」の方ですか?

どちらもある

どちらも感じておられるのですね。 その中で、まず「期待」している点はどんなところですか?

通学時の荷物が減ります。

通学時の荷物が減るのは、日々の負担としてかなり大きいですよね。 今の紙の教科書だと、お子さんの荷物が重いと感じるのはどんな日が多いですか?

毎日ですが、特にテスト前です。

毎日重くて、特にテスト前は一段と…という感じなのですね。持っていく量も増えやすい時期ですし、負担感が強そうです。 テスト前に重くなるのは、どういう教材を追加で持っていくことが多いからですか?

普段は置いてある資料集や、主要科目以外の教科書です。

なるほど、普段は学校に置いている資料集や、主要科目以外の教科書も、テスト前は持ち帰る必要が出て荷物が増えるのですね。 デジタルを含む教科書が導入された場合、いま挙げてくださった「資料集」や「主要科目以外の教科書」も端末で見られるようになると、負担はどの程度減りそうだと感じますか?

通学が自転車なので、事故の確率をかなり減らせます。

自転車通学だと、荷物の重さやかさばり方がそのまま安全面に直結しますよね。「事故の確率がかなり減る」という見立ては切実だと感じました。 その安全面で、今いちばん心配しているのはどんな場面ですか?

一番は怪我ですが、自転車の故障や、教材の破損も心配です。

怪我がいちばん心配で、加えて自転車の故障や教材の破損も気になるのですね。自転車通学だと現実的なリスクとして想像しやすいと思います。 では反対に、デジタルを含む教科書が入ってきた場合の「不安」のほうは、どんな点が最初に浮かびますか?

一部の授業でタブレット端末を自由に使わせた際、ゲームサイトに接続して遊んでいる子どもがいました。

それは不安になりますね。授業中に学習と関係ないサイトに行けてしまうと、学びの時間が削られる心配がありますし、周りへの影響も出そうです。 そのときの「ゲームサイトへの接続」は、学校の端末の制限(フィルタリング等)が弱くて起きていた感じでしたか?

ネット検索で普通に出てくるようです。

なるほど、ネット検索から普通に辿れてしまう状態なのですね。それだと授業中に気が逸れるリスクが現実的にありますよね。 この法案でデジタル教科書が「正式な教科書」になって学校での利用が増えるとしたら、端末側でいちばん優先して強化してほしいのは何ですか?

学習に関係のない情報に、アクセス出来ないようにセキュリティを強化して欲しいです。

優先点がはっきりしていますね。授業の集中や公平性のためにも、「学習に関係ない情報へアクセスできない」状態を強めてほしい、ということだと受け取りました。 その“アクセスできないようにする”のは、授業中だけ制限がかかる形と、学校端末は常に制限がかかる形だと、どちらが現実的だと感じますか?

常にかけるべきです。

常に制限をかけるべき、というお考えなのですね。授業中だけだと抜け道が出たり、切り替え運用が大変だったりしますし、納得感があります。 「常に制限」を前提にすると、どんな種類のサイトやサービスまで遮断するのが適切だと思いますか?

まず、ゲームが遊べるようなサイトや、自由にダウンロード出来るサービスは危険だと思います。

ゲーム系サイトや自由にダウンロードできるサービスは危険、という感覚なのですね。学習に集中できる環境づくりとしてとても具体的です。 「自由にダウンロードできるサービス」が危険だと感じるのは、どんなリスクが起きやすいイメージでしょうか?

本来は、学校が許可したデータセット以外に大きなプログラムは入れてはいけないと思います。巧妙に偽装したウイルスや、不適切なデータを入れる隙は要りません。

おっしゃること、よく分かります。学校端末は学習用の“専用環境”であるべきで、野良アプリや不明なファイルが入る余地があると、マルウェア感染や不適切コンテンツ混入のリスクが一気に上がりますよね。 その前提で伺いたいのですが、端末に「学校が許可したもの以外を入れられない」制限をかけることで、学習上の支障が出そうだと感じる場面はありますか?

自由に検索して、情報をまとめて下さい、という授業があったと聞きました。その際は、アクセス出来ない場面が増えると思います。

たしかに、「自由に検索して情報をまとめる」タイプの授業だと、制限を強めるほど参照できない場面が増えそうですね。学びの幅と安全性のトレードオフが出てくるところだと思います。 その「情報をまとめてください」という授業では、子どもたちは何について調べてまとめる内容だったと聞いていますか?

職業でした。

職業について調べてまとめる授業だったのですね。テーマが広い分、検索先も多様になりやすくて、制限のかけ方が難しそうです。 その授業のような場面では、学校側が「参照してよいサイトのリスト(ホワイトリスト)」を用意して、その範囲で調べる形でも成り立つと思いますか?

成り立つと思いますが、学校単位で用意するのは先生方の負担になります。国である程度まとめて欲しいです。

成り立つ一方で、学校や先生が都度ホワイトリストを用意するのは負担で、国側である程度まとめてほしい、ということですね。運用の現実を踏まえたご意見だと思います。 国が「参照してよいサイトのリスト」をある程度まとめるとしたら、どんな作り方だと使いやすいと感じますか?

学習指導要領があるのですから、そこから子どもたちが文献やネットで調べ物をする可能性も絞れる筈です。その単元の時に使うものとして、教材扱いで配布、或いはサイトとしてまとめて公表すれば良いと思います。

学習指導要領の単元に紐づけて、使う可能性が高い情報源を教材扱いで配布したり、サイトとして公表したりする――という設計イメージなのですね。現場の負担軽減と安全確保の両立を狙った提案だと理解しました。 その「単元ごとに使うものとしてまとめる」方式だと、掲載する情報源はどのくらいの頻度で更新される想定が現実的だと思いますか?

理想的には年単位です。

年単位で更新できるのが理想、ということですね。情報の鮮度も保ちつつ、現場が振り回されすぎない落としどころとして納得感があります。 年1回の更新だとしたら、更新のタイミングは「新学期の前(年度初め)」に合わせるのがよさそうですか?

それでいいと思います。

新学期前に合わせるのが良さそう、ということですね。年間の授業設計とも合わせやすそうです。 その国のリスト(単元ごとの参照先)がもし整備されたとして、学校や先生が「追加で独自に載せていい」とする余地は、どの程度あるのが良いと思いますか?

先生方の裁量に任せても良いと思いますが、出来れば学校長などが教員の負担を把握し、無理が出ない範囲を決めるといいと思います。

教員の裁量は認めつつ、学校長などが負担を把握して、無理のない範囲を決めるのが良い、というバランス感なのですね。現場運用としてとても具体的だと思います。 その「無理が出ない範囲」を考えるとき、学校側がまず把握すべき“負担”は、どんな種類のものだと感じますか?

残業時間、持ち帰り残業、休日出勤の頻度です。数字ではなく、実働です。

残業時間だけでなく、持ち帰り残業や休日出勤も含めた「実働」で把握すべき、ということですね。見えにくい負担まで含めないと、運用が回らなくなる感覚はよく分かります。 その実働の負担を把握する方法として、学校現場ではどんなやり方が現実的だと思いますか?

まずは勤務時間数の確認と、実働のズレが無いことから確認していきます。ずれていた場合や、学校が無理な労働を強いていた場合には、そもそも前提が揃いませんので。

勤務時間数を確認して、申告・記録と実働のズレがない状態をまず作る、という順序感なのですね。前提が崩れていると新しい運用を積み上げられない、という見立てもその通りだと思います。 ここまでのお話を踏まえて伺います。デジタル教科書を正式に扱うようになったとき、学校現場の運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

端末・通信トラブル対応

端末・通信トラブル対応がハードルになりそう、ということですね。授業が止まってしまう不安もありますし、対応が特定の先生に偏ると負担が一気に増えそうです。 端末や通信のトラブルが起きたとき、いま学校では主に誰が対応していると聞いていますか?

教務主任の方です。

教務主任の方が主に対応しているのですね。そこに負担が集中しやすい状況だと、デジタル教科書が本格化したときに心配になりますね。 端末・通信トラブルの対応で、いま特に多いと聞いているのはどんな種類のトラブルですか?

自宅で通信が出来ない、または自分のワークスペースにログイン出来ない、などです。

なるほど、ご自宅で通信できない/自分のワークスペースにログインできない、といった“家庭側で起きるトラブル”が多いのですね。授業や宿題の継続にも関わりますし、学校側の支援負担も増えそうです。 この「自宅で通信ができない」ケースは、どんな事情で起きていることが多いと聞いていますか?

ルーターの設定が分からない保護者もいますし、管理している自宅のパソコンがセキュリティで悪さをしているとかもあります。

ご家庭のルーター設定が難しいケースや、自宅PCのセキュリティソフト等が影響してしまうケースがあるのですね。学校の端末の話なのに、家庭のネット環境や機器まで絡んでしまうと、教務主任の方が支える範囲が一気に広がってしまいそうで大変だと思います。 こうした「家庭の通信・設定」に起因するトラブルを減らすために、学校や自治体が最低限用意してほしい支援はどんなものですか?

貸し出しのルーターはありますが、そもそも自宅でタブレットを使いたく無いご家庭もあります。外注でも構わないので、理解を深める冊子や、情報源を家庭に提供して欲しいです。

貸し出しルーターだけでは解決しきれず、そもそも家庭で端末を使いたくない意向もある中で、外注でもよいので「理解を深める冊子」や信頼できる情報源を家庭に提供してほしい、ということですね。家庭側の納得感とトラブル予防の両方に効きそうです。 その「家庭に提供する冊子や情報源」には、どんな内容が入っているといちばん役に立つと思いますか?

まず、子どもたちが自分たちで仕組みを理解することが、将来の選択肢を広げること。そして、この情報化社会でネットを避けて通ることのリスクを保護者に理解して貰う事です。

子ども自身が仕組みを理解することが将来の選択肢を広げる点と、ネットを避け続けることのリスクを保護者側にも理解してもらう点――そこをまず押さえたい、ということですね。端末やデジタル教科書を「使わせる/使わせない」の前に、共通の土台を作る意図だと感じました。 その冊子や情報源で、保護者がいちばん誤解しやすい(あるいは不安になりやすい)ポイントはどこだと思いますか?

不正アクセスで金銭を要求されたり、不適切なサイトを見る事が出来るようになること、あとは親より偉くなったと勘違いして子どもをコントロール出来なくなると思う事です。

不正アクセスによる金銭被害への不安や、不適切サイト閲覧、さらに親子関係のコントロールが崩れる懸念まで、保護者側の心配ポイントがいくつかあるのですね。現実に起きうるリスクもあれば、イメージが先行して怖くなる部分もありそうです。 その中でも「子どもをコントロールできなくなる」という不安に対して、学校や制度側がどんな説明やルールを示せると、保護者は安心しやすいと思いますか?

時間を決めて取り組むことや、決まった範囲でのみ使えるという事、ネットは親の権威を脅かすものではないということです。

時間を区切ること、使える範囲を明確にすること、そして「ネット=親の権威を脅かすものではない」という説明があると安心につながる、ということですね。 制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?

子どもの可能性を活かしつつ、大人が安全に提供できる情報端末をお願いします。

お話を伺っていて、「活用」と「安全」の両立を、家庭も学校も無理なく続けられる形にしてほしいというお気持ちが強いのだと感じました。 では最後に、紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

場面によって使い分けが良い、という感覚なのですね。とても現実的だと思います。 その「使い分け」を考えるとき、デジタルの方が向いているのはどんな学習場面だと感じますか?

場所をあまり選ばず、端末さえあればいいという点です。

場所を選ばず、端末さえあれば学べる点がデジタルの強み、ということですね。通学や家庭学習の状況がそれぞれ違っても合わせやすい利点がありそうです。 ここまでで、法案に関する主要な論点は一通り伺えました。これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

ここまで丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。ご確認ください。

💬意見の要約

意見1

荷物軽減で通学の安全性が上がる

紙の教材が毎日重く、特にテスト前は資料集や副教科の教科書も持ち帰り負担。自転車通学なので軽量化で事故・故障・教材破損リスクが減る。

意見2

端末は常時フィルタリングしDLも抑制

授業中にゲームサイトで遊ぶ子がいた。学習外サイトへのアクセスを常に制限し、自由なダウンロードはウイルスや不適切データの混入につながるので避けたい。

意見3

国が単元別ホワイトリストと家庭向け説明を

自由検索の授業では制限が支障になり得るため、指導要領の単元に沿った参照先を国が教材として配布・公表し年1回(新学期前)更新が理想。家庭には理解促進の冊子や情報源も提供してほしい。