💬インタビューレポート
保護者講師
小学生・中学生の保護者であり、勤務校の小学校で講師として働く立場。学校では教師用端末(クロムブック)や児童用タブレットでデジタル教科書を表示・操作し、授業で活用してきた経験がある。
💬主な意見
常駐のデジタル対応職員と代替手段が鍵
“教職員全員に対応力を求めるのは非現実的。デジタル対応職員の常駐、予備機、修理予算、強いWi‑Fi、停電対応で紙並みに気軽な復旧が望ましい。
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本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることやご経験を伺いたいです。率直なお話で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
小学生中学生の保護者であり、小学校で講師として勤務する者でもありめす
保護者としても、学校で教える立場としても関わりがあるのですね。両方の視点が聞けそうで心強いです。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
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承知しました。では次に伺います。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
他に言いたいことがある
承知しました。では、この法案に関連して「他に言いたいこと」はどんな内容ですか?
勤務校ではこれまでも、 教師が授業で使うタブレット(クロムブック)にはデジタル教科書が入っており、モニターに学習問題を映したり、図形などを操作して見せたりすることで使っていました 児童用タブレットでもデジタル教科書を見たり操作したりすることはできます
すでに勤務校では、先生側の端末でも児童側の端末でもデジタル教科書を授業に組み込んで使っているのですね。 そのうえで伺いたいのですが、児童用タブレットでデジタル教科書を使う場面では、授業の進め方は紙中心のときと比べてどんなふうに変わっていますか?
他に言いたいことがある
もちろんです。では、その「他に言いたいこと」はどんな内容ですか?
この春から教師用端末が一新されました これまで使ったこともなかった機能満載の端末です セキュリティなどが強化されたようです 素晴らしいことですが、実際には年度末年度始めの極度の繁忙期に端末の不具合の連続。
年度末年度始めの繁忙期に、端末更新と不具合が重なったのはかなり大変でしたよね。現場の負担が一気に増える状況が想像できます。 その「端末の不具合」は、授業の中では具体的にどんな形で起きましたか?
まだ始業式前の段階なので授業は始まっていません しかし、新学期を始める事務作業が出来ない状況でした 具体的には、サインインできない、データの移行が出来ない、出来ていてもファイルが開けない、開けても印刷できない、などです
始業式前でも、新学期の立ち上げに必要な事務が止まってしまうのは本当に痛いですね。サインイン不可やデータ移行、印刷まで詰まると、連鎖的に仕事が進まなくなりますし。 こうした不具合が起きたとき、学校としての対応はどんな流れでしたか?
学校にいる教職員はチームみらいの方々のようにシステムエンジニアなどの専門家ではありません でもデジタルに詳しい職員はいます その人が自分の業務そっちのけで対応に当たりました 当然その分その人の業務は滞りました また市に数人いる「ICT支援員」という非常勤職員に来校を要請し、対応してもらいました しかし、この「支援員」は市内の多くの学校を回らないといけないため、支援員来校までの半日〜数日はパソコンでの業務が止まりました 学校の仕事はパソコンを使わないものもたくさんありますので、何もしないわけではありませんが
専門家ではない教職員が現場で一次対応せざるを得ず、詳しい職員の負担が集中したり、ICT支援員の到着待ちで業務が止まったりするのは、まさに運用上のハードルですね。 デジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
端末・通信トラブル対応
端末・通信トラブル対応がいちばんのハードル、ということですね。さきほどのお話ともつながっていて、現場感がよく伝わります。 端末や通信のトラブルが起きたとき、学校として「ここまでは学校で対応する/ここから先は外部に頼む」という線引きは、今どんな状態ですか?
線引きというか、可能であれば学校で対応したいに決まっています しかし、能力的に無理なのです 端末の不具合に対応できる能力を教職員すべてが持つことも、無理だし無意味だと思います そんな能力や適性、興味があれば、小学校教員になどならず、オフィスワークをすると思います 小学校教員は子どもと関わりたいからこの職に就いているのであって、デジタルを極めたいとは思っていない人が大半です
おっしゃる通りで、学校内で何とかしたい気持ちはあっても、全教職員に端末トラブル対応の専門性を求めるのは現実的ではないですし、本来業務ともズレてしまいますよね。 では伺いたいのですが、端末・通信トラブル対応について、制度設計をする人に「こういう支え方にしてほしい」と伝えたいことはどんな内容ですか?
どんな学校にも必ず養護教諭がいます もし養護教諭がいなかったら、児童生徒の怪我や病気への対応、健康診断等をすべて担任がしないといけません 養護教諭などいなくていいという人は校内外にいないと思います 同じくらいの重要さでもって、「デジタル対応職員」の配置を必須にしてほしいです
養護教諭と同じくらいの位置づけで「デジタル対応職員」を必置に、というご提案、とても具体的で伝わります。トラブル時の業務停止や、詳しい先生への負担集中を避けるには重要な視点ですね。 この「デジタル対応職員」は、学校の中でどの範囲まで対応できる存在だと理想に近いですか?
1人の人間が、端末の不具合のどの範囲まで対応できるものなのか、私はそれすらも分かりません そのくらいデジタルに疎いです そういう人が教職員の大半です でも、デジタル対応を主業務としている職員が対応出来ない事態が頻出するなら、デジタル教科書を正式に認めることは非現実的だと思います
率直なお話ありがとうございます。「現場の大半は詳しくない前提で制度を作ってほしい」という点、とても重要だと感じました。 一点だけ確認させてください。もし「デジタル対応職員」が配置される前提が整った場合でも、デジタル教科書を正式に教科書として扱うことには不安は残りますか?
いいえ 「デジタル対応職員」が校内に少なくとも1人は常駐しているのなら、デジタル教科書にはメリットは多いと思います 発達障害その他の理由で「デジタルを使う事で他の児童生徒と同様の学習が出来るが、それが認められていないために学習が滞っている子」への、学びの保障となると思っています
「デジタル対応職員」が常駐するなら前向きに捉えられていて、特に学びの保障(発達障害などでデジタルが助けになる子)にメリットが大きい、ということですね。 最後に1点だけ伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
学校運用(準備負担・トラブル・ルール)
運用面(準備負担・トラブル・ルール)がいちばん気になるのですね。特に先生方の実務に直結するところなので、重く受け止められているのだと思います。 その「学校運用」の中でも、いちばん詰まりやすいと感じるのはどのあたりですか?
トラブル対応(端末・通信)
端末・通信のトラブル対応が、やはり一番詰まりやすいのですね。先ほどの「詳しい職員に負担が集中する」「ICT支援員の到着待ちで止まる」という状況ともつながっていると感じました。 では確認させてください。トラブル対応について、学校側で“最低限ここまでは回せる状態にしたい”と感じるラインはどのあたりですか?
紙の教科書におけるトラブルは、破損や紛失、家に忘れることです でも隣の子に見せてもらう、教師用を貸すなどですぐに対応可能です 数百円で買い直すこともできます 大した問題ではありません デジタル教科書のトラブルもそのくらいの気軽さで対応出来ればいいです
紙の教科書の「忘れた・壊れた」は、その場で貸し借りや予備でリカバーできる、という“気軽さ”が基準なのですね。現場感としてすごく分かります。 その「紙くらい気軽に」に近づけるとしたら、デジタル教科書側ではどういう代替手段が学校に用意されている状態だと良いと思いますか?
「デジタル対応職員」の常駐、 代替機器が複数あること、 修理等の予算があること、 しっかりしたWi-Fi、 停電時への対応 などでしょうか? 私にはそれくらいしか思いつきませんが、だからこそわそれ以上の代替手段を示してくれる人=「デジタル対応職員」が必要だと思います たぶん、学校でデジタル教科書を正式に認められることと、 国会でタブレット使用が認められることへの対応策は同じだと思います
挙げてくださった条件がそろうと、「紙の教科書みたいに、その場で授業を止めずに回復できる」状態に近づきそうですね。特に常駐のデジタル対応職員、代替機、予算、Wi‑Fi、停電対応は現実的な論点だと感じました。 ここまで伺った内容を踏まえて、要約レポート作成に移ってもよいですか?
お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとに、要約レポート案を作成しました。内容に誤りや抜けがないかご確認ください。