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💬インタビューレポート

教育関係者

事業者

教育関係の仕事/経験があり、学校現場での授業設計や学習者の理解への影響という観点からデジタル教科書の利点と懸念を整理している。

回答日2026.3.27 16:05
インタビュー分量31 分 / 1021 文字

💬主な意見

図表・動画で理解を助ける場面がある

図表の拡大・着色、囲みや強調、変化を動的に示すなどが説明に役立つ学習場面ではデジタルが向く。

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学力や関心によって理解が逆効果にも

学習者の自発操作でも教材側の提示でも、学力や興味の偏り次第で注意がズレたり理解速度と乖離して理解を妨げ得る。

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教師の設計・指導と検定の土台が重要

教師が「こう使うと役立つ」を具体的に示すことが必要。執筆・編集の裁量は広げつつ、紙の検定で培った最低限の内容・表示や初期表示の紙寄せを守る。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は「学校においてデジタルを含む教科書を使えるようにする法律案」について、感じていることや影響を伺うインタビューです。 この「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のご経験があるのですね。現場の視点で伺えるのはとても貴重です。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

名前は聞いたことがある程度

承知しました。「名前は聞いたことがある程度」だと、これから制度が変わる話は気になりつつも、実態はまだ掴みにくいですよね。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

使い分けが良い、という感覚なのですね。 その「使い分け」をするとしたら、どんな学習場面ではデジタルが向いていると思いますか?

図表や動画、アニメーションが説明に役立つ学習場面。

図表や動画・アニメーションで理解を助けられる場面、というのはデジタルならではの強みですよね。 そうした場面でデジタル教科書を使うとき、学習者にとって特に助けになるのはどんな点だと思いますか?

図表を拡大表示したり着色したり、アニメーションの機能を使って線で囲んだり、一部の文字や図形を強調したり、変化の様子を動的に示したりできる点。

拡大・着色・囲み・強調・動的な表示で「どこを見ればいいか」「どう変化するか」を示せるのは、理解の支えになりやすいですよね。 そうした機能を使うときに、逆に学習者側でつまずきやすくなりそうだと感じるのは、どんな点ですか?

学習者が自発的に拡大・着色・アニメーションを進めたりした場合には、その操作が学習に役立たない操作とあとでわかった場合に、誤って拡大した部分や着色した部分にばかり注意が向いてしまう。教科書側の工夫で拡大・着色・アニメーション展開した場合には、一般には学習に役立つ動きではあるが、学習者の理解のスピードと乖離が生じた際には、かえって理解を妨げることになる。

なるほど、操作や提示が“学びを助ける”はずが、注意の向き先を誤らせたり、理解のテンポとズレたりすると逆効果になり得る、ということですね。 いま挙げてくださった中で、特に問題になりやすいのは「学習者が自発的に操作すること」と「教科書側が提示をリードすること」のどちらだと感じますか?

学習者の学力や興味関心の偏りによって、どちらも同じくらい逆効果になり得る。

確かに、学力差や興味関心の偏りがあると、学習者主導でも教科書主導でも同じくらい起こり得る、という見立てなのですね。 では次に伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

学習面(理解・集中・記憶など)

学習面がいちばん気になるのですね。理解を助ける可能性がある一方で、集中や記憶の定着は不安が残る、という感覚も起きやすいところだと思います。 その「学習面」の中でも、特に気になっているのは「理解・集中・記憶」のうちどれに近いですか?

理解

理解への影響が特に気になるのですね。 その「理解」が難しくなりそうだと感じるのは、どんな学習内容や単元のときですか?

学習者の能力が平均以下の場合やその科目のその分野に興味が薄い場合に、特に「理解」が難しくなるだろうと感じる。

能力が平均以下の学習者や、関心が薄い分野だと、デジタルの使い方次第で理解が置いていかれやすい、という懸念なのですね。 そのような学習者に対して、デジタルを含む教科書を「正式な教科書」として使う前提で考えたとき、理解面の悪影響を減らすのに必要だと思う条件は何ですか?

教師が授業中や家庭学習の指導において、「ここをこうやって使うとデジタル教科書は勉強に役立つ」と学習上の工夫を具体的に示す。

具体的な使い方を教師が示すことが条件、というのはとても現実的ですね。逆に言うと、教科書が正式化して普及が進むほど、教員側の設計・指導の負担も論点になりそうです。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

授業設計の難しさ

授業設計の難しさがハードル、ということですね。紙の授業設計に「操作」や「提示のタイミング」が加わる感じで、負担の質も変わりそうです。 その授業設計の中でも、特に難しくなりそうだと感じるのはどの部分ですか?

各単元の導入時に、基礎的な知識を学んだり興味を抱いたりさせる際と、最後に練習問題を解いたり学習内容を生徒なりにまとめて定着する際に教師の指導力の差や教師の発想力の差が現れる。

導入で興味や基礎を作るところと、最後に練習・まとめで定着させるところで、デジタルの使い方次第で教師の力量差が出やすい、という感覚なのですね。 その「導入」の場面について伺います。デジタルを含む教科書が正式化された場合でも、最低限ここまでは“全員に担保したい”と感じる導入時の設計(例:提示の順番、機能の使わせ方、到達目標など)はどんなものですか?

教科書をデジタル化した強みである、その教科書と使っているデバイスで利用可能な「さまざまな表示の仕方、理解を助ける見やすい表示の変化」について、教師全員が知っておくこと。それらを知らないままで見にくい、学びにくい表示のまま授業をする教師と、網羅的に知っていて指導を工夫できる教師との間で、教科指導の成果に大きな差が生まれるから。

お話を伺っていると、「デジタル化の強み(表示の工夫)を教師が把握しているかどうか」が、学習成果の差につながり得る、という問題意識がはっきりありますね。 制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?

教科書の執筆者と編集者にできるだけ大きな裁量権を与え、「デジタル化の強み」において競争ができるようにする。

ありがとうございます。執筆者・編集者の裁量を広げて、デジタルの強み(表示・動き・補助機能など)で競争できる環境を作る、というご提案ですね。 その「裁量を大きくする」ときに、制度として最低限ここは守ってほしい(逆に言うと裁量を広げてもブレないでほしい)と感じる基準は何ですか?

「紙の教科書」の検定で長年培ってきた「最低限載っているべき内容と最低限そうであるべき表示の仕方」。

ありがとうございます。裁量を広げて競争を促しつつも、「紙の教科書の検定で培ってきた最低限の内容・表示の基準」は土台として守るべき、という整理ですね。 ここまでのお話を踏まえて伺います。その「最低限そうであるべき表示の仕方」を、デジタルで検定・確認するとしたら、どんな観点を重視するのがよいと思いますか?

教科書を見たとき誰もが出発点として目にする「初期表示」は紙の教科書になるべく近づける。

なるほど、「初期表示」は紙に近づけて、まず全員が同じ出発点に立てるようにする、という考え方ですね。デジタルの自由度が高いほど、その土台が揃っている意義は大きそうです。 この「初期表示を紙に近づける」方針にした場合、学習者にとって具体的にどんなメリットが出ると思いますか?

学習者は当該教科内容に生まれて初めて接するので、学習者にとってはあまりメリットはない。むしろ教師や教育に関わる大人にとって「初期表示」が紙の時代の教科書に近いことで、これまで培ってきた「紙の教科書での教育」と、新しい「デジタル教科書での教育」の移行をなめらかに行えるようになる。

ありがとうございます。学習者のメリットというより、教師側がこれまでの指導経験を活かしながらスムーズに移行できる、という狙いなのですね。 ここまでで一通り重要な論点は伺えたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。ご趣旨とズレがないかご確認ください。