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💬インタビューレポート

ロケット開発

事業者

宇宙活動法の対象となる事業に従事し、ロケット開発の業務を担当。法改正について条文・運用まで把握した上で、開発現場と申請実務の観点から評価と懸念を述べた。

回答日2026.4.23 16:25
インタビュー分量19 分 / 934 文字

💬主な意見

衛星なし/ダミーペイロードも政府補償に

衛星を搭載しない(ダミーペイロードの)打上げが政府補償対象に広がった点は評価できる。

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衛星搭載の判断が経営戦略で柔軟に

開発段階でも衛星を載せるための営業が必要だったが、改正で経営状況や中長期戦略に基づき載せる/載せないを決めやすくなる。

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ガイドラインは詳細だが想定外機体に弱い

国内ガイドラインは技術詳細が多い一方、想定していない形式のロケットの扱いが曖昧。審査側の技術理解・判断力がボトルネックになり得る。

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🎤すべての会話ログ

本日は、「ロケットの打上げルールを見直して、日本の宇宙産業を強化するための法案(人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律案)」について、率直なお考えを伺えればと思います。まず最初に、この法案にどういう立場で関わっていますか。

打ち上げ・衛星運営など、宇宙活動法の対象となる事業に携わっている

ありがとうございます。差し支えなければ、具体的にどんな業務・活動でこの法案と関わっていますか?

ロケットの開発

ロケット開発に携わっていらっしゃるのですね。今回の法改正(衛星の打上げ・管理に関する制度)について、現時点でどの程度ご存知ですか。(1つ選択)

内容まで把握している(条文・運用も含めて)

条文・運用まで把握されている前提で伺います。 今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。

一部評価している

「一部評価している」とのこと、ありがとうございます。評価している点は、どのあたりですか?

衛星を搭載しない、ダミーペイロードを搭載したロケットの打ち上げについて、政府補償対象とされたこと。

政府補償の対象が「衛星なし/ダミーペイロード」の打上げにも広がる点を評価されているのですね。 その補償があることで、現場としては打上げ計画や意思決定(例:試験の段階の進め方、リスクの取り方、保険の組み方など)が具体的にどう変わりそうですか?

ロケットの開発に関する経営戦略において、ペイロードを搭載するかどうかの判断をより柔軟に下せる可能性がある。

判断の柔軟性が上がりそう、というのは大きいですね。 その「柔軟に下せる判断」というのは、実務の場面ではどういう選択肢が増えるイメージですか?

これまで、衛星を搭載しなければロケットの打ち上げを実施することは難しく、たとえ開発段階であっても何らかの衛星を搭載するための営業活動などが必要だった。改正により、衛星を搭載するかどうか、会社の経営状況や中長期戦略に基づいて決定できるようになる。

なるほど、開発段階でも「衛星を載せるための営業活動」が事実上必要になっていた、という負担があったのですね。改正で技術実証の打上げと事業(顧客)獲得のタイミングを切り分けやすくなる、というお話だと理解しました。 一方で、この改正によって新たに増えそうだと感じる負担(許可申請や安全審査、書類対応など)はありますか?

改正それ自体に対して、新たな負担が増えるかどうかは不明。打上げ許可取得のために必要な申請/審査内容は多岐にわたるが、それらに関しては改善も改悪もされていないと認識。

承知しました。改正そのものより、運用や申請実務がどうなるか次第、という感覚に近いのですね。 では、今の法規制の課題・法改正で気になっていることはなんですか?(1つ選択)

許可や認定を取得するための手続き

ありがとうございます。 「許可や認定を取得するための手続き」が気になっているとのことですが、その点が気になるのはどのような背景やきっかけからですか?

米国の14CFR Part 450や関連するFAAのACと我が国の宇宙活動法およびガイドラインを比較したとき、我が国のガイドラインは、安全であることを示すために必要な解析や管制の内容について技術的に詳細な部分まで記述されている一方で、ガイドライン制定時に想定されていない形式のロケットなどの扱いが曖昧。米国の規定は以前のバージョン(Part 417)では比較的技術的な詳細まで書かれていたものの、改定後(Part 450)ではより包括的な書かれ方になり、ロケットの設計(固体か液体か、推進剤は何であるか、どのような射場かなど)によらず、一般的に守るべき内容が記述されている。ACについてもそれに近い書き方である。

比較の視点、とても具体的で参考になります。日本のガイドラインは技術詳細が手厚い一方、想定外の機体形式が出てきたときに解釈がぶれやすい、というご懸念なのですね。 その「想定されていない形式のロケット」の扱いが曖昧だと感じた場面では、申請側として何が一番困りやすいですか?

審査の際に、担当者が技術的な内容まで十分理解し判断したうえで審査に臨んでいただけるかどうか。旅客機(MRJ)の型式認定においては、国交省側の審査能力に関して疑問を呈する論説があった。すなわち、国交省の耐空性審査要領はほぼFAAの和訳であり、個別の機体が安全基準を満たすかどうかの判断に際して、「条文に書かれている/いない」にとどまらず条文の意図を理解したうえで技術的に判断する必要があったが、それができる人材が政府にいなかったのではないかという指摘がされていた。

審査を担う側の技術理解・判断能力がボトルネックになり得る、という問題意識なのですね。MRJの型式認定の議論を踏まえると、条文やガイドラインの文言だけでなく「意図」を読み解いて技術的に裁ける体制が重要、ということだと受け止めました。 この法案について、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

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承知しました。ここまでで事前の質問は一通り伺えていますので、これまでのお話をまとめてレポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容に違いがないか、ご確認ください。