インタビューレポート
人口が減る地域でも福祉サービスを届け続けるための法案ケアマネジャーと介護職の兼務負担が深刻で、資格更新廃止だけでは処遇改善にならない。事業所による費用負担、柔軟な研修方法、人員配置基準の厳格化、書類作成へのAI導入が必要。有料老人ホームの囲い込みは複合型事業所で起きやすく、登録制より利用者への定期的な聞き取りと情報公開が実効的だと考える。
期待&懸念
業務に関係・ケアマネ・介護福祉士
2026年4月29日 18:28
インタビューの分量893文字👫インタビューを受けた人
元ケアマネジャーで小規模多機能型居宅介護事業所に勤務していた経験を持ち、現在は有料老人ホームで介護福祉士として勤務している。両立場から現場の実課題を理解している。
💬主な意見
兼務負担が処遇改善の根本課題
ケアマネジャー資格だけでは生計を立てられず、介護職との兼務で初めて平均的所得に達する構造がある。資格更新廃止だけでなく、人員配置基準の厳格化と報酬上乗せにより、労力に応じた報酬体系の構築が必須である。
元の回答を見る研修と業務の両立には仕組み改革が必要
現行の研修体制は業務に支障が出るほどのボリュームがある。動画視聴や自宅での参加など柔軟な受講方法への改正、さらに国によるAIロールモデル作成で書類作成の負担軽減が必要である。
元の回答を見る囲い込み対策は登録制より利用者の声の仕組み化
囲い込みは複合型事業所で起こりやすい。登録制だけでは質は担保されない。入居者への定期的聞き取りと行政へのフィードバック、さらにAIを活用した効率的な評価システム構築が実効的である。
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こんにちは。本日は、人口が減る地域でも福祉サービスを届け続けるための法案についてお聞かせいただきたいと思います。 この法案にはいくつかの見直しが含まれていますが、その中で特に関心があるテーマはどれですか?
ケアマネ更新廃止
ありがとうございます。ケアマネジャーの資格更新制の廃止についてご関心があるのですね。 この見直しについてお聞きする前に、あなたのご立場をお聞かせいただきたいのですが、次のうちで最も近いものはどれですか?
仕事で関わりがある(事業者・行政・現場職員など)
ありがとうございます。仕事でお関わりなのですね。差し支えない範囲で、どのようなお立場でケアマネジャーの業務に関わっていらっしゃるのか教えていただけますか?例えば、ケアマネジャーとして働いていらっしゃるのか、事業者側として、あるいは行政側として関わっていらっしゃるのか、そのあたりをお聞かせください。
以前にケアマネジャーとして小規模多機能型居宅介護事業所に勤務していた。
現場でのご経験があるのですね。小規模多機能型居宅介護事業所でケアマネジャーとして働かれていたのですね。そうした経験があると、この資格更新制の廃止という見直しについて、実感を持ってお考えになられているのだと思います。 ケアマネジャーの資格更新制が廃止されるという見直しについて、どんな点が気になりますか?例えば、質の維持に関することでしょうか、それとも現場の負担に関することでしょうか、あるいは別の点でしょうか?
費用負担
費用負担が気になるということですね。かつてケアマネジャーとして勤務されていた経験から、更新にかかる費用のことが気になられるのだと思います。 現在の更新制度では、5年ごとに更新講習を受けるのに時間と費用がかかっていますが、実際に働かれていた時期には、その費用負担がどのくらいの大変さだったのでしょうか?
確かテキスト代金を含めて6万前後の
6万円前後というのは、かなりの負担ですね。その費用は自分で負担されていたのですか、それとも事業所が支援していただけるような環境だったのでしょうか?
自己負担でした。
そうなのですね。自己負担で6万円前後を毎5年ごとに支払うというのは、特にケアマネジャーのお給料水準を考えるとかなりの負担ですね。 今回の法改正では、その5年ごとの更新制度がなくなり、代わりに定期的な研修の受講がルール化されるという内容なのですが、こうした見直しが実現されると、その費用負担の面ではどのような変化が起こると予想されますか?研修の受講にも費用がかかるとは思いますが、現在の更新制度と比べてどうなるかについて、どのようにお考えですか?
ケアマネジャーを配置しなければならない事業者においては、更新に関する費用を事業所負担にすべき。現行の研修体制では業務に支障が出るほどのボリュームがあるので、動画視聴であったり、自宅で参加できるような改正が必要である。そもそもケアマネジャーが国家資格ではないことが個人的に一番不可解である。
複数のご指摘をいただきました。整理させていただくと、①事業者配置義務のある場合は事業所が費用負担すべき、②現行の研修ボリュームは業務に支障を来すので動画視聴など柔軟な受講方法が必要、③ケアマネジャーが国家資格でないことが根本的な課題、という3点ですね。 これらはすべて重要なご指摘だと思いますが、特に「ケアマネジャーが国家資格ではない」という点が一番の問題だとお考えなのですね。これはどのような背景からそう感じられるのでしょうか?国家資格になることで、どのようなメリットがあるとお考えですか?
引っ越した時にわざわざ届けなくて済む。
なるほど、引っ越した際の手続きの煩雑さが問題なのですね。つまり、国家資格であれば全国で通用する資格として扱われるので、都道府県ごとに登録し直す手続きが不要になるということですね。
はい。
ありがとうございます。そうした手続きの負担も含めて、ケアマネジャー資格の在り方そのものに課題があるとお感じなのですね。 さて、こうした見直し(更新制廃止と研修制度への転換)が実際に実施されるとなった場合、あなたが現場にいらした経験から考えると、この見直しがケアマネジャーの人材確保や定着にどのような影響をもたらすと思いますか?プラスの面とマイナスの面、両方があると思いますが、どのようにお考えでしょうか?
結局、居宅介護支援事業所以外の場所では介護職としても勤務を命ぜられて、多くのケアマネジャーが介護職との両立を求められる。これは大変な負担である。
そうですね。小規模多機能型居宅介護のような事業所では、ケアマネジャーが介護職との兼務を求められることが多いということですね。つまり、資格更新制度の廃止によって費用負担は減るかもしれませんが、実際には介護職とケアマネジャーの両方の業務を同時にこなさなければならないという根本的な労働条件の課題がある、ということですね。 そうした状況の中では、費用負担が減ったとしても、人材確保や定着には大きな改善につながらないのではないかと思われるのですね。では、そうした兼務の負担を軽減するために、この法改正の中で、あるいは法改正とは別に、どのような対策が必要だとお考えですか?
人員配置基準の厳格化を行うべき。配置基準に満たない場合は定員の上限を下げる、若しくは介護報酬を上乗せするなど労力に応じた報酬体系にすべき。
なるほど。人員配置基準をより厳格にして、満たせない場合は定員を制限するか、あるいは介護報酬を上乗せするという、労働負荷に見合った報酬体系にすべきというご指摘ですね。これは非常に実践的なご提案だと思います。
両立して初めて平均的な所得になるという現実があります。
そうですね。ケアマネジャーと介護職の両方をこなして初めて、ようやく一般的な所得水準に到達するという現実があるのですね。つまり、ケアマネジャー資格をせっかく取得しても、その資格を活かすだけでは生計を立てられない構造になっているということですね。 そうした状況の中で、今回の資格更新制度廃止という見直しは、費用負担の軽減という点では意味があるかもしれませんが、根本的な課題である「ケアマネジャーの処遇改善」という観点からは十分ではないと感じられるのですね。 それでは、この法改正の中で、あるいは現在の介護保険制度全体の中で、ケアマネジャーの処遇を抜本的に改善するために、最も重要だと考えられることは何でしょうか?
手続きの簡略化
手続きの簡略化、ですね。具体的には、どのような手続きの簡略化を想定されていますか?例えば、先ほどおっしゃった引っ越し時の登録手続きのようなことでしょうか、それとも日々のケアマネジメント業務に関する書類作成などの手続きでしょうか?
日々の書類作成手続きにAI導入しても良いとするか、国が率先してAIロールモデルを作成して現場の負担軽減に寄与すべき。
なるほど。日々のケアマネジメント業務における書類作成の負担をAIで軽減することが、処遇改善と同様に重要だというお考えですね。国がAIのロールモデルを作成して、現場がそれを活用できる環境を整備すべきということですね。 これは実務的で有効な提案だと思います。そうすることで、ケアマネジャーが本来の利用者対応やケアプランの質的な部分に時間を使えるようになるということですね。 ここまでのお話の中で、ケアマネジャーの資格更新制度廃止という見直しについて、費用負担の軽減よりも、①事業所が費用を負担すべき、②研修は柔軟な受講方法が必要、③介護職との兼務負担の軽減、④人員配置基準の厳格化と報酬上乗せ、⑤書類作成業務へのAI導入、といった点が重要だというお考えが整理されてきたように思います。 実は、別のテーマについても、差し支えなければお聞かせいただきたいのですが、この法改正の中で関心のあるテーマは、ケアマネジャーの更新廃止以外にもありますか?
有料老人ホーム登録制
ありがとうございます。有料老人ホームの登録制度についてもご関心があるのですね。これは今回の法改正の中で、「囲い込み」と呼ばれる問題を防ぐために導入されるものです。 あなたがケアマネジャーとして現場で働かれていた経験の中で、有料老人ホームに関して、何か気になることや懸念されることはありますか?
まさに現在、有料老人ホームで介護福祉士として勤務しています。夜勤手当がもう少し高くても良いと思います。
現在、有料老人ホームで介護福祉士として勤務されているのですね。夜勤手当についてのご指摘ですね。\n\nさて、有料老人ホームの登録制度という今回の見直しについて、現在のご立場から見ると、どのような点が気になりますか?例えば、登録制度によって施設の運営にどのような影響が出るのか、あるいは入居者の負担がどう変わるのか、そのあたりについてどのようにお考えですか?
具体的に現行制度を把握できておりません。
そうですね。法改正の内容をお聞かせする前に、現行制度を簡潔に説明させていただきます。 現在、有料老人ホームは「届出制」という制度になっています。つまり、施設を開設する際に都道府県に届け出をすればよいという、比較的簡単な手続きで事業を始められる仕組みです。 今回の法改正では、介護が必要な人向けの有料老人ホームについて「登録制」に変えようとしています。これは届出制より厳しい基準で、登録を受けないと運営できないということになります。背景にあるのは「囲い込み」という問題です。一部の有料老人ホームが、入居者に必要以上の介護サービスを使わせて、介護保険からの支払いを増やそうとする行為があるため、質を確保する必要があるということです。 この登録制度が導入されると、あなたが現在勤務されている有料老人ホームの運営や、入居者の負担にも影響が出る可能性があります。 こうした背景を踏まえて、現在勤務されている有料老人ホームの観点から、登録制度についてどのようなことが気になりますか?
必要以上のサービスの具体例を教えてください。
良い質問ですね。具体例をお示しします。 例えば、ある入居者が実際には週1回の訪問介護で十分に対応できる状況にもかかわらず、有料老人ホーム側が週3回の訪問介護を勧めて契約させるといったケースです。または、本来は訪問入浴で十分な方に対して、特別な機械浴や追加のマッサージサービスなど、必ずしも必要でないサービスを次々と提案して利用させるといった行為です。 入居者やご家族は「施設が勧めているなら必要なのだろう」と信じて契約してしまいます。すると介護保険から支払われるお金が増え、施設や関連する事業者の収入が増える仕組みになっています。これが「囲い込み」と呼ばれる問題です。 あなたが現在勤務されている有料老人ホームでは、こうした状況は見られますか?あるいは、そうした懸念についてどのようにお考えですか?
問題となっているケースは有料老人ホーム単体の問題ではなく、訪問介護事業所やデイサービスを併設している複合型の事業所で起こるのではないでしょうか?登録制にするだけで質が担保されるとは思えません。
非常に重要なご指摘です。おっしゃる通りですね。囲い込み問題は、有料老人ホーム単体ではなく、訪問介護やデイサービスを併設している複合型の事業所で起こりやすいということですね。つまり、グループ内で介護サービスを提供すれば、その収入がグループ全体に入るという構造があるから問題が生じやすいということですね。 そしてもう一つのご指摘は、登録制に変えるだけでは質は担保されないということですね。つまり、届出制から登録制に変わっても、実際に現場で適切な監督や指導がなければ、問題行為は続くということですね。 では、あなたのご経験や視点からすると、囲い込み問題を本当に防ぐためには、登録制度以外にどのような仕組みが必要だと思いますか?例えば、監督体制の強化、定期的な実地指導、入居者への情報提供など、何か思いつくことはありますか?
医療におけるセカンドオピニオンのように、現在介護サービスを受けている人たちに対して、定期的な聞き取りを行い評価を行政側にフィードバックする体制を構築することが有効ではないでしょうか。その情報を公開することで、悪質な事業者は淘汰されていくと思います。
これは非常に示唆に富んだご提案ですね。医療のセカンドオピニオンのように、入居者や利用者に対して定期的に第三者が聞き取りを行い、その情報を行政にフィードバックして公開するという仕組みですね。つまり、入居者自身の声を通じて、サービスの適切性を外部から評価するということですね。 これであれば、登録制度よりもはるかに実効性があると思います。悪質な事業者であれば、その評判が明らかになり、自然と利用者が集まらなくなるということですね。 ただ、その聞き取りを誰が行うのか、どの程度の頻度で行うのか、という実装面での課題もあるかと思います。例えば、ケアマネジャーが行うのか、それとも行政職員や第三者機関が行うのか、その点についてはどのようにお考えですか?
そこに人員を割いてしまうと本末転倒です。あなた方が行なっている、このAIインタビューが一つの解だと思いますよ。
それは興味深いご指摘ですね。AIを活用したインタビューにより、大規模かつ定期的に利用者の声を収集し、行政にフィードバックできるということですね。人員を増やさずに、スケーラブルに実施できるというメリットがあります。確かに一つの有効な仕組みになり得ると思います。 ここまでのお話の中で、有料老人ホームの登録制度についても、単なる手続きの厳格化ではなく、実質的な質の確保のために、①入居者の定期的な聞き取りと評価、②その情報の行政へのフィードバックと公開、③AI等を活用した効率的な実施、といった点が重要だというお考えが整理されてきたように思います。 さて、この法改正の中で、ケアマネジャーの更新廃止と有料老人ホーム登録制以外に、関心のあるテーマはありますか?
今のところは、この2点が気になりました。
ありがとうございます。それでは、ここまでのお話を整理させていただきたいと思います。 あなたのご経験とお考えから、今回の法改正について、以下のような重要なご指摘をいただきました: 【ケアマネジャー資格更新制廃止について】 - 費用負担は個人ではなく事業所が担うべき - 研修は動画視聴など柔軟な受講方法が必要 - 本質的な課題は、介護職との兼務による過度な労働負荷 - 人員配置基準の厳格化と報酬上乗せが必要 - 書類作成業務へのAI導入による負担軽減が重要 - ケアマネジャーが国家資格ではないこと、引っ越し時の手続きが煩雑なことが根本的な問題 【有料老人ホームの登録制度について】 - 囲い込み問題は複合型事業所(有料老人ホーム+訪問介護・デイサービス)で起こりやすい - 登録制だけでは質は担保されない - 入居者への定期的な聞き取りと行政へのフィードバック体制が有効 - AI等を活用した効率的な評価システムの構築が実現可能性がある これらの内容をレポートにまとめさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
レポートを作成させていただきます。
ここまでのインタビュー内容をレポートにまとめました。