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💬インタビューレポート

自治体関係

事業者

自治体・地域の立場から、学校教育の方針や地域経済への影響に関心がある。特にデジタル教科書の普及で、学校の教科書関連の印刷需要が減り、地域の印刷業者の定期的収入が縮小する可能性を懸念している。

回答日2026.4.17 14:23
インタビュー分量33 分 / 1456 文字

💬主な意見

教科書印刷が減ると地域業者に影響

毎年大量に発生していた学年ごとの教科書印刷が減ると、印刷業者の定期収入がなくなり影響が大きいと見ている。

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学力・記憶定着の低下が心配

海外で導入後に学力低下の研究があると理解しており、特に記憶の定着に悪影響が出やすいと考えている。

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基本は紙、デジタルは強みが出る場面だけ

漢字・長文読解・暗記が落ちやすく、紙の手触りやページをめくる等の動作が学びを支える面もある。空間把握や動画などはデジタル活用が良い。

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🎤すべての会話ログ

本日は、「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、お考えやご経験を伺えればと思います。差し支えない範囲で、率直にお話しください。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

自治体・地域の立場で関心がある

自治体・地域の立場で関心をお持ちなんですね。地域としては、特にどのあたり(たとえば教育委員会の運用、予算、学校現場の負担、公平性など)に関わりが出そうだと感じていますか?

印刷業者の仕事量の低下

地域の印刷業者さんの仕事量が減るかもしれない点を気にされているのですね。その影響は、自治体の中でもどの種類の印刷業務(学校の教科書関連、教材プリント、広報物など)のところに出やすいと見ていますか?

学校の教科書関連

学校の教科書関連で影響が出やすいと見ていらっしゃるのですね。現時点で、地域の印刷業者さん側から自治体に何か声(不安や要望など)は上がっていますか?

上がっていません

承知しました。まだ印刷業者さんから直接の声は上がっていない状況なんですね。 では、自治体として「教科書関連の印刷業務が減るかもしれない」と感じるのは、どんな変化が起きるイメージからでしょうか?

毎年、必ず各学年の印刷物が生じていたものがなくなるため、定期の収入がなくなると考えている。量も大量であり、影響は大きいと考えている。

定期的に大きなロットの仕事が毎年発生していた分がなくなるかもしれない、という見立てなんですね。地域の事業者さんにとっては確かに影響が大きくなり得る話だと思います。 確認させてください。いま想定されている「毎年必ず生じていた各学年の印刷物」というのは、具体的にはどんな印刷物のことを指していますか?

教科書

ありがとうございます。ここは前提を一度だけ補足させてください。 この法案は「紙の教科書を廃止してデジタルだけにする」内容ではなく、デジタル教科書も紙と同じく“正式な教科書”として位置づける、という趣旨です。紙を採択する自治体・学校も引き続きあり得ます。 この前提を踏まえて伺います。あなたの地域では、将来的に教科書の採択が紙からデジタルへ寄っていく可能性は、どの程度あると見ていますか?

先行する諸外国において、既にデジタル教科書を導入した結果、こどもたちの学力が低下したという研究結果が出ており、導入するメリットはないため、進まないし、進める必要はないと考えている。デジタルの特性を活かして、空間把握などにデジタル教科書を一部活かすのは良いと思う。

ご懸念として、海外事例での学力低下の研究結果があり、全面的に進める必要は感じない一方で、空間把握のようにデジタルの強みが出る領域では部分的活用は良い、というお考えなのですね。 その「学力が低下した」という研究結果について、特にどの教科・能力(読解、記憶の定着、計算、など)への影響が大きいという理解ですか?

記憶への定着は特に影響が大きいと考えている

記憶への定着への影響を特に大きく見ていらっしゃるのですね。 その影響が出るのは、学習のどんな場面(たとえば新しい内容を覚えるとき、復習するとき、テスト前のまとめなど)だと考えていますか?

いずれも。デジタル技術は紙の印刷物や手書きに比べて、記憶への定着力に問題があることは、スマホが普及してからの漢字を書けなくなった事例が多いことを鑑みても明らかだと思う

学習の場面全般で影響が出る、という感覚なんですね。スマホ普及後に「漢字が書けなくなった」という実感ともつながっているのが印象的です。 その「漢字が書けなくなった」という変化は、あなたの周りではどの層(子ども、保護者、教員、職場の大人など)で特に目立つと感じていますか?

職場の大人

職場の大人で特に目立つと感じていらっしゃるのですね。 その変化は、どんな場面(たとえば手書きのメモ、会議の板書、書類の記入など)で「書けなくなった」と実感することが多いですか?

保護者も含めて、書けなくなったという声をよく聞く。

保護者の方からも「書けなくなった」という声をよく聞かれるのですね。 その声は、どんな場面で出てくることが多いですか?

日常生活全般で、スマホで打つから書けなくなったよねと会話で出てくる

日常会話の中で、スマホ入力が中心になって「書けなくなったよね」という話題がよく出るのですね。 その感覚を、学校のデジタル教科書に当てはめるとしたら、子どもたちの学習では特にどの力(例:漢字を書く力、長文読解、計算の手順、暗記など)が落ちやすいと思いますか?

漢字を書く力、長文読解、暗記

漢字を書く力、長文読解、暗記あたりが落ちやすいという見立てなんですね。 その中でも「長文読解」について伺います。デジタル教科書だと、どんな点が読み取りにくさにつながると感じていますか?

記憶は動作に紐づいているといわれており、教科書のページをめくる、教科書に線を引くなど、直接的な動作が減ることにより長文読解能力の定着に影響が出ると考えている

なるほど、ページをめくる・線を引くといった身体的な動作が、理解や記憶の手がかりになっていて、それが減ることで長文読解の力が定着しにくくなる、という見立てなんですね。 その「直接的な動作が減る」ことについて、デジタル教科書でも(指でスクロールする、電子ペンで書き込む、ハイライトする等)代替できる動作はあると思いますが、紙に比べて特に代替しにくいと感じるのはどの動作ですか?

これに関しては現状、まだ分かっていない部分が多いと考えているが、紙の手触り感(指先の感覚)が大きく影響しているのではないかと個人的には考えている。

まだ分かっていない部分が多い中でも、紙の手触りのような指先の感覚が効いているのでは、という見立てなんですね。 自治体として制度設計に関わる観点で伺いますが、もしデジタル教科書を正式化する流れが進むとしても、「紙の教科書を一定程度は残すべき」といった方針は必要だと思いますか?

デジタル教科書は手段であり、導入が目的ではないことをまず前提とすべきだと思う。子供の学力低下が見られる以上、デジタル技術が優れているという前提に立って、導入することはデジタル教科書の導入が目的化しており、手段と目的を取り違えていると思う。

おっしゃる通りで、デジタル教科書はあくまで手段で、学力や学びの質を上げることが目的、という前提を置くべきだということですね。導入自体が目的化することへの違和感もよく分かります。 その前提に立ったときに、自治体として「デジタル教科書を採択・運用するかどうか」を判断するための基準(見たい指標や満たす条件)は、どんなものが必要だと思いますか?

まず、デジタル教科書がどの様な点で優れているかの整理が必要であると考えている。子供たちの身体への負荷(紙の教科書は重たい)という観点を重視するなら導入するでも良いと思う。デジタル教科書を採択・運用するかどうかという観点で判断基準を設けるのではなく、子供たちにとって、何が大事かを議論するうえで、手段として、紙の教科書とデジタル教科書を比較するために判断基準を用意すべきである。何が大事とするかは自治体や教育機関、保護者などによって考え方がバラバラなのは当たり前だと思うので、そこを議論すべきではないか・

整理すると、まず「デジタル教科書の優位点を言語化」した上で、子どもにとって何を重視するか(例:身体負荷=重い教科書の軽減など)を地域で議論し、その比較のための判断基準を用意するべき、というお考えなんですね。価値観が自治体・学校・保護者で違うのは自然だから、そこを議論の出発点にしたい、ということも伝わりました。 その「子どもたちにとって何が大事か」を地域で議論するとしたら、まず最初に俎上に載せるべき論点は何だと思いますか?

俎上に載せるものを何にするかの議論が必要という趣旨なので、質問の意図が分からないが、学習能力を重視するのか、金銭的負担を重視するのか、身体的負担を重視するのか(目が悪くなるなども含めて)といった形でマトリックス的に整理するのが良いのではないか。

ご指摘の通りですね。「何を俎上に載せるか」自体を決めるために、学習面・金銭面・身体面などの軸で整理していく、というお考えだと理解しました。 その整理の中で、まず最初に“軸”として置くのに一番適していると思うのは、どの観点ですか?

軸として一番最初という概念がそもそも間違っているのではないか。横に並べる軸はどれも同様に大事な軸であり、その中で、何を重視するのかを議論すべきである。

おっしゃる通りで、「最初の軸」を決めるのではなく、同列の複数軸を置いた上で、地域として何を重視するかを議論する、ということですね。先ほどのご説明と整合しています。 そのうえで伺います。地域で「何を重視するか」を話し合う場を設けるとしたら、議論に参加してもらうべき主体はどの層だと思いますか?

教員、保護者、子供、各分野の専門家辺りではないか(小児科医、精神科医、脳関係の医師・専門家、発達関係の医師・専門家など)

教員・保護者・子どもに加えて、小児科や発達、脳科学などの専門家も入れるべき、ということですね。多面的に見る意図が伝わってきます。 そのメンバーで議論するとき、専門家には具体的にどんな種類のデータや根拠を示してもらうのがよいと思いますか?

定量化されている研究結果

定量化された研究結果を重視されるのですね。 その「定量化されている研究結果」は、具体的にはどんな指標(たとえばテスト成績、読解力テスト、記憶保持の検査、視力・睡眠など)で示されているものが望ましいですか?

私は専門家ではないので、どれが良いかは分からない。専門家に判断してもらうことこそ正しいと思う。

承知しました。ご自身で指標を決め打ちするのではなく、専門家が妥当だと判断する指標に基づいて議論すべき、というスタンスなんですね。 では、その専門家が示す研究結果について、自治体として「信頼できる」と判断するために最低限満たしてほしい条件は何だと思いますか?

研究の対象、期間、対照実験など、研究結果に偏りがないことを示せる論拠。

対象・期間・対照群など、研究の設計面から偏りの少なさを確認できる根拠が必要、ということですね。 次に伺いたいのですが、デジタル教科書についてはどの程度ご存知ですか?

名前は聞いたことがある程度

ありがとうございます。 次に、紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

使い分けが良い、というお考えなんですね。 その「使い分け」が必要だと感じるのは、どんな学習の場面ですか?

先程述べたとおり、デジタル教科書の方が特性として優れている場面ではデジタル教科書を使うと良いと思う。基本は紙の教科書にするべき。

承知しました。基本は紙で、デジタルが明確に強い場面だけ使う、という整理なんですね。 その「デジタル教科書の方が特性として優れている場面」として、具体的にはどんな場面を想定されていますか?

これも先程述べたが、空間把握や動画など、紙の教科書では表現できないもので表現するのが良い場面

ありがとうございます。空間把握や動画など、紙では表現しにくい内容のときにデジタルが活きる、ということですね。 では次に伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

目安時間になりました。レポート作成に進みたいです。

承知しました。ではインタビューはここで区切り、これまでの内容をまとめてレポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容を、要約レポート案としてまとめました。ご確認ください。