💬インタビューレポート
一般市民
宇宙政策やロケット開発の専門家ではないが、宇宙産業の重要性に関心を持つ一般市民。SpaceXの実績などを見て日本の遅れを感じ、制度面の改善点を生活者目線で述べた。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は「ロケットの打上げルールを見直して、日本の宇宙産業を強化するための法案」について、お考えや気になっている点を伺えればと思います。率直なお話で大丈夫です。 この法案にどういう立場で関わっていますか。
関心のある一般の方
ありがとうございます。一般の立場からの率直な感覚、とても参考になります。 今回の法改正(衛星の打上げ・管理に関する制度)について、現時点でどの程度ご存知ですか。
ほとんど知らない
承知しました。前提をそろえるために要点だけ短く共有しますね。 今回の法案は、①人工衛星を載せないロケットの試験打上げ(いわゆる“空打上げ”など)も国の許可対象に広げる、②そうした打上げでも事故時の政府補償の対象を広げる、③宇宙葬カプセルのような「人工衛星に当たらない物体」もルールの整理対象にして、宇宙ごみ対策も進める――という内容です。 この法改正について、全体としてどのように評価していますか。
評価している
前向きに評価されているのですね。 その評価につながった点として、どのあたりが良いと感じましたか。
これからは宇宙産業が日本にとっても重要と考えるからです。日本は宇宙産業は遅れていると思います。
宇宙産業の重要性を感じていて、日本は遅れているという問題意識があるのですね。 「日本は遅れている」と感じるのは、どんな場面や情報に触れたときが多いですか。
それはどう考えても、SpaceX社が一体何回ロケットの打ち上げを成功させ、しかも着陸させているんだというのを、目にするからです。
たしかに、打上げ頻度や着陸まで含めた実績が見えると、差を強く実感しますよね。 そうした差をふまえて、この法案で「ここが変わると日本も前に進みそう」と感じるポイントはどこですか。
まずは確実に打ち上げを成功させて、衛星をちゃんと飛ばせるという技術を確立させることが大事ではないでしょうか?
おっしゃる通りで、まず「打上げを安定して成功させる」ことが土台になりますよね。 この法案は、人工衛星を載せないロケットの試験打上げも許可や補償の枠組みに入れることで、試験を回しやすくして技術成熟を後押しする狙いがあります。 そのうえで伺いたいのですが、「試験を回しやすくする」ことについて、一般の立場からはどんな点が一番効きそうだと感じますか。
テストを回しやすくするということは、多分打ち上げの場所の緩和とか、もちろん事故のリスクとかもあると思うので、場所の緩和が大事ではないでしょうか。 あとは、打ち上げを行っていい研究機関をもう少し増やして、例えば大学などの組織にも開放する(譲り渡す)といったことが必要だと思います。
打上げ場所(射場)の選択肢が広がることが重要、という感覚なのですね。安全面とのバランスも含めて、現実的なポイントだと思います。 「打上げ場所の緩和」について伺いたいのですが、どういう状態になると“緩和された”と感じますか。
身近な海岸や沿岸などで打ち上げられたら、身近だなって感じます。
なるほど、「身近な沿岸でも打ち上げが行われる」くらいまで選択肢が増えると実感が湧く、ということですね。 そのように沿岸での打上げが増えるとした場合、安全面で「ここは最低限こうなっていてほしい」と感じる条件はどんなものですか。
打ち上げた段階で、もしくは打ち上げ途中で軌道を逸れたなという時には、必ず自爆する装置が大事じゃないかと感じます。
安全面で「逸れたら確実に止める(自爆できる)」のが最低条件、という感覚なのですね。 その“必ず自爆する装置”について、どの段階までを想定していますか。
どの段階までというのを詳しく教えてください。
了解です。ここでいう「段階」は、打上げの流れのどの局面まで自爆(飛行中断)の仕組みを効かせたいか、という意味です。 あなたのイメージとしては、自爆(飛行中断)が必要なのは「地上を離れて上昇している間」までですか、それとも「宇宙空間に出た後」まで含めたいですか。
いえ、宇宙空間に出た後は地上に落下する恐れがないので、自爆しなくてもいいと思います。
イメージとしては「上昇中(地上への落下リスクがある間)」に確実に飛行中断できればよい、ということですね。 では、その“地上への落下リスクがある間”の判断は、誰(どこ)が担うのが安心だと感じますか。
それはもちろん、打ち上げ業者がリスクを負う必要があると思います。しかし、それだけでは打ち上げを躊躇してしまったり、あるいは、責任の所在が曖昧なために学校や企業が攻めの姿勢を失ってしまったりすることもあるかもしれません。 ある程度、国が保障するということも大事ではないでしょうか。
事業者が責任を持つのが筋だけれど、それだけだと挑戦しにくくなるので、国の補償も重要というバランス感覚なのですね。 この法案では、事故時の政府補償の対象を「人工衛星を載せない試験打上げ」などにも広げる方向になっています(無制限に国が肩代わりするというより、枠を決めて対象を広げるイメージです)。 そのうえで伺いたいのですが、国の補償については、どんな条件が付いていると納得感がありますか。
国の補償は、あくまで民間人に支障が出た場合ですね。建物が壊れたとか、人に当たったとか、そういう時には国が補償するというのが良いのではないでしょうか。 打ち上げ自体はバンバンやっていただいて、各企業が責任を持って回収したり処理したりするというのがいいんじゃないでしょうか。
第三者(周辺の住民や建物など)に被害が出た場合は国が補償し、打上げそのものや回収・処理は企業が責任を持つ、という線引きが納得感につながっているのですね。 今の「第三者に支障が出た場合」という補償の範囲について、具体的にはどこまで含めるのが適切だと感じますか。
それは車とかと同じではないでしょうか。 1. 死亡したら死亡保障1億円 2. 家が壊れたら修復するまでの費用を持つ といったことではないですか?
考え方として「自動車の対人・対物補償」に近い設計が分かりやすい、ということですね。金額感も含めて具体案があるのは重要な示唆だと思います。 では、この法案について、今の法規制の課題・法改正で気になっていることはどれに近いですか。
許可や認定を取得するための手続き
ありがとうございます。 (深掘り)「許可や認定を取得するための手続き」が気になる、という点について伺います。その点が気になるのは、どんな背景やきっかけからですか。
おそらくこれからの発展で気になるのはスピード感だと思います。日本はいろんなことの許可や認可を受けるのに時間がかかるイメージがなんとなくあります。それをスピード感を持ってできる方法を、早めに進めていただければと思います。
許認可に時間がかかりがちで、開発のスピード感が落ちるのではというご懸念なのですね。 その「時間がかかる」と感じるのは、手続きのどんな部分で起きそうだと思いますか。
おそらくは申請して、地域で飛ばしてもいいという認可が下りるまでの期間じゃないでしょうか。
地域の合意や判断が絡んで、認可が下りるまでがボトルネックになりそう、という見立てですね。 最後に伺いたいのですが、この法案について、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?
それは今最後に伝えたように、申請してから認可が下りるまでのスピードを最優先で進めてほしいと思います。 なぜなら、これは書類業務ですので、今のネット環境である程度ポチポチと進められるはずだからです。最終的に人間は許可のボタンを押すだけでいいのではないでしょうか。その申請が正しいのか間違っているのかという内容の精査については、AIやコンピューターにやらせるのが良いと思うからです。
認可までのスピードを最優先にしてほしい、という強いメッセージですね。オンライン化やAIで書類審査を効率化できるはず、という見立てもよく分かります。 ここで一点だけ確認させてください。申請から認可までを速くするにあたって、制度として「ここだけは人の判断を残してほしい」と感じる工程はありますか。
最終的な許可はその部門(例えば国土交通省なのか、どこの省庁がやるのかは分かりませんが)のトップの人が、最終的な判断を下すということが大事ではないでしょうか。 同時に、それは責任を伴うことでもあります。なので、それが理解できる人がトップに立つべきだと思います。
最終判断は担当部門のトップが責任を負って下すべき、ということですね。スピードと責任の所在を両立させたい、という感覚が伝わってきました。 ここまでのお話を踏まえて確認です。トップが最終判断をするとして、その判断を下すときに「最低限そろっていてほしい情報」は何だと思いますか。
あまり詳しくない人間の視点から言うと、もしトップの人が判断を下すのであれば、その判断条件の中に、例えば気象条件や風向き、あるいは万が一不測の事態が起きる場合にはこのような可能性があるといったリストをある程度提示すること、それが揃っていてほしい情報だと思います。
判断材料として、気象や風向き、不測の事態の想定といった「チェックリストが整っていること」が大事、ということですね。トップが責任を持つなら、判断の前提が整理されている必要がある、というお考えだと理解しました。 ありがとうございます。これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間を割いてお話しいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をレポート案として要約しました。ご確認ください。