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💬インタビューレポート

保護者

懸念当事者

学校に通う子どもを持つ保護者。子どもが弱視のため、学習端末の利用増による視力面の負担や、紙教材の継続可否が家庭の学習環境に直結する立場。

回答日2026.4.8 19:27
インタビュー分量39 分 / 1528 文字

💬主な意見

海外事例を踏まえ導入の必要性を再検討してほしい

スウェーデンで導入後に読解・算数などの学力や運動能力が落ち、紙に戻したという記憶があり不安。拙速に進めず検討してほしい。

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書き込み・見返しのしやすさが学習と記憶に重要

重要点や弱点を教科書に色分けして書き込むことが定着に効くが、デジタルだと同様にできない/手間で機会損失になりそう。

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一律デジタル運用は避け、紙を必ず選べるように

教員の個別対応が難しくなると一律デジタルになりかねない。弱視の子への負担もあるため、紙の教科書を必ず選べる条件が必要。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることやご経験を伺いたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

子どもが学校に通っている(保護者)

ありがとうございます。保護者の立場だと、教科書が紙からデジタルも正式に認められることで、日々の学習環境が変わりそうですよね。 お子さんの学校(またはご家庭)では、デジタル教科書について今どの程度使われていますか?

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承知しました。では次に伺います。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

ある程度知っている

ありがとうございます。「ある程度知っている」とのことですが、デジタル教科書については、どんな経緯で知ることになりましたか?

Xを通してニュースサイトで知りました

なるほど、X経由でニュースサイトの記事を見て知ったのですね。 その記事を読んだ時点で、この法案に対しての第一印象はどんな感じでしたか?

海外にてデジタル教科書を導入したら学力が落ちたと聞き心配になりました。デジタルだと教科書への書き込みなどアナログな作業ができなくなる事、スクリーンタイムの増加で弱視の子どもに負担がかかりそうというデメリットが多い印象でした。

心配になった、という感覚はとても自然だと思います。特に「学力が落ちた」という話を先に聞くと、不安が強まりますよね。 今お話に出た懸念のうち、「学力が落ちた」という点について、どんな内容(どんな国の事例、どういう理由で落ちたという説明など)として記憶に残っていますか?

スウェーデンで2010年からデジタル教科書を導入した結果、子供の学力や運動能力が減り、莫大な予算をかけ紙の教科書に戻したという記憶です。

具体的にスウェーデンの事例として記憶されているのですね。不安につながりやすい情報だと思います。 そのスウェーデンの話の中で、「学力が落ちた」という点は、どの教科や能力(たとえば読解、記述、計算など)に影響が出たという理解でしたか?

読解や算数能力です。

読解や算数への影響、という理解なのですね。そこが落ちると基礎学力全体に関わるので、心配が大きくなりやすいと思います。 その「読解」について、デジタル教科書だと特にどんな学び方が難しくなりそうだと感じていますか?

デジタルなので学校のタブレットだと直接書き込めない、書き込んだ場所を復習する(教科書からピックアップをする)作業が難しくなりそうです。今までは手元にある教科書をパラパラめくるだけでも復習になったり、別のページを見たりと無意識下でできた学習が、まずパソコンを起動しないと教科書の内容にアクセスできない事が不便に感じました。

すごく具体的なイメージですね。「パラパラめくる」「手元に置いておける」「無意識に復習に入れる」という紙の強みが、デジタルだと入口のハードルが上がる、という感覚はよく分かります。 いま挙げてくださった点の中で、特に「書き込めない(=手を動かす学習が減る)」ことについては、どんな場面でいちばん困りそうだと感じますか?

自分が気になった事や重大だと感じた部分に直接メモできない、間違った部分をチェックしておきたいという個人に合わせた使い方が制限されてしまうと思います。今までは先生の話を聞きながら、鉛筆があれば書き込めたり、丸をつけてチェックできたものが、パソコン操作をしなければならないからです。そして授業中は先生が指定したタイミングではないとパソコンに触る事を咎められる事があり、そういったプロセスが学習機会の損失に繋がると感じます。

お話を聞いて、学習の「自分仕様」にできる自由度が下がりそう、という懸念が強いのだと感じました。授業中のタイミングの制約で、メモやチェックの機会そのものが減ってしまうかもしれない、というのも現場感のある心配ですね。 その「授業中は先生が指定したタイミングではないとパソコンに触る事を咎められる」という状況は、どんなルールや運用(たとえば端末は指示があるまで閉じる、など)として行われている印象ですか?

「今は先生の話を聞く時間」とされると「パソコンに触っている=遊んでいる」と捉える教師もいたからです。

なるほど…。先生側から見ると「端末=別のことをしているかもしれない」という不安があって、結果として“触らない時間”が増える、という構図なのですね。 そのように「パソコンに触っている=遊んでいる」と見なされやすい状況だと、授業中に端末をどんな目的で触っていたら(例:メモ、調べ物、該当ページを開く等)、ご家庭としては正当な学習行動だと感じますか?

その学習に関する事なら、メモや調べ方をしてもいいと感じますが、それに熱中してしまうと結果的に先生の話を聞かないからパソコンを触る時間を制限されるのではと感じます。 これが紙の教科書へのメモでしたら、そこまで授業内容から逸脱しないと感じます。

たしかに、端末だと「学習のための操作」と「授業から意識がそれる」が紙より起きやすい、という感覚がありますよね。保護者としては、学習行動として認めたい一方で、授業の集中が崩れる不安も残るというバランスだと受け取りました。 ここまでの流れを踏まえて伺います。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

紙の方が学びやすい

ありがとうございます。紙の方が学びやすい、という感覚がはっきりあるのですね。 その「紙の方が学びやすい」と感じるのは、学習のどんな場面(授業中・宿題・復習など)で特に強いですか?

授業中、宿題、復習の全てです。 まず教科書を手に取れば内容がすぐ確認できる点や充電や学習時間(学校配布のパソコンは20時までしか閲覧できないなど)の制限がないからです。 もちろん字を読む事が苦手な子には選択肢としてあってもいいと思います。

全体で紙の方が学びやすい、という実感なのですね。アクセスの速さや、充電・利用時間の制限がない点は、学習の継続性に直結するので大きいと感じました。一方で、読むのが苦手な子には選択肢としてデジタルも意味がある、という見方もされているのですね。 では次に伺います。 デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

学習面(理解・集中・記憶など)

ありがとうございます。学習面(理解・集中・記憶)がいちばんの懸念なのですね。 その中でも特に「記憶」の面について、デジタル教科書だとどんな形で定着しにくくなりそうだと感じていますか?

先生が黒板に書いた点、自分が気になった点をノート以外に教科書に書き込めなくなる事です。書き込んだ事により、より記憶に定着すると感じたからです。 また紙という媒体で手元にあることも大事だと思います。

ありがとうございます。「書き込む行為そのものが記憶のフックになる」「紙で手元にあることが定着に効く」という感覚なのですね。 いまおっしゃった『教科書に書き込むこと』について、授業中だと具体的にどんな内容を書き込むことが多い(多かった)イメージですか?

先生が重要だといった部分、個人的にここを覚えておきたい部分、自分が間違えやすくて復習したい部分などです。自分で色分けしてカスタマイズしてましたが、デジタルだとそのような事ができるのか懸念が残ります。

なるほど、重要ポイント・自分の弱点・覚えておきたい所を、色分けも含めて教科書上で“自分用に編集”していたのですね。そこが学習の核になっていると、デジタルで同じことができるのかは確かに気になります。 ここから少し制度設計側の論点に寄せて伺いたいのですが、学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

授業設計の難しさ

ありがとうございます。授業設計の難しさがハードル、という見立てなのですね。 その「授業設計が難しくなる」というのは、具体的にはどんな点(たとえば板書との組み合わせ、子どもの手元作業の確保、集中のコントロール等)が難所になりそうだと感じますか?

板書との組み合わせです。 多分手元にノートが残ると思うのですが、デジタル教科書だと教科書とノートをセットで開く事自体にハードルを感じます。 またパソコン操作が苦手な子や、他言語の生徒がいるとパソコンの操作だけで時間が取られてしまうのではと思います。

板書との組み合わせで、教科書とノートを同時に扱う負荷が上がる点や、操作が苦手な子・他言語の生徒がいると操作だけで時間が取られそう、という懸念なのですね。 最後に制度設計側へ直接つなげて伺います。 デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

スウェーデンでデジタル教科書を使用して学力が低下したデータがあるため導入する必要があるのか今一度検討して欲しい。デジタル教科書にする事で教科書を開くハードルが上がり、学習への悪影響になると感じます。

ありがとうございます。スウェーデンの事例のように「導入した結果、学力が下がった可能性があるなら、拙速に進めず検証してほしい」という強いメッセージだと受け取りました。 ここで確認させてください。制度としては、紙の教科書を残しつつ“希望者がデジタルも正式に使える”形なら、受け止め方は変わりそうですか?

もちろんです。紙とデジタルが選択できる事が理想です。 様々な事情で紙の教科書が困難な生徒は選べるといいです。 個人的には子どもが弱視なので視力への影響を考慮して紙の教科書を選びたいです。

ありがとうございます。紙とデジタルの“選択制”が理想で、特に弱視のお子さんだと視力面への影響もあって紙を選びたい、ということなのですね。 補足させていただくと、この法案は「紙を廃止する」ではなく、デジタルを含む教科書も紙と同じく“正式な教科書”として位置づける内容です(運用として紙・デジタルをどう採択し、どう使い分けるかは今後の設計や学校現場の判断が大きいところです)。 その上で伺いたいのですが、弱視のお子さんの観点で、デジタル教科書の利用で特に避けたい使われ方はどんなものですか?

教員が紙とデジタルの個別対応する事が難しくなり、一律でデジタル教科書の運用になる事は避けたいです。

ありがとうございます。「個別対応が難しい結果、一律でデジタル運用になってしまう」ことがいちばん避けたい状況なのですね。 その“一律でデジタル運用”が起きないようにするために、学校側に最低限用意してほしい条件(例:紙の教科書を必ず選べる、医師や保護者の申出で紙に切り替えられる等)があるとしたら、どんなものですか?

紙の教科書を必ず選べるようにしてほしい。

ありがとうございます。紙の教科書を「必ず選べる」ことが最低条件、ということですね。 ここまで伺った内容は出そろいましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容に違和感や補足したい点がないか、ご確認ください。

基本スタンスは「懸念」のみです

ありがとうございます。基本スタンスが「懸念のみ」である点を反映して、レポート案を整理しました。ご確認ください。