💬インタビューレポート
保護者
学校に通う子どもを持つ保護者。現時点で子どもの学校ではデジタル教科書は未導入で、導入時の視力低下や学力への影響、学校現場の運用負担を懸念している。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
こんにちは。今日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、率直なお考えやご経験を伺いたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
子どもが学校に通っている(保護者)
保護者の立場から関わってくるのですね。お子さんの学校では、いまデジタル教科書(学習者用デジタル教科書)は使われていますか?
いいえ
まだ使われていないのですね。では、もし学校でデジタル教科書の利用が始まるとしたら、まずどんな点が気になりそうですか?
視力低下
視力低下がいちばん気になるのですね。もしデジタル教科書が導入された場合、目への負担が特に大きくなりそうだと感じるのは、学校での授業中でしょうか、それとも家庭での宿題・自習でしょうか?
学校での授業、家庭での宿題・自習どちらもです
どちらも心配なのですね。では、目への負担が特に大きくなりそうだと感じるのは、「どれくらい長い時間、画面を見ることになるか」という点ですか?
はい。
長時間になりそう、という点がいちばんの不安なのですね。 この法案でデジタル教科書が「正式な教科書」になったとき、学校側に最低限ルールとして決めてほしい“画面を見る時間”の目安(例:1コマのうち○分まで、など)はありますか?
視力低下をきたさない範囲での目安を、根拠を持って示してもらいたいです。
根拠のある目安を、学校任せにせず示してほしいということですね。とても重要な観点だと思います。 その「根拠」は、どこが示すものだと納得感がありますか?(例:国の機関、医師・眼科の専門団体、学校医、研究機関など)
医師・眼科の専門団体、研究機関かなと思います。
根拠としては、医師・眼科の専門団体や研究機関が示すものが納得感につながりそう、ということですね。 その「目安」が示されたとして、学校での運用ルールに落とし込むなら、どんな形で反映されるのが現実的だと思いますか?
まずは試験運用、コマ数の少ない教科から取り入れる、 試験運用の結果、健康面への影響、学力への影響を何らかの形で調査・公表してもらいたいです。
試験運用から段階的に入れて、影響を調査・公表してほしいということですね。安心材料にもなりますし、現場にも説明しやすくなりそうです。 その「調査・公表」は、学校や自治体ごとではなく、国として全国的にやってほしいですか?
国を挙げての政策でしたら、調査・公表は国として全国的にやっていただきたいと思います。結果は学校ごと、自治体ごとに知りたいな、と親の立場としては思います。
国として全国的に調査・公表しつつ、親としては学校別・自治体別の結果も見たい、ということですね。透明性があると納得感が全然違いますよね。 学校別・自治体別まで結果を見られるとしたら、特に知りたいのは「視力など健康面の指標」ですか、それとも「学力面の変化」ですか?
どちらも同じくらいの知りたいです!
どちらも同じくらい知りたいのですね。 学校別・自治体別で結果が出るとしたら、健康面(視力など)と学力面のうち、どちらも同じ比重で信頼できるようにするには「調査のやり方」が大事だと思うのですが、どんな調査方法だと納得できそうですか?
同じくらい知りたい、の誤りです!
了解です、訂正ありがとうございます。 では改めて伺います。学校別・自治体別で結果が出るとしたら、特に知りたいのは「健康面(視力など)」と「学力面の変化」のどちらでしょうか?
すみません。どちらも同じくらい知りたいです。 調査方法は、健康面は健診検の前年比や、デジタル教科書導入前後との比較。 学力面の変化は、試験結果の比較でしょうか。 当事者である子どもたちに、デジタル教科書導入前にアンケート、導入後にアンケートがあっても良いと思います。
具体的なイメージまで持っていらっしゃいますね。健康面は健診データの前年差や導入前後比較、学力面は試験結果の比較、加えて子どもへの事前・事後アンケートも、ということですね。 その調査結果が「学校別・自治体別」で公表される場合、結果の見せ方としていちばん避けてほしいことは何ですか?
学校の優劣のような印象になることは避けて欲しいと思います。 客観的な調査結果だということ、数字の変化が分かるようにしてもらいたいです。
学校の優劣みたいに受け取られる見せ方は避けてほしい、あくまで客観的な結果として“数字の変化”が分かる形にしてほしい、ということですね。 では次に伺います。デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
今回初めて知った
今回初めて知った中で、視力への影響を軸にとても具体的に考えてくださっているのが伝わってきました。 ここから「紙とデジタルの学びやすさ」について伺いたいです。紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
場面によって使い分けが良い
場面によって使い分けが良さそう、という感覚なのですね。 その「使い分け」が合いそうだと思うのは、授業の中のどんな場面ですか?
字の読み書きに直結している国語は、紙の方が良いと考えます。 スマホを使うようになってから、漢字を思い出しにくくなったり、読めるけど書けなくなってしまった字が多いと実感しているからです。 紙に書くというのは、デジタルでタッチペンで書くことでは得られない感覚があると考えます。 家庭で紙の本を読まない環境にある子もいると思うので、紙の教科書で学ぶことが、印刷物の質感に触れる機会にもなると思います。 その一方で、早くからデジタルで学ぶことでプログラミングやプレゼンテーション能力の向上が見込めると、現在小学生の子どもを見ていて思います。 スライドを使用したり、写真・音楽・音声の再生や共有ができると学びが深まる教科または単元であれば、デジタル教科書を使用するのが良いのではないか、と思います。
国語は紙の方が良さそう、一方で表現や共有が効く単元ではデジタルが良さそう、という使い分けの感覚なのですね。保護者としての実感も含まれていて、とても具体的です。 では、その「デジタル教科書が良い」と感じる教科や単元を学校が増やしていくときに、視力面の不安と両立させるために“ここは必ず守ってほしい”と思う運用ルールは何ですか?
実現は困難かもしれませんが… 今思いつくのは、 ・デジタル教科書中心の授業の次は、体育や理科の観察など、屋外または身体を動かす活動を取り入れる。 ・採光の基準を決める。 ・デジタル教科書との付き合い方とともに、スマホやタブレットの使用方法、活用方法の説明を徹底。その際に、視力低下の懸念について、学生本人にも説明を行う。 (本人がリスクを知り、管理をする必要性を感じられるように教育する) などでしょうか…
具体的な案ですね。デジタル中心の後に身体を動かす活動を入れる、教室の採光基準、端末との付き合い方の徹底と本人へのリスク説明、という方向性なのですね。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、いま挙げてくださったような運用ルールを実際に回していく上で、いちばんハードルになりそうなのは何だと思いますか?
教員の負担/研修、カリキュラムや時間割編成 かと。
教員の負担や研修、さらに時間割・カリキュラム編成がハードルになりそう、ということですね。現場で回すことを想像すると、その感覚はすごく分かります。 その「教員の負担/研修」について、負担が増えそうだと感じるのはどんな種類の負担ですか?
・教員が子どもに気をかけないといけない内容や頻度が変化する可能性がある、 ・研修内容の変更や追加、それを受講する負担 ・保護者からの問い合わせが増える可能性があり、応対の手間がかかるかもしれない と考えます。
見守りの内容や頻度が変わる可能性、研修の追加、保護者対応の増加など、負担の増え方が具体的にイメージされているのですね。 その中でも、学校として特に負担が膨らみそうだと感じるのは「見守り(子どもの様子の確認)」でしょうか?
はい。そのように思います。 生徒がデジタル教科書の適切なページを見れているのか、一覧で教員が把握できるようにすることも必要だと感じます。
見守りの負担がいちばん大きくなりそう、ということですね。加えて、児童生徒が適切なページを見ているかを教員側が一覧で把握できる仕組みも必要、という問題意識もあるのですね。 その「一覧で把握できる仕組み」について、学校や教員にとって“最低限ここまでできれば助かる”と思う機能はどの程度のものですか?
生徒が開いているページがどこかわかる機能 または、教員が指定したページと、生徒が開いているページが合っているかどうかを示す機能
必要な機能がかなり明確ですね。生徒が開いているページの把握、または先生が指定したページと一致しているかの表示、ということですね。 では最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?
子どもの学びの機会、健康、学力の維持・向上全てが担保される制度であってほしいです。 また、新しさ・便利さの追求ではなく、これまでの教科書で良かった点を確認し、それは継続できるように制度設計を進めていただきたいです。
大切な観点をはっきり言語化してくださってありがとうございます。 ここまでのお話を踏まえると、「新しさや便利さ」よりも、紙教材がこれまで担ってきた価値(読み書き・手触り・学びの土台)を守りながら、デジタルの良さは場面を選んで取り入れていく——その上で、健康・学力への影響は国として根拠をもって調査し、透明性高く公表してほしい、というご意見だったと受け取りました。 本日は事前に用意していた質問は一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。いただいた内容をもとにレポート案をまとめました。ご確認ください。