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本日は、「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、率直なお考えやご経験をうかがえればと思います。差し支えない範囲で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
教育関係の仕事/経験がある
教育関係のご経験があるのですね。現場感のあるお話が聞けそうで心強いです。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
ほとんど知らない
承知しました。ほとんど知らない状態からでも、気になる点や感覚的なお話で十分参考になります。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
場面によって使い分けが良い
使い分けが良い、という感覚なのですね。 その「使い分け」が特に有効だと思うのは、どんな学習場面ですか?
高校の教育現場に携わっていますが、単位取得に関する学習はデジタルツールのみで十分と考えます。 最近は通信制を選択する高校生も増えており、学習におけるデジタル使用の優先度は高いように思えます。 一方で、受験勉強に関する反復学習においては紙および手書きの有用性があると考えます。
高校現場の感覚として、単位取得ベースの学習はデジタル中心で成立しやすい一方、受験の反復では紙・手書きが効く、という整理ですね。通信制の増加ともつながっていて、とても具体的です。 今おっしゃった「受験勉強の反復学習」で、紙や手書きの有用性が特に出るのは、どんな作業のときですか?
「板書をノートにまとめる」、「途中の計算式を紙に書いて残しておく」「手書きで作図をする」等は紙の方に優位性があります。 私の教育現場ではほとんどデジタルで学習を進めていますが、基礎的な数学の授業においては、やはり白紙を配布し、学習に取り組んでもらうことが多いです。
なるほど、板書の整理・途中式・作図のように「手を動かして形に残す」作業は、紙の方がスムーズで、特に数学の基礎では白紙配布が実際に機能しているのですね。 では次に伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
家庭・公平性(端末/通信/支援の差)
公平性の点がいちばん気になるのですね。端末や通信、家庭での支援の差が学習の差に直結しやすいところは、現場だと特に切実だと思います。 その「差」が特に表れやすいのは、学校の外のどんな場面だと感じますか?
保護者様に理解してもらう場面全般ですね。 デジタルツールに疎い保護者様の場合、生徒本人の学習状況を伝達する際にも工数がかかります。 また、保護者様が理解を放棄し、生徒を放任し、責任を一方的に我々に押し付けるケースもあります。 いずれにせよ保護者様との連携は生徒の成長に不可欠ですので、デジタルツールの使用が却って保護者と我々の壁を生む状態にはしたくないと考えます。
保護者の方のデジタル理解度によって、連携の手間が増えたり、場合によっては「学校に任せきり」になってしまうこともあって、その結果として学校と家庭の間に壁ができるのは避けたい、ということですね。とても現場的で重要な論点だと思います。 その「保護者の理解を得る」場面で、いま特に負担が大きいと感じるのは具体的にどんなやり取りですか?
架電業務全般ですね。 登校状況や生徒の学習状況確認のデジタル化を行っていますが、保護者様の方でツール連携を依頼しています。 しかし、100人保護者様がいたとして、100人ともその連携ができる訳ではなく、かえって保護者様から来る問い合わせに対応したりと、工数が増えている部分があると感じる場面があります。 もし、教科書のデジタル化を急進的に進めた場合、保護者様からの問い合わせ(生徒の学習状況がわからない、どういう教育を行っているかわからない)が殺到する恐れがあります。
架電対応が増えてしまっている、というのはかなり現実的な負担ですね。ツール連携ができない保護者が一定数いて、その分の問い合わせ対応が積み上がる。さらに教科書まで急にデジタル化が進むと、「学習状況が見えない」「何をやっているかわからない」という問い合わせが増える恐れがある、というご懸念なのですね。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
端末・通信トラブル対応
端末や通信のトラブル対応がハードル、というのは納得感があります。授業が止まったり、家庭学習が分断されたり、対応窓口が学校に集中したりしやすいですよね。 その「端末・通信トラブル対応」で、学校側の負担が特に大きくなりそうなのはどんなトラブルですか?
全国の公教育現場で、事前のデジタル環境の整備が行えるかが疑問です。 高校私学の現場であればデジタル環境(電力面、wifiなど)が整備された校舎が用意されていますが、何千何万とある小中学校の校舎でそれを万全にできるかどうか、事前調査が不可欠のように感じます。 すでにタブレット配布など、学校現場におけるデジタル活用は進んでいますが、デジタル教科書導入となれば、もしデジタル環境に不全があった場合授業が進められないことになるため、やはり整備状況の確認が必須と言えるでしょう。
私学だと環境整備が進んでいる一方で、公教育の小中学校の膨大な校舎数で「電力・Wi‑Fiなどの基盤」を万全にできるのか、そこが崩れると授業が成立しなくなる——というご指摘ですね。事前調査と整備状況の確認が制度導入の前提になる、というのはとても重要な示唆だと思います。 最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?
「最終的に生徒の利便性、学習理解に寄与できているかどうか」という軸だけはブレないように設計していただきたいです。 単に教科書をデジタル化するだけで生徒はやりやすくなるのか、具体的にどんなメリットを享受できるのかを再考してもらいたいです。 デジタル化には私は賛成の立場ですが、上記の軸がブレた状態ですと、かえって工数が増える本末転倒な状況が避けられないと思います。 しっかりデジタルであるからこその付加価値でしたりとか、利便性を追求することが義務教育のDXを行う際に重要であると考えます。
お話を通じて一貫して、「デジタル化それ自体」ではなく「生徒の利便性・理解に本当に効くか」を軸にしてほしい、というメッセージが強く伝わってきました。賛成の立場だからこそ、付加価値が弱いまま進めると現場の工数増につながりかねない、という懸念も現実的だと思います。 ここまでで一通り重要点は伺えました。これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、現場の具体的なお話まで共有いただきありがとうございました。以下、伺った内容の要約レポート案です。ご確認ください。
💬意見の要約
学習は場面で紙とデジタルを使い分けたい
単位取得に関する学習はデジタルツールのみで十分。一方で受験の反復学習では紙・手書きの有用性があると感じる。
手書きが必要な作業は紙が優位
板書をノートにまとめる、途中式を書く、作図する等は紙の方がやりやすい。基礎数学では白紙を配って取り組ませることが多い。
家庭・保護者の差が工数増と壁を生む懸念
保護者のデジタル理解度で連携の手間が増え、架電や問い合わせ対応が積み上がる。急なデジタル化で問い合わせ殺到も心配。