💬インタビューレポート
保護者
学校に通う子どもがいる保護者。学校ではデジタル教科書は未使用だが、宿題がPC前提のため子どもがノートPCを持ち帰っており、運用面や健康面の影響を日常的に感じている。
💬主な意見
故障時は紙など代替と費用の整理
“通信や端末故障時の対応が不安。数日なら不公平感は少ないが、1〜2週間使えないと不公平も。紙に切替える際は印刷を誰が担い費用負担をどうするかが論点。
姿勢・視距離は端末機能と備品で支える
“タブレットは下を向きがちで首肩が心配。学校には立てかけ台などを用意してほしい。目との距離は警告が出る機能を標準でオンにしつつ、弱視等は解除できる形が理想。
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本日はお時間をいただきありがとうございます。『デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案』について、感じていることや影響を丁寧に伺いたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
子どもが学校に通っている(保護者)
ありがとうございます。保護者として関わりがあるのですね。 お子さんの学校では、デジタル教科書(紙の教科書と同じ内容をタブレット等で見られるもの)を、授業や宿題でどのくらい使っていますか?
つかってない。ただ
使っていないのですね。差し支えなければ、「ただ」の続きとして、今の学校の状況で気になっている点はどんなことですか?
重たいノートPCを教科書と一緒に毎日持って帰ってきている。カバンがとにかく重たそうでかわいそうだ。特に小学校1年2年なんて小さいし。ちなみに今、うちの子供は高校二年生と中学三年生です。
それは見ていてつらいですね。教科書に加えてノートPCも毎日となると、負担が大きいと感じられるのも自然だと思います。 いま、お子さんがノートPCを毎日持ち帰っているのは、どんな用途(宿題・連絡・授業準備など)のためですか?
恐らく宿題のためにのーとPCを持ち歩いてます
なるほど、宿題のために持ち帰っている感覚なんですね。 その宿題は、ノートPCで取り組むことが前提の内容になっていますか?
そうです
PC前提の宿題なのですね。毎日持ち歩く必要が出ると、重さの負担が一段と大きくなりますよね。 その「PC前提の宿題」は、例えばどんな作業(提出・調べ学習・教材閲覧など)が中心ですか?
問題が載っているようです
問題がPC上に載っていて、それに取り組む形なのですね。 その場合、紙のプリント等に置き換えられない(PCがないと解けない)感じがありますか?
紙に置き換えることは可能だと思います。
ありがとうございます。紙に置き換えられそう、という感覚なんですね。 では、そのうえで伺いたいのですが、学校が「デジタル教科書を正式な教科書として扱う」ようになったときに、保護者としていちばん気になる懸念や課題は何ですか?
通信や、端末の故障の対応ですかね。
通信や端末故障への対応が気になるのですね。トラブル時に学習が止まったり、家庭側の負担が増えそうだという不安もありそうです。 その「端末の故障」が起きたとき、いまの学校の対応はどんな流れになっていますか?
先生に預けて先生が治してるのかな?学校にPCの処理ができる業者がいるとは考えにくいから
今の時点では「先生が預かって何とかしているのでは」という見立てなのですね。もし実際そうだとすると、復旧までの間の学習の遅れや、先生側の負担も気になりますよね。 端末や通信のトラブルが起きたとき、保護者側に求められる対応(家庭のWi‑Fiを用意する、修理費の負担、設定作業など)は、今のところどの程度ありますか?
自宅での通信はそれほど重要ではない様子です。PCにデータが入っているから?通信があれば提出なんかはできるのかな?
ありがとうございます。現状は「通信がなくてもPC内のデータである程度進むが、提出などは通信があると必要そう」という感覚なのですね。 端末が故障した場合、修理が終わるまでの間はお子さんの学習や宿題はどうやって進める想定になっていますか?
故障した場合は代替え機の貸与があるとは聞いていますが、そのシステムを使ったことはないです。
代替機の貸与があると聞いているのは安心材料ですね。一方で、実際に使ったことがないと「本当にすぐ借りられるのか」「データ移行はどうなるのか」みたいな不確実さも残りそうです。 代替機を借りるまでに数日かかる状況だとしたら、その間の宿題や提出は学校側はどう扱うのが公平だと感じますか?
宿題をやるべき日数や提出すべき日数にもよると思いますが、その数日で大きく勉強の内容が変わるとは思えないので、数日程度であれば、特に不公平だとは思いません。
なるほど、数日程度なら学習内容への影響も限定的で、不公平感はそれほど大きくないという見立てなんですね。 一方で、代替機の貸与がもう少し長引いて「1〜2週間くらいPCが使えない」状況になった場合でも、同じように不公平ではないと感じますか?
そうですね。1、2週間使えないとなると、多少は不公平感を感じるかもしれません。 でもその時に、その1、2週間分の宿題は一時的に紙媒体にするとか、何か違う対応ができるかもしれません。
ありがとうございます。1〜2週間になると不公平感が出てくる一方で、紙に切り替えるなど代替手段も取り得る、ということですね。 その「紙媒体に切り替える」対応を現実に回すうえで、学校現場でハードルになりそうだと感じるのは何ですか?
プリントアウトを学校側がするのか、自宅でやってもらうのかで、費用負担の有無が問題になる可能性はありそうですね。
おっしゃる通りで、印刷を誰が担うかで手間も費用も変わってきますし、家庭差も出やすい論点ですね。 その場合、プリントアウト費用の負担は「学校側が持つ」のが望ましいと感じますか?
タブレットやPCを壊した原因にもよるかもしれませんが、私的には、プリントアウトは枚数にもよりますが、学校側が持つでもいいですし、個人で持つ、どちらでもいいと思います。
ありがとうございます。原因や枚数しだいで、学校負担でも家庭負担でも許容できる、という感覚なのですね。 最後に伺いたいのですが、デジタル教科書を正式な教科書として扱う制度設計をする人に「ここは押さえてほしい」と伝えることがあるとしたら、どんな点ですか?
そうですね、押さえてほしいところは、どうしてもタブレットを使うときというのは下を見てしまう可能性があるので、目線が上に上がるような、タブレットを立てかける装置があるといいのかなと思います。 家で子どもたちが勉強しているのもタブレットなのですが、いつも下を向いているので、首や肩に負担がかかって大変そうだなと思うからです。
首や肩への負担まで見えているのですね。ご家庭での様子だと、姿勢の影響がかなり具体的に感じられていると思いました。 学校でデジタル教科書を使う場面でも、その「下を向きがち」な姿勢の問題は、どのくらい起きそうだと感じますか?
それは勉強する時間が長ければ長いほど、下を向く時間が長いんじゃないですかね。現代の日本人、日本人だけじゃなくて、世界中の人たちがスマホを見ているときに下を見ているのと同じじゃないですか?
おっしゃる通りで、使う時間が長いほど下を向く時間も積み上がっていく、という感覚なのですね。 学校での利用について伺いたいのですが、授業中にデジタル教科書を使う時間が増えるとしたら、どんな教科や活動のときに特に姿勢の負担が大きくなりそうですか?
いや、それは教科は関係ないような気がします。タブレットをどの角度で使うかという問題なので。 タブレットの内容を教科書そのまま入れるとか、スワイプしやすくするとか、そういったシステムに関してはプロの専門家にお任せしますが、私はタブレットを使うときの姿勢や角度には気をつけた方がいいんじゃないか、という考えを持っています。
教科というより、端末をどの角度で使うかが本質、ということですね。ご家庭での様子も踏まえると、姿勢の問題は「使い方の環境整備」として制度側が意識すべき論点だと感じました。 学校でタブレットを使うときに、姿勢面の負担を減らすために「学校に用意してほしい」と思うものはありますか?
それは現状で、スマイルゼミとかベネッセが子どもの学習用にそういうタブレットを使っているので、その辺で何かいいものがあるかもしれませんし、新しいものを開発してもいいのではないかなと思います。 もしくは机の角度がそもそも傾いているとかね、今はそれ以上の考えがつきません。
ありがとうございます。既存の学習用タブレットの知見を活かす、あるいはスタンド等を新しく用意する、机の角度も含めて環境側で支える、という発想なのですね。 その「学校に用意する」場合、タブレットを立てかける装置(スタンド等)は、どのくらいの範囲まで学校が標準で揃えるのが現実的だと感じますか?
立てかける台ぐらいは用意してほしいですよね。使う使わないは個人の自由になってくるかもしれませんが。
立てかける台くらいは学校側で用意してほしい、ただ使うかどうかは個人の自由でもいい、ということですね。現場でも「全員に義務」より「標準装備として選べる」形のほうが受け入れられやすそうです。 そのスタンドを学校が用意するとしたら、使う・使わないの判断は、学校が一律に決めるよりも、子ども本人に任せる形が良いと感じますか?
そうですね。子どもも小さいうち、小学校の低学年ぐらいまでは、ある程度コントロールして使わせた方がいいかもしれませんが、高学年や中学生、高校生になったら本人に任せるのがいいかと思います。 でも、気にはなりますね。
学年によっては学校側がある程度コントロールしつつ、成長したら本人に任せたい、というバランス感覚なのですね。「でも気にはなる」というところに、健康面への心配が残っている感じも伝わってきました。 学校が「低学年はこう使う」というルールを作るとしたら、姿勢面で最低限入れてほしい決まりはどんな内容ですか?
タブレットと目の距離とかかな。あんまり近すぎると目が悪くなるかもって言われているので、それが事実かどうかは分かりませんが、傍から見てて気にはなりますね。私自身は50代ですが、私たちが子供の頃に「テレビの近くでテレビを見ていると目が悪くなるよ」と言われたのと同じではないでしょうか。
目と端末の距離が近くなりすぎるのが気になる、ということですね。昔の「テレビは離れて見なさい」と同じ感覚で、見ている側として心配になるのも自然だと思います。 その「目とタブレットの距離」について、学校側が子どもにどう伝えたり確認したりするのが現実的だと感じますか?
それは伝えるというよりかは、iPhoneとかだと「目との距離が近すぎます」といった警告を出すアプリやシステムがあれば、それで十分なんじゃないでしょうか。
端末側で「近すぎます」と自動で警告してくれる仕組みが現実的、ということですね。先生が一人ひとり見張るより、システムで支える方が負担も少なそうです。 そのような「距離が近すぎると警告が出る」機能が、学校の端末に標準で入るとしたら、保護者としては導入に賛成ですか?
賛成です。
賛成なんですね、ありがとうございます。端末側の機能で姿勢・距離を支えるのは、学校や家庭の負担も減らしつつ健康面に配慮できる、という期待があるのだと理解しました。 その警告機能について、学校の端末に入れる場合は「常にオン(解除できない)」の方が良いと感じますか?
解除ができるかできないかは、それも選択制にした方がいいかもしれませんね。 例えば、目の悪い子で近くないと見えないという(弱視というのでしょうか)そういう人もいるかもしれませんし、そこらへんは臨機応変に対応できるのが良いのではないでしょうか。 基本的にはオンになっているけれど、解除することは可能ですよ、といった形が理想的だと思います。
基本はオンにしつつ、事情がある場合は解除できる柔軟さが理想、ということですね。弱視などのケースも想定しておく視点はとても大事だと思います。 ここまで伺った内容(端末の持ち帰り負担、故障時の代替機、印刷費用、姿勢や目との距離を端末機能で支える等)を踏まえて、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただきありがとうございました。伺った内容をもとに、レポート案をまとめました。内容に抜けやニュアンス違いがないか、ご確認ください。