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💬インタビューレポート

一般市民

教育現場の当事者ではない一般市民。自身の学生時代の経験や電子書籍の利用体感から、デジタル教科書の学習効果や授業中の集中維持への影響を懸念している。

回答日2026.3.28 22:54
インタビュー分量95 分 / 1994 文字

💬主な意見

長文はデジタルだと頭に入りにくい

国語・社会など長文読解で、デジタルは目が滑って興味が続かず苦痛。1画面程度なら読めるが、ページをまたぐと厳しい。

インタビューの前後を読む

紙の「立体的な把握」が記憶の手がかり

進捗バー等では代替しにくく、紙はパラパラめくって前後に戻る動きで全体位置をつかめる。現状タブレットでは再現が難しそう。

インタビューの前後を読む

意欲が低い子の置き去り防止と運用ルール

読みづらさで理解が遅れると落書きや雑談に流れやすい。授業中は教科以外を開けない制限を教師がオンオフできるとよいが、端末・個人情報管理が課題。

インタビューの前後を読む

🎤すべての会話ログ

本日は「デジタル教科書を正式に教科書として認めるための法案」について、率直なお考えをうかがえればと思います。立場やご経験に合わせてお聞きしますので、話しやすい範囲で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

一般市民として関心がある

ありがとうございます。一般市民の立場で関心を持たれているのですね。 この法案の話題に触れたとき、まず最初に思い浮かんだのはどんな点でしたか?

紙媒体と比べてデジタル媒体は内容の深い理解や記憶の定着が劣るのではないかと心配になった

その点がまず気になったのですね。不安としては「学びが浅くなるかもしれない」という感覚に近いでしょうか。 「内容の深い理解や記憶の定着が劣る」と感じられるのは、どんな学習場面を想像したときですか?

教科書に書いてある文章を読む場面かな。国語や社会など長めの文章を読まないといけない場面では特に気になる。自分の経験由来の意見だけど、デジタル媒体では目が滑って長い文章を読むのは苦痛を感じるから。

具体的に国語や社会など、長めの文章を読む場面を想像されているのですね。ご自身の体感として「目が滑ってしまって、読み続けるのがつらい」というのは、かなり切実な感覚だと思います。 その「目が滑る」と感じるのは、デジタルだと文章をどう読んでしまう状態に近いですか?

文章が頭に入ってこない状態かな。興味が持続しなくて、読み続けるのが困難な感じ。

「頭に入ってこない」「興味が続かない」という感覚なんですね。読み続けられない感じになるのは、学習としてはかなり痛い影響がありそうです。 デジタルで長文を読んでいて「ここで集中が切れる」と感じるのは、だいたいどのくらいの長さ(時間やページ感)からですか?

Twitterのように140文字くらいなら苦なく読めると思います。スクロールしなくていいような、1画面で完結してるくらいならデジタル媒体でも問題なさそうです。

なるほど、1画面に収まる程度なら問題ないけれど、スクロールが必要になるくらいから負担が出てくる感覚なんですね。 学校のデジタル教科書が「基本はスクロールせず、見開き(2ページ)単位で固定表示できる」仕様だった場合でも、その不安はどの程度残りそうですか?

見開きの固定表示の中で物語や説明が完結してる場合はアリかもしれません。 次の見開きページにも渡って話が続いている場合は途中で操作を挟まないといけないですよね。読み続けるのは困難な気がします。

見開きの中で完結していれば受け入れられそうだけれど、ページをまたぐと操作が挟まって途切れる感じがして読み続けにくい、ということですね。 その「途中で操作が入ると途切れる」という感覚は、具体的にはページをめくる動作のどんなところが負担になりそうですか?

自分が電子書籍で小説やテキストを見ていて思うことなので、なぜそこで紙媒体と違う感覚になるのかは自分でも不思議に感じています。 デジタル媒体では今どこを読んでいるのかなど、書籍の全体を把握できないところが、長い文章を読む上で集中の妨げになるのかもしれません

なるほど、ご自身でも不思議に感じつつも、「全体の中のいまの位置がつかみにくい」ことが集中を切りやすくしているかもしれない、という見立てなんですね。 デジタル教科書側に「全体のどこを読んでいるか」が直感的に分かる仕組み(例:紙の厚み感に近い進捗表示、章全体の見取り図の常時表示など)があったら、その不安はどの程度和らぎそうですか?

例えば電子書籍にも今ここだという目安バーが出ていたりしますが、無いよりはマシなくらいで、そういう視覚情報は意味はあんまりない気がします。そういうことじゃない感じ。 紙媒体はペラペラと本を捲って前後に戻ったり、その動きをすることであの話はあそこに書いてあったななどの立体的な把握ができるんですよね。

おっしゃる「ペラペラと前後に戻れる動き」そのものが、内容の位置づけや記憶の手がかりになっている感覚なんですね。単なる進捗バーの情報では代替できない、というのもよく分かります。 デジタル教科書でも、紙と同じように「前後を素早くパラパラ見返す」操作が直感的にできるようになった場合、長文を読む負担はどの程度変わりそうですか?

今のデジタルデバイスでは出来ないような、リアルな本のような操作感が体験できれば負担は軽減されるかもしれません。SFにあるような立体ホログラムとかそういうイメージですね。 今使われているようなタブレット端末のようなものでは、紙媒体と同じように前後を素早くパラパラと見返す体験は難しい気がします。

操作感の違いが本質で、現状のタブレットだと「パラパラ見返して全体を立体的に把握する」体験には届きにくい、という見立てなんですね。 この法案でデジタル教科書が「正式な教科書」になって普及が進むとして、国語や社会のような長文中心の教科では、紙を残す(紙も同時に配る/使える)選択肢は必要だと思いますか?

あってもいいと思います。 ですがデジタル教科書が正式な教科書になった場合学生はデジタル教科書しか使わなくなるかなとは思います。 紙を配るとすれば、教科書の内容をフォローするような別の副教材を手厚くするなど教科書に頼らない教材の使い方が有り得そうだなと思います

紙を残す選択肢は「あってもいい」と感じつつ、制度としてデジタルが正式化されると現場ではデジタルに寄っていきそう、という見立てなんですね。さらに、紙を配るなら教科書そのものより副教材を手厚くする、という発想も興味深いです。 「学生はデジタル教科書しか使わなくなる」と思われるのは、どういう運用になりやすいイメージがありますか?

自分が学生だったことを想定すると、紙の教科書を持ち運ぶのは重いし面倒、教室で借りれたとしても面倒でしょう。教科書の内容を自分が理解するかはどうでもいい事ですし、もともと真面目に読む気はないでしょう。とりあえずタブレットを机に出しておけばいいとなれば、デジタル教科書が楽だと感じる気がします。

持ち運びの面倒さがなくて「とりあえずタブレットを出しておけばいい」になりやすい、という学生側の行動イメージなんですね。さらに、そもそも教科書を真面目に読む動機が弱い層ほどデジタルに流れやすい、という見立ても含まれていると受け取りました。 その前提で伺いたいのですが、制度として「デジタル教科書を正式な教科書にする」ことが進むなら、紙の教科書を“読むこと”の価値を学校が維持するために、どんなルールや運用が必要だと思いますか?

デジタル教科書が正式な教科書になっても紙の教科書を読むことの価値を学校が維持するということですか? 教科書の中でしっかり読んでほしいところやその日授業で扱う部分だけは印刷して配るとかですかね?

はい、まさにそのイメージです。いま挙げてくださった「授業で扱う部分だけ印刷して配る」は、紙で読む体験を残す具体策として分かりやすいですね。 その場合、印刷して配るのは、どんな種類の教材(本文そのもの/要点だけ抜粋/設問つきプリント など)がよさそうだと思いますか?

国語とか本文そのものが重要な場合は本文を、社会などで要点をまとめた補助教材が合っていればその方がいいかもしれません。 逆に問題文はタブレットで見るだけで良い気がします。解くのはノートであることが多いし、問題文はだいたい短いので。

教科によって「本文は紙」「要点は補助教材」「問題文はタブレットでも十分」と整理されているのですね。かなり現実的な使い分けだと感じました。 いまのお話を踏まえると、デジタル教科書が正式化されたときに特に不利になりそうだと感じるのは、どんなタイプの子どもだと思いますか?

学習意欲が低い子どもです。タブレットの読みづらい文章は読めず、授業から置いていかれるのではないかと思います

学習意欲が低い子ほど置いていかれやすい、という懸念なのですね。デジタルの「読みづらさ」が、そのまま授業への参加のしづらさにつながるイメージだと受け取りました。 その「置いていかれる」は、授業の中で具体的にどんな状況として起きそうだと思いますか?

授業で話されている内容を理解しないので、落書きや別のことに気がそれて話を聞かなかったり、他の人と雑談し始めたりする

授業中に理解が追いつかないことで、注意がそれて落書きや雑談に流れていく、という連鎖をイメージされているのですね。 その状況を防ぐために、デジタル教科書を正式に導入するなら「授業中の端末の使い方」にどんなルールがあると良いと思いますか?

その授業が国語なら国語の教科書しか開けないなどの縛りはあってもいいかもしれないです。 それが授業の理解に繋がるわけではないですが……

教科ごとに「その授業の教材以外は開けない」ようにする縛りは、少なくとも逸れやすさを減らす狙いとしてはありそう、ということですね。一方で、それだけで理解が進むわけではないという感覚もよく分かります。 その「国語の教科書しか開けない」制限を入れるとしたら、授業中の学習にとってはどの程度プラスになりそうですか?

少し、ですかね。しかし全ての教科の教科書をいつでも見放題なのだとしたら結構気がそれると思います。少しの操作で他の色々な情報にアクセスできるのは結構な誘惑なので。 私も学生時代、授業中に関係ない電子辞書の辞典を読み続けていたりしました

「少しはプラスになる」けれど、見放題だと誘惑が強くて気がそれやすい、という感覚なんですね。ご自身の学生時代の経験からもリアルに想像できているのだと思います。 その前提で、デジタル教科書が正式化されるなら、授業中に“教科書以外(他教科の教科書も含む)”へ移れない制限は、どの程度必要だと思いますか?

ある程度必要

ある程度必要、という感覚なのですね。 その「ある程度」は、授業のどんな場面なら制限を強めて、どんな場面なら緩めてもよいと思いますか?

制限したり解除したりを先生の操作で簡単にできるなら制限するべきだと思う。先生が授業の流れなどで解除したい場合はできるならよい

先生側で簡単に制限のオン・オフができるなら、基本は制限しておいて、授業の流れに応じて解除できるのがよい、ということですね。 その「先生の操作で簡単にできる」仕組みを前提にすると、現場でいちばんハードルになりそうなのは何だと思いますか?

個人情報・端末管理

個人情報・端末管理がいちばんのハードルになりそう、ということですね。先生側で制限を切り替えられる仕組みを入れるほど、管理や漏えいリスクが気になる、という感覚でしょうか。 「個人情報・端末管理」で特に心配なのは、どんな種類の情報が学校や事業者に残ることですか?

次の質問に進む

承知しました。では次のテーマに移りますね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

名前は聞いたことがある程度

承知しました。では次のテーマに移りますね。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

紙の方が学びやすい

ありがとうございます。ここまでのお話だと、特に国語・社会のような長文では「デジタルだと頭に入りにくい」「全体の位置感がつかみにくい」といった点から、紙の方が学びやすいという実感が強いのだと理解しました。 次に、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

学校側の負担も気になりますが、教師ではないのでリアルなところは想像しにくく、学校の運営や教師の待遇の問題に繋がりそうなので、 学生時代の経験や自分が電子書籍などを使ったりした経験から学習面を一番に心配しています

学習面をいちばん心配されているのですね。ご自身の経験からの実感がある分、現実に起こりそうだと感じられているのだと思います。 制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、どんな点を最優先で反映してほしいですか?

学習意欲が低い子どもを取り残さないようなフォロー体制。

学習意欲が低い子どもを取り残さないためのフォロー体制を最優先に、ということですね。とても重要な視点だと思います。 この「フォロー体制」として、制度として用意してほしい支援は、どんな形をイメージしていますか?

分かりません。デジタル教科書が紙媒体より文章が読みづらく今までよりも理解が弱くなったと仮定する場合、それを教師側が把握して理解が追いついてないところは丁寧に教え直すとかそういうことですかね

ありがとうございます。理解が追いついていない子を先生側が把握して、丁寧に教え直すような支援が必要かもしれない、というイメージなのですね。 その「理解が追いついていないこと」を学校側が把握する方法としては、どういうやり方なら現実的だと思いますか?

難しいし、今も出来てないと思いますし、教育現場を知っているわけではないので素人の意見は的外れな気がしますが、授業内で子どもに色々意見を発言してもらったり授業内で理解度を確かめるテストを行うなどですかね

挙げてくださったように、授業内で発言の機会を増やしたり、小テストのように理解度をこまめに確かめたりするのは、現実的な方向性としてイメージしやすいと思います。素人の意見かも、とお気遣いされていますが、制度側が「何を優先して守るか」を考えるうえでは十分示唆があります。 ここまで一通り主要な論点を伺えたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、率直なお話をありがとうございました。ここまでの内容でレポート案をまとめました。ご確認ください。