💬インタビューレポート
一般市民
一般市民として、デジタル教科書の導入が学力や授業の質、学校運用に与える影響に関心を持っている。海外(スウェーデン)の報道をきっかけに問題意識を持った。
💬主な意見
🎤すべての会話ログ
本日は、「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、お考えやご経験を伺わせてください。できるだけ率直に、話しやすい範囲で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
一般市民として関心がある
ありがとうございます。一般市民の立場から関心を持たれているのですね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
ある程度知っている
ありがとうございます。「ある程度知っている」とのことですが、どんなきっかけで知りましたか?
スウェーデンでデジタル教科書のせいで学力が下がったというニュースを見た
ニュースをご覧になって、学力面の影響が気になったのですね。 そのニュースの中で「学力が下がった」とされていたのは、どんな力(例えば読む力、書く力、記憶、集中など)についての話でしたか?
具体的な項目は言っていなかった。ただ学力検査の結果が悪くなったということだった
なるほど、具体的な力というより「学力検査の結果が悪化」という形で伝えられていたのですね。 そのニュースを見てから、紙とデジタルを比べたときの「学びやすさ」については、どんなふうに感じるようになりましたか?
場面によって使い分けが良い
使い分けが良い、という感覚なのですね。 「これは紙のほうが良さそう」と感じるのは、どんな学習場面ですか?
漢字の学習は書いて覚えるのがよい。筆記試験で記述するのも、自分の言葉で考え文を書かなければならないので、紙に書くことはある程度必要
漢字や記述は、手で書くこと自体が学習の一部になりますし、試験とのつながりもあるので「紙が必要」という感覚はよく分かります。 一方で「これはデジタルのほうが良さそう」と感じるのは、どんな学習場面ですか?
数学の立体図形の場合は映像で見た方が理解しやすい。理科の実験も変化の流れを動画で見た方がよい。
立体図形や理科の実験は、動きや変化をそのまま見られるのでデジタルの良さが出やすい、ということですね。 では、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
学校運用(準備負担・トラブル・ルール)
学校側の準備負担やトラブル対応、ルール作りが気になっているのですね。 運用面で、特にハードルになりそうだと感じるのはどのあたりですか?
学校のルール作り
学校のルール作りが一番のハードルになりそう、ということですね。 デジタル教科書を正式に扱うようになったとき、学校のルール作りで「まず決めておかないと混乱しそう」と感じるのは、どんなルールですか?
どこをデジタルで、どこを紙でやるのかという点と学校ごとに差があってはいけない。全国同じ教育を与えるべきであり、地域格差などを無くすこと
「どこをデジタル/どこを紙にするか」を決めることと、学校ごとの差が出て地域格差につながることへのご懸念があるのですね。 いまおっしゃった「学校ごとに差があってはいけない」という点について、どんな種類の差がいちばん問題になりそうだと感じますか?
地域差とは違うが、先生によって教え方の上手い下手があり、デジタルなら同じ質の授業ができる。質の高い授業や興味関心の高さを反映した授業につながる。
先生による授業の質の差があって、デジタルをうまく使えば一定の質を担保できるかもしれない、という期待があるのですね。 その「同じ質の授業ができる」と感じるのは、デジタル教科書のどんな要素(例:動画・音声・解説の標準化など)によるものだと思いますか?
動画も解説の分かりやすさもある
動画や分かりやすい解説が標準で入ることで、授業の質を底上げできそう、ということですね。 その場合、デジタル教科書に入る「解説の分かりやすさ」は、具体的にどんな形だと学校現場で特に役に立つと思いますか?
授業に集中してない子は授業が面白くないか分からないからである。授業が分かりやすければ理解して話を聞けることにつながるだろう
授業が分かりやすくなることで、理解できていない子も話を聞けるようになっていく、という見立てなのですね。 その「授業に集中してない子」に対して、デジタル教科書の解説が効きそうだと感じるのは、どんな場面ですか?
理解度の低い子にはそのレベルの授業、勉強のできる子には高度な授業をすることもできる
理解度に合わせて内容のレベルを変えられると、取りこぼしも伸びも両方ケアできそう、ということですね。 その「理解度の低い子にはそのレベルの授業」をデジタル教科書で実現するとしたら、どんな形がいちばん現実的だと思いますか?
移民問題が話題になっている。漢字が読めない、難しい言葉が分からない、などにはそのレベルに合わせた内容を用意する。みらい議会の優しい版と詳しい版のように
移民などで日本語の理解に幅がある状況を踏まえて、「やさしい版/くわしい版」のようにレベル別の内容を用意できると良い、というイメージなのですね。 学校でデジタル教科書を正式に使う前提で、そうした「やさしい版/くわしい版」を誰がどこまで用意するのが現実的だと思いますか?
教科書の製作会社が用意する。デジタルならば、アップデートで内容をいつでも変えられるだろう。紙の教科書にはできない利点がある
教科書会社側が用意して、デジタルなら更新もしやすい、という期待があるのですね。 制度設計をする人に伝えるとしたら、「デジタル教科書のアップデート(内容更新)」について、どんなルールを決めておくのが大事だと思いますか?
アップデート内容も当然検査を受ける。
アップデートも検査対象にすべき、という点ですね。内容の信頼性を担保するうえで大事な視点だと思います。 その「アップデート内容の検査」は、どのくらいの頻度までなら現実的だと感じますか?
学期ごとくらいなら対応できるのではないか。毎月は負担がでかすぎる。年一では少なすぎる
学期ごとくらいが現実的で、毎月だと負担が重く、年1回だと少なすぎる—という感覚なのですね。とても具体的で助かります。 最後に1点だけ伺いたいのですが、この法案で「デジタルを含む教科書」も正式な教科書として扱うようになったとき、学校現場の運用面でいちばんハードルになりそうなのは何だと思いますか?
授業設計の難しさ
授業設計の難しさがいちばんのハードルになりそう、ということですね。 その「授業設計の難しさ」は、具体的にどんな点で難しくなるイメージですか?
理科の実験で火災が起きるかもしれないから危険だという声があり、動画を見て学習しようとなると、体験の教育が不足する。学校ではできないが動画なら詳しい実験内容も見ることができる。その線引きは難しい
体験の学びが減ってしまうかもしれない一方で、動画だからこそ安全に詳しく見られることもある——その線引きが難しい、ということですね。 その「線引き」を学校で決めるとしたら、どんな基準があると納得しやすいですか?
それは時代の流れや実際に起きた問題により異なるので一概にはいえない。徐々に変えてみる程度
状況に応じて柔軟にして、いきなり決め切らず「徐々に変えてみる」くらいが現実的、という感覚なのですね。 ここまで一通り重要な論点(学びやすさの使い分け、運用ルール、授業の質の均てん化、アップデートと検査、体験学習と動画の線引き)を伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、率直なお話をありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。ご確認いただき、事実関係やニュアンスの違いがあれば教えてください。