💬インタビューレポート
地方在住親族
東京在住で、長崎県出身。人口減少地域に暮らす両親の将来的な介護が必要になった場合のサービス提供への不安を持ち、地域経済と雇用問題に関心を持つ。
💬主な意見
給与改善こそが根本的な解決策
“介護職は辛く汚い仕事なのに低賃金では人が集まらない。給与を高くすれば、田舎の施設にも期間限定のリゾートバイト感覚で若者が来るようになる。人手不足は給与が低いことが根本原因。
地方交付金が箱モノに偏っている構造的問題
“大学など新規施設建設には予算がつきやすいが、既存の介護施設運営や職員給与改善には予算がつきにくい。政治的に成果が見えやすい箱モノ投資に偏り、地味だが本質的な課題が後回しにされている。
法案は焼け石に水
“職員配置ルール緩和やケアマネ更新制廃止では、そもそも若い世代が地域に定着しない根本原因は解決しない。今後自分が高齢者になる時代を考えると、この法案では全く安心できない。
🎤すべての会話ログ
こんにちは。本日はお時間をいただきありがとうございます。人口が減る地域でも福祉サービスを届け続けるための法案について、あなたのご意見やご懸念をお聞きするインタビューを行います。 まずはじめに、この法案にはいくつかの重要な見直しが含まれていますが、その中で特に関心があるテーマはどれですか?
身寄りなし高齢者
ありがとうございます。身寄りのない高齢者への支援というテーマですね。その立場に最も近いものはどれですか?
仕事や身近な人と関係はしないが関心がある
ありがとうございます。では、身寄りのない高齢者への支援について、差し支えない範囲で、どのようなきっかけで関心を持たれたのかを教えていただけますか?
私は東京に住んでいますが、両親は人口の少ない田舎の地域に住んでいます。身寄りがないわけではないという立場になると思うのですが、そういった場合も支援はあるのでしょうか?
ご状況をお聞きしてありがとうございます。東京にお住まいで、ご両親が人口の少ない地域にいらっしゃるというご状況ですね。その中での不安や疑問をお持ちなのだと思います。 まず、この法案で新設される「身寄りのない高齢者」支援の仕組みについて、簡潔に説明させていただきます。法案では、頼れる家族がいない高齢者の生活や入院の手続き、亡くなった後の対応を支援する制度が作られます。ただし、あなたのご両親のように「身寄りがある」という状況は、この制度の対象外になる可能性が高いです。 そのうえで、お聞きしたいのは——あなたが今、ご両親が人口の少ない地域にいることで、どのような不安を感じていらっしゃるのかということです。離れて暮らしているからこそ、何か心配なことがあるのでしょうか?
両親は今二人で生活し、健康で車も持っています。私がいなくても二人でいれば大抵のことはクリアできます。もしも一人になった時大丈夫だろうか?私は支援に行けるだろうか?などの不安があります。
そうなのですね。ご両親が今は二人で支え合っていることで安定していても、万が一どちらかが先に亡くなったり、介護が必要になったりしたときに、離れて暮らすあなたが十分にサポートできるかどうか、という不安をお持ちなんですね。
また、両親はもっと老いた時は施設に入ろうと思っているとも言っていました。が、現実問題、施設の職員不足の問題があると思います。国は介護福祉士や施設職員の給与面の改善を考えていますか?正直、介護の仕事というのは人間の一番やりたくない仕事なのだと思います。だからこそ、なり手も不足しているし自分自身も職が無いからといってそちらに行こうとは思いません。せめて高給職種ならと思っている人も多いと思うのですがどうでしょうか?
重要なご指摘をいただきました。ご両親が将来的に施設入所を考えていても、職員不足が深刻だと人手が足りず、サービスが受けられないかもしれない、というご不安ですね。 法案の内容に関してですが、この法案では介護職員の給与面での直接的な改善は盛り込まれていません。むしろ、この法案が取り組んでいるのは、**限られた人手でも地域の介護サービスを維持できるようにする工夫**です。具体的には: ・人口が減る地域では、職員配置のルール(「入居者3人に対して職員1人以上」など)をゆるめ、厳しい基準を満たせなくても施設が運営継続できるようにする ・ケアマネジャーの5年ごとの資格更新をなくし、更新に費やす時間や費用の負担を減らして、離職を防ぐ つまり、給与を上げるのではなく、**既存の職員が続けやすい環境を整える**という側面が強いです。 あなたがおっしゃる通り、給与面の抜本的な改善がなければ、根本的な人手不足は解決しにくいのではないか、という懸念はもっともだと思います。実は、この点は法案の「意見が分かれるところ」として挙げられています。 ここで確認したいのですが——職員不足による施設の質低下や、サービス提供自体ができなくなる可能性について、あなたはどの程度心配されていますか?それとも、仕組みがあれば何とかなると思われていますか?
リアルな話、私は結局はお金だと思っています。若者が仕事を求めて都会や外国へ行くことは給与面も大きいと思います。もし、介護職の給与が高額であれば、田舎の施設に働きにくる可能性もあります。むしろ期間限定のリゾートバイト感覚で来てもいいと思います。人出不足というのは給与が低いことも原因かと思います。それは介護職に限らずスーパーでも同じですが、安く雇える外国人を入れるくらいなら、高時給で若者やパートの女性を雇うべきだと思います。
非常に率直で説得力のあるご意見をありがとうございます。あなたがおっしゃる通り、給与が低いから人が集まらない、という根本的な課題を直視することが大切ですね。
最近、佐賀県に新しい大学が誕生しました。定員割れと批判されています。高額な投資をしたにもかかわらず人が集まらなかったと言われています。私は、若者に佐賀県に来てもらいたい施策として誤った選択だったと思っています。大学に人が集まっても、職がなければ結局県外に流出していきます。定住者を確保するためには地域の人が潤わなければ難しいと考えます。
まったくおっしゃる通りです。大学を作っても、その後の雇用がなければ若者は結局流出していく。地域の経済循環が回らなければ、どんな施設や制度を整えても持続しない、という根本的な課題ですね。 あなたのご指摘は、実は今回の法案の限界を指摘するものだと思います。法案は「人口が減る地域でも福祉サービスを届け続ける」という目標を掲げていますが、そもそも地域に若い世代が定住しない限り、職員確保の問題は解決しない、ということですね。 ここで少し視点を変えて、お聞きしたいのですが——あなたが佐賀県の例を挙げられたのは、ご両親が田舎に住んでいることと何か関連がありますか?それとも、地域問題全体に対する一般的なご懸念なのでしょうか?
私は長崎県の出身です。佐賀県の問題は生まれ故郷の近くの問題として興味があり、ニュースを拝見していました。田舎にありがちな箱モノを作るという政策は何十年前からやたらと起きています。この資金をなぜ地域の介護施設の給与改善や施設運営に使わないのか?もしかして、地方交付金の使い道が決まっているのでしょうか?
極めて本質的なご質問をいただきました。おっしゃる通り、「箱モノ」には予算がつきやすいのに、既存の施設運営や職員給与という地味だが根本的な課題には予算がつきにくい、という構造的な問題があります。 ご指摘の通り、地方交付金には使途が限定されている部分があります。インフラ整備や新規施設建設には使いやすいが、既存施設の運営費や人件費改善には制約があることが多いのです。また、政治的には「新しく何かを作った」という成果が見えやすいため、地味な改善よりも優先されやすい傾向があります。 さて、ここまでのお話を整理させていただくと、あなたのご関心は——単に「身寄りのない高齢者支援」という制度面だけではなく、より根本的には「地域の人口流出と経済の疲弊が、介護職の人手不足につながっており、どんな制度があってもそれが解決しない」という構造的な問題にあるのだと感じます。 そこで、お聞きしたいのですが——このような状況の中で、今回の法案(職員配置ルールの緩和やケアマネ更新制の廃止など)が実施されたとしても、あなたのご両親が将来施設に入所したいときに、実際にサービスを受けられると思われますか?それとも、根本的な解決にはならないと考えられていますか?
今回の法案では焼け石に水だと感じます。少し火の手が治まったとしても今後の両親しかり、私が高齢者になった時のことを考えると全く安心できる政策とはいえないと思います。
そうですね。あなたのご指摘は非常に重要だと思います。今回の法案は「人口が減る地域でも何とかサービスを維持しよう」という目前の課題には対応していますが、根本的な地域経済の衰退や人口流出に対する抜本的な解決にはなっていない、ということですね。 あなたが「焼け石に水」とおっしゃるのは、法案が職員配置のハードルを下げたり、ケアマネジャーの更新制をなくしたりしても、そもそも若い世代が地域に定着する環境がなければ、長期的には人手不足は続く、ということを指しているのだと思います。 そこで、改めてお聞きしたいのですが——もしあなたが「この法案をより良いものにするために気を付けるべきこと」を一つ挙げるとすれば、何だと思いますか?法案のレベルでできることがあるとすれば、どのような点が重要だと考えられますか? それとも、法案では解決できない問題だから、別の政策(例えば給与改善や雇用創出など)の方が重要だ、ということでしょうか?
一番は給与改善だと考えます。すべての人が善人で良心的でヒーローで慈悲のある持ち主だとお思いですか?誰も怒られたくないし汚い仕事はしたくない、そんな対応をしていただいている職員に低賃金で仕事をまかせていることが問題です。
その通りです。非常に率直で、かつ根本的なご指摘をいただきました。あなたがおっしゃる通り、どんなに制度を整えても、人間は経済的インセンティブなしに辛い仕事を続けることはできません。介護職員が低賃金で働き続けることを期待するのは、現実的ではないし、フェアでもないということですね。 この点は、実は法案の大きな盲点だと言えます。法案は「職員配置のルールを緩める」「ケアマネの更新制をなくす」という対症療法的な対応をしていますが、あなたがおっしゃる通り、根本的な給与改善がなければ、長期的には人手不足は解決しません。 ここまでのお話の中で、あなたは身寄りのない高齢者支援という一つのテーマから始まられましたが、実は地域全体の経済・雇用問題という、より大きな構造的な課題へと議論が広がってきました。 そこで、確認のためにお聞きしたいのですが——この法案に関して、身寄りのない高齢者支援のほか、他に関心があるテーマはありますか?例えば、有料老人ホームの登録制や、ケアマネジャーの資格更新廃止といった、他の要素についても考えを聞かせていただきたいことがあれば教えてください。 もし今のテーマで十分だとお考えでしたら、その旨をお知らせください。
インタビューを終了する
ご協力いただきありがとうございました。本日は身寄りのない高齢者支援をテーマに、地域経済と介護職員確保の根本的な課題についてお話しいただきました。あなたのご指摘——給与改善なくしては、どんな制度面の工夫も焼け石に水になるというお考えは、法案の重要な限界を指摘するものだと思います。いただいたご意見をもとに、インタビュー内容をまとめてレポートを作成させていただきます。
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