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💬インタビューレポート

教育関係者

事業者

教育現場に関わる立場として、授業で教員が電子黒板にデジタル教科書を映して使う運用を日常的に見聞きし、学習効果や家庭負担・運用面の課題を踏まえて意見を述べた。

回答日2026.3.29 18:10
インタビュー分量308 分 / 1203 文字

💬主な意見

拡大提示は算数などで「今ここ」を揃えやすい

電子黒板で拡大し、問題文の該当箇所だけを見せると、児童が今どこの話か分かりやすくなる。

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国語は表示しきれず、主体的に読む力も心配

拡大には限りがあり長文は見せきれない。意欲の低い児童が提示を待つだけになり、教科書を自分で追う力が育ちにくい懸念がある。

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欠席児童の復習に有効、家庭負担と制限設計が鍵

家で教科書を開ければ欠席がちな児童の復習ハードルが下がる一方、Wi‑Fi差や家庭ルール負担、「見放題」対策(年齢に応じた22時制限等)と操作の簡単さが重要。

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🎤すべての会話ログ

本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることや経験を伺いたいです。率直なお話で大丈夫です。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のご経験があるのですね。現場感のあるお話が伺えそうで心強いです。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

ある程度知っている

ありがとうございます。「ある程度知っている」というのは、どんな形で触れてきた感じに近いですか?

教員は授業で毎時間電子黒板にうつして使います。児童には使わせていません。

なるほど、先生側が電子黒板で提示する形で日常的に使っていて、児童は直接は操作していない運用なのですね。 その運用の中で、紙の教科書と比べて「学びやすさ」に違いが出ていると感じる場面はありますか?

見せたい部分を拡大してピンポイントで見せることはできます。

拡大してピンポイントで見せられるのは、理解の助けになりそうですね。 その「拡大して見せる」が特に効果的だと感じるのは、どんな内容のときですか?

教科書の文章表現や、図形を見せるときはもちろん、今、先生が話している部分を明らかにする効果があります。例えば、算数で問題文を読んでいるとき、問題文の部分のみがうつるように拡大すると、児童は今どこの話をしているのかわかりやすいです

具体例までありがとうございます。算数の問題文で「今どこの話をしているか」を視覚的に揃えられるのは、授業の迷子を減らす効果がありそうですね。 一方で、電子黒板に映す運用だと、学びやすさの面で「ここはやりにくい/伝わりにくい」と感じる場面はありますか?

拡大してうつせるのにも限りがあるため、算数は比較的やりやすいですが、国語のようにある程度の文章を見せたいときは、電子黒板では見せきれないので不便だなと思います。また、電子黒板に頼りすぎていて、教科書を自分で見る力は育たないのではないかと思っています

たしかに、表示領域の制約があると国語の長めの文章は扱いづらいですし、提示に頼りすぎると「自分で教科書を追う力」が育ちにくいのでは、という不安も自然だと思います。 「教科書を自分で見る力が育たないかもしれない」と感じるのは、授業中のどんな場面で特にそう思いますか?

教科書から自分で学びたい意欲のある児童は、自ら教科書を開いてキーワードを探すのですが、意欲が低い児童は、電子黒板で見せてもらうのを待つだけになりがちです。

なるほど…意欲の差がある中で、電子黒板提示が「待つだけ」になりやすい子を生んでしまう、という感覚なのですね。 この法案でデジタル教科書が正式な教科書として位置づくことで、そうした「待つだけ」になりがちな状況は増えそうですか?減りそうですか?

児童の端末にも電子黒板と同じ画面がうつせて、「ここを見るとよい」などの具体的指示ができるのであれば、学習にも繋がりやすいと思います。

児童端末にも同じ画面を出せて、見るべき場所を具体的に指示できれば学習につながりやすい、という期待があるのですね。 逆に、デジタル教科書を児童が端末で使うようになった場合に、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

家庭・公平性(端末/通信/支援の差)

家庭環境の差が学びに直結してしまうのは、不安が大きい論点ですよね。 その「端末/通信/支援の差」が特に表に出やすいのは、どんな場面だと思いますか?

家庭にWi-Fiがある、ない問題や、家庭では勝手にタブレット端末を触ってはいけないという家庭のルールを設けているところもあります。

なるほど、家庭のWi‑Fi環境の有無や、そもそも家庭内ルールで端末を自由に使えないケースがあるのですね。 そのような状況がある中で、学校側としては「家庭での利用」をどの程度前提にするのが現実的だと思いますか?

学校を欠席した際につかう、家庭学習で使うのは推奨しますが、家庭に聞くと、「いい迷惑」といわれます。

欠席時のフォローや家庭学習に使ってほしい一方で、保護者側から「いい迷惑」と言われてしまうのは、学校としても板挟みでつらい状況ですね。 その「いい迷惑」という反応は、具体的にはどんな負担感として受け止められている印象ですか?

学習用として、YouTubeが見れるのですが、「見放題」な状況があるため、迷惑だと感じるそうです。また家庭のルールを作らねばならず、それは負担に感じるようです

YouTube等が見られることで「見放題」になりかねない点や、家庭内ルール作りそのものが負担になる、という受け止めなのですね。 この法案でデジタル教科書を正式に進めるなら、端末の“見放題”を防ぐために、学校や自治体の運用としてどの程度の利用制限(例:家庭では学習アプリ・教科書のみ等)が必要だと思いますか?

22時以降はインターネットに繋がらなくなる、開けるアプリが限定されるなどは必要だと思います

22時以降の通信制限や、開けるアプリの限定は必要、というお考えなのですね。 そうした制限を入れる場合、「22時」という基準は、どんな考え方で決めるのがよいと思いますか?

睡眠時間確保のため、使用者の年齢により、変動できるのが理想です。上の学年の場合は遅くとも22時には就寝すべきと思うので、そこに合わせると、22時かなと

年齢に合わせて変動できるのが理想で、上の学年でも遅くとも22時就寝を想定すると、22時制限が目安になるということですね。 その「年齢によって変動できる制限」を実現するうえで、運用面でいちばんハードルになりそうなのは何だと思いますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のお立場から関心を持たれているのですね。 この法案(デジタル教科書を正式な教科書として認める)が進むことで、あなたの現場や役割の中で「変わりそうだ」と感じる点はどのあたりですか?

紙の教科書は学校に置いて帰るがスタンダードなので、自宅で復習などをしたい場合に不便だったという意見がありました。その点を解消できるかと思います

学校に教科書を置いて帰る運用だと、自宅での復習がしづらいという声があり、デジタルで補える可能性があるのですね。 その「自宅で復習しづらい」という課題は、どんな児童に特に強く出ていると感じますか?

学校を休みがちの児童、感染症等にかかり、一定期間登校できない児童、本人や家庭の都合で欠席、遅刻、早退の多い児童にとって、いつでも開けるのであれば復習のハードルも下がると感じます。

欠席や遅刻・早退が多い子、一定期間登校できない子にとって「いつでも開ける」ことが復習のハードルを下げる、という見立てなのですね。とても重要な観点だと思います。 その子たちが自宅で復習するとき、デジタル教科書に「これがあると助かる」と感じる機能や仕組みはどんなものですか?

クラスのみんなが、その日にどこからどこまでを学習したのかが分かる機能があると、親も声をかけやすいと思います。

その日の授業範囲が分かる機能があると、保護者も声をかけやすくなるのですね。欠席がちな子のフォローにも直結しそうです。 その「どこからどこまでを学習したか」が分かる機能は、誰が更新する形が現実的だと思いますか?

教師は毎回の授業でデジタル教科書を開くことがほとんどだと思うので、学習後にデジタル教科書を閉じる前に、ふせんを貼るような簡単な操作があって、それを児童が見ることができるとなれば、負担はそこまで大きくないのかと思います。

授業の最後に、先生が“ふせんを貼る”程度の簡単操作で範囲を残せて、それを児童が見られる形なら現実的、ということですね。とても具体的でイメージしやすいです。 ここまでのお話を踏まえて伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?

初見でだれにでも(低学年の子どもにも)操作ができる、使い方の指導が要らないぐらい簡単であることが、教員側も保護者側も、一番ありがたいです

初見で低学年でも迷わず操作できて、指導コストがほとんど要らない設計が重要、ということですね。教員・保護者の双方の負担を減らす核心だと感じました。 ここでインタビューは一区切りにして、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容でレポート案をまとめました。事実関係やニュアンスにズレがないか、ご確認ください。