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💬インタビューレポート

暗号資産経験者

事業者

暗号資産の取引経験があり、発行者不在・プロトコル型トークンの実務的な論点(開示主体、調査・監査、分類)に強い関心を持つ立場。意見聴取にはプロトコル開発事業者も必要だと考える。

回答日2026.5.24 13:47
インタビュー分量38 分 / 1528 文字

💬主な意見

開示は取扱事業者が調査・監査し、方法も開示

発行者が不明確な例が多いので、取扱事業者が責任を持って調査・監査し、調査方法や情報源も開示してほしい。

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発行スキームと「発行者」定義の明確化が重要

最低限、発行スキームと調査方法を開示してほしい。発行者の有無、プロトコル連動か、設計者=発行者とは限らない点を踏まえ発行者定義を明確にしてほしい。

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資金調達型と非資金調達型を分け、負担偏在を防ぐ

資金調達目的のトークン発行と、非資金調達でプロトコル関与により受益が出る型は明示的に分けて、求める情報粒度や責任者を変えるべき。海外発トークンで国内事業者だけ負担増は不公平で、海外流出やイノベーション阻害が懸念。

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🎤すべての会話ログ

本日はお時間ありがとうございます。「暗号資産を株式などと同じように規制して、投資する人を守るための法案」について、率直なお考えを伺いたいです。 今回の法改正のうち、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマを選んでください。

暗号資産の情報開示義務

ありがとうございます。では、この法案について、あなたはどんな立場・関わり方に近いですか?

暗号資産の取引経験者

ありがとうございます。今回の法案について、現時点でどの程度ご存知ですか。

概要は知っている

ありがとうございます。 今回の法案について、全体としてどのように評価していますか。

どちらかといえば良い

「どちらかといえば良い」と感じられているのですね。そう思われた理由として、どういった点が特にプラスだと感じましたか?

私募の規制緩和

私募の規制緩和の点をプラスに見ていらっしゃるのですね。 その点が良いと感じたのは、どんな変化(例:資金調達のしやすさ、手続きの負担、投資家側の選択肢など)をイメージされているからですか?

金調達のしやすさ

資金調達がしやすくなる点を評価されているのですね。 今回、最初に挙げていただいた「暗号資産の情報開示義務」については、どのような点が特に気になりますか?具体的に教えてください。

暗号資産の情報開示義務はだれがどのように行うのか?

関心が「誰が・どうやって開示するのか」にあるのですね。 この法案の「開示」は、主にどの主体が担う想定だと思いますか?(発行者/取引所などの仲介業者/両方)

発行者が行うことが基本であると思っているが、本来は発行スキームの設計者が行うことが望ましい。しかし、国内に発行主体があることの方が稀であると思うので、何を指しているのかが不明である。

ご認識のとおり「発行者が基本」とすると、暗号資産は海外主体や分散型で、そもそも“発行者”がはっきりしないケースが多いので、そこが一番ひっかかるポイントですよね。 この「発行者が不明確な暗号資産」が多い前提に立つと、開示義務は現実的にはどこに寄せる設計がよいと思われますか?

暗号資産を取扱おうとする、事業者が責任をもって、調査・監査を行う。

取扱事業者(取引所側)が責任を持って調査・監査する、という整理なのですね。 その場合、事業者が最低限「ここまでは調べて開示してほしい」と思う項目は、どんなものになりますか?

発行スキームと調査方法の開示は最低限必要である。それは、発行者が存在しているトークンか否か?プロトコルに連動して発行されるものになっているのか?プロトコル設計者=発行者とは限らないから、発行者の定義はどうなるのか?

具体的に「発行スキーム」と「調査方法」を開示してほしい、という点はとても筋が通っていますね。とくに“発行者の定義が揺れる”ところが、制度設計の肝になりそうだと感じました。 いま挙げてくださった項目の中で、利用者保護の観点から「これが曖昧なままだと一番まずい」と思うのはどれですか?

発行者の資金調達を含む意味のあるトークンは、今回の金商法によって取り扱われるのに適正であると思うが、プロトコルに従って、発行のなされるトークンについては、プロトコルの設計者≠発行者であって、プロトコル関与者=発行者になるはずだ。この辺の区別はされているのか?

整理すると、「資金調達(発行者がいて、その主体が資金を集める)タイプのトークン」は金商法的な開示・責任の枠組みに乗せやすい一方で、プロトコルに従って自動的に発行されるタイプは、設計者と発行者が一致せず、関与者のどこまでを“発行者”とみなすのかが曖昧だ、というご懸念ですね。 その区別が制度上あいまいなままだった場合、現場では「誰を“発行者(または発行に準ずる責任主体)”として扱うべき」と整理するのが現実的だと思われますか?

後者であるばあい、発行者は一意に決まらないと考えられる。しかし、当該設計者が資金調達を伴う場合もあるため、一概に発行者≠設計者であるとは言えない可能性もある。

おっしゃる通りで、プロトコル型だと「発行者が一意に定まらない」ケースがあり得ますし、設計者が別の形で資金調達している場合もあって、単純に切り分けられないのが難所ですよね。 そういう前提のときに、制度運用としては「発行者が一意に定まらないトークンは、どんな扱い(例:取扱不可/条件付きで取扱可/開示は取引所側に寄せる等)にするのが現実的」だとお考えですか?

設計者が別の形で資金調達を行う場合は、対象に含めるべきではない。設計者が発行トークンにより、資金調達を行うスキームとなっている場合とは目地的に分離しておく必要がある。 設計者が資金調達を伴わず、プロトコルへの関与をもってしてのみ、発行トークンの受益者となる場合と、設計者の資金調達を目的に含む場合は、その情報開示の責任者は変わるのが原則であろうと考える。

目的(資金調達スキームかどうか)で切り分けて、開示責任者も変わるべき、というお考えですね。プロトコル型の実態に合わせた整理だと感じました。 この「資金調達を目的に含む/含まない」を見分けるために、制度上はどんな基準や証拠(例:トークン配分、収益の流れ、関与者の権限・約束事など)が必要だと思われますか?

もう一つが、先に言った、海外で開発されたトークンについて、発行者が規制できない可能性がこのることに、国内事業者だけが実質的な規制対象になるのであれば、それは、公平ではないし、イノベーションの阻害要因になりかねない。

海外発のトークンだと発行者側に規制が届かず、結果として国内の取扱事業者だけが重い責任を負う形になる――その不公平感やイノベーション阻害の懸念が強いのですね。 その状況を避けるために、制度設計としてはどんな打ち手が現実的だと思われますか?

ですから、トークンの取り扱いをしたい、事業者がその調査責任をお打つ必要があって、この調査方法、情報源などを開示情報として整備しなければならない。 つまり、トークンによる資金調達を行う発行者がいる場合と、トークンによる資金調達を行わず、プロトコルへの関与を持ってのみ発行受益がある場合は、個別に行う必要があって、それぞれ、提供すべき情報粒度を明示する必要がある。

取扱事業者が調査責任を負い、その調査方法や情報源まで含めて開示として整備する、という方向性なのですね。あわせて「資金調達型トークン」と「非資金調達でプロトコル関与型」の2類型で、求める情報粒度を分けて明示すべき、という点もよく分かりました。 この法案を実際に運用するうえでハードルがあると思いますか?また、影響を受ける側(個人・事業者・組織など)のさまざまなケースが十分に考慮されていると思いますか?

いいえ(考慮が不十分/ハードルが大きい)

「考慮が不十分で、ハードルが大きい」と感じられているのですね。 運用で特に見落とされそうだと思うケースは、どんなものですか?

特に、上記の調査や情報開示が求められる時、国内事業者にとってのみ負担が大きく、これが、イノベーションの阻害要因になってはならない点を考慮されていなければ、この分野の事業者は国内で事業展開することに全くのメリットがなくなるため、海外への流出が促進されてしまう、

国内事業者だけに調査・開示の負担が集中すると、国内でやるメリットが薄れて事業者が海外に流出しかねない、という懸念なのですね。 その「海外流出が進む」としたら、国内事業者は具体的にどんな行動を取り始めるイメージですか?

情報開示の調査・監査は、取扱事業者の責任で行う形にならないと、この問題は解決が難しいと思う。いま、この観点から当局に意見を言える者は、プロトコル開発を行っている国内ベンチャー事業者以外になく、極めて貴重な意見であるはず。

取扱事業者に調査・監査の責任を置く設計にしないと難しい、というお考えなのですね。現場の声として貴重だと思います。 では最後に、この制度を設計する人に、何か一つ伝えるとしたらそれは何ですか?

意見聴取をする有識者が、暗号資産交換業者に偏ってしまうと、この意見は、彼らにとっての利益相反になるため、彼らからは得られないはずだ。

ご指摘のとおり、交換業者だけに意見聴取が偏ると、制度が「誰にどの責任を負わせるか」という局面で利益相反が入りやすく、重要な論点が取りこぼされる懸念がありますね。 そのうえで、意見聴取の場に「最低限このタイプの人は入れるべき」と思うのは、どんな立場の有識者ですか?

ブロックチェーンプロトコル開発を行っている国内外の事業者

ありがとうございます。制度設計側へのメッセージとしては、「交換業者に偏った意見聴取だと利益相反で重要論点が出にくいので、ブロックチェーン・プロトコル開発を行う国内外の事業者も必ず入れるべき」ということですね。 ここまで伺った内容をまとめ、レポートを作成します。

本日は貴重なお話をありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめましたので、ご確認ください。

以上の事より、 調査や情報開示が求められる時、国内事業者にとってのみ負担が大きく、海外発のトークンだと発行者側に規制が届かず、結果として国内の取扱事業者だけが重い責任を負う形になる――その不公平感やイノベーション阻害の懸念 て「資金調達を目的とするトークン発行」と「非資金調達型でプロトコル関与よってのみ発行受益が得られるもの」の2類型に明示的に分けて考えてほしい点 を強調してほしい

本日は貴重なお話をありがとうございました。ご指摘の「国内事業者に負担が偏る不公平感・イノベーション阻害」と「資金調達型/非資金調達・プロトコル関与型の2類型を明示してほしい」を、レポートの中心論点として反映した案です。内容に問題ないかご確認ください。

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