🎯この法律のポイント
この法案は、暗号資産の規制見直しに加えて、大企業の環境情報の開示ルールや新しい会社の資金調達支援なども含む、金融商品取引法の幅広い改正です。
暗号資産のルールが「お金を送る道具」から「投資の商品」向けに変わります
- 暗号資産は「送金の道具」として規制されてきましたが、今は投資目的で持つ人がほとんどです。
- そこで、株や投資信託と同じ「金融商品」として扱い、投資する人を守るルールに変えます。
- 暗号資産を発行する人や取引を仲介する会社に、くわしい情報の公開を義務づけます。
まだ公表されていない重要な情報を使った売買が禁止されます
- 株式では、会社の関係者が公表前の情報で売買することは犯罪です。
- この法律で、同じルールが暗号資産にも当てはまるようになります。
- たとえば取引所が新しい通貨の取り扱いを始める情報を、事前に知って売買することが禁止されます。
登録なしで暗号資産を売る業者への罰則が重くなります
- 国に届け出をせずに暗号資産を売る業者への罰則が重くなります。
- こうした業者から買った暗号資産の売買は原則として無効になります。
- 被害にあった人がお金を取り戻しやすくなる仕組みです。
大企業に環境への取り組みの公表を義務づけます
- 東証プライム市場に上場する大企業に、気候変動への取り組みの公表が義務になります。
- 公表された内容が正しいか、外部の専門家がチェックする仕組みも取り入れます。
新しい会社がお金を集めやすくなります
- 起業したばかりの会社が投資家からお金を集める時に必要な書類のルールがゆるくなります。今は1億円以上集める時に必要だった届出書が、5億円以上からになります。
- 投資の経験が豊富なプロの投資家からの資金調達がしやすくなり、新しい会社にお金が回りやすくなります。
✏️この法律が必要な理由
暗号資産を投資として持つ人が増えているため
- 暗号資産の口座は国内で1,400万件を超え、多くの人が値上がりを期待して持っています。
- 金融庁には毎月350件以上の相談が届いており、だまされるトラブルも増えています。
公表前の情報を使った不正な売買を止められないため
- 暗号資産には、公表前の重要な情報を使った売買を禁止するルールがありません。
- 株式にはあるこのルールがないため、一般の投資家が不利な立場に置かれています。
- 世界では欧州や韓国が法律を整え、国際機関もルール作りを求めています。
企業の環境情報の公表ルールが統一されていないため
上場企業に環境への取り組みの公表は求められていますが、決まった基準がなく、企業どうしを比べにくい状況です。
👀意見が分かれるところ
ルールが厳しすぎて暗号資産の会社は続けられるのか
- 暗号資産を扱う会社は株式を扱う会社と同じルールに対応する必要があり、金融審議会でも「負担が重すぎて利用者の使いやすさが損なわれないよう配慮すべき」との意見が出ています。
- ルールが厳しすぎると会社が減り、利用者にとっての選択肢も減るおそれがあります。
国内のルールだけで海外の取引まで守れるのか
- 暗号資産は国境を関係なく移動でき、国内のルールが届かない海外の取引所もあります。
- 国内ルールを厳しくすると、利用者が海外の取引所に流れてしまう可能性も指摘されています。
暗号資産の税金が安くなると値動きだけを狙った取引が増えないか
- この法律自体に税金の変更は含まれていませんが、与党は暗号資産の税率を最大約55%から約20%に下げる方針を別途示しています。
- 投資しやすくなる一方、値動きが激しい暗号資産への短期的な売買が増えるおそれもあります。
よくある質問
Q. 暗号資産が金融商品になると私たちの生活にどう関わるのか
A. 暗号資産を持っている人は、不正な売買が禁止され、業者の情報公開も進むため、より安心して取引できるようになります。持っていない人にも、詐欺的な勧誘への取り締まりが強まる効果があります。
Q. 今持っている暗号資産はどうなるのか
A. すでに持っている暗号資産がなくなることはありません。取引を続けるには、新しいルールに対応した登録業者を使う必要があります。
🙋影響を受ける人
- 暗号資産を持っている人:不正な売買が禁止され、業者の情報公開が進むことで、だまされるリスクが減ります。
- 暗号資産を扱う会社:株式を扱う会社と同じ水準のルールに対応する必要があり、体制づくりの負担が増えます。
- 東証プライム市場の大企業:環境への取り組みを決まった基準で公表し、外部チェックを受ける義務が始まります。
- 起業したばかりの会社:投資家からお金を集める時の書類の負担が減ります。
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