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💬インタビューレポート

教育専門家

期待専門家

教育分野に学校外の専門家として関わり、学習者用デジタル教科書をよく理解し、使用経験もある立場。

回答日2026.3.30 17:45
インタビュー分量16 分 / 954 文字

💬主な意見

紙では学べない子がいる点が出発点

LD・弱視(ロービジョン)・肢体不自由の子は紙の教科書にアクセスしづらく、現状は教育を受ける権利が十分に保障されていない。

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必要機能で最低限の学びが成立する

弱視は配色・コントラスト・文字サイズ調整、LDは調整+音声読み上げ、肢体不自由は自力で準備・ページ操作ができ、介助に頼らず学べる。

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最大の壁は現場の不理解と議論の偏り

ネガティブ面だけが強調され、アクセシビリティ確保という核心が理解されず議論が進まない。権利保障だと共有されれば最優先で進む。

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🎤すべての会話ログ

本日は、「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、お考えや実感を伺えればと思います。差し支えない範囲で、率直に教えてください。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のご経験があるのですね。差し支えなければ、そのご経験は「どんな立場・役割」(例:教員、支援員、ICT支援、管理職、教材制作、研究、自治体側など)に近いですか?

学校外の専門家として

学校外の専門家として関わっていらっしゃるのですね。 その立場から見て、デジタル教科書についてはどの程度ご存知ですか?

よく知っている/使ったことがある

よくご存知で、実際に使ったご経験もあるのですね。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

まず,紙の教科書では教科書の内容にアクセスできない児童・生徒がいるという点を出発点にすべきです 具体的にはLDやロービジョン(弱視)の子どもたちは紙の教科書の内容を読んで理解することが難しいですし, 肢体不自由のある子どもたちは教科書の出し入れやページめくりに困難を生じる場合があります 現状の紙の教科書では,そうした子供達の「教育を受ける権利」が保障されていない状態にあるのです

お話を伺って、紙の教科書だとアクセス自体が難しい子がいて、そこが「学びやすさ」以前の出発点になっている、という問題意識なのですね。 今挙げてくださった中で、デジタル教科書によって「学校の授業への参加のしかたが実際に変わった」と感じた場面はありますか?

「参加の仕方が実際に変わったか」というお尋ねですが, 前述したような子どもたちにとって,デジタル教科書が提供されて初めて教育を受ける最低ラインの権利が保障されたことになるのです

ご指摘の通りで、「参加のしかたが良くなった」というより、まず“参加できる状態に到達する”という話だ、ということですね。とても重要な視点だと感じます。 その「最低ラインの権利が保障された」と実感されるのは、デジタル教科書に備わるどんな機能や提供のされ方が整ったときですか?

弱視の子供達は自分の見え方にあった配色,コントラスト,文字サイズに調整できるようになりました LDの子供達も自分の特性に合わせて配色などを調整できる他に音声読み上げを使って耳からの情報取得が可能になりました さらに,肢体不自由のある子どもたちは,介助員に頼ることなく,自立的に教科書を授業に合わせて準備し,自分でページを捲れるようになったのです

具体的にありがとうございます。弱視の子は配色・コントラスト・文字サイズ調整、LDの子はそれに加えて読み上げで聴覚からも情報取得、肢体不自由の子は介助に頼らず自分で教科書準備やページ操作ができるようになった、ということですね。 では、そのように「アクセスが確保される」観点で見たとき、デジタル教科書を使うことについて気になる懸念や課題は何ですか?

「アクセスが確保される」ということは憲法で保障された教育を受ける権利の保障に他なりません その点が一部の学校教員や保護者に理解されていない点が最も大きな懸念点です つまり,デジタル教科書の問題点を論い,デジタル教科書の導入を妨げることが,先ほど私が挙げたような子供達の学ぶ権利を侵害していることに気づいていないわけです

強い問題意識をお持ちなのですね。デジタル教科書の是非を「便利さ」や「好み」の話として捉えてしまうと、結果として特定の子どもたちの学ぶ権利に直結してしまう、という懸念だと受け止めました。 その「理解されていない」と感じるのは、学校現場では具体的にどんな場面で表れますか?

デジタルの教科書のについて,そのネガティブな側面だけを強調して主張する人々のせいで議論が前に進まないことです. デジタル教科書の導入は勉強の効率を良くする側面もありますが,何より現状の紙の教科書に十分アクセスできていない子供達のアクセシビリティを確保する,という最も重要なポイントが理解されていません.

議論が「デジタルのネガティブ面」だけに引っ張られて、アクセシビリティ確保という最重要点が共有されず前に進まない、ということですね。 そのうえで伺いたいのですが、学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

学校現場の「不理解」が最も大きなハードルです 教育を受ける権利を保障するためのデジタル教科書の導入,ということが理解されれば, 学校における最優先課題として取り組みが広がるはずです

運用上の最大のハードルが「不理解」で、権利保障として位置づけ直せれば学校の優先順位が一気に上がる、ということですね。 では最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

最も重要なポイントは,子供の学力上以前に,まずは現状の紙の教科書では教育へのアクセスすら叶わない子供達が存在しているという点です

大事な点を端的に言ってくださってありがとうございます。学力向上の議論の前に、紙の教科書では「教育へのアクセス」自体が難しい子どもがいる――ここを制度の出発点にすべき、というメッセージだと理解しました。 ここまで伺った内容をもとに、論点(権利保障としての位置づけ/現場の不理解が最大障壁/必要な機能)を整理してレポートにまとめます。よろしいでしょうか。

お時間をいただき、率直なお話をありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。事実関係やニュアンスにズレがないか、ご確認ください。