💬インタビューレポート
未就学児保護者
未就学児を念頭に子どものSNS利用を考える30代の保護者。見知らぬ人との接触、教育上不適切な人間関係や表現に触れるリスクを懸念している。
💬主な意見
一律禁止より段階的な利用資格
“一般的な禁止を設ける場合でも、本人の申請で解除される契機がある仕組みがよい。危険や不利益、加害者にならない振る舞いを学ぶ教習や誓約書も選択肢として挙げる。
事業者の安全対策と詳細な情報開示
“不適切なコンテンツが表示されにくい仕組みを重視する。事業者は年齢分布、交流量、アカウント・投稿削除の実施状況を、これまで以上に詳しく開示する必要があると考える。
🎤すべての会話ログ
ご協力ありがとうございます。これから「青少年インターネット環境整備法の見直しに向けた中間整理報告書」に関する、子どものSNS規制についてお話を伺います。 子どもとSNSの話題に、あなたはどの立場で一番関わりがありますか?
保護者
ありがとうございます。あなたの年代を教えてください。
30代
ありがとうございます。主に念頭に置いているお子さんの学年を教えてください。
未就学児
ありがとうございます。なお、この中間整理報告書は、一定年齢未満のSNS利用を一律に禁止する制度は提案しておらず、今後も検討するとしています。そのうえで、一定の年齢未満の子どもはSNSアカウントを持てない、という法律を作ることについて、どう思いますか?
どちらかといえば反対
承知しました。アカウントの一律禁止に代わって、どのような対策が必要だと思いますか?
一般的禁止をするのであれば、本人の申請に基づく禁止の解除の契機があるとよいと思う(運転免許のような)
一律に閉め出すのではなく、本人が段階的に利用資格を得られる仕組みを想定されているのですね。解除の判断では、どのような条件を満たしていることを重視しますか?
申請者が保護者の監督を受ける未成年者未満の者であることを踏まえ、SNS等における危険の存在や、利用に当たってどのような不利益が生じるか、自らが加害者とならないためにどのようなふるまいが求められているかについての認識があることについて、一定の教習を受けることや誓約書を提出することを要件とするなどが考えられるが、現時点でそこまで解像度高く考えられているわけではない
教習や誓約によって、危険や責任を理解したうえで段階的に利用できるようにする考え方ですね。では、SNSやネットで「これは子どもに有害だ」と実際に感じたものはありますか?近いものを選んでください。
見知らぬ人からの接触・DM
見知らぬ人から直接接触されることにリスクを感じていらっしゃるのですね。保護者として、特にどのような被害や不利益につながる点を懸念されていますか?
知らぬ間に犯罪に巻き込まれるリスクや教育上不適切な人間関係に巻き込まれることなどを懸念しているが、知らない人からの接触以外にも感じているリスクはある
犯罪への巻き込みだけでなく、成長段階にそぐわない人間関係に入り込んでしまうことも懸念されているのですね。知らない人からの接触以外では、どのようなリスクを感じていますか?
批判的精神を養う前に、SNS等を通じて品位や常識を欠いた表現行為に触れ、それを当たり前であると感じてしまうリスクが教育的観点では一番リスクだと思っています。また、これは思想の自由市場が一定の条件を備えなければ適切な民主政にとって有価値でなくなるという問題意識とあいまって、未成年者等の保護以上に社会のあり方にとって重要なことであるという問題意識もあります
単なる個人保護にとどまらず、熟慮や相互尊重を支える言論環境そのものへの影響として捉えておられるのですね。こうした表現に触れるリスクに対して、制度上はSNS事業者にどのような対応を求めるのが適切だとお考えですか?
ただ情報が無批判に流れていくだけではなく、不適切なコンテンツが表示されなくなるような仕組みを備えていることは重要だと思う。その意味で、現在のXのコミュニティノートのような仕組みがブラッシュアップされていくことはよいと思う
不適切な情報を後から削除するだけでなく、表示の段階で抑え、根拠を補う仕組みを重視されているのですね。 「何が子どもに有害か」の線引きは、これからガイドラインなどで決められていきます。誰がどう決めるのが一番納得できますか?
国(こども家庭庁など)が決める
国が基準を示す形が適切だとお考えなのですね。国が決める仕組みに、どのような点で納得感がありますか?
最終的に国家・社会の存続に責任を持っている国または政治的中立性を備えた行政委員会が方針を示すべきである。思想・表現の自由の規制にあたって、専門家集団や一事業者(寡占・独占状態にある巨大プラットフォーマー)にその内容を決定させることは民主的統制の契機が効かないので考えられない。ガイドライン自体は指針に過ぎないので、指針の下にSNS事業者等がそれぞれ内容を決定していくソフトロー的な統制が成立するのであればその方が望ましいが、従わない事業者による営業を禁止する等の強制的な措置も場合によっては必要と考える
民主的統制を確保しつつ、国の指針を土台に事業者ごとの実装へ委ね、必要なら実効性も担保する枠組みを想定されているのですね。決める話し合いや基準は、どこまで公開されていれば信頼できますか?
民主的統制の確保が目的なので、すべての議論と基準が公開されている必要がある
基準だけでなく、形成過程も含めて全面的に公開されることが、規制の正当性に不可欠だというお考えですね。 年齢確認は、厳しくするほど確実になる一方で、手間や個人情報の提供が増えます。「厳しめの年齢確認(身分証やスマホのOSでの確認など)をしてでも必要」だと思う場面はどれですか?
DMなど知らない人とやり取りできる機能を使うとき
DM機能の利用時には、年齢確認を強める必要があるというお考えですね。では、年齢を確認する方法として、受け入れられると思うものを選んでください。複数選べます。
マイナンバーカードなどの身分証で確認
「マイナンバーカードなどの身分証で確認」が受け入れられる方法なのですね。 子どもが使うSNSやサービスに、会社が用意すべき安全対策で一番重要なものはどれだと思いますか?
会社がリスク評価をして結果を公開する
事業者自身にリスクを把握させ、その判断と対策を外部から検証できるようにすることを重視されているのですね。リスク評価の結果を公開する際、特にどのような情報が示されているべきだとお考えですか?
年齢の分布、コミュニケーションの量などの統計的情報、アカウント削除・投稿削除等の実施状況(情プラ法と同様)をこれまで以上に詳細に開示する必要があると考える
利用者の年齢構成や交流の規模に加え、削除措置の実績まで詳細に開示させることで、事業者の対応を検証可能にすべきということですね。 ペアレンタルコントロールでは、保護者が子どものスマホやSNSの利用を確認したり制限したりできます。お子さんとの関係を考えたとき、見るのが妥当だと思うのはどこまでですか?
誰とつながっているか(フォロー・友だち)
つながりの相手を把握することは必要でも、やり取りの内容まで確認するのは行き過ぎになり得る、という線引きですね。 最後に、このルール作りをする人に一つ伝えるとしたら、それはなんですか?
プラットフォーマーはその社会的影響力に比して、まずもって自らの経済的利益を追求することを社会的使命としているため、適切なインセンティブ設計を与える必要があり、これは国の使命である。 基本的に国が直接個々の表現行為や社会における個別の人間関係に対し規制や監視を行うことは不適切なだけでなく能力的にも不可能なので、プラットフォーマーにその規制を委ねるしかない構造にある。憲法上特に重要とされている表現の自由(知る権利)に関する規制を行うのであるから、民主主義・自由主義の観点からも、内容については責任ある機関が透明性を確保しつつ進めるべきであるし、プラットフォーマーにも同様に個々の処分についての説明責任を求めるべきである
ありがとうございます。プラットフォーム事業者に安全対策の実装を担わせる一方で、表現の自由に関わる判断を私企業へ無制約に委ねず、国の透明で民主的な統制と、事業者の個別措置に関する説明責任を組み合わせるべき、というご意見として承りました。 これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をもとに、レポート案を作成しました。