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青少年インターネット環境整備法の見直しに向けた中間整理報告書

こどもとインターネットのルールを見直す方向性(中間整理報告書)

法案提出前

こどもがSNSなどを安全に使えるようにする法律の見直しについて、国の会議が中間整理報告書をまとめました。法案はまだ出ていません。法律の目的を広げること、守る手段をフィルタリング以外にも広げること、見直しを続ける仕組みをつくることの3つが柱です。

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青少年インターネット環境整備法の見直しに向けた中間整理報告書

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👉 審議のステータス

法案提出前
法案 提出
衆議院 審議
参議院 審議
法案 成立

※ この記事は、こども家庭庁の「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ」が2026年7月に公表した中間整理報告書を扱います。法案の解説ではありません。

この報告書のポイント

こども家庭庁の会議(青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ)が、2026年7月に「中間整理報告書」を公表しました。

青少年インターネット環境整備法は、18歳未満のこどもが安全に安心してインターネットを使えるようにするため、2008年にできた法律です。

こどもがインターネットを使いこなす力を身に付けること、こどもに有害な情報を見る機会をできるだけ少なくすること、会社の自主的な取組を大切にすることなどを基本的な考え方とし、携帯電話会社などがフィルタリングを提供することを定めています。

中間整理は、スマートフォン、SNS、オンラインゲーム、生成AIなどが広がり、こどもをとりまく環境が法律のできた当時から大きく変わったとして、今の制度を見直す方向をまとめたものです。

なお、これは法案ではなく、話し合いの途中経過をまとめた報告書です。どの会社が対象になるのか、会社にどんなルールを守らせるのか、年齢の確認をどんな方法で行うのか、ルールを守らなかったときにどうするのかは、これからの検討で変わる可能性があります。

現在の制度と見直しの全体像

中間整理は、これからの法律の在り方を、大きく3つの見方に分けて整理しています。

① 法律の目的

  • 今の制度:こどもに有害な情報への対応と、それを見る機会を減らす取組が中心
  • これから考える方向(検討中):有害な影響を防ぐだけでなく、こどもの健やかな成長と権利を守ることを目的に加えます。こどもが心も体も社会的にも幸せである状態(ウェルビーイング)を基本の考え方にします。

② 守る手段

  • 今の制度:携帯電話会社が提供するフィルタリングと、会社の自主的な取組が中心
  • これから考える方向(検討中):技術で守ることと、こどもや大人がインターネットを安全に使う知識を身につけることの両方を柱にします。スマートフォンのOSの見守り機能を法律に定めることを検討し、SNSなどの会社には、リスクを調べて対策し、公表して改善し続ける仕組みを求めます。

③ 見直しの仕組み

  • 今の制度:法律や計画、ガイドライン、会社の取組がそれぞれ進められていますが、こどもを守る考え方をまとめて整理したものはまだ十分ではありません
  • これから考える方向(検討中):国が「基本指針(仮称)」をつくり、官と民が集まる場を設けます。制度を定期的に見直す仕組みをつくり、研究の成果や海外の動きも取り入れます。

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1. 法律の目的と、対象にするリスクの範囲を見直す

法律の目的を広げる

今の法律は、こどもに有害な情報を見る機会を減らすことが目的の中心です。中間整理は、インターネットがこどもにとって学びや社会参加の大切な土台になっていることを踏まえ、こどもの権利を守り、健やかな成長を支えることも法律の目的にする方向を示しています。

有害な情報を見ること以外のリスクも対象にする

中間整理は、有害な情報を見てしまうリスクだけでなく、こども自身の発信から起きるリスク、知らない人からの接触、課金、SNSなどを長い時間使いすぎることなども含めて幅広く対象にします。

2. こどもを守る手段と会社の役割を見直す

フィルタリングより広い「技術的保護手段」へ

今の法律は携帯電話会社のフィルタリングによる制限が中心ですが、最近のトラブルの多くはSNSでのやり取りやこども自身の発信、課金、長い時間の利用から起きていて、フィルタリングによる制限だけでは追いつかなくなっています。

そこで、スマートフォンのOSを提供する会社の見守り機能(使う時間やアプリ、課金の制限など)も含めた「技術的保護手段」という考え方を、法律に定める方向が示されました。

中間整理は、OSの会社にこうした機能を必ず提供するよう求めることも検討の対象にしています。

SNSなどの会社に、対策と公表を求める

サービスによってこどもに生じるリスクは同じではないため、会社に次の取組をまとめて求める方向が示されました。

  • 自分のサービスにこどもにとってどんなリスクがあるかを調べる
  • 調べた結果をふまえて対策を行う
  • リスクを調べた結果や対策の内容を公表する
  • 対策が効いているかを定期的に確かめ、改善し続ける

土台になるのは「セーフティ・バイ・デザイン」、つまりサービスをつくる段階からこどもの安全といちばんの利益を先に考える、という考え方です。

また、会社の自己評価だけでは足りないとして、国などが内容を評価して意見を言う仕組みや、国が報告を求めたり改善を勧告したりする仕組み、それに従わない場合の罰則も検討の対象です。ただし、こうした仕組みを導入するかどうかは決まっていません。

年齢の確認を実際に効くものにする

年齢に合わせて守るには、利用者の年齢を把握する必要があります。いまは自分で申告する方法が多いですが、それだけでは十分ではないと報告書は指摘しています。

スマートフォンのOSが持つ年齢確認の機能、携帯電話会社が持つ情報、マイナンバーカードが例に挙げられていますが、どれを採用するかは決まっていません。

確認を厳しくするほど個人情報を扱う場面が増えるため、使いやすさやプライバシーへの配慮も一緒に考えるとしています。

なお、中間整理は、一定の年齢未満のこどものSNS利用を一律に禁止する制度は提案していません。その是非は、政府で議論を続けるべきだとしています。

3. 見直しを続ける仕組みをつくる

国が基本指針を示す

こどもを守る考え方をまとめて整理したものがまだ十分ではないとして、「年齢と育ちの段階に応じてこどもをどう守るか」について、国が「基本指針(仮称)」をつくる方向が提案されました。会社、保護者、学校がそれぞれ参照できるようにするためです。

官と民が集まる場をつくる

会社、研究者、保護者、こども・若者、学校関係者、省庁が集まる場をつくり、意見交換だけでなく制度づくりに継続して関わる仕組みにする方向です。

調べて、見直し続ける

インターネットの変化は速く、こどもへの影響についての研究もまだ十分ではないため、調査や研究を続けて制度に反映し、法律そのものも定期的に点検し直すとしています。

具体化に向けて残る主な論点

報告書は「検討の途中段階における整理」とされており、制度を具体的に決めていくにあたって、これから検討することも示されています。主な課題は次の3つです。

  • 何を「有害」とし、誰が決めるのか:何が有害かは、年齢や育ちの段階、人によって考え方が違います。法律で一つに決めるのは難しいため、ガイドラインなどで決めていく方向ですが、実際のルールの中身はそこで決まります。誰が話し合いに加わり、どこまで見える形で決めるのかが課題です。
  • 年齢の確認とプライバシーをどう両立するか:自分で申告する方法の限界は指摘されていますが、すべてのサービスで厳しい本人確認が必要とされたわけではありません。どんな場面で、どの程度の確認を求めるのか、誰がどの情報を扱うのかは、これからの検討事項です。
  • 会社にどこまで求めるか:すべての会社に同じ義務をかけると、重すぎたり軽すぎたりする可能性があります。規模や、こどもが使う可能性、リスクになりうる機能を、対象を決める基準にどう反映するかが課題です。海外の会社にも守らせられるようにする方法や、罰則などの具体的な中身も、最終報告に向けて検討されます。

今後の予定

ワーキンググループは、2026年12月を目途に最終報告をまとめる予定です。

2026年8月31日の第8回会合では、これから順番に検討する事項として、年齢確認の在り方、技術で守る仕組みの在り方、対象になるプラットフォーム事業者の範囲、リスクを調べて対策し公表することの具体的な中身、対策の再評価、実際に守らせるための仕組み、官民連携の在り方が示されました。

最終報告では、法律、基本指針、基本計画、ガイドラインがそれぞれ担う役割と関係を整理し、会社に求める対策や技術で守る仕組みについて、具体化に向けた方向性を示す方針です。

よくある質問

Q. 青少年インターネット環境整備法とはどんな法律ですか

A. 18歳未満のこどもが安全に安心してインターネットを使えるようにするため、2008年にできた法律です。

こどもがインターネットを使いこなす力を身に付けること、こどもに有害な情報を見る機会をできるだけ少なくすること、会社の自主的な取組を大切にすることなどを基本的な考え方としています。

携帯電話会社などがフィルタリングを提供することを定めるほか、スマートフォンのOSをつくる会社、端末をつくる会社、フィルタリングのソフトをつくる会社の取組についても定めています。

Q. この報告書で法律は変わるのですか

A. いいえ、この報告書だけでは変わりません。中間整理報告書は、会議が見直しの方向をまとめたもので、それだけで法律が変わるわけではありません。このあと最終報告がまとまり、法案がつくられ、国会で審議されて可決されて、初めて法律が変わります。

なお、2026年7月15日には、参議院議員から別の内容の改正案(第221回国会・参法第19号)が出されています。

広告に含まれるこどもに有害な情報への対応として、大きなデジタルプラットフォームの会社を国が指定し、こどもが見る機会を減らすための取り決めを公表することなどを求める内容で、この会議が検討している見直しとは別のものです。この改正案は、この記事を書いた時点では委員会での審議が始まっていません。

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