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💬インタビューレポート

行政研究者

専門家

行政に関する研究に携わる有識者。内閣府やデジタル庁など新設組織の運用実績を研究対象としており、組織設計と実効性の関係について深い知見を持つ。

回答日2026.5.10 14:11
インタビュー分量12 分 / 560 文字

💬主な意見

組織設置だけでは調整力は生まれない

内閣府が作られたときも当初は機能していたが、旬が過ぎると形骸化した。防災庁も同じ轍を踏まないためには、組織の作り込みだけでなく、その後の運用が重要です。

人材確保と育成の課題

352人体制で防災大学校を設置する構想も出ていますが、各省庁からの出向者では継続性が失われる。優秀な人材をどう確保し、キャリアパスをどう設計するかが課題です。

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政治的優先順位の変動への対抗

総理の資源は有限。長期的には、総理のコミットメントがなくても機能するシステムが必要。運用の中で微修正を重ねるアジャイル型の組織づくりが重要だと思います。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。 防災庁を内閣直下に設置し、事前防災から復旧・復興まで一貫した体制を構築するこの法律について、あなたのご経験やご関心からお聞かせいただきたいと思います。 まず初めに、この法案にあなたはどういう立場で関わっていますか?

災害リスク地域の住民

ありがとうございます。災害リスク地域の住民として、これまでどのような経験や関わりがあるのか、少し詳しくお聞かせいただけますか?

次の質問に進む

かしこまりました。では次の質問に進めさせていただきます。 今回の法案(防災庁の設置、災害対策基本法の改正)について、現時点でどの程度ご存知ですか?

概要は知っている

ありがとうございます。では簡潔に補足させていただきますと、この法案は災害対応の司令塔として、内閣の下に新しく防災庁をつくるものです。専任の防災大臣を置き、他の省庁に対して防災対策を求める権限を持たせることで、縦割り行政を排除した一貫した体制を目指しています。あわせて災害対策の基本ルールを定めた法律も改正し、事前の備えや避難生活の質の向上を理念に加えるというものです。 そうした上で、お聞かせいただきたいのですが、今回の法案について、全体としてどのように評価していますか?

どちらかといえば良い

そう評価される理由は何かお聞かせいただけますか?できれば、具体的な場面や例を交えていただけると幸いです。

省庁間にまたがるイシューの解決など

ありがとうございます。省庁間にまたがるイシューの解決に期待されるのですね。 災害対応の場面では、実際にどのような場面で、省庁間の連携がうまくいかないと感じられたことがあるのでしょうか?

実際に経験したことはないですが、行政に関する研究に携わっている者として関心があります

なるほど、ご研究の関心から見ていらっしゃるのですね。ありがとうございます。 では視点を変えて、今回の法案で、あなたが特に気になっている点はどれですか?

省庁横断の調整力

ありがとうございます。省庁横断の調整力が気になられているのですね。 その点について、具体的にはどのような懸念や疑問をお持ちですか?例えば、勧告権が実際に機能するのか、それとも別の観点からでしょうか?

内閣府の中に設立されるものと思っていたのですが、そうではないと知り、少し関心が高まりました。

そうですね。内閣府の下ではなく、内閣直下に設置されるというのが、この法案の重要なポイントなのです。 内閣直下に置かれることで、防災大臣が他の省庁に対して勧告権を持つという強みが生まれます。その点で、あなたの研究関心からすると、この構造上の変化が省庁横断の調整力にどう影響すると考えられていますか?

実際には難しいと思います。そもそも内閣機能の強化の一環で作られた内閣府が現在は調整の役割を強いられているわけで、リーダーシップの発揮となると細かいところの作り込みが必要かと存じます

なるほど、深い指摘ですね。内閣府の経験から見ると、組織を設置しただけでは調整力は自動的には生まれない、むしろ細かい制度設計が重要だということですね。 あなたの研究の経験からすると、防災庁がリーダーシップを実際に発揮するために、どのような「細かい作り込み」が必要だとお考えですか?

まずはスタッフの拡充ですね。各省庁の出向で固められると難しいです。優秀な人材を確保できるかどうかも課題です。

その通りですね。スタッフの質と確保が調整力の鍵を握るということですね。 現在の法案では352人体制で、防災大学校(仮称)を設置して人材育成を進める方針とされていますが、あなたのご研究の視点からすると、この体制で優秀な人材を継続的に確保・育成できると思われますか?あるいは、どのような工夫が足りないと感じられますか?

防災大学校の設立は初めて聞きました。そんな構想があるのですね。

そうですね。防災の専門知識を体系的に育成するために、防災大学校(仮称)という研修・研究施設を設置する計画です。現在の内閣府防災担当では、2〜3年ごとの異動が前提のため、専門知識が蓄積されにくいという課題があったのですが、この大学校でそれを改善しようという試みなのです。 ただ、具体的なカリキュラムや専門職制度の詳細はまだこれからの検討に委ねられているところです。 そうした構想を踏まえて、あなたの研究の視点からは、防災庁が本当に省庁横断の調整力を発揮するために、最も重要だと思われることは何でしょうか?もし制度を設計する人に一つ伝えるとしたら、それは何ですか?

現在、デジタル庁やこども家庭庁のように、時の政権の成果づくりのために、組織を新設する動きが目立ってきました。当初は関心のあるリーダーがいて、それなりに機能するのですが、旬が過ぎるとすぐに形骸化していきます。特に総理の積極的かつ継続的なコミットメントが求められると思います。

非常に重要なご指摘をいただきました。デジタル庁やこども家庭庁の事例から見えてくる課題ですね。つまり、防災庁も新しく設置されただけでは不十分で、長期的に実効性を保つために、政治的なコミットメントの継続性が不可欠だということですね。 それはつまり、組織の設計そのものよりも、その後の運用や、政治的優先順位の変動にいかに対抗するかが、本当の勝負になるということでしょうか?

そのとおりです。総理の資源は有限ですから、長期的に言えば総理のコミットメントがそれほどなくとも機能するシステムが必要です。運用していくなかで微修正を重ねていく、アジャイル型の組織づくりが必要と考えます。

その通りですね。政治的優先順位の変動に左右されない、自律的に機能するシステムが必要だということですね。そして、そのためにはアジャイル型で、運用の中で微修正を重ねていく柔軟性が重要だということですね。

本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。行政研究の専門的な視点から、防災庁の実効性を左右する制度設計上の課題について、深いご指摘をいただきました。本インタビューの内容をまとめさせていただきたいのですが、以下の要約で間違いございませんでしょうか?