💬インタビューレポート
有権者
有権者として、選挙時にSNSで流通する情報と、その規制のあり方に関心を持つ。
💬主な意見
国の基盤整備と独立した監視が必要
“国が発信責任の基礎を整える必要がある一方、国が発信者の思想を矯正・強制してはならない。第三者機関、癒着への罰則、制度内容の公開と外部意見の窓口を求める。
収益停止と不自然な拡散対策は有効
“誤情報による視聴稼ぎには収益化を断つ対応、不自然な大量アカウントによる拡散には抑止策が有効とみる。ただし、これらを組み合わせても防げるのは一部にとどまる。
被害者の負担軽減と発信前の学習を
“名誉毀損ではデマ被害を受けた候補者や支援者の負担が大きいため、負担を減らす手立てが必要と考える。免許制度化または利用前講習の義務化も提案する。
🎤すべての会話ログ
ご協力ありがとうございます。これから、「選挙での偽情報やAI画像に、SNS会社の対応を求める法律」について、選挙におけるSNSの規制をテーマにお話を伺います。 選挙とSNSについて、どういう立場で関心をお持ちですか?
有権者として関心がある
ありがとうございます。有権者として、選挙情報を受け取る立場から関心をお持ちなのですね。 選挙に関するSNSの情報で、困った・おかしいと思った場面を教えてください。
真偽不明の情報が、XやYouTubeにおいては収益目的であえて煽るように投稿されていた。 その際に事実ベース(報道機関による情報)での批判、指摘したユーザーに対して複数アカウントから誹謗中傷が投稿されていた。 情報拡散においては、「拡散希望」と書かれておらず直近1~2ヶ月で作成されたアカウントが同一の文言で大量に投稿されていることも認識している。
収益目的の煽り投稿に加え、事実に基づく指摘への組織的とも見える中傷や、不自然な大量投稿も見てこられたのですね。 今回の法律では、大手SNSに選挙への悪影響を減らす対応を求めますが、個別投稿の削除までは義務づけず、具体的な対応は各社が判断します。いま挙げていただいた場面で、SNS側にどのような対策があれば問題を防げたと思いますか?
・お金の流れを断つ:効果ありと判断します。一部報道における「スマホ農場」による、報酬により拡散・数字のかさ増しといった手法には対応できないが、収益目的で誤情報による視聴稼ぎを防げる。 ・発信者の見分け:効果なしと判断。現状においても本人確認や所在地の表示は仕様として存在する。また、本人確認のためにSNSに個人情報を提供することのリスクやVPN等による所在地隠しに対応できない。 ・AI生成の見分け:効果なしと判断。同様に既存SNSで存在する仕様。また、転載する形での投稿とすると、AI生成によるものとの判断が既存システムではできない認識。 ・注意を促す、信頼できる情報に導く:効果はいまいちかと。人は信じたいものを信じるため、促す側が攻撃される懸念がある。また、信頼できるという点では政治団体から完全に独立しているという証明が必要だが、現状の日本において完全に独立した組織で力を持つことは叶わないと思料。 ・不自然な拡散を止める:効果ありと判断。「スマホ農場」といった、個人ないし一集団による大量のアカウント所有には、社会秩序を乱した上での利益の面しか必要性がないため。 ・その他として、SNSやインターネット発信における免許制度化はどうか。 発信者の責任といった、ネットリテラシーの学習を事前に実施できる点を含め、ネットの発信は車の運転同様命を奪いかねないものとして考える。 すべての人に開かれるべきだとしても、表現の自由は絶対無制限ではなく、他人の権利を侵害する場合や社会秩序を乱す場合には適用されないため、その意図から逸脱しない免許制度化は有効かと考えている。
具体的な効果と限界を分けて捉えていらっしゃるのですね。収益化の停止と不自然な拡散への対応を組み合わせた場合、問題の抑止としては「十分」「一部」「気休め」のどれに近いとお考えですか?
一部は防げる
一定の抑止にはなる一方で、それだけでは取りこぼしも残るという見方ですね。回答された対策だけでは足りないとしたら、何が理由だと思いますか?
その他(自由記述)
ありがとうございます。どのような理由で、対策だけでは足りないと感じますか?
・収益化以外では、私怨や偏見による意図的なデマの発信・拡散がある。 この点を防ぐにあたり、注意を促したり信頼できる情報に導くことは却ってデマ発信者の怒りを増幅させてしまう。
収益目的ではないデマには、既存の対策がかえって対立を強めるおそれがあると感じていらっしゃるのですね。そうした発信への対応として、どのような仕組みが加われば足りるとお考えですか?
既存の「名誉毀損」では、デマ被害者(候補者や支援者)への負担が大きいため、その負担をできるだけ減らす手立てが必要。 もしくはインターネット発信の免許制度化。
被害を受けた側が自ら手続きや立証を進める負担を減らす仕組みと、発信前の責任を求める免許制度の両方をご提案いただいたのですね。 次は発信する側の立場で考えてみてください。もしご自身の投稿が、SNS側の判断で表示されにくくされたり、収益を止められたりしたら、どのようなことが心配ですか?
特定の立場だけ厳しく扱われる
政治的な立場によって対応に偏りが出ることを心配されているのですね。こうした偏りを防ぐための仕組みは、SNS会社が自主的に整える形で足りると思いますか、それとも法律上の義務にすべきだと思いますか?
法律上の義務
自主的な運用ではなく、政治的な中立性を確保する手続き自体を法律で担保すべき、というお考えですね。 事業者は年1回、実施した措置の種類・内容・結果を公表し、自らの評価も示すことになっています。SNS側がきちんと対策したかを外から確かめるには、この公表に何が足りないと思いますか?
件数などの数字を共通の形式で出してほしい
共通の形式で件数を示せば、事業者ごとの対応状況や偏りを比較しやすくなる、ということですね。 最後に、この指針に「これだけは足してほしい、変えてほしい」ことがあれば教えてください。
インターネット発信者の免許制度化もしくはインターネット利用前の講習の義務化。 手軽に発信できることがインターネットの利点だが、特に選挙において、手軽に他人の権利を侵害・社会秩序を乱すことができてしまう点を問題視しているため、ここに対する手立てが必要と考えている。
ありがとうございます。選挙に関する発信では、利便性だけでなく、他者の権利侵害や不自然な世論形成を防ぐための事前的な責任の仕組みが必要だ、というご意見として受け止めました。 これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間を割いてお話しいただき、ありがとうございました。以下にレポート案をまとめました。
SNS会社に求めるという意図は弱いため、国として対策の基礎を作っておけばSNS会社も追従するよね という考えのもと、当レポートを作成しています。 現状のレポートだと「SNS会社になにを求めるんだ?」という点が紐付かないですが、「そもそも国として対策が不十分だよね?」という意図を強調したいです。
ご確認ありがとうございます。SNS会社への個別の要請よりも、国が対策の基礎となる仕組みを整えることが不十分だという問題意識が中心に伝わるよう、レポート案を修正しました。
国が発信責任の基礎を整える必要 において、国自身が発信者の思想を矯正(強制?)することはあってはならないと考えている。そのため、仕組みの作成において、独立した第三者機関を立てるとか、政治家や政治団体・企業による癒着の罰則、責任者や免許試験・講習の内容を常に公開し外部からの指摘を受け入れる窓口の設置義務化も必要と考えています。
追加のご意見を反映しました。国が発信責任の土台を整える必要性と同時に、思想の強制や政治的な癒着を防ぐため、独立性・公開性・外部からの検証が大事という点を明記しています。お時間を割いてご確認いただき、ありがとうございます。