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💬インタビューレポート

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学校現場の教育関係者として、教員用デジタル教科書は必要に応じて利用している一方、生徒用デジタル教科書は未採択の立場から運用面・費用面の懸念を述べた。

回答日2026.3.29 01:28
インタビュー分量29 分 / 1437 文字

💬主な意見

卒業後も見返せる期間が大事

アカウント紐付けで卒業後に使えないのは学び直しの妨げ。理想は半永久(PDF所有)だが、現実的には卒業後5年程度までが落としどころ。

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公費での一律導入より希望者オプション

高校では受益者負担が自然で、義務教育でも税金でデジタルを一律に賄うのは無駄になり得る。紙+希望者が実費でデジタル追加がよい。

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デジタル主軸化・強制は避けたい

デジタルは省スペース等の利点はあるが、充電忘れや書き込みやすさでは紙に分がある。選択肢としては賛成だが主軸化・強制は危険。

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本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、率直なお話を伺えればと思います。差し支えない範囲でお聞かせください。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のお立場なのですね。現場感のあるお話が伺えそうで心強いです。 差し支えなければ、デジタル教科書に関しては、ご自身の業務の中で「どのくらい触れている」感覚でしょうか?

教員用デジタル教科書は必要に応じて扱っているが、生徒用デジタル教科書は採択していない。

現場で教員用は使われている一方で、生徒用はまだ採択していないのですね。その運用の違いがある状況、すごく実態に即したお話だと思います。 生徒用デジタル教科書を「採択しない」判断になるとき、現場として大きい要素はどういったところでしょうか?

デジタル教科書は、アカウントと紐付けられるため、卒業後にデータが生徒に残らないと聞いた。そのような場合、進学後の志望学部再変更などで、卒業後にふたたび勉強をしようと思っても困難となることが懸念される。 また、デジタルは端末だけで完結し、端末のみのスペースだけでよい利点があるものの、充電を忘れるとつかえなかったり、やはり紙の方が書き込みがしやすいように思われる。

卒業後にアクセスできなくなるかもしれない、という点は将来の学び直しに直結するので不安になりやすいですよね。現場視点の懸念だと感じました。 今のお話の「卒業後にデータが生徒に残らない」点について、学校としてはどの範囲までを“残るべき”と考えていますか?

少なくとも、テキストデータのPDFファイルは半永久的に生徒所有ができる必要があると思う。一方で複数の端末で閲覧を可能とする場合、複製品の流布の可能性を考えると、著作権的な問題も生じるうえ、教科書内容の改定もあるため、現実的なのは、卒業後に5年程度までではないかと思う。

PDFとして生徒が一定期間は所有できる形が望ましい一方で、複製の流布リスクや改訂との関係で、現実的には「卒業後5年程度」という感覚なのですね。とても具体的で、制度設計の論点にも直結していると思います。 その「卒業後5年程度までアクセス可能」にする場合、費用負担はどこが担うのが自然だと感じますか?

少なくとも私の勤める高校範囲においては受益者負担が当然として、義務教育内でも税金で賄うのは、無駄ではないか。通常の教科書に、希望者が実費オプションでデジタルコンテンツを導入できる形がよいのではないか。なお、教員はもちろん学校持ち、即ち公立校なら税金原資の公金、私立校なら法人原資のお金で導入することにはなろうと思う。

高校では受益者負担が自然で、義務教育でも税で一律に賄うのは無駄になり得る、という感覚なのですね。紙の教科書に「希望者が実費でデジタルを追加する」形は、納得感を重視した提案だと感じました。 その場合、義務教育で「実費オプション」を選べない家庭が出ることについて、公平性の観点ではどの程度気になりますか?

デジタル教科書の有無が塾に行ける子と行けない子が出る以上の差は生じないだろうと考える。このレベルで公平性に問題はない。 なお、一人一台端末が義務教育においては貸与の形で実現する必要はあろうかと思われる。コンテンツそのものに触れることは、紙の教科書のQRコード等でも十分可能なので。

塾の有無で生じている差と比べれば、デジタル教科書のオプション化による格差は過度にはならない、という見立てなのですね。一方で、端末は義務教育では貸与で整える必要がある、という整理もよく分かりました。 今おっしゃった「端末は貸与で実現する必要」について、学校現場でハードルになりそうなのはどのあたりだと感じますか?

端末が古くなっていったり、故障や破損等が増加するに従い、更新の必要性があり、それはもちろん自治体の負担となろうと思われるが、そこはやはり教育にかけるお金として、欠かすことができない優先度の高い部分であると思う。

端末の更新・故障対応が進むほど自治体負担が膨らむけれど、そこは教育投資として優先度が高い、というお考えなのですね。現場としても現実的な論点だと思います。 端末の更新を自治体が継続的に回していくうえで、いちばん現実的に詰まりやすいのはどの部分だと感じますか?

私はあくまで現場なので、更新についてはあまり詳しくないが、貸与端末を末端で管理する側として、児童生徒の過失による破損等の修理代を現実的には家庭に請求しづらい面はあるのではないか。保険の活用も大事だと思う。

現場で管理される側として、過失破損の修理代を家庭に請求しづらい、というのは運用上かなり切実ですよね。保険の活用が重要、というのも実感に近いお話だと思います。 児童生徒の過失による破損が起きたとき、学校として「どこまでを学校・自治体負担」にするのが落としどころだと感じますか?

基本は故意でなければ、児童生徒への負担は求めないか、一定金額を上限にすべき。端末はそこそこ高価なので、払える家庭と苦しい家庭があるだろうから、払える家庭だけに払ってもらうというのはちょっと公平ではないですよね。

故意でない破損なら負担を求めない、あるいは上限額を設ける、というのは現場の運用として納得感が出やすいですね。払える家庭だけが負担する形は公平性の面で難しい、という感覚もよく分かります。 ここまでのお話を踏まえて伺います。 デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

ごめんね、確認だけど端末の話は一旦おいて教科書の話にもどすのよね? だとしたら、学習面かな、卒業後につかえなくなるデータに少ないと言えない税金を投入すべき価値は大きくないと思います。

はい、ありがとうございます。今は端末の話は一旦置いて、教科書(コンテンツ)の制度の話に戻したいです。 「卒業後に使えなくなるデータに税金を投じる価値は大きくない」という点について、義務教育で公費の対象にするなら、どの程度の利用期間が確保されていれば納得感が出そうでしょうか?

さっき答えたよ。 本来は永続的に使えるべきだが、卒業後5年目安。

おっしゃる通りで、先ほど「本来は永続が望ましいが、現実的には卒業後5年程度」と整理されていましたね。確認させてしまい失礼しました。 その「卒業後5年程度」を制度として実現するとした場合、アクセス権は卒業生本人が“自分で管理してログインできる形”と、“学校・自治体側が卒業生のアカウントを維持する形”のどちらが現実的だと感じますか?

当然前者だね。卒業生からアカウントつかえないんですけどとか問い合わせが現場に来ても本来業務に追加での対応となって、大変困りますので。

卒業生本人が自分で管理する形が現実的で、学校側に問い合わせ対応が来ると本来業務が圧迫される、ということですね。現場の負担感がよく伝わりました。 卒業生本人が管理する形にするなら、利用できなくなる前に「どんな案内」がされているとトラブルを減らせそうですか?

例えば残り一年や、残り1ヶ月あたりで、紐付けてもらった個人のアカウントに通知がくるのがいいんじゃない?

残り1年・残り1か月のタイミングで、個人アカウントに通知が届く形は、かなり現実的でトラブル予防になりそうですね。 その通知の中に「具体的に何をできるようにしておく」と、卒業後の学び直しの困りごとが減ると思いますか?

使えなくなるだけではなく、そのときには改訂されている教科書の個人購入の案内もあるといいかもね。需要はほぼ0な気はするけれど、別に在庫管理も無いだろうし。

改訂版の個人購入案内まで含める、というのは「学び直し」の受け皿として筋が良いですね(需要は小さくても、導線があるだけで安心感は出そうです)。 では最後に、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、どんな点をいちばん強調したいですか?

一部妄想で話広げてしまったけど、やっぱり教科書は、何年後かに見直せるものであるべきと思います。家庭科の教科書とか、多分大人になっても便利だろうから。 選択肢としてのデジタルに反対ではないけど、デジタルを主軸としていくのは反対で、とくにデジタルを強制されうるのは、危険だと思います。

教科書は何年後でも見直せるべきで、デジタルを選択肢として用意するのはよい一方、デジタルが主軸になったり強制され得る状況には危うさがある、ということですね。特に家庭科のように大人になっても参照価値がある教科だと、その感覚が強いのだと理解しました。 ここまで伺った内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間を割いてお話しいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめましたので、事実関係やニュアンスにズレがないかご確認ください。