💬インタビューレポート
中小企業者
中小企業の関係者として、国内投資の税優遇が実務上どう効くか(投資余力、投資判断の見通し、申請・運用負担)という観点から懸念と改善要望を述べた。
💬主な意見
税金の使途はROI等KPIで段階管理し、運用負担も下げたい
“KPI不明・予算ありきの事業は無駄になりやすい。PoC/MVP→拡大のフェーズ別でROI等をトレースし、報告はボタン一つのWFが望ましい。
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こんにちは。本日は「日本の会社がもっと国内で投資して成長できるように支援するための法案」について、ご意見を伺うインタビューです。 まず、今回の法改正のうち、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマを選んでください。
国内投資の税優遇
ありがとうございます。次に、この法案について、あなたはどんな立場・関わり方に近いですか?
中小企業の関係者
ありがとうございます。では、この法案について、現時点でどの程度ご存知ですか。
概要は知っている
ありがとうございます。 今回の法案について、全体としてどのように評価していますか。
良くない
承知しました。「良くない」と感じられているのですね。 どのあたりが特に引っかかっていますか?
投資できる余力のある大企業だけがさらに成長できる制度。中小企業には大企業が優遇された結果として、さらなる淘汰しか待っていない。
ご懸念は「税優遇の設計が、大企業の投資を加速させる一方で、中小企業は競争条件が不利になり、結果として淘汰が進むのでは」という点なのですね。 その「淘汰しか待っていない」と感じるのは、具体的には中小企業のどんな場面(例:価格競争、採用・賃上げ、取引条件、設備更新の遅れなど)を想像されていますか?
候補として挙げて頂いた事全てです。 現時点で競争力の低い中小企業が競争力を上げる方法に関して、さまざまな方法論がある事は認めるが、 投資を基準にして支援されると、投資できない中小企業は、相対的に弱まるしかないという意識。
整理すると、「支援の入口が“投資できること”になっているため、投資余力のない中小企業ほど相対的に不利になり、価格・人材・取引条件・設備更新など全部の面でじわじわ弱まる」という感覚なのですね。 この法案の税優遇については、投資計画の規模要件があり(中小企業向けでも一定額以上が条件)、そこが届きにくいという問題意識だと理解しました。 そのうえで伺いたいのですが、この制度設計で特に「ここが変わらないと中小企業には効きにくい」と感じる“要件”(例:投資額の下限、対象となる投資の範囲、手続きの重さ等)のうち、どの部分がいちばん大きいですか?
投資に関する未来予測性ですかね。 余力のある企業が、約束された事業への大量投資を行う図式は簡単ですが、 弱小企業がなけなしの投資を行って、それが未来につながると予測できる、具体的な道筋等がないと、 中小企業には効きづらいです。
おっしゃっているのは、「中小企業にとっては“投資できるか”以前に、その投資が将来の売上・利益につながる見通し(予測可能性)を持てないと踏み切れない」ということですね。 その“未来につながると予測できる具体的な道筋”がある状態とは、どんな支援や仕組みが用意されている状態をイメージされていますか?
国家重点戦略等をぶち上げるのは結構ですが、ルミナス等のよく解らない第3セクターもどきに、大金を投与するのではなく、 ばらまきに見えるかもしれませんが、幅広い中小企業が参加しやすい・参加できる重点戦略を立案して頂き、 そこに参加しやすい体制を敷いて頂ければ、中小企業が国家・国民に貢献でき、かつ利益を享受する事も両立できると思います。 課題は、生産性・コストになるとは思いますが、ルミナス等が無駄にする税金よりはましかと思います。
ご意見の方向性は、「特定の受け皿(第三セクター的な組織)に大きく投じるより、幅広い中小企業が参加できる“重点戦略”と参加の導線を用意して、投資の見通しを作ってほしい」ということですね。 ここで伺いたいのですが、「中小企業が参加しやすい重点戦略」というのは、どんな参加条件(例:投資額の下限、申請の簡素さ、成果要件の置き方など)になっていると参加しやすいと感じますか?
やはり、一番は投資額の下限ですね。
ありがとうございます。投資額の下限が高いと、そもそも土俵に上がれない、という感覚なのですね。 この法案の税優遇の「投資額の下限」について、どのくらいの水準なら現実的に参加できそうだと感じますか?
やはり、一番は投資額の下限ですね。 弊社は、通期の営業利益が4千万程度ですので、5百万程度(工数で言えば10人月程度)までなら、投資可能とは思います。 これは掛け捨てが前提で、リターンが見込めるのであれば、もっと投資することも可能かとは思います。
具体的な水準までありがとうございます。営業利益規模から見ると「まずは500万円程度なら、掛け捨て前提で投資できる。リターンの見通しが立てば上積みもあり得る」という感覚なのですね。 この法案の税優遇は、一定規模以上の投資(中小企業向けでも投資計画の合計が5億円以上)を条件にしているので、いま挙げていただいた500万円規模とはかなりギャップがある状況です。 そこで伺いたいのですが、もし投資額の下限が「500万円程度」まで下がった場合、この税優遇があってもなお投資判断で不安が残りそうな点はありますか?
投資判断としては、その場になってみないと分かりません。 それより、繰り返しますが、無駄な大金を無駄な事業に使わないでほしいという思いが強いです。 天下りの温床・第三セクターの失敗・最終的な利益が0のような無駄な事業が多すぎると思います。
ご不安は投資判断そのものよりも、「公的なお金が、天下りの温床のような受け皿や実効性の薄い事業に流れて、結局成果が出ない」という点が強いのですね。 この法案に関連する支援で、「これは無駄になりやすい」と感じるのは、どういったタイプの事業や支援の形ですか?
KPIが明確でない、目標が明確でない、予算ありきのようなプロジェクトだと思います。
おっしゃる「KPIや目標が曖昧で、予算ありきで回るプロジェクトが無駄になりやすい」という感覚、よく伝わりました。 この法案のような投資支援や事業支援にKPIを置くとしたら、どんな指標が明確だと「税金の使い道として納得できる」と感じますか?
税金の投入に対する、ROI(投資利益率)ですかね。 目標時点で明確にした上で、実績をトレースするくらいでないと、無駄遣いするだけになると思われます。
ROIを目標時点で明確に置いて、実績をトレースできないと無駄になりやすい、ということですね。 そのROIをトレースする際に、「いつの時点まで」「どの範囲の効果」までを追えれば納得感が出そうですか?
期間の長さはプロジェクトの計画にもよると思いますが、 PoC/MVPレベルでの指標をまずおいて、これをクリアできたら順次拡大するような フェーズ毎での予定・実績を追えれば良いと思います。 ただ、PocやMVPが数年掛かるというのであれば、もう少し細かくする必要はあると思われます。
フェーズごと(PoC/MVP→拡大)にKPIを置いて、予定・実績を追いながら段階的に広げる設計が望ましい、ということですね。 この法案を実際に運用するうえで、ハードルがあると思いますか?また、影響を受ける側(個人・事業者・組織など)のさまざまなケースが十分に考慮されていると思いますか?
いいえ(考慮が不十分/ハードルが大きい)
ありがとうございます。「考慮が不十分で、ハードルが大きい」と感じておられるのですね。 運用面のハードルとして、特にどの部分がいちばん大きいと感じますか?
計画立案と文書化、トレースの方法と報告の上げ方、といった運用の仕組みが無いと回らないと思います。 現時点での法制度では、ここまで(運用まで)問うのが難しい場合、後から分科会か別ワーキンググループででも 検討して頂きたい項目ですね。 また、自分で言っておきながら、中小企業にはこの計画・文書・トレースが負担になる可能性もありますので、 ボタン一つでできるようなワークフローが仕組みに含まれるとより良いですね。 ここら辺がチームみらい様の得意な分野ではないでしょうか?
運用の仕組み(計画の作り方、文書化、トレース、報告)がないと制度が回らない一方で、それ自体が中小企業には負担になり得る、という両面のご指摘ですね。特に「ボタン一つでできるようなワークフロー」まで含めて設計してほしい、というのは具体的で重要だと思いました。 最後に、この制度を設計する人に、何か一つ伝えるとしたらそれは何ですか?
大企業に無駄な税金を投じず、中小企業へ有効な税金を使う事に知恵を絞って頂きたいです。
ご要望は、「大企業向けの“効くか分からない優遇”に寄せるより、中小企業に実際に効く形で税金を使う設計に知恵を絞ってほしい」ということですね。 もしその方向に制度が見直された場合、今回の法案に対する全体評価は、どのように変わりそうですか?
本当にこれが満たされれて、かつ周知までされれば、評価は「良い」に変わると思います。 しかし、実際には現在の衆議院の状況では、自民党に潰される結果にはなると思いますが、それでも声を上げ続けて頂きたいです。
評価が「良い」に変わり得る条件として、「中小企業に実際に効く設計」になっていて、さらに周知まで行き届くことが大きいのですね。また、政治状況への見立てがある中でも、声を上げ続けてほしいという期待も受け取りました。 ここまでのお話を踏まえて、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をレポート案として要約しました。事実関係やニュアンスの違いがないか、ご確認ください。
