💬インタビューレポート
一市民
法案への関わり方は「一市民」としてで、改正の概要は知っている。全体評価は「どちらかといえば良い」一方、顔写真・顔データの別目的利用への懸念を述べた。
💬主な意見
捜査利用の対象は重大犯罪に絞ってほしい
“顔データを捜査に使うなら境界線が必要で、罪の重さで基準を設ける発想。具体的には「無期懲役になりうる犯罪」に限るなど、強めに対象を限定したい。
保存期間は将来の犯罪に備えるなら1年程度
“過去の行為の遡及ではなく、今後起こりうる犯罪にだけ適用する前提なら、街中・施設カメラ由来のデータ保存は1年分くらいで足りるのではないかと考えている。
🎤すべての会話ログ
本日は、「個人情報の使い方にルールを追加し、悪質な違反には課徴金を科せるようにする法案(個人情報保護法改正案)」について、お考えや気になっている点を伺います。差し支えない範囲で大丈夫ですので、率直にお聞かせください。 この法案に、あなたはどういう立場で関わっていますか。
仕事で個人情報を扱っている(企業の担当者、行政職員など)
ありがとうございます。差し支えなければ、仕事の中で扱っている個人情報は、どんな種類のものが多いですか。
立場の選択を間違えた
承知しました。では改めて、この法案にあなたはどういう立場で関わっていますか。
一市民
ありがとうございます。 今回の個人情報保護法の改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。
概要は知っている
ありがとうございます。 今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。
どちらかといえば良い
ありがとうございます。 今回の法改正で、あなたが特に気になっている点はどれですか。
顔写真・顔データの取り扱い (街中のカメラなどで知らないうちに顔が記録・追跡される懸念)
顔データの点が気になっているのですね。 その点が気になるのは、どんな場面を想像することが多いからですか。
イギリスで差別的発言などで拙速に逮捕されたりしている事例を見ていると、法改正で今まで犯罪じゃなかったものが急に犯罪になって、過去のデータで逮捕されることがあるのではないか
ご不安のイメージ、よく伝わりました。 補足だけすると、この法案は「顔データを使って過去の行為をさかのぼって逮捕できるようにする」など、刑事罰の範囲を広げる内容ではありません。主に、顔データを扱う事業者に①扱っている事実・利用目的の公表を求めること、②本人が理由を問わず利用停止を求められること、など“事業者側のルール”を足す改正です。 この点を踏まえたうえでお聞きしたいのですが、あなたが特に気にしているのは「顔データが長期間保存されること」ですか、それとも「顔データが別の目的(捜査・監視など)に転用されること」ですか。
別目的に転用されること
転用への懸念なのですね。もしこの法案が成立した後に、あなたが「これは転用では」と感じて利用停止を求めたい場面になったとしたら、どんな手続きや情報が用意されていると安心できますか。
そもそも、転用に気付けるかどうかがわからない
おっしゃる通りで、「止められる権利」があっても、転用に気づけないと実効性が弱い不安がありますよね。 この法案では、顔データを扱う事業者に「扱っている事実」と「利用目的」の公表が義務になりますが、個々の人のデータが“どこで・いつ・何に”使われたかまで通知される仕組みまでは、少なくとも要約されている範囲では明確に置かれていません。 そこで伺いたいのですが、この法案について制度を設計する人に伝えるとしたら、「転用に気づけるようにする」ために、どんな仕組みを入れてほしいですか。
その前に、どういうケースを転用と呼ぶのか知りたい
もちろんです。 ここでの「転用」は、事業者が公表していた顔データの利用目的(例:入退館管理、決済の本人確認、迷子の検知など)とは別の目的に、あとから顔データを使うこと(または別の組織にその目的で使わせること)を指すイメージです。 あなたの感覚では、当初の目的が「防犯カメラの安全確保」だったとして、警察などの捜査目的で照合・提供に使われた場合は「転用」だと思いますか。
防犯カメラの安全確保とは?
言い方が曖昧でした。ここでの「防犯カメラの安全確保」は、たとえば駅・商業施設・マンションなどが、施設内のトラブル抑止や事後確認のためにカメラ映像(顔が映り得る映像)を記録しておくような運用を指すつもりでした。 このような目的で撮っていた映像や顔データが、あとから捜査目的の照合や追跡に使われる場合、あなたの感覚では「転用」だと思いますか。
現行の刑法なら使用もやむなしと思うが、国がこの先思想犯を取りしまうようにならないとも言い切れない
懸念の置きどころが「今の運用なら一定やむを得ないが、将来の政治状況次第で“思想犯”のような方向に拡張され得る」という点なのですね。 その前提で伺いたいのですが、顔データの利用について「ここを越えたら危ない」と感じる境界線は、どのあたりにありますか。
罪の重さに一定の基準を設けるといいのかな。国が信用できる前提だけども
境界線として「罪の重さで線を引く」という発想なのですね。一方で、その線を誰がどう運用するか(国への信頼)もセットで気になっている、と。 その「罪の重さの基準」を考えるとき、あなたが念頭に置いているのは、どんな犯罪類型(例:凶悪犯罪、詐欺、侮辱・名誉毀損など)ですか。
無期懲役になりうる犯罪に限るとか
ありがとうございます。「無期懲役になりうる犯罪に限る」という線引きは、適用範囲をかなり強く絞る発想ですね。 その線引きだとした場合、街中や施設のカメラ由来の顔データについて、保存期間はどのくらいまでなら許容できそうですか。
今後起こりうる犯罪にだけ適応するなら1年分くらいあればいいのでは?
ありがとうございます。「将来起こりうる犯罪に限るなら、1年分くらい」という感覚なのですね。 ここまでのお話を踏まえて確認したいのですが、あなたが制度設計側に求めたいのは「顔データを捜査に使えるケースを“無期懲役になりうる犯罪”などに限定し、保存も1年程度に抑える」といった方向性で合っていますか。
そうですね。初期捜査に使うだけならいいんじゃないかと
理解しました。「初期捜査に限っては許容できるが、対象犯罪の限定(例:無期懲役になりうる犯罪)や保存期間(例:1年程度)で歯止めを置きたい」というお考えですね。 最後に1点だけ伺います。あなたが想定する「初期捜査」の範囲は、どこまでを含むイメージですか。
質問が難しいな
たしかに「初期捜査」は言葉が幅広くて難しいですよね。 ここではイメージとして、事件が起きた直後に「犯人の候補を絞るための照合」までを初期捜査と呼ぶことが多いと思うのですが、その理解で近いですか。
それでいいです
ありがとうございます。ここまで伺った内容だと、 - 顔データの「別目的への転用」自体が最大の懸念で、転用に気づきにくい点も問題 - ただし現行の刑法の枠内で、事件直後の「候補を絞るための照合」までなら一定程度は許容できる - その代わり歯止めとして、捜査利用の対象は「無期懲役になりうる犯罪」など重大犯罪に限定し、保存期間も1年程度に抑える方向が望ましい …というお考えだと理解しました。 このあとの流れとして、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでの会話内容をもとにレポート案を作成しました。ご確認ください。