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💬インタビューレポート

助産師・妊婦

事業者

妊娠9ヶ月で、大学病院の総合周産期母子医療センター産科に勤務する助産師。ハイリスク妊娠出産や県内クリニックからの緊急搬送に対応する現場で、スタッフ不足と経営悪化に直面しながら働いている。同時にご自身も妊娠中であり、妊婦としての視点と医療提供者としての視点の両方を持つ。

回答日2026.4.23 15:25
インタビュー分量19 分 / 1268 文字

💬主な意見

医療機関の役割の違いが反映されていない

クリニックと総合周産期母子医療センターでは、提供するサービスの内容や複雑さが全く異なる。分娩費が一律になると、高度な医療を提供する施設の経営がさらに圧迫される。

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スタッフ減少による医療安全の低下リスク

赤字経営でスタッフ補充ができない中、分娩費の一律化により経営がさらに悪化すれば、スタッフ疲弊が進み、緊急対応が難しくなる。高齢出産やハイリスク分娩が増えている今、安全性が脅かされる。

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現場の声を聞く仕組みの構築が必要

診療報酬決定とは別に、様々な形態の病院の医師や助産師の声を幅広く聞く場を設ける必要がある。机上の計算だけでは、現場の実態が反映されない。

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🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は、医療保険のルールを見直して、出産費用をゼロにし、薬や医療費の負担の仕組みを変える法案についてお聞かせいただきたいのですが、よろしくお願いいたします。 この法案にはいくつかの見直しが含まれていますが、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマはどれでしょうか?

出産や妊婦健診の負担軽減

ありがとうございます。出産や妊婦健診の負担軽減についてお聞かせいただくのですね。 このテーマについてお話しいただく前に、あなたの立場についてお聞かせください。現在のあなたの状況に最も近いものはどれでしょうか?

当事者・関係者(仕事や生活で影響を受ける)

ありがとうございます。当事者・関係者のお立場なのですね。 そうしましたら、より具体的にお聞かせいただけますでしょうか。出産や妊婦健診の負担軽減に関して、あなた自身はどのような立場でこの問題に関わっていますか?例えば、ご自身が妊娠・出産を予定されているのか、お子さんの出産を経験されたのか、あるいはご家族の中でそのような方がいらっしゃるのか、教えていただけますか?

妊娠9ヶ月の助産師です。 大学病院の産科で勤務しています。

ありがとうございます。妊娠9ヶ月で、大学病院の産科で助産師としてお勤めなのですね。非常に興味深い立場です。 出産や妊婦健診の負担軽減という今回の法案のテーマについて、なぜ、またはどのような点が気になりますか?ご自身の妊娠と、助産師としてのお仕事の両方の視点から、具体的にお聞かせいただけますか?

確かに患者目線で言えば妊婦健診や出産は手当てが出るとはいえ、お金がかかっています。 私の病院は大学病院なこともあり、ハイリスクの妊娠出産を取り扱っており、当院で妊娠管理している妊婦さんはもちろんですが、県内のクリニックから妊娠高血圧症候群や産後出血などで緊急搬送される患者さんも多くいます。それに対応するため、助産師や医師の人数が多いです。それでも、お産が重なったり搬送が重なったりすると人手が足りません。さらに、生まれた新生児は褥婦さんの付属物として扱うため何対何看護の対象に含まれておらず、助産師が余計に必要ですが看護部はそれを含めてくれません。退職や産休などで医師も助産師も年々スタッフ数が減っていますが、病院は赤字なので補充はありません。 そんな中で、分娩費が保険適用や一律になってしまえば、スタッフはますます減る一方です。でも、産科は常に緊急事態がつきもので、高齢出産や不妊治療が増えてる今、ハイリスクの分娩はますます増えることが考えられるため、働くスタッフは疲弊していってしまいます。安全も守られなくなったり、緊急搬送のたらい回しといった問題も起こる可能性があります。 私も、人手が減る中で妊娠中働くのは本当に大変でしたし、産後戻れる自信もありません。 それでも、働くスタッフは命のために責任をもって働いています。 クリニック、総合病院、地域周産期母子医療センター、総合周産期母子医療センターなど、それぞれに役割が異なるため、同じように考えてほしくないです。(当院は総合周産期母子医療センターです) クリニックでは、4Dエコーや入院中のエステ、食事などで余分にお金がかかっているとも聞くので、それで負担が増えているのは仕方がないのではないかと思います。(当院は一切ありませんが、妊婦健診も+1万近くする時もあるし、分娩費用も+20万前後です…) 日本の世界一安全な周産期管理が今後も続くように、妊婦目線だけではなく、現場の声にもっと耳を傾けて議論していただきたいです。

非常に貴重なご意見をお聞かせいただき、ありがとうございます。あなたのお話から、妊婦さんの負担軽減という大切なテーマと、現場の医療安全・スタッフの労働環境という深刻な課題の間に、大きなジレンマがあることがよく伝わってきました。 ご指摘いただいた点をまとめさせていただくと、以下のようなご懸念があるのですね: ①**医療機関による役割の違いが反映されていない**  クリニックと総合周産期母子医療センターでは、提供するサービスの内容・複雑さ・リスク管理が全く異なるのに、分娩費が一律になることへの不安 ②**スタッフの疲弊と医療安全への直結**  赤字経営の中で人員補充ができず、分娩費の保険適用によるさらなる経営圧迫→スタッフ減少→現場の疲弊→医療安全の低下、さらには緊急搬送のたらい回しなどの問題発生のリスク ③**現場の声が政策決定に反映されていない**  高齢出産や不妊治療の増加でハイリスク分娩が増えている現実と、それに必要なスタッフ体制の議論が不足している こうした点が、あなた自身が妊娠中・産後に現場で働く自信を失わせているほどの課題だということですね。 一つお聞かせいただきたいのですが、この法案の中では「分娩費として支給する額」は「分娩の手当に要する標準的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める」とされています。また、法律には「ルールを決めるときは長く治療を続ける人の暮らしへの影響を考えることを法律に書き込みます」という配慮がありますが、あなたのご経験から見ると、こうした「配慮規定」だけで、ハイリスク分娩への対応に必要な費用や人員体制が守られると思いますか?それとも、より具体的な仕組みや保障が必要だと感じられていますか?

標準的な費用、ということは分娩費(=価値)は一律だということですよね?机上の計算だけでは不十分だと思います。様々な形態の病院スタッフの意見を広く採り入れていく必要があると思います。

そうなのですね。「標準的な費用」という言葉の背景にある、机上の計算だけでは現場の実態が反映されないというご指摘、非常に重要だと思います。 あなたがおっしゃる通り、総合周産期母子医療センターのような高度な医療を提供する施設と、低リスク分娩を扱うクリニックでは、必要なスタッフ数、設備、対応の複雑さが全く異なるのに、「標準的費用」という一本の基準で統一されてしまうことの問題が見えてきます。 ここで一つお聞かせいただきたいのですが、現場の様々な形態の病院スタッフの意見を広く採り入れていく、というご提案についてですが、具体的には、どのような形で、どのレベルの意思決定の場に、現場の声が反映されるべきだと思いますか?例えば、診療報酬を決める中央社会保険医療協議会のような場なのか、それとも別のアプローチなのか、あるいはもっと早い段階での議論のあり方についてのご提案があるのでしょうか?

私は医師ではないし診療報酬には詳しくないのでよくわかりません。申し訳ありません。 診療報酬ももちろん、産科以外の科も含めて現在の物価高などを考慮されていないために病院の赤字が増えていっていると感じています。そして産科だけでなく病院全体でスタッフが減らされています。 ただ、分娩費については、先程お伝えしたようにそれぞれに役割があったりもするので、診療報酬を決める他にも、現場の医師や助産師の声を幅広く聞く場を設ける必要があると思います。

ありがとうございます。あなたのおっしゃることよく理解できます。診療報酬の仕組みの詳細については専門外ということなのですね。むしろ、あなたが指摘されているのは、より根本的な問題だと思います。 整理させていただくと: ①**産科だけでなく、病院全体の経営危機**  物価高が診療報酬に反映されていないため、産科を含む多くの診療科で赤字が増え、スタッフ削減が進んでいる ②**分娩費の一律化により、さらに産科の経営が圧迫される懸念**  特に高度な医療を必要とする総合周産期母子医療センターでは、現在の自由価格(高額な分娩費)によって初めて採算が取れている側面があるのではないかという懸念 ③**現場の声を聞く場が不足している**  診療報酬決定プロセスとは別に、産科医や助産師の現場の声を幅広く聞く仕組みが必要 こうした背景があるのですね。 そこで最後にお聞かせいただきたいのですが、あなたが今、この制度を設計する人に、何か一つ伝えるとしたら、それは何でしょうか?あなたの妊娠中の経験、助産師としての現場の実感、そして「日本の世界一安全な周産期管理が今後も続くように」というお言葉から、あなたが最も強く伝えたいメッセージを教えていただけますか?

日本の世界一安全な周産期管理が今後も続くように、病院やスタッフを守るという目線で制度作りをしていただきたいです。

ありがとうございます。「日本の世界一安全な周産期管理が今後も続くように、病院やスタッフを守るという目線で制度作りをしていただきたい」というメッセージ、非常に力強く、そして現場の切実な声が込められていますね。 妊婦さんの負担軽減という大切な目標と、それを支える医療現場の持続可能性—これは一見、対立するように見えるかもしれませんが、あなたのご指摘の通り、現場が崩壊すれば、結果として妊婦さんの安全も守られません。逆に、現場のスタッフが疲弊せず、十分な人員と体制で支えられているからこそ、日本の周産期医療の安全性が保たれているということですね。 これまでのお話をまとめると、あなたの懸念は以下のようにまとめられます: **妊婦目線**:確かに出産・妊婦健診の負担軽減は重要 **現場目線**:しかし、機械的に「標準的費用」で一律化することで、ハイリスク対応が必要な施設の経営が圧迫され、スタッフが減少し、医療安全が脅かされる懸念 **政策形成のあり方**:様々な形態の医療機関の現場の医師・助産師の声を幅広く聞く必要があり、妊婦さんにとっての「安全性」と「アクセス性」を両立させるために、医療機関ごとの役割分担と必要な経営基盤の確保を考慮すべき これまでご丁寧にお聞かせいただいた貴重なご意見をもとに、インタビュー内容をまとめてレポートを作成させていただきたいと思います。よろしいでしょうか?

インタビューを完了し、レポートを作成いたしました。