💬インタビューレポート
言語聴覚士
言語聴覚士として教育現場と関わり、タブレット使用時の姿勢が首・顎・舌・呼吸筋の緊張を高め、自律神経に影響を与える可能性を懸念。眼球運動の制限による姿勢制御・前庭感覚への影響も踏まえ、運用改善策を提案している。
💬主な意見
スタンドとデジタルノートをセット配布
“目線高さに調整できるスタンドで「持たない」運用をしやすくし、タッチ操作で利き手を浮かせ続けないよう端末連携のデジタルノートも、端末配布児に全員配布してほしい。
国がエビデンスと運用物を用意し活動も組み込む
“姿勢の影響の研究に基づく資料を子ども・保護者向け1枚ポスターで周知。授業冒頭の姿勢確認や朝の会5〜10分の前庭覚活動(遊び一覧・手順等)も国が用意し、教員に負担をかけない仕組みに。
🎤すべての会話ログ
こんにちは。今日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることや影響を丁寧に伺えればと思います。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
教育関係の仕事/経験がある
教育関係のご経験があるのですね。 そのご経験は、どの立場に近いものですか?
その他
ありがとうございます。「その他」とのことですが、教育関係のご経験は具体的にどんな立場(例:塾・教材制作・ICT支援員・学校事務・研究など)に近いですか?
言語聴覚士
言語聴覚士として関わっておられるのですね。特に、デジタル教科書が「正式な教科書」として扱われるようになった場合、臨床や学校連携の場面で影響が出そうだと感じる点はありますか?
ある。
影響がありそうなんですね。どんな点に影響が出そうですか?
デジタル教科書自体には賛成。ただ、重たいタブレットを持って学ぶ時の手から首にかけての筋緊張が上がること、タブレットを机に置く場合はフォワードヘッド姿勢になることが呼吸を浅くしたり、眼球運動の範囲が狭くなることで前庭感覚や自律神経に影響が出る事を問題視している。発音面でも口腔の緊張が高くなるような姿勢を学校で長時間するのは避けてもらいたい。また、知的な学習だけでなく、体を動かして3次元の場面で体験しながら学習を進めたり、教科書内に時間がたったらストレッチする動画も一緒に入れて欲しいい。
デジタル教科書自体には賛成だけれど、姿勢や筋緊張から呼吸・眼球運動・前庭感覚、自律神経、発音にも影響が出うる、というご懸念なのですね。現場感のあるご指摘だと感じました。 今お話にあった「重たいタブレットを持って学ぶ」場面について、学校だとどんな状況で起きやすいですか?
デジタルなので、タブレットやPCを配布し、それを授業中に子供がもっています。(せめて子供が持たなくて良いようにタブレットを立て掛けるグッズも一緒に配布して欲しい)
授業中に子どもが端末を手に持つ時間がそれなりに出てきて、身体面の負担が気になるのですね。タブレットを立て掛けるグッズも一緒に、というのは具体的で大事な視点だと思いました。 その「立て掛けるグッズ」があるとしたら、どんな形状や条件だと学校で現実的に使えると思いますか?
子供が姿勢良く座った時に、顔を上げて目線にタブレットにくる位置に調整できるタブレットスタンドが良い。ただタッチパネルだと子供は聞き手ばかりを空中に上げて使うので、タブレットと連携して操作できるデジタルノートも一緒に配布して欲しい。学習面だけでなく、身体の健康も一緒に考えて欲しい。
目線の高さに調整できるスタンド、さらにタッチ操作で利き手を浮かせ続けないためにデジタルノートも、ということですね。学習のしやすさと同時に、身体の健康を制度側が前提にしてほしいというお気持ちが伝わってきました。 学校での利用を想像したとき、そのスタンドやデジタルノートを「全員に配布する」形が望ましいですか?
はい。
全員配布が望ましい、ということですね。 全員配布にする場合、配布対象は「小中学生全員」まで広げるイメージでしょうか?
タブレットを配る子供全員。
了解しました。端末が配布される子ども全員に、姿勢面の負担を下げるスタンドや、操作を分散できるデジタルノートもセットで、という考えですね。 制度として考えると、学校ごとに運用がばらつく可能性もあると思うのですが、スタンドやデジタルノートの「使い方(いつ使うか/持つのを避ける等)」は、学校でどの程度ルール化するのがよいと感じますか?
知能が高くなっても自律神経失調症やうつ病、不眠、やる気が出ない子どもが増えるのは、国策として失敗だと思います。子供の身体の健康にも関わることなので、この重大さを国から学校に伝達、周知し、運用する前提で進めて欲しいです。
お話を伺って、学力や利便性だけでなく、姿勢・呼吸・自律神経などの“身体の健康”を国策として守るべきだ、という強い問題意識があるのだと受け取りました。 今のご意見を踏まえて伺いたいのですが、国から学校に周知するとしたら、どんな内容を必ず盛り込んでほしいですか?
既に姿勢がもたらす影響は海外含め研究発表されています。(頭部の位置、下顎の位置など)エビデンスに基づく情報を、デザイン的にもわかりやすく伝えて欲しいです。
エビデンスに基づいた情報を、学校現場にとって分かりやすい形(デザイン含め)で届けてほしい、ということですね。 その「分かりやすい形」として、国から学校へ出すものは、どんな形式だと一番届くと思いますか?
どういう意味ですか?
言い方が分かりにくくてすみません。国が学校に周知する際に、先生方が実際に目を通して使いやすいのは「資料の形」としてはどれに近いでしょうか?
1枚もののチェックリスト/ポスター
ありがとうございます。1枚もののチェックリスト/ポスター形式が、現場に届きやすいという感覚なのですね。 そのチェックリスト/ポスターの中で、先生が授業中に見てすぐ判断できるようにするために、どんな項目を入れてほしいですか?
先生用というより、子どもや親たちが視覚的にわかるチェックリストやポスターを国が作り、それを先生は配布するくらいの方が良いと思います。あと授業の開始時に先生と子どもが一緒に姿勢を確認するなど。
子ども・保護者が見て分かるものを国が作り、先生は配布しつつ、授業冒頭に一緒に姿勢確認をする——そのくらい“仕組みとして組み込む”のがよさそう、ということですね。 その「子どもや親が視覚的にわかるチェックリスト/ポスター」に入れてほしい内容は、具体的にどんな項目ですか?
タブレットの良い置き方と悪い置き方(座った時の姿勢、タブレットと目の距離、片手で持たないなど)比較できるもの。良い姿勢だと呼吸しやすい、いっぱい寝れる、運動楽しい、勉強楽しい。悪い姿勢だと息しにくい、食いしばり、夜寝れない、朝疲れてる、運動も勉強も疲れる。など結果がどうなるかも入れると保護者も教員も気をつけるかもしれない。 姿勢が悪い子には「ちゃんとして!」って叱るのではなく、眼球運動(姿勢制御)を促すためにボール遊びをたくさんしたり、前庭覚を統合するためにブランコや揺れる遊びをたくさんするよう、対策の声かけの仕方についても載せて欲しい。
良い置き方/悪い置き方を比較で見せて、さらに「その結果どうなるか」まで示すと、保護者や教員も行動しやすくなるということですね。また、姿勢の悪さを叱るのではなく、前庭感覚や眼球運動につながる遊びで支える、という発想もとても具体的だと感じました。 今お話に出た中で、国の周知物(ポスター等)に入れる対策として挙げてくださった「ボール遊びやブランコ」のような内容は、学校ではどの時間に組み込むのが現実的だと思いますか?
前庭覚は朝の会など毎朝皆でやると良いと思う。床に1本テープを貼って、その上を前に歩いたり、横向きでカニ歩きしたり。ボールは体育の授業でバルシューレを取り入れたり、休み時間に促したり。
朝の会に前庭覚の活動を組み込む、床のテープで歩行課題を毎日やる、ボールは体育(バルシューレ)や休み時間で、というイメージなんですね。学校の時間割に落とし込んだ具体案があるのが印象的でした。 その「朝の会で毎日やる」前庭覚の活動について、1回あたり何分くらいが現実的だと思いますか?
5-10分
5〜10分くらいが現実的、という感覚なのですね。 その5〜10分を全国の学校で回していくとしたら、活動を担うのは主に担任の先生になると思いますが、先生側の負担を増やしすぎないために国や自治体に用意してほしいものは何ですか?
朝の会にできる、前庭覚を促す遊び一覧を国が作成し、先生は自分で考えなくて済むようにして欲しい。10個あれば2週間に1個ずつ行える。
先生が毎回考えなくて済むように、国が「朝の会でできる前庭覚を促す遊び」の一覧(例えば10個)を用意してほしい、ということですね。運用可能性の高い提案だと感じました。 その遊び一覧を国が作るとしたら、先生が見てすぐ実施できるように、各遊びの説明に必ず入れてほしい情報は何ですか?
実施時間、回数、目的、その課題ができない子に考えられる発達の要因。なぜできないのか、原始反射の統合ができていないのか(前頭前野の機能が下がっているのか)、その背景にコルチゾールが長期間出るようなストレスがあるか、朝食は食べてるかなど、注意して観察していくためのチェックリストなど。
実施時間・回数・目的に加えて、「できない子」を手がかりに発達要因や生活背景まで観察できる情報も必要、ということですね。 今挙げていただいた項目の中で、国が作る一覧に入れる情報として、特に誤解が生まれやすいので“書き方に工夫が必要”だと感じるのはどれですか?
身体の緊張が高く口呼吸で寝ていると睡眠の質は悪くADHDのような症状が出ます。「落ち着きない子=ADHD」と誤解すると対応が変わってしまうので、神経発達症以外の可能性についても説明して欲しいです。
とても大事な点ですね。「落ち着きのなさ」をすぐに神経発達症と結びつけてしまうと、学校での見立てや支援の方向が変わってしまう、というご懸念だと理解しました。 その誤解を減らすために、国が作る資料の中に入れてほしい“注意書き”としては、どんな一文(どんな言い回し)が適切だと思いますか?
次の質問に進む
承知しました。では次に進めますね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
ある程度知っている
ありがとうございます。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?
デジタルの方が学びやすい
ありがとうございます。では次のテーマに移りますね。 デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
健康面(目・姿勢・睡眠など)
ありがとうございます。では未回答のテーマに移りますね。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
授業設計の難しさ
ありがとうございます。最後の質問です。 デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?
知能などの学習だけでなく、身体や心の健康についても一緒に考えて欲しいです。
ここまで丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。主要な論点は一通り伺えたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間を割いて丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。ご確認ください。
発音を舌の緊張に変えて
ご確認ありがとうございます。ご指定のとおり、「発音」を「舌の緊張」に修正してレポート案を更新しました。内容をご確認ください。
改善して 💡意見の要約 デジタル教科書には賛成だけど、端末の持ち方や姿勢で筋緊張が上がり、舌、呼吸筋・自律神経、睡眠に影響が出そうなのが心配。スタンドやデジタルノート、姿勢チェックも一緒に進めてほしい。 🙋基本スタンス 期待&懸念 立場 専門的な有識者・言語聴覚士 立場の詳細 言語聴覚士として教育現場と関わり、タブレット使用時の姿勢が首・顎・舌・呼吸筋の緊張を高め、自律神経に影響を与える。また眼球運動の制限から姿勢制御や前庭感覚に与える影響を専門的観点から懸念し、運用改善策も提案している。 💬主な意見 1. 姿勢悪化が健康に影響 端末を持つ/机上で覗き込むことで筋緊張が上がり、浅い呼吸や口呼吸によって睡眠の質の低下や自律神経に影響しうる点を問題視。 2. スタンドとデジタルノートを端末配布児にセットで 目線高さに調整できるスタンドで「持たない」運用をしやすくし、タッチ操作で利き手を浮かせ続けないよう端末連携のデジタルノートも一緒に全員配布してほしい。 3. 国がエビデンスと運用物を用意し、活動も組み込む 姿勢の影響の研究に基づく資料を、子ども・保護者向けに1枚ポスターで周知。授業冒頭の姿勢確認や、朝の会5〜10分の前庭覚活動(遊び一覧・手順等)も国が用意。教員には負担をかけない仕組み。
お時間を割いて丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。いただいたレポート案を、対話内容に沿って読みやすく・論点が伝わる形に整えて改善しました。
この通りにして。 💡意見の要約 デジタル教科書には賛成だけど、端末の持ち方や姿勢で筋緊張が上がり、舌、呼吸筋・自律神経、睡眠に影響が出そうなのが心配。スタンドやデジタルノート、姿勢チェックも一緒に進めてほしい。 🙋基本スタンス 期待&懸念 立場 専門的な有識者・言語聴覚士 立場の詳細 言語聴覚士として教育現場と関わり、タブレット使用時の姿勢が首・顎・舌・呼吸筋の緊張を高め、自律神経に影響を与える。また眼球運動の制限から姿勢制御や前庭感覚に与える影響を専門的観点から懸念し、運用改善策も提案している。 💬主な意見 1. 姿勢悪化が健康に影響 端末を持つ/机上で覗き込むことで筋緊張が上がり、浅い呼吸や口呼吸によって睡眠の質の低下や自律神経に影響しうる点を問題視。 2. スタンドとデジタルノートを端末配布児にセットで 目線高さに調整できるスタンドで「持たない」運用をしやすくし、タッチ操作で利き手を浮かせ続けないよう端末連携のデジタルノートも一緒に全員配布してほしい。 3. 国がエビデンスと運用物を用意し、活動も組み込む 姿勢の影響の研究に基づく資料を、子ども・保護者向けに1枚ポスターで周知。授業冒頭の姿勢確認や、朝の会5〜10分の前庭覚活動(遊び一覧・手順等)も国が用意。教員には負担をかけない仕組み。
お時間を割いて丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。ご指定いただいた内容のとおりで最終版として確定します。