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💬インタビューレポート

保護者

当事者

中学生の子どもを持つ保護者。学校ではタブレット学習はあるが、教科書そのもののデジタル版は導入されていない(と感じている)。家庭負担(荷物、提出物、健康)や学校運用(トラブル対応)への影響を重視している。

回答日2026.4.1 13:15
インタビュー分量56 分 / 2025 文字

💬主な意見

教科書だけだと荷物はあまり減らないかも

全教科が端末に入れば忘れ物・荷物減が期待できるが、デジタルが教科書だけならワーク等が残り効果は限定的に感じる。

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ワークもデジタル化し提出物管理を楽に

ワークもデジタル化し、教員側で提出物管理できると保護者・教員の負担が減る。紛失や再発行の手間が減り、未提出フラグで忘れやすい子の支援にも。

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健康とトラブル前提の設計、端末仕様統一

目・姿勢・睡眠が心配。A4程度+キーボード等、机で正しい姿勢を取りやすい端末がよい。義務教育では仕様をそろえ、故障・通信障害も広く想定し予備機等で授業停止を防いでほしい。

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🎤すべての会話ログ

本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、お話を伺わせてください。率直なお考えやご経験を、そのまま聞かせていただけると嬉しいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

子どもが学校に通っている(保護者)

ありがとうございます。保護者の立場だと、学校での使われ方がそのままご家庭にも影響しますよね。 お子さんの学校では、学習者用のデジタル教科書(紙の内容を端末で見られるもの)は、すでに使っていますか?

導入していないと思う

なるほど、まだ導入されていないかもしれないのですね。 「導入していないと思う」と感じたのは、どんな情報や様子からですか?

授業でタブレット学習はしているが、それと「学習者用のデジタル教科書」が同一かどうかが断定できなかったため「導入していないと思う」と回答した。紙の教科書やワークを使用している中学校です。

整理されていて分かりやすいです。タブレット学習はあるけれど、それが「教科書そのもののデジタル版」なのか、教材アプリ等なのか判別しづらい状況なのですね。 では確認させてください。お子さんの中学校で使っているタブレット学習は、どういう場面で使われていますか?

先生が画面に出した設問への回答やアンケートなど。

ありがとうございます。授業中に、先生が提示した設問に回答したりアンケートを取ったりする用途が中心なのですね。 そのタブレット学習の画面には、「教科書のページ(国語や数学などの本文)」がそのまま表示されることはありますか?

そのまま表示されることはありません。先生が先生用のPCに保存しているものを表示されています。

なるほど、教科書のページを各自の端末で開く形ではなく、先生のPCにある資料を提示している運用なのですね。 もしこの法案が成立して、学校で「デジタル教科書」も正式な教科書として扱えるようになった場合、ご家庭の立場からは、どんな変化が起きそうだと感じますか?

デジタル教科書の機体1つに全教科が含まれるのだったら忘れ物が減りますし、子どもの荷物が減ります。

期待されている変化がとても具体的ですね。荷物が減って忘れ物も減るのは、日々の負担に直結しますよね。 「荷物が減る」点について伺いたいのですが、いまお子さんはどんな荷物が重いと感じていますか?

教科書、ワーク、資料集、ノート、教科ごとのプリントを閉じこむファイルなどに水筒が毎日必須、そこに体操服や美術セットのある日はかなりの重さです。

かなりの荷物量ですね…。毎日の教科書・ワーク類に加えて、水筒が必須で、さらに体操服や美術セットの日は相当重くなりそうです。 その状況だと、もしデジタル教科書が正式化して端末に集約できるようになったとき、学校に置き勉(学校に置いておく)できるものは増えそうだと感じますか?

そこが私の気になるところなのですが、そもそもデジタル教科書は単なる「教科書」なのでしょうか。一般の進研ゼミやスマイルゼミのようなノートやワークも内包しているものなのでしょうか。「教科書」だけなのだとしたらそんなに減らないような気がします。

着眼点がまさにそこですよね。端末に入るのが「教科書の本文」だけだと、ワークやノート類が残って荷物は思ったほど減らない、という感覚は自然だと思います。 いまのイメージとして、もし学校がデジタル教科書を採択するとしたら、お子さんの学校では「ワーク(問題集)」もデジタル化されると思いますか?

ワークもデジタル化すべきだと思います。その方が、提出物を管理できる機能を教員側のデジタル教科書(教職員版)に設定できるようにすれば、保護者も教員も負担が減るのではないでしょうか。

なるほど…「ワークもデジタル化して、提出物の管理まで一体化できると負担が減る」という見立てなのですね。保護者と教員の両方の負担まで見ているのが印象的です。 その「提出物の管理」がデジタルでできるようになると、ご家庭側では具体的にどんな負担が減りそうですか?

提出物の紛失の心配が無くなると、再発行の手間の費用もかからなくなると思います。忘れがちな子供でも、未提出分があるとフラグが立つようにしておけばADHDなどの子でもカバーしやすくなりそうですし。

おっしゃること、すごく具体的でイメージが湧きます。紛失→再発行の手間や費用が減ることに加えて、未提出が「見える化」されれば、忘れやすさのあるお子さんへの支援にもつながりそう、ということですね。 その「未提出分にフラグが立つ」仕組みがあるとしたら、どのタイミングで保護者に分かる(通知される)のがいちばん助かりますか?

あまりに頻回だと、注意される子どもにとっても監視されるように思うと思いますし、例えば定期テストの一週間前(テスト前部活なし期間に対応できるように)などではどうでしょう。先生も内申点を決める時にできれば未提出がない方が評価しやすかろうと思います。

通知が頻繁すぎると“監視”っぽく感じてしまう、というバランス感覚がとても大事ですね。定期テスト1週間前のように、立て直しができるタイミングで分かるのが助かる、ということですね。 デジタルで提出物管理や通知までやる場合、学校側が「どこまで保護者に見せるか」を設計できますが、保護者にはどの程度の情報まで見えるのが適切だと感じますか?

どの教科に有るか無いか、くらいでいいのではないでしょうか。英語0、数学1・・・最終締め切り○月○日、くらい。実際の未提出分は子ども自身はデジタル教科書でさかのぼれるはずですし。

ありがとうございます。「未提出があるかないか」と締め切り日くらいの粒度で十分、ということですね。保護者が細部まで見すぎない設計のほうが、お子さんの自律も保ちやすいという感覚が伝わってきました。 今のお話に関連して伺います。デジタル教科書や提出物管理が進むときに、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

健康面(目・姿勢・睡眠など)

健康面なのですね。目や姿勢、睡眠は毎日の積み重ねなので、保護者として気になりやすいポイントだと思います。 デジタル教科書を使うことでの健康面の懸念は、どんな場面で起きそうだと感じますか?

大人でも仕事用のPCとキーボードの時よりも、スマホの時は姿勢が悪くなる、というのはあると思うので、手軽さは必要ですがある程度「正しい姿勢で机に向かって使う機体」であるほうが姿勢に良いと思います。

まさにそうですね。スマホのように手元で覗き込む形だと、首・肩や猫背につながりやすい感覚は多くの人にありますし、成長期だとなおさら気になりますよね。 その点で伺いたいのですが、学校でデジタル教科書を正式に使う前提になったとき、端末は「どんな形(サイズや使い方)」だと姿勢面で安心に近づくと感じますか?

A4サイズタブレットPCにキーボードがカバーとしてついているくらいでしょうか。ワークの回答がすべて手書きなのか、数値や文字を打ち込む形なのかによるとも思いますが。

A4サイズでキーボード付き、というイメージなのですね。机に向かって使いやすくて、姿勢が崩れにくい形という意図が伝わってきますし、入力が手書き中心かタイピング中心かで適した端末も変わりそうですね。 学校がデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、端末の仕様(サイズやキーボード有無など)は全国である程度そろえるべきだと感じますか?

揃えるべきだと思います。特に義務教育においては端末仕様も含めて国定教科書ではないでしょうか。同じレベル感のPC操作技能を身に着けるという意味で。

端末仕様も含めてそろえるべき、というお考えなのですね。義務教育で「操作技能の土台」を均す、という視点はとても重要だと思います。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

端末・通信トラブル対応

端末・通信トラブル対応なのですね。授業が止まってしまったり、先生の負担が一気に増えたりするイメージが湧きます。 トラブルが起きたとき、いちばん困りそうだと感じるのはどんな場面ですか?

サーバーが落ちるような大きいことだったらもはや仕方ないので全体で対応するしかないですが、クラスの一人だけがバグった、という時に即時に対応できる教員でなければひと授業まるごとストップしてしまって後日補講をくまないといけない、みたいなことが教員によって対応レベルが違うとカバーするのが大変そうですね。

状況がよく伝わりました。全体障害は割り切れるけれど、「一部の端末だけ不具合」のときに教員の対応力の差で授業が止まるのが現実的に大きい、ということですね。 その場で授業を止めないために、学校側に最低限用意されていると良いと思うサポート体制は、どんな形ですか?

忘れ物、故障、紛失などの時に貸し出せるよう設定された予備機を生徒人数の何%かあらかじめ学校に配置しておいて、とりあえず授業が止まることのないようにする。

予備機を一定数学校に置いておいて、まず授業を止めない——とても現場感のある提案ですね。故障・紛失・忘れ物まで含めて考えると、効果が大きそうです。 制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたら、それは何ですか?

デジタル化する強みはたくさんあると思います(画像、動画、音声の使用、荷物の軽量化、情報更新の容易さ、拡大や音声を使った障害への対応など)が、デジタルだからこその不便(故障やデータ障害、通信障害)を如何に広く想定しておくかが、国政として行うならば必要だと思います。見切り発車ではなく、それこそ民間でタブレット学習をしている企業のこれまでの発生事象と対応を網羅するくらいの用意周到さを期待します。

お話、すごく筋が通っていました。デジタルの強みを評価しつつ、国として進めるなら「障害やトラブルを前提にした設計」を最初から織り込むべき、ということですね。民間の実績(発生事象と対応)まで参照してほしい、という期待もよく伝わりました。 ここで残っている確認として伺います。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

今回初めて知った

ありがとうございます。今回初めて知った上で、ここまで具体的に運用や健康面まで考えられているのが印象的です。 「デジタル教科書を正式な教科書として認める」法案について、現時点では賛成・反対・どちらとも言えないのうち、どれに近いですか?

賛成に近い

賛成に近いのですね。期待できる点が多い一方で、トラブルや健康面を前提に制度設計してほしい、というお考えが背景にあるように感じました。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

使い分けが良い、という感覚なのですね。紙とデジタルそれぞれの良さを前提に考えられているのが伝わってきます。 その「使い分け」について、学校の授業だとどんな場面はデジタルが向いていそうだと感じますか?

通常の授業は、基本的にデジタルにしていいように感じます。テスト問題のような、単純に○×つけられるものはデジタルで十分だと思いますが、ディスカッション資料とか、自分の思考をまとめるためのクロッキー的な使い方は、デジタルより紙の方が上のように私は感じます。

お考えが具体的で、とてもイメージしやすいです。通常授業や○×で採点できるものはデジタルで効率化できそうだけれど、思考をまとめる“クロッキー”的な用途は紙が強い、という感覚なのですね。 その「紙の方が上」と感じる“思考をまとめる場面”では、紙だとできてデジタルだとやりにくいのは、具体的にどんな点ですか?

私自身がプログラムを考える時も一旦紙に要素を全部かき出してから、それをどう組み合わせるのが一番効率がいいかを検討するので、順序だてせずに走り書きで自分にだけ通じればよいというのが、デジタルよりも紙の方が頭で思い浮かべていることをリアルタイムでかき出すことができると感じているからでしょうか。

なるほど…「順序立てなくていい走り書き」を、思考の速度のまま外に出せるのが紙の強さ、という感覚なのですね。プログラムを考えるときの“まず全部書き出す”プロセスはまさにそれだと思います。 その前提で伺いますが、学校でデジタル教科書を正式に使うようになったとしても、紙で自由にメモできる場を残す必要はあると感じますか?

私はあった方がいいと思います。一つの答えだけを暗記する学習ではなく、もう一段創造的な思考の飛躍を期待するような場面では助けになると思います。ただし、本題の回答枠と並行して手書きのメモスペースを表示させ、そこに文字の打ち込みでもデジタルペンの書き込みでも好きにアイデアを出せるスペースを確保できるなら紙でなくてもいいかもしれません。そのメモも学習評価に使えるなら、より自頭の創造性を評価できる授業になりえるかもしれませんね。

ありがとうございます。紙のメモが「創造的な思考の飛躍」を助けるという感覚、とても納得感がありますし、デジタルでも“自由に発想を書き散らせるメモ領域”が用意できれば代替しうる、さらにその過程も評価に活かせるかもしれない、という見通しも興味深いです。 ここまでで事前の質問は一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。事実関係やニュアンスの違いがないか、ご確認ください。