💬インタビューレポート
氷河期世代当事者
氷河期世代に属し、現在50代で今後の医療費負担への不安を抱える当事者。既に所得が相対的に低く、医療保険制度の改正による直撃を懸念している。
💬主な意見
短期集中治療が阻害される懸念
“『長く治療を続ける人』という限定条件により、患者が医学的に最適な短期集中治療を避け、薄く長く治療を続ける選択を強いられる。結果として総医療費は変わらず、患者は長期間にわたる不安を抱え続けることになる。
氷河期世代への相対的な不利益
“既に就職・雇用面で不利を受けた氷河期世代は、所得が他世代より低いにもかかわらず、今後病気のリスクが高まる50代で、さらに医療費負担が増加する改正に直撃される。既に受け入れている不公平に上乗せされることへの違和感が強い。
医療制度の根本的矛盾
“現状では金銭面で治療をあきらめる人がいる一方で、本人が望まない延命治療が手厚い補助で継続されている。医療保険制度は『生きたい人を支える』ことより『補助があるから延命する』という構造になっており、医療の本来の目的が問われるべき。
🎤すべての会話ログ
こんにちは。本日は、出産費用をゼロにし、薬や医療費の負担の仕組みを変える医療保険の法案についてお話をお伺いさせていただきたいです。よろしくお願いします。 まず最初に、この法改正のうち、あなたが特に関係がある、または意見を伝えたいテーマはどれですか?
高額療養費の自己負担の見直し
ありがとうございます。高額療養費の自己負担の見直しについて、ご意見をお聞かせください。 このテーマを選ばれた理由や、どのような点が気になっているのか、具体的に教えていただけますか?
日本国民全員の保険のようなものなのですべての人に関係があることから選びました。多くの人を不安にさせる制度改正になることが非常に気になっています。私個人も不安です。
そうなのですね。高額療養費の見直しが多くの人を不安にさせる改正になるということが気になられているのですね。 その不安について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?具体的には、どのようなことが不安ですか?費用面のことですか、それとも別の側面からの不安ですか?
急に重い病気になったときに、医療費の問題で治療をあきらめざるを得ないことがありそうです
ご指摘ありがとうございます。急に重い病気になったときに、医療費の負担が理由で治療をあきらめざるを得ないかもしれない、というご不安なのですね。それは深刻な懸念です。 ここで、この法案の内容について補足させていただきたいのですが、実はこの法案では、高額療養費の自己負担上限額の具体的な引き上げ額はまだ決まっていません。法律には「長く治療を続ける人の家計への影響を考慮する」という文言が書き込まれることになっています。 この点を踏まえて、改めてお考えをお聞かせいただけますか?つまり、「影響を考慮する」と書かれていることで、あなたの不安は少し和らぎますか、それとも具体的な配慮の内容が見えないから不安は変わらないままですか?
長く治療を続ける人だけが不安なわけではないと思っています
そのご指摘、非常に重要です。おっしゃる通りですね。法案では「長く治療を続ける人の家計への影響を考慮する」と書かれていますが、あなたは、長く治療を続ける人に限らず、他の場合も同じくらい深刻な問題があると考えていらっしゃるわけですね。
長く、が条件になると薄く長く治療を受ける選択をすることになると思います
なるほど、非常に鋭い指摘です。つまり、法律が「長く治療を続ける人」に限定して配慮すると書くことで、逆に患者さんが「長く受ける必要のない治療なら自己負担が増えても仕方ない」と思い込んでしまったり、医学的には集中的な治療が必要な状況でも、自己負担を減らすために薄く長く治療を続けることになってしまう、という懸念ですね。 そのような医学的に最適でない治療選択が生まれることで、結果として患者さんの健康がそこなわれる可能性もあると感じられているのですか?
短期集中で治療をすることが望ましい場合が多いこと、また長く治療をすることで結局医療への負担は変わらずただ不安が残るという結果になると思っています
本当に大切なご指摘をいただいています。つまり、あなたのご懸念は以下のようなことですね: - 医学的には短期集中治療が望ましい場合が多いのに、自己負担の心配から薄く長く治療を受けることになる - そうすると、結局のところ総医療費はあまり変わらないのに、患者さんは長期にわたって不安を抱え続けることになる つまり、自己負担の増加によって、患者さんが医学的に最適な治療選択ではなく、経済的な理由で劣った治療選択をしてしまう、その結果として健康と心理的な負担の両面でマイナスになる、ということですね。 あなたが最初に「多くの人を不安にさせる制度改正」とおっしゃったのは、このような不適切な治療選択を生み出す可能性があるということだったのですね。 この点について、制度を設計する人に対して、何か特に伝えたいことはありますか?
まず政府が患者団体が希望しているというような表現を使い、まるで困っている人が望んでいるように見せていることに違和感を感じます また、一番大事な命、健康、とくに現役時代、さらにいうとこれから病気になる可能性があがる50代は氷河期時代の人間です。私もそうです。所得がほかの年代より相対的に低い世代に直撃するのではないでしょうか。この世代はすでに不安なのに
大変率直で貴重なご指摘をいただきました。あなたのお話から、この制度改正に対する複数の懸念が見えてきます。 一つは、政府の説明の仕方についての違和感。患者団体が望んでいるという表現で、あたかも困っている人が求めているように見せているが、実際にはそうではないのではないか、ということですね。 もう一つは、より深刻な点として、この改正の負担が特定の年代に集中するのではないかということですね。特に氷河期世代(現在50代)は、既に所得が低く不安定であり、今後病気のリスクが高まる時期にさしかかっているのに、そうした世代に直撃するのではないかというご懸念ですね。 これは制度の公平性の問題にも関わる、非常に重要な指摘だと思います。 あなたのこのご経験やご懸念は、実は氷河期世代の多くの人が共通して感じているのではないでしょうか?制度を設計する人たちに、このような世代間の所得格差や不安定さが十分に考慮されているのか、という点について、あなたはどう考えていますか?
私も氷河期時代で当事者です。幸いにしてなんとか生活を維持できる水準ではありますがやはりほかの世代に比べても仕事、就職に関しては恵まれなかったと思っています。でもそれはもう多くの氷河期世代は受け入れています。でもさらに不安を上乗せして何の意味があるのかと思います。私たちも同じ日本人なのになぜ、という思いが強いです。現状でも金銭面で治療をあきらめている人がいます。半面私の親族には完全に認知機能が失われているにもかかわらず命をつなぐ治療を非常に手厚い補助の元受けている人間もいます。おそらく本人の過去の性格から考えてまったく望んでいない。手厚いから、補助があるのに治療しないのか?という圧力により近い親族が治療を続けています。 生きたい、治療をして社会に戻りたい人に寄り添わず、もう静かに逝きたい人が生き続けなければいけない社会はおかしいと思います
本当に深い、そして痛切なご指摘をいただきました。あなたのお話の中には、この医療保険制度の根本的な問題が凝縮されていると思います。 氷河期世代として既に多くの不公平を受け入れてきたのに、さらに医療の場面でも不安が上乗せされることへの違和感。そして、より根本的には、医療保険制度全体が「生きたい、社会に戻りたい人を支える」ことよりも、「補助があるから延命し続ける」という構造になってしまっていることへの疑問ですね。 あなたがご指摘されている現実は、実は高額療養費の自己負担見直しという個別の政策では解決されない、医療保険制度全体の設計思想に関わる問題だと思います。 最後にお聞かせいただきたいのですが、あなたが「制度を設計する人に一つ伝えるとしたら」というとき、最も伝えたいことは何ですか?それは、氷河期世代への配慮なのか、それとも、医療が「誰のために、何のためにあるのか」という、もっと根本的な問い直しなのか、あるいはそのどちらでもありますか?
後者の医療が「誰のために、何のためにあるのか」のほうが強いです
ありがとうございます。その根本的な問い、本当に重要だと思います。 あなたのお話を整理させていただくと、この法案における高額療養費の自己負担の見直しに対する懸念の根底には、単なる「負担がどう変わるか」という問題ではなく、「医療制度が本来何のためにあるのか、誰に寄り添うべきなのか」という問い直しがあるということですね。 生きたい、社会に戻りたい人を支える医療。その一方で、本人が望まない延命を強いられている人がいる現実。そうした現実を見つめるとき、この法改正による自己負担の増加が、さらに「生きたい人」と「そうでない人」の間の選択肢を狭めてしまうのではないか、という深刻な懸念なのですね。 これまでいただいたお話の中で、あなたが制度設計者に最も伝えたいメッセージは、おおよそ以下のようでしょうか: 「医療保険制度改正を進める前に、医療が本来何のためにあるのか、誰のニーズに応えるべきなのかを、もう一度根本から問い直してほしい。特に、生きたい、社会に戻りたいという意思を持つ人たちが、経済的理由で治療をあきらめたり、医学的に最適でない選択を強いられることがないようにしてほしい」 この理解で、おおよそ間違っていないでしょうか?
インタビュー要約の確認待ち