みらい議会みらい議会

💬インタビューレポート

塾講師

事業者

小学生〜高校生を対象に個別指導塾で講師として指導しており、学校現場でのタブレット活用(連絡・プリント共有等)も見聞きしている。

回答日2026.3.27 19:10
インタビュー分量65 分 / 1115 文字

💬主な意見

デジタルは視覚情報が強い単元で力を発揮

映像や写真など、見た方がイメージしやすい内容はデジタルの方が学びやすいと思う。

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長文×書き込みは紙がやりやすい

国語・英語などで書き込みながら長文を読む場面は、スクロールと書き込みの誤操作でストレスが出やすい。通知や授業中の充電切れも懸念。

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端末コストが学習機会の格差を生む心配

家庭負担だと端末を買えずアクセスできない恐れ。数年に一回・数万円なら負担可能感はあるが、行政の大量調達で安くし、他費目(制服・給食費等)軽減と相殺できるとよい。

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🎤すべての会話ログ

本日は、「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、率直なお話を伺えればと思います。差し支えない範囲で大丈夫です。 この「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のご経験があるのですね。現場感があるお話を伺えそうで心強いです。 差し支えなければ、その「教育関係の仕事/経験」は、学校種(小・中・高・特別支援など)としてはどのあたりに近いですか?

小学生~高校生の個別指導塾で講師をしています。

小〜高校生まで個別指導で教えていらっしゃるのですね。学年差や教科差も見えやすい立場だと思います。 塾の指導の中で、生徒さんが学校の「学習者用デジタル教科書」(タブレット等で見る教科書)を使っている場面は、どのくらいありますか?

塾では教科書としてのデジタル機器を見たことはありません。ただ学校の先生と生徒との間で情報交換等を行なうためにタブレットを使用しているのはよく見ます。

塾ではデジタル“教科書”そのものはまだ見かけない一方で、学校では先生と生徒の情報共有にタブレットがかなり使われているのですね。 その「情報交換」は、具体的にはどんな内容のやり取りが多い印象ですか?

私が見た限りでは、テスト範囲の共有であったり、おそらく先生が作成したであろう学習プリントの共有ですね。

テスト範囲や学習プリントの共有が中心なのですね。デジタル教科書が「正式な教科書」になると、そうした配布物と教科書(デジタル)の境目も現場では近づきそうだなと感じました。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?

ある程度知っている

承知しました。「ある程度知っている」という感覚なのですね。 その“ある程度”というのは、どんな形で知る機会がありましたか?

チームみらいのみらい議会です。

みらい議会がきっかけだったのですね。そこで触れた情報が、今の印象や関心の土台になっていそうです。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

使い分けが良い、という感覚なのですね。実際に教える立場だと、その“場面”の差が見えやすそうです。 その使い分けの中で、デジタルの方が合いそうだと思うのはどんな学習場面ですか?

映像や写真などを見た方がイメージしやすいものについては、デジタルがよさそうです。

映像や写真でイメージしやすい内容はデジタルが合いそう、ということですね。理科の実験や社会の資料、英語の発音などは特に相性が出そうだなと感じました。 逆に、紙の方が合いそうだと思うのはどんな学習場面ですか?

国語・英語などで書き込みしながら長文を読むような場面だと、タブレットは誤操作なども起きて書き込みしにくそうです。あとは単にタブレットだと様々な通知によって集中力が削がれたり、学校だと授業の最中に充電切れが起きたりするかなと思います。

長文を「書き込みながら読む」場面だと、誤操作も含めてタブレットは扱いづらそう、という感覚なのですね。現場目線の懸念だと思います。 その「誤操作で書き込みしにくい」というのは、具体的にはどんな操作で起きそうだと感じますか?

単に画面をスクロールしたいだけなのに線が引かれてしまったり、逆に書き込みを行ないたいときにスクロールされてしまったり。実際に生徒が書き込みをしようとしてうまく書き込めなかったり、タブレットの想定外の挙動にフラストレーションを感じていることがありました。

スクロールと書き込みがぶつかって、意図しない線が入ったり、逆に書き込めないまま画面が動いてしまったりするのですね。そういう“思った通りにいかない”挙動は、長文読解の集中を切りやすいですし、フラストレーションも納得です。 そのフラストレーションが出ていたのは、どんな教科・課題の場面でしたか?

英語ですね。他の教科でもプリント等に書き込みを行ないたい場面は多くありますが。

英語で出やすいのですね。英語は長文に線を引いたり、文構造を書き込んだり、語句のメモを足したりと「手を動かしながら読む」ことが多いので、そこで操作が引っかかるのは学習体験としても影響が大きそうです。 その場面で、生徒さんは結果として「紙に戻す」「書き込みを諦める」「別のノートに書く」など、どんな対応をしていることが多いですか?

紙で印刷などしていないので、そのまま頑張って書き込みをしていました。

印刷して紙に戻せない状況だと、そのままタブレットで頑張るしかなくなるのですね。そこで「操作に慣れるまでのストレス」も学習コストとして乗ってくる感じがします。 そのとき、書き込み操作でつまずいている生徒さんに対して、先生側(学校側でも塾側でも)がサポートする余地はどのくらいあると感じますか?

学習コストの問題もあるかもしれませんが、単にタブレットの性質のせいもありそうです。指が触れただけで線が引かれてしまうのは、紙の教科書ではありませんし。むしろデジタル機器の操作の慣れという意味では、大人より子どもの方が慣れているかもしれません。

たしかに、学習コストというより「端末・UIの性質」が原因で起きるつまずきも大きそうですね。紙では起きないタイプの誤入力がある、というのは重要な指摘だと思います。 その前提で伺いたいのですが、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

家庭・公平性(端末/通信/支援の差)

家庭・公平性のところがいちばん気になるのですね。端末や通信環境、保護者の支援の有無で、学びやすさが変わってしまう感覚はとても分かります。 その「差」が特に出やすいのは、どんな利用場面だと思いますか?

個人的に気になっているのは、経済格差による学習環境の差です。デジタル機器のコストを家庭に負わせる場合は、経済的な問題でそもそもデジタル機器が買えず、デジタル教科書にアクセスできない、ということが起こる可能性があるかと。

経済格差で「そもそも端末が用意できず、デジタル教科書にアクセスできない」可能性がある、という点がいちばんの懸念なのですね。制度として無償配布を掲げても、現実の学習環境で差が開くのは避けたいところだと感じます。 その懸念に関連して伺いたいのですが、端末を家庭負担にする場合、どのあたり(価格帯や買い替え頻度など)が負担として現実的に効いてくると思いますか?

数年に一回、数万円程度なら負担できるかと。行政で大量調達して安くしてほしいです。また、デジタル教科書採用に伴って同じだけ何か家庭の別のコストを削減できれば、少なくともデジタル機器導入の経済的問題は現状よりは悪くならないかと思います。

数年に1回・数万円程度なら現実的、ただし大量調達で価格を下げてほしい、という感覚なのですね。さらに「別のコスト削減とセットなら家計としては悪化しにくい」という見立ても、とても制度設計に直結する示唆だと思います。 今おっしゃった「家庭の別のコスト」を削減できるとしたら、どんなコストが思い浮かびますか?

はっきりとは思いつきませんが、制服や教科書代、給食費などを行政が負担してあげればその分家庭の負担が浮くかと思います。デジタル教科書採用によって紙の教科書の分量を減らして教科書代を下げて相殺できれば理想的ですが。

制服・給食費など、教科書以外の固定費を公的に軽くできれば相殺になる、という発想なのですね。特に「紙の分量を減らして教科書代を下げられれば理想」という点は、デジタル化のメリットを家計に還元できるかどうかの核心だと感じました。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

教員の負担/研修

教員の負担や研修がハードルになりそう、ということですね。端末や教材が増えるほど、準備・授業中の対応・トラブル時の切り替えなどが先生側に寄りやすいのは想像できます。 その「負担/研修」の中でも、特に負担が大きくなりそうだと感じるのはどのあたりですか?

インタビューを終了する

承知しました。では最後に、これだけ伺ってインタビューを終えます。 デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

子どもには参政権がなく、自分たちの意見を伝える手段がありませんが、この問題に関しては一番の当事者です。彼らの声をできるだけ直接聞いてあげてください。

大切なお話をありがとうございます。子どもたちが最大の当事者なのに声を届けにくい、だからこそ制度設計の段階で子どもの意見をできるだけ直接すくい上げてほしい、という点ですね。 それではインタビューはここで終了し、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間を割いて率直にお話しいただき、ありがとうございました。以下、伺った内容の要約レポート案です。ご確認をお願いします。