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💬インタビューレポート

個人情報担当

懸念事業者

仕事で個人情報を扱う立場(企業担当者・行政職員など)として、法改正による同意なし提供の拡大に強い懸念を持っている。

回答日2026.5.27 16:50
インタビュー分量18 分 / 642 文字

💬主な意見

同意なし提供の例外拡大に反対

「統計作成・AI活用のため」という理由でも同意なし提供は許容し難く、保護されてきた枠組みを緩めないでほしい。

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要配慮個人情報は都度の提供可否確認が必要

病歴・犯罪歴・思想信条などが同意なしで渡る可能性を懸念。要配慮情報はその都度、提供可否を確認すべきだと考える。

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AI活用の定義が曖昧で芋づる式に広がる不安

一度例外を作ると運用が広がりかねない。AI活用の定義が曖昧で、どこまで許容されるか分からない点を不安視している。

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🎤すべての会話ログ

本日は「個人情報の使い方にルールを追加し、悪質な違反には課徴金を科せるようにする法案」について、感じていることや評価をうかがいます。率直なお話で大丈夫です。 この法案にどういう立場で関わっていますか。

仕事で個人情報を扱っている(企業の担当者、行政職員など)

ありがとうございます。お仕事で個人情報を扱うお立場なのですね。 今回の個人情報保護法の改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。

ほとんど知らない

承知しました。前提をそろえるために要点だけ短く共有すると、今回の改正は主に①AI開発・統計目的なら一定条件で同意なしにデータ提供が可能に、②16歳未満の子どもの情報は保護者同意を原則に、③顔特徴データは目的の公表や利用停止請求などの新ルール、④悪質な大規模違反(被害1,000人超など)に課徴金、⑤名簿転売の確認義務強化――といった内容です。 この改正を全体として、どのように評価していますか。

良くない

率直にありがとうございます。全体として「良くない」と感じられているのですね。 その評価につながった点として、まずどのあたりが一番引っかかっていますか。

AI開発転売ヤー統計目的なら一定条件で同意なしにデータ提供が可能になる点。

そこが一番引っかかっているのですね。確かに「同意なしで第三者に渡せる」という聞こえ方だと不安になりやすいと思います。 その点について、どんな場面を想像して「良くない」と感じましたか。

要配慮個人情報(病歴・犯罪歴・思想・心条)も同意なしで第三者な渡せると見ました。これは本当ですか?だとしたら反対です。

ご懸念はもっともだと思います。 補足すると、この法案のポイントとして明記されているのは「統計作成やAI開発“のためだけ”に使う場合、本人同意なしで他事業者に提供できるようにする(目的外利用は禁止)」という枠組みです。一方で、「要配慮個人情報(病歴・信条など)まで同意なしで第三者提供できる」と断定できる形でここに書かれているわけではなく、具体的な運用ルールの多くは今後、個人情報保護委員会が定める部分が大きいです。 この補足を踏まえて伺いたいのですが、「同意なし提供」がどの範囲まで許されるとしたら特に許容しがたいと感じますか。

現法案の「統計作成・AI活用のため」も許容し難い。要配慮個人情報はその都度提供可否を確認すべき。「統計作成やAI開発のため」とあるが、ひとつでも許してしまえば芋づる式に許容されてしまうと思う。また、AI活用、は定義が曖昧で、どこまで許容されるかもと不安視している。 ニュースではSNS等に記載の情報も、とあったが、これは正しい?

懸念点がとてもクリアですね。「一度例外を作ると広がる」「AI活用の定義が曖昧」という不安は、制度設計上の核心だと思います。 ご質問の点を補足すると、この法案の説明としては「一定条件のもとで、ネット上に公開されている機微な情報(病歴・信条など)を本人同意なく集められるようになること」が論点として挙げられています(ただし、具体的にどこまで・どんな条件で認めるかは今後のルール設計に委ねられる部分が大きいです)。 その上でお聞きしたいのですが、もし制度を設計する側が“歯止め”を入れるとしたら、どんな条件が最低限必要だと思いますか。

個人が特定されない形。が歯止めだと思う。

なるほど、「個人が特定されない形」が最低限の歯止め、ということですね。 その「個人が特定されない形」というのは、具体的にはどういう状態を指しますか。

名前・住所・性別といった実生活に紐づくもの。 例えばみみキュン(SNS上の呼び名)は休職歴があると言われても、実社会において就職などで不利になることは無いが、山田桜子(本名)は休職歴があると言われた場合、就職に不利になる可能性がある。

具体例でとても分かりやすいです。SNS上の呼び名のように実生活の個人に結びつかないなら影響は限定的だけれど、本名など実社会の本人に結びつくと不利益が現実に起きうる、という感覚なのですね。 では確認させてください。SNSの呼び名のような情報でも、もし他の情報と組み合わさって本名に結びつく可能性がある場合は、どの程度までを「個人が特定されない」と見なせると思いますか。

少し難しい。洗濯できるような、具体例をだして。

承知しました。では具体例で伺います。 たとえば企業が「SNS上の投稿(ユーザー名は伏せる)」と「位置情報は市区町村まで」「年齢は5歳刻み」に加工して、AIの学習に使うケースがあるとします。この状態は、あなたの感覚では「個人が特定されない形」と言えますか。

言える

ありがとうございます。その条件だと「個人が特定されない形」と言える、という感覚なのですね。 では、その加工に加えて「投稿本文(文章そのもの)」が含まれる場合でも、同じく「個人が特定されない形」と言えますか。

いいえ、投稿本文が全く一致することはまれなので、SNSアカウントの特定がされ、そこから統計などと紐づけて住んでいる市区町村名やおおよその年齢が分かるかと思います。

なるほど。投稿本文そのものが入ると、検索などで元投稿にたどれてアカウントが特定され、そこから市区町村や年齢帯と結びついてしまう、という懸念なのですね。 では伺います。投稿本文を残す代わりに、本文は使わず「話題カテゴリ(例:健康、仕事、政治など)」「感情の傾向(ポジ/ネガ)」「キーワードの出現数」みたいな“特徴量”に置き換えたデータであれば、「個人が特定されない形」と言えますか。

言える

ありがとうございます。 本文そのものではなく、カテゴリや感情傾向、キーワード出現数のような特徴量に置き換えれば「個人が特定されない形」と言える、ということですね。 この考え方を前提にすると、法案で「統計作成・AI開発目的なら同意なし提供」を認めるとしても、“提供できるのは特徴量などに加工されたデータに限る”という線引きなら、受け入れられそうでしょうか。

うーん、今まで保護されてたものを緩める気にはなりません。そこまでAI活用のためと言われても提供する気になりません。

慎重なお考え、よく分かります。加工しても「いったん緩めたら戻しにくい」「AI活用の名目が広がる」という不信感が残るのですね。 では一点だけ伺いたいのですが、もし同意なし提供を認める例外を“完全にゼロ”にした場合、逆に困りそうだと感じる場面はありますか。

わかりません

承知しました。現時点では「困る場面は特に思い浮かばない」という感覚なのですね。 では最後に、この法案について制度を設計する人に伝えるとしたら、どんな方向で制度を組み直してほしいですか。

現在の個人情報保護法と同じように設計してほしいです。

ありがとうございます。「今まで保護されてきた枠組みを緩めないで、現行法と同じ考え方で設計してほしい」という強いメッセージですね。 ここまでのお話を踏まえると、特に“同意なしでのデータ提供を広げる方向”自体に不信感があり、加工(特徴量化など)でも十分な安心にはつながりにくい、という理解で合っていますか。

あっています

ありがとうございます、認識合っています。 ここまでのお話では、今回の改正の中でも特に「統計作成・AI開発目的なら一定条件で同意なしに第三者提供できる」という方向性自体に強い懸念があり、仮に匿名加工・特徴量化などの工夫があっても、“一度例外を作ると芋づる式に広がる”“AI活用の定義が曖昧で歯止めが効きにくい”という不安が残る、という点が核心だと受け取りました。 このあたりまで伺えたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をレポート案としてまとめました。内容がこの理解で合っているか、ご確認ください。