💬インタビューレポート
一般市民
一般市民として法案に関心。コロナ期に孫が学習者用デジタル教科書を使っているのを見聞きし、自身も電子書籍利用の経験から紙・デジタル双方を比較して考えている。町内会のデジタル化検討にも関わっている。
💬主な意見
端末費用・運用負担への支援設計が必要
“初期はタブレット費用が重く、性能差も問題。所得は世帯所得÷人数で見て、負担が階段状に跳ねない設計が公平。学校は故障対応やOS混在、ネット設備が課題で、SIM配布や自動診断の仕組みがあると安心。
🎤すべての会話ログ
こんにちは。今日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることや影響を丁寧に伺いたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
一般市民として関心がある
ありがとうございます。一般市民として関心をお持ちなのですね。 デジタル教科書について、どの程度ご存知ですか?
コロナの時期に孫が使っていることを知っているレベル 個人的には電子書籍を使っていて、個人的にデジタルとアナログのそれぞれの良さ悪さについては考えている
デジタルのドキュメントも自由にコメントなどを上書きしたり、マーカーでマークするようなことができてきている。 このようなことができれば、勉強という面での紙とデジタルの差は埋まると思う。 また、ドラマなどで紙の資料が理解しつらいというハードルがある人にはデジタルが非常に役に立つということも見ている。 教科書は子供の学習意欲を高め、スキルを開発できるのであれば、選択肢はある程度あった方が良いと思う。
ありがとうございます。書き込みやマーカーなどができれば、学習面で紙との差はかなり埋まる、という見立てなのですね。読みにハードルがある人にとっての助けになる点も含めて、選択肢が増えるのは良いというお考えも伝わってきました。 いまお話に出た「紙との差が埋まる」と感じるのは、具体的にどんな学習の場面(授業中・宿題・復習・テスト勉強など)をイメージしていますか?
授業中に大事といわれたところにマークをする、疑問に思ったこと理解しにくいことにメモをして復習時点でそれを調べる、などが今のイメージ。
ありがとうございます。授業中に要点をマークして、疑問点はメモしておいて復習で解消していく、という流れを想定されているのですね。 そのやり方をデジタル教科書で行う場合、紙よりも「特にやりやすくなる」と感じるのはどの部分ですか?
やりやすくなるというよりは、紙とデジタルの差が埋められるという感じですね。どちらを選んでもいいという状況になった場合、どういう選択がされるかはわからない、が今の私の考えです。
ありがとうございます。「デジタルが圧倒的にやりやすい」というより、“紙と同じくらいできるようになる”ことで選択できる状態が大事、という感覚なのですね。 では逆に、紙とデジタルを比べたときに「差が残りそう」と感じる学習の要素はありますか?
複数のページを比較しながら見るは、デジタルの苦手な分野かと思います。10インチ以上であれば左右で画面分割して別々のページは開けそうですが、そこまででしょうね。紙は複数ページを行ったり来たりしながら学習を進められるメリットはあると思います。
ありがとうございます。複数ページを行ったり来たりして比較しながら読む、という使い方は紙が強いという実感なのですね。画面分割などで一部は補えるけれど、限界もあるという見立てもよく分かります。 この「複数ページを比較しながら読む」ことがやりにくいと、学習の中ではどんな作業に影響が出そうですか?
前に説明されたことを確認しながら進めるというようなケースが考えられると思います。
ありがとうございます。前に出てきた説明を参照しながら先へ進むような学び方だと、行き来のしやすさが効いてきそうですね。 その「前の説明を確認しながら進める」場面は、どの教科で起きやすいと思いますか?
数学・理科系は、公式や定理の説明などを確認しながら進めるようなことは考えられるかと思います。国語や英語は長文の場合、前の場面で何を語られていたかを確認する場合に考えられるような気がします。
ありがとうございます。数学・理科だと公式や定理を参照しながら問題を進める場面、国語や英語だと長文で前の文脈を戻って確認する場面、というイメージなのですね。 デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?
デジタルの場合ですが、費用の負担、故障時の対応、などが家庭も学校も負担になるような気はします。学校の場合、どこでもネットにつなげる環境は必要になるかなと思います。学校端末用にある帯域のSIMを一括で配布するなどを考えてもいいような気はします。
ありがとうございます。費用負担や故障時の対応が、家庭にも学校にも効いてきそうだという懸念なのですね。ネット環境も前提になってくる、という点も重要だと思います。 いま挙げてくださった中で、特に負担が大きくなりそうだと感じるのは「費用の負担」でしょうか?それとも「故障時の対応」でしょうか?
初期は費用だと思います。
ありがとうございます。導入の初期はまず費用負担が重くなりそう、という見立てなのですね。 その「費用」は、具体的にはどんなものが中心になりそうだと感じますか?
タブレットの費用ですね。 良いタブレットは高いし、安いものは動作が重くなりやすいので。 あと1社に絞ることも難しいと思うので。
ありがとうございます。端末(タブレット)そのものの費用が中心になりそうで、性能と価格のトレードオフもある、さらに特定メーカーに一本化もしにくい、という見立てなのですね。 小中学校では教科書自体は無償配布の対象になる予定ですが、端末費用は別問題として残りやすい点はまさに論点だと思います。 端末の費用負担について、制度としては「どこまでを公費で支えるのが適切」だと感じますか?
むずかしいですね。所得にスライドする形が良いような気はしますが、具体的にどこまでをまでは、現時点では考えられません。すいません。
いえいえ、率直に「難しい」と感じるところ自体が大事な示唆だと思います。所得に応じて負担を調整する方向性が頭に浮かぶ、ということですね。 「所得にスライドする形」にするとしたら、対象に入れる基準はどんな考え方が納得感につながりそうですか?(例:住民税非課税世帯、就学援助の対象、一定所得以下など)
所得は、世帯全体の所得を世帯人数で割ったものが、公平感があるかなと思います。フランスかどこかの税制がこんな感じだったようなことを聞いた気がします。 あと所得帯が変わると階段のように負担が上がるのは負担感が大きくなると思うので、やめた方が良いと思います。
ありがとうございます。世帯全体の所得を世帯人数で割るような見方だと公平感が出やすい、ということですね。さらに、所得帯ごとに“階段状”に負担が跳ね上がる設計は避けたほうがいい、というご懸念もよく分かります。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?
トラブル対応だと思います。企業でも配布した端末の故障対応は課題になっています。地域のデジタルに強い人の協力を得ることも考えないと費用は掛かるような気がします。
ありがとうございます。企業でも配布端末の故障対応が課題になる、というご経験からの見立てなのですね。学校だとさらに台数も多く、授業が止まるリスクもあるので、トラブル対応がハードルになるという感覚はよく分かります。 その「トラブル対応」で、学校が特に困りやすいのはどんな状況だと思いますか?
デジタルに対する知識は差が大きすぎるという点だと思います。 昔に比べたらだいぶわかりやすくなっているとは思いますが、苦手と思っている教師にとって想定外の故障などは、大きな負担になると思います。
ありがとうございます。教員の方のデジタル知識の差が大きく、苦手意識がある先生にとっては「想定外の故障」が強い負担になり得る、ということですね。 その「想定外の故障」が起きたとき、学校側に最低限用意されていると助かる支援や体制は、どんなものだと思いますか?
それこそ学校に、端末を接続すると自動診断してくれるAIなどがあると便利だし、先生も安心だと思います。
ありがとうございます。学校側に、端末をつなぐと自動診断してくれる仕組みがあると、先生の安心感につながるということですね。 その「自動診断」があるとして、学校現場で特に役に立ちそうなのはどんなトラブルの切り分け(例:端末故障なのか、通信なのか、アカウント/設定なのか)だと思いますか?
あとは教科書用のアプリの問題も気になります。 Android系とiOS系ではアプリ自体も違うので混在すると面倒だと思います。
ありがとうございます。教科書用アプリの問題も大きい、ということですね。OSが混在するとアプリや挙動の違いで現場の手間が増える、という懸念はとても現実的だと思います。 端末のOSが混在する状況になった場合、学校現場では具体的にどんな種類の「面倒さ」が一番大きくなりそうですか?
いま町内会のデジタル化を検討していますが、私自身iPhoneからAndroidに移行して大分たつのでiOS系については自信がないですね
ありがとうございます。町内会のデジタル化の検討でも、OSが違うだけでサポート側の自信や対応力に差が出る、という実感がおありなのですね。 学校の現場でOSが混在した場合、先生や学校が困るのは「どの場面でのサポート」になりそうですか?
ブラウザ系のアプリ以外は、操作方法が微妙に変わってくるような気がすることですね。開発ツールは一元化されていますが、OSが違うことでまったく同じような見え方や操作ができない場合もあるのでは、と思っているので
ありがとうございます。ブラウザで完結するものはまだしも、専用アプリだとOS差で見え方や操作が揃わず、サポートが難しくなるかもしれない、ということですね。 学校向けのデジタル教科書が「専用アプリ中心」になる場合と「ブラウザ中心」になる場合で、どちらの形のほうが学校現場にとって現実的だと感じますか?
ネットワークに依存しない形だと専用アプリになりますが、常時ネット接続が保証されていればブラウザ系inaruytoomoimasu
ありがとうございます。ネットワークに依存しないなら専用アプリ、常時接続が担保できるならブラウザ中心でもよい、という整理ですね。 「常時ネット接続が保証されていれば」という前提について、学校でそれを現実的に担保するには何がいちばんネックになりそうですか?
ネットワークの設備ですね。WiFiを使えるようにすることは結構面倒な気がします。前にも言いましたが、学生用のSIMを配布して、端末は常時接続可にした方が運用は楽になると思います。学校側にはSIMが接続しやすくなるような中継器くらいの設置はした方が良いかも、です。
ありがとうございます。校内Wi‑Fiの整備は手間が大きく、運用を考えると学習者向けSIMで常時接続に寄せた方が楽では、というご提案なのですね。中継器など最低限の設備は必要、という感覚も理解できます。 デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?
思ったより話しやすい気はしました。 回答者の期になっていることを引き出すことも大事ですが、みらいとして気になっている点を質問することもあったもいいかな、と思います。とくにチーム内で意見が分かれているようなことについて。
ありがとうございます。話しやすかったと言っていただけて安心しました。 インタビュー設計についてのお話も参考になります。一方で、今日は法案そのものに絞って伺いたくて、最後に1点だけ確認させてください。 この法案(デジタル教科書を正式な教科書として認める)について、全体としては賛成・反対・どちらとも言えないのどれに近いですか?
選択肢が増えることは良いことなので賛成です。 ただしデジタルのみと決めてしまうことを含んでいるのであれば保留とさせてください。両方の対応の場合、学校側はどのように授業を進めるかについて考える必要はありたいへんと思いますが、そこは知恵を出して解決した方が良いと考えています。
ありがとうございます。選択肢が増える方向性としては賛成、ただ「デジタルのみ」に固定されるなら保留、というお考えなのですね。 補足させていただくと、この法案は「紙をやめてデジタルだけにする」と決める内容ではなく、デジタルを“紙と同じ正式な教科書”として位置づける(=選べるようにする)ことが主なポイントです。 この補足を踏まえたうえで、あらためて法案へのスタンスは変わりそうでしょうか?
変わらないですね
ありがとうございます。補足を踏まえても、スタンスは変わらず「選択肢が増えるので賛成」ということですね。 ここまでで一通り主要な論点を伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容にズレがないかご確認ください。