💬インタビューレポート
一般市民
自分の個人データがどう使われるか気になる一般の立場として、法改正の概要は把握しており、全体としては「どちらかといえば良い」と評価している。
💬主な意見
漏えい時は最低1万円以上の直接補償がほしい
“企業の基本対策の不備(アップデート放置、運用不備、研修未実施等)がある場合は、被害者への直接補償を厚くし、最低でも1万円以上の義務があると納得できる。
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本日は「個人情報保護法を改正し、AI開発向けデータ利活用の促進・こども保護の強化・課徴金制度の新設を行う法案」について、感じていることを丁寧に伺います。率直なお話で大丈夫です。 この法案にどういう立場で関わっていますか。
自分の個人データがどう使われるか気になる一般の立場
ありがとうございます。一般の立場で個人データの使われ方が気になるのですね。 今回の個人情報保護法の改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。
概要は知っている
ありがとうございます。概要はご存知なのですね。 今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。
どちらかといえば良い
ありがとうございます。「どちらかといえば良い」と感じていらっしゃるのですね。 その評価に傾いた点として、どの部分が特に良いと思いましたか。
人口減少などで、これからの日本にAI開発は必須で、法律で縛り過ぎると開発が遅れ、競争力が失われるからです。インターネットが登場した時にP2P問題で法律で縛り過ぎて競争力が失われた過去があります。
お話ありがとうございます。AI開発を進めないと国全体の競争力が落ちる、という危機感が背景にあるのですね。 今回の改正で「同意なしでもデータ提供ができる特例」が入る点について、一般の立場としては、どういう条件や歯止めがあれば安心して受け止められそうですか。
自身の個人情報が、どのような用途でどのような企業に使われたなど履歴を追える仕組みがあると良いです。また、使用されたらインセンティブが自動で入る仕組みがあると良いです。
ありがとうございます。使われ方を「追えること」と、使われた対価(インセンティブ)が「自動で返ってくること」が安心材料になるのですね。 今回の法案では、統計作成・AI開発目的の特例について、提供元・提供先・内容などの公表や、目的外利用・再提供の禁止といった担保措置は置かれていますが、個人ごとに「自分のデータの利用履歴を照会できる」仕組みや、「利用に応じて自動で対価が支払われる」仕組みまでを義務づける内容にはなっていません。 この点を踏まえて伺いますが、利用履歴が追える仕組みがあるとしたら、どのくらいの粒度まで分かることを期待しますか。
使用した用途や企業まで把握できると良いです。可能であれば、使用したことによってどのようなことが社会に役に立ったかまで分かると良いです。
ありがとうございます。用途や企業名まで分かる粒度に加えて、社会的な効果まで見えると納得感が高まりそう、ということですね。 その「用途」について、表示されるとしたらどんな分類だと分かりやすいですか。
医療、薬、犯罪行動などです。
ありがとうございます。医療・薬・犯罪行動といった領域別に見えると理解しやすいのですね。 その分類の中で、今回の法案で同意不要の特例が広がることについて、特に慎重に扱ってほしい(できれば自分は使われたくない)と感じる領域はありますか。
使われ方を「追えること」と、使われた対価(インセンティブ)が「自動で返ってくること」があるなら特に無いです。
ありがとうございます。追跡できて対価も返るなら、領域による強い抵抗感はあまりないのですね。 では伺いますが、「インセンティブが自動で入る」とした場合、どんな形だと受け取りやすいですか。
マイナンバーに紐付けてある銀行口座に振り込みだと受け取りやすいです。
ありがとうございます。マイナンバーにひもづく口座への振込が一番スムーズ、という感覚なのですね。 この法案について、制度を設計する人に伝えるとしたら、「データ利用の対価をマイナ口座に自動で振り込める仕組み」を法律や運用で用意してほしい、という要望にどの程度近いですか。
強くそう思う
ありがとうございます。強くそう思われるのですね。 今回の法改正で、あなたが特に気になっている点はどれですか。
違反した企業への罰則や、被害を受けた人の救済のしくみ
承知しました。罰則や、被害を受けた人の救済のしくみが特に気になっているのですね。 その点が気になるのは、どのような背景やきっかけがあってのことですか。
現状は企業が情報漏洩した場合に500円くらいしか貰えないのと、その後の対策状況が見えない。
お話ありがとうございます。漏えいが起きても補償が小さく、再発防止がきちんと進んでいるのか見えにくい、という不満が背景にあるのですね。 補足すると、今回の法案で新設される課徴金制度は「悪質な違反で得た利益を取り上げる」趣旨で、被害者への直接の補償(損害賠償や一律の給付)を自動で厚くする仕組みは基本的に含まれていません。また、課徴金の対象も、安全管理の不備による情報漏えいそのものは原則として対象外です。 この点を踏まえて伺いたいのですが、被害を受けた側の救済として、どんな形の仕組みがあれば「納得できる」と感じますか。
被害者への直接の補償を厚くする仕組みがあると良いです。
ありがとうございます。被害を受けた人への直接補償が厚くなる仕組みが必要だ、ということですね。 その「直接補償」について、企業側にどんな形で支払い義務が生じる仕組みだと納得感が高いですか。
最低でも10000円以上の義務があると納得感が高いと思います。
ありがとうございます。最低でも1人あたり1万円以上の補償が義務としてあると、納得感が出るということですね。 その「1万円以上」の補償が適用される条件として、どんな場合を想定していますか。
機器のアップデートを怠ったや不適切なデータの運用方法やセキュリティの社内研修を定期的に実施してないなどです。また、使用用途を追える仕組みをしてないなどです。
ありがとうございます。アップデートの放置や運用の不備、研修未実施など「基本的な対策を怠ったケース」では、最低1万円以上の補償が必要だというお考えなのですね。 伺いたいのですが、その条件のうち「アップデートを怠った」のような技術的な不備について、どの程度まで企業に求めるのが現実的だと感じますか。
CSIRTなどセキュリティ組織を自社に設置して、月1でバージョンアップやセキュリティチェックを行うのが良いと思います。
ありがとうございます。CSIRTのような体制を置いて、月1回程度の点検・更新を回すのが現実的なライン、という感覚なのですね。 その「月1でのバージョンアップやセキュリティチェック」を、従業員規模が小さい企業にも同じように義務づけるべきだと思いますか。
義務づけるべきだと思います。
ありがとうございます。小規模でも同じ水準で義務づけるべき、というお考えなのですね。 小規模企業にも同じ義務を課す場合、現実に回るようにするために「国や業界側が用意すべき支援」には、どんなものがあると良いと思いますか。
セキュリティ人材を雇った場合の補助金やセキュリティ組織がしっかり機能しているかチェックする仕組みや裁量権があるか監査する仕組みです。
ありがとうございます。補助金で人材確保を後押ししつつ、組織が形だけにならないよう「機能しているか」「裁量権があるか」を監査できる仕組みが必要、ということですね。 ここまでで、法案そのものへの評価に加えて、制度として「利用の見える化(追跡)」と「被害者への直接補償の厚み」、さらに中小企業を含めた実効的なセキュリティ体制づくりの支援・監査が重要だ、という示唆をいただきました。 これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をもとに、インタビュー結果のレポート案をまとめました。ご確認ください。