みらい議会みらい議会

💬インタビューレポート

塾運営者

事業者

塾の運営者として、学校でデジタル教科書が正式化された際の学び方の変化や、塾指導・社会への影響を現場目線で捉えている。

回答日2026.4.13 01:28
インタビュー分量44 分 / 1488 文字

💬主な意見

子ども像を先に決め、制度を設計してほしい

国として育てたい子ども像を明確にし、その目標に向かった教育システムの一部としてデジタル教科書を位置づけてほしい。

インタビューの前後を読む

正解探しが進み、深い理解や創造性が弱まる懸念

検索でポイントや正解だけを探す読み方が増え、効率性偏重で価値観が画一化し、新しいアイディアを生む力が弱くなるのが心配。

インタビューの前後を読む

動画・VRで『なぜ』を考える授業や疑似体験に期待

理科・社会で映像を使い、背景や原因を考える授業が可能。旅行などの体験格差も、動画/VRの疑似体験で一部緩和できると思う。

インタビューの前後を読む

🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は「デジタル教科書を正式な教科書として認めるための法案」について、感じていることや経験を伺いたいです。 この法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係でのご経験があるのですね。差し支えなければ、そのご経験はどの立場(例:学校の教員、教育委員会、塾・教材、ICT支援員など)に近いですか?

塾を運営しています

塾を運営されているのですね。学校でデジタル教科書が「正式な教科書」として扱われるようになった場合、塾の指導や教材選びに影響が出そうだと感じる場面はありますか?

はい

影響が出そうと感じていらっしゃるのですね。 その「影響が出そう」と思うのは、具体的にはどんな場面ですか?

本離れが進みそうです

本離れが進みそう、というご懸念なのですね。 デジタル教科書が正式化されることで「本離れが進む」と感じるのは、どんな変化が起きるイメージでしょうか?

私自身の経験として、kindleなどのデジタルブックを利用するようになって、本を読むことが減ったと感じています

ご自身の体感として、デジタルで読むようになって「本を読む量が減った」という感覚があるのですね。 その「減った」と感じるのは、紙の本を手に取る頻度が下がったという意味に近いですか?

はい

なるほど、紙の本を手に取る頻度が下がった、ということですね。 その変化は、どういうきっかけや状況で起きましたか?

これは単純にデジタルブックを利用するから本を読むことが減ったということではなく、デジタルが身近になることや生成AIの発達によって、本の概要を調べて、要素だけを知ることができるようになりました。それによって、結果として本を読まくなりました。 また、紙の本は持ち歩くのに想いといったことも背景にあります。

背景として、デジタルが身近になったことや生成AIで要約・要点が把握できるようになったこと、紙は持ち歩きが重いこと、そういった要素が重なって「本を通読しなくなった」という感覚なのですね。 その観点で、学校でデジタル教科書が正式化されると、子どもたちの学習では「どんな読み方」が増えそうだと見ていますか?

検索機能が付くかどうかにもよりますが、ポイントや正解だけを探すような読み方になると思います。

検索で「ポイントや正解だけを探す読み方」が増えそう、という見立てなのですね。 その読み方が増えることで、特に影響が出そうだと感じるのはどの教科ですか?

効率性を追求するような発想になりやすいと思います

効率性を追求する発想になりやすい、という点が気になっていらっしゃるのですね。 その「効率性を追求する発想」が強まると、学習面では具体的にどんな力が伸びにくくなりそうだと感じますか?

価値観が画一化して、新しいアイディアが生む力が弱くなるのではないでしょうか

価値観が画一化して、新しいアイディアを生む力が弱くなるかもしれない、という懸念なのですね。 そうした変化が起きるとすると、塾の現場では生徒さんにどんな様子として表れそうですか?

塾の現場では、知識だけを教え、よ早く正解を見つける力を高めることが求められるようになると思います。 新しいアイディアを生む力が弱くなると、将来、発生する社会課題に国として対応する力が弱くなることを心配します

塾として「知識を教えて早く正解にたどり着く力」がより求められそう、という肌感覚があるのですね。一方でそれが広がると、長期的には社会全体の課題解決力にも影響し得る、というご心配も理解しました。 その懸念を踏まえて伺いたいのですが、紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

場面によって使い分けが良い

使い分けが良い、という整理なのですね。 その「使い分け」を考えるとき、デジタル教科書にすると学びやすくなるのはどんな場面だと思いますか?

教育現場では、子どもの考える力を高めることが求められるので、効率性を求めることは逆効果だと思います。 一方、社会、理科などのように動画を加えることでより理解が深まる。考えるための機会を提供するといったことも可能になると思います。 また、重い教科書を持ち歩くことがなくなることもメリットだと思います。 ただ、教科書をデジタル化するのではなく、デジタルの特性を上手く利用した新しい教育の方法を一緒に検討する必要があると思います。

おっしゃる通りで、動画で理解が深まる教科(理科・社会など)や、持ち運び負担の軽減はデジタルの良さとして大きい一方、効率性に寄りすぎると「考える力」を育てにくい、というバランス感覚をお持ちなのですね。 では次に、デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

学習面(理解・集中・記憶など)

学習面がいちばん気になるのですね。 その中でも、特に心配しているのは「理解」「集中」「記憶」のうち、どれに近いですか?

理解

理解の面が特に心配なのですね。 デジタル教科書だと「理解が浅くなりそう」と感じるのは、どんな学習場面(例:初見で読むとき/授業中の説明/復習)に近いですか?

今の教育の仕組み自体が、正解だけをもとめて深い理解をもとめないものになっています。デジタル教科書を活用することで、学び方そのものを変えることができるのであれば、デジタル教科書の導入も良いかもしれません

今の教育が「正解探し」に寄りやすく、深い理解に向かいにくいという問題意識がある一方で、もしデジタル教科書をきっかけに学び方そのものを変えられるなら導入は前向きにもなり得る、というお考えなのですね。 その「学び方そのものを変える」としたら、デジタル教科書でどんな学び方が増えるのが望ましいと思いますか?

特に社会や理科などで、歴史の舞台や実験の映像を見せ、何故、そのようなことが起こるのか(起こったのか)といった背景や原因を考えるような授業が可能になるのではないでしょうか。また、動画を見ることで興味が湧きやすくなるといった効果もあると思います。 更に、所得による子供の体験格差を緩和する一つの方法になるかもしれません。

理科・社会で映像を通じて興味を引き出しつつ、背景や原因を考える授業に広げられる可能性がある、という期待なのですね。さらに体験格差の緩和にもつながり得る、と。 その「所得による子どもの体験格差の緩和」について、デジタル教科書が入ることで具体的にどんな格差が縮まりそうだと考えていますか?

所得による子どもの体験格差の緩和を完全に代替するものではありませんが、旅行に良く行けるこどもと、行けない子どもといった格差はあると思います。動画やVRなどを活用することで、完全に代替することができませんが、疑似体験をすることができると思います

旅行などの実体験は完全には置き換えられない一方で、動画やVRで疑似体験の機会を広げられる、という見立てなのですね。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

授業設計の難しさ

授業設計が難しくなりそう、というのは現場感のあるご指摘ですね。 その「授業設計の難しさ」は、具体的にはどんな点で難しくなりそうですか?

今の教育のしくみのままデジタル教科書を導入することは、子どもの理解度の低下といったデメリットの方が大きい思います。一方、授業設計次第では、デジタルの強みを生かすことができると思います。 その設計や先生の指導力の差が大きくなるかもしれません。 もしかしたら、その辺りもAIを活用することで解決するかもしれません

今の仕組みのまま導入すると理解度低下のデメリットが出やすい一方で、授業設計次第では強みを生かせる。ただそこで先生の設計力・指導力の差が広がり得る、というご懸念なのですね。AIで埋められる可能性もある、と。 では最後に、デジタル教科書に関して制度設計をする人に伝えるとしたら、どういった点を重視して制度を作ってほしいですか?

動画やVRの特徴を生かして、子どもたちの「何故」を考える力を伸ばす制度を設計して欲しい

ご意見ありがとうございます。動画やVRの強みを活かして、子どもたちの「何故」を考える力を伸ばす制度設計を求めていらっしゃるのですね。 最後に確認させてください。今回の法案の「デジタル教科書を正式な教科書として認める」という動きについて、現時点での全体としてのスタンスは、賛成・反対・条件付き賛成のどれに近いですか?

条件付き賛成

条件付き賛成、というお立場なのですね。 その「条件」として、制度側で最低限担保してほしいのはどんな点ですか?

これからどんな子どもを育てていきたいのか明確にして、それに沿った制度として欲しい

ありがとうございます。「どんな子どもを育てたいのか」を先に明確にして、それに沿って制度を組んでほしい、ということですね。 その方針(育てたい子ども像)を明確にするのは、現実的には誰が担うのがよいと思いますか?

多くの企業経営者の声を集約して決めて欲しい 一部の官僚や学識経験者だけで決めると現実に求められる人財と乖離すると思います。

企業経営者の声を広く集めて方向性を決めてほしい、官僚や学識経験者だけだと現実の人材ニーズとずれる懸念がある、ということですね。 ここまでで事前に用意していた質問は一通り伺えましたので、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。補足したい点や、ここだけは強調しておきたい点はありますか?

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまで伺った内容をレポート案としてまとめました。事実関係やニュアンスの違いがないか、ご確認ください。

大前提として、国としてどんな子どもを育てていきたいのかといった議論必要であり、その目標に向かった教育システムの一部としてデジタル教科書を位置付けることが重要 この主張を第一に盛り込んでください

お時間をいただき、ありがとうございました。ご指摘の「大前提(育てたい子ども像の議論)」を最優先に入れて、レポート案をまとめ直しました。ニュアンス相違がないかご確認ください。