💬インタビューレポート
刑事法専門家
刑事訴訟法の枠組みや有識者提言、英米独仏の通信傍受・行政傍受制度との比較法的知見を踏まえて、対象端末の定義、再執行の可否、監督体制のあり方について専門的かつ具体的な論点を提示しており、法制度・刑事手続に関する高度な知識を有していることがうかがえる。
💬主な意見
再執行の可否を国会答弁で明確に確認すべき
“本制度は時間差で消去されるメッセージへの対抗策として創設された以上、一度きりの調査では実効性が確保できない場面がある。同一端末への再執行が許されるかを国会答弁で明確に詰めるべきであり、警察側が批判を避けるためあえて条文を曖昧にしている可能性があるとも指摘した。
独立した監督組織の設置と関係ない情報の差押え手続の明確化
“公安委員会は警察本部内に設置された実質的な内部機関でお飾りに近く、独立性が乏しい。事後統制を本格的に機能させるなら、将来整備が避けられない行政傍受の監督体制とあわせて独立した監督組織を設けるべき。また調査中に見つかった関係ない情報についても、無条件消去ではなく従来の判例実務同様、別途令状を取得して差押えられる余地を確認すべきと述べた。
検討期間の短さと要件の硬直性への指摘、柔軟な解釈への期待
“有識者会議での検討時間がもっと長ければ、国際標準に近いより強力な手続を設計できた可能性があり、拙速な議論で損をしている印象があると指摘。また端末に履歴が残っている場合に限定せず、暗号資産の流れや実行犯の供述など他の客観証拠から疑いが生じた場合にも調査を可能にすべきで、英米独仏の犯罪予防目的の遠隔解析にはそうした限定要件がない点を踏まえ、柔軟な解釈を求めたいとした。
🎤すべての会話ログ
本日はお時間をいただきありがとうございます。今回は「犯人が連絡に使ったスマホなどから、被害を防ぐ情報を警察が得られるようにする法案」についてお話を伺います。さっそくですが、今回の法案で、あなたが特に気になること、または意見を伝えたいことに、いちばん近いものを教えてください。
調べる範囲(対象の犯罪、関係のない人の情報)
ありがとうございます。調べる範囲、つまりどんな犯罪が対象になるのか、関係のない人の情報まで調べられてしまわないか、という点に関心をお持ちなのですね。この点について、期待していることや気になっていることなど、具体的に教えていただけますか?例えば、どんな場面を思い浮かべて気になると感じられましたか?
事後統制機関のあり方、犯人が犯人間の連絡や被害者への連絡に用いたと認める合理的な理由のある端末の定義及び再執行の可否を答弁で詰めてほしい
大変専門的なご指摘をありがとうございます。事後統制機関のあり方、対象端末の「合理的な理由」の定義の明確化、そして再執行の可否という3点を国会審議で詰めるべきだというご意見ですね。この中で、特に「再執行の可否」について伺いたいのですが、これは一度許可状を得て調査した後、同一端末に対して改めて調査を行う場面を想定されているのでしょうか。どのような懸念からこの点が気になられましたか?
本制度は時間消去メッセージへの対抗として創設されたものだから、再執行が許される旨確認してあげないと、マトモな運用はできないのかなって 警察も揉めるの嫌であえてそこ伏せたみたいだけど、できればみらいにアシストしてあげてほしい
なるほど、時間差で消去されるメッセージへの対抗という制度趣旨を踏まえると、一度きりの調査では実効性が確保できない場面が出てくる、というご指摘ですね。警察側があえて条文を曖昧にして批判を避けている可能性がある、という見立ても含め、大変示唆に富むお話をありがとうございます。この論点は今後の国会答弁で詰められるべき重要なポイントとして承りました。 少し話題を変えてお伺いします。詐欺や強盗の被害を防ぐことと、スマホの中のやり取りなどのプライバシーを守ることについて、あなたの考えにいちばん近いものを教えてください。
どちらも同じくらい大事
どちらも同じくらい大事、というお考えなのですね。差し支えなければ、そう思われる理由を一言だけ教えていただけますか?
適正手続の下で、必要な限度で通信の秘密やプライバシーを制限しなが ら捜査を行うことは憲法上も認められており、現行の刑事訴訟法も、住居の捜索や郵便物の差押え、検証、通信傍受等、捜査の具体的な手続を規定することにより、人権の保護と公益の実現の調和を図っている(遠隔解析に関する有識者提言)のであり、この枠組みから端末の捜索のみを除外する必要性は乏しいから
専門的なご説明ありがとうございます。既存の刑事訴訟法の枠組みと同様、適正手続のもとで必要な限度の制約は許容されるべきだ、というお考えとして承りました。 続いて、この法案の歯止めについて伺います。
その他(自由記述)
ありがとうございます。「その他」ということですが、歯止めの仕組み(事前の裁判官許可、関係ない情報の消去、事後通知、公安委員会によるチェック)について、具体的にどのようなお考えをお持ちか教えていただけますか?
公安委員会は警察本部内に設置されていることが殆どのお飾り組織なので、事後統制を本格的にするのであれば、政府の対外情報収集法でどのみち整備が避けられないであろう行政傍受の監督組織を設けるべき 関係ない情報については、従来の判例実務同様に、新たに令状を取得しての差し押さえが許されることをみらいには確認してほしい。
ありがとうございます。公安委員会は実質的に警察組織の内部機関であり独立性が乏しいため、将来的な行政傍受の監督体制とあわせて独立した監督組織を設けるべき、というご提案ですね。また、調査中に見つかった関係のない情報についても、無条件に消去するのではなく、通常の捜査と同様に別途令状を取得して差し押さえる余地を明確にすべき、というご指摘として承りました。大変具体的なご意見をありがとうございます。 続いて、実施件数の公表や国会報告についてお伺いします。この法案には、実施した件数などを国会に報告したり、公表したりする決まりはありません。捜査のための通信の傍受では、政府が毎年、国会に報告しています。信頼のために、あとで振り返れる形で公表することが大切だという意見がある一方で、公表で犯人が対策をとれるようになると効き目が落ちるという意見もあります。この点について、いちばん近いものを教えてください。
義務にはせずにできる範囲で公表すればよい
ありがとうございます。義務化までは不要だが、できる範囲での公表が望ましい、というお考えですね。具体的には、どのような内容であれば公表してよいとお考えですか?例えば実施件数や対象となった犯罪の種類など、思い浮かぶものがあれば教えてください。
実施件数や罪種、事後通知の実施数は公表しても良いのではないか
ありがとうございます。実施件数、罪種、事後通知の実施数であれば、捜査の手口を明かすことなく信頼性確保に資する、というバランスの取れたご意見として承りました。 それでは、ここまでのお話を踏まえて伺います。今回の法案について、全体としての評価にいちばん近いものを教えてください。
良いと思う
「良いと思う」というご評価、ありがとうございます。差し支えなければ、どういった点が特にその評価につながったか教えていただけますか?
みんな濫用のおそれが云々言ってるけど、所詮は英米独仏でいう刑事手続としての通信傍受レベルの権限であり、これらの国の行政傍受と比べれば、依然として厳格な要件であることに変わりないから
国際的な比較の観点から、刑事手続としての通信傍受と同程度、あるいはそれ以上に厳格な要件が課されている、というご評価として承りました。比較法的な視点を含めた大変説得力のあるご意見をありがとうございます。 最後に、この法案について、国会や政府に伝えたいことを一つ教えてください。
どっちかというと推進側からの意見として、もっと有識者会議での検討時間が長ければ、グローバルスタンダードに近い、より強力な手続にもできたのではないか、拙速な議論で損をしている印象 あと単に履歴が残っていた場合だけでなく、他の客観証拠(暗号資産の流れや実行犯の供述)から疑いがかかっている場合にも実行できるようにしないと歯がゆい状況が出ると思われるし、事実英米独仏などの犯罪予防のための遠隔解析にはこの要件はないのである程度柔軟に解釈してあげてねと
貴重なご意見をありがとうございます。検討期間の短さゆえに、より国際標準に近い強力な制度設計の機会を逃しているのではないか、というご指摘ですね。また、端末に履歴が残っている場合に限定せず、暗号資産の流出入や供述など他の客観的証拠から疑いが生じた場合にも調査を可能にする柔軟な要件解釈を求めたい、という点も承りました。もしこうした点が実現した場合、法案への評価は変わりそうですか?
まあ変わるんじゃないの
貴重なご意見、ありがとうございました。制度の実効性を高める方向での柔軟な解釈や、今後の法改正の可能性についても期待されているということで承りました。 法案の各論点について、専門的な視点から大変深く掘り下げてお話しいただき、誠にありがとうございました。これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
ここまでのインタビュー内容を整理し、レポート案を作成いたしました。内容をご確認いただき、修正したい点があればお知らせください。問題なければ「このまま確定してください」などとお伝えください。
もっと長文で厳密に詰めて
ご要望いただきありがとうございます。より厳密かつ長文の形でレポートを詳細化いたしました。内容をご確認ください。修正点があれば遠慮なくお知らせください。問題なければ「このまま確定してください」とお伝えください。
