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警察官職務執行法の一部を改正する法律案

犯人が連絡に使ったスマホなどから、被害を防ぐ情報を警察が得られるようにする法案

国会審議中

犯罪の被害が迫っている人を守るため、裁判官の許可を得て、犯人が連絡に使ったと考えられるスマホなどから警察が情報を取り出せるようにする法案です。

治安👮犯罪対策

警察官職務執行法の一部を改正する法律案

👉 審議のステータス

法案 提出
衆議院 審議
参議院 審議
法案 成立

🎯この法律のポイント

犯罪の被害が迫っている人を守ることが、警察官の義務になります

人の命や体に危険を及ぼしたり、財産に大きな損害を与えたりするおそれのある犯罪を、この法律では重大犯罪と呼びます。

これは、重大犯罪が起きた、または始まったと警察官が分かった場合の決まりです。
被害を受けそうな人が特定できていて、次のどちらかに当たるとき、警察官はすぐにその人を守る対応をしなければなりません。

1つは、犯罪の様子などから考えて、被害がこれから広がったり起きたりすると認められるときです。
もう1つは、同じ犯人が同じような犯罪でまた被害を出すと判断できる、具体的な事実があるときです。

守る対応には、たとえば被害を防ぐ方法をその人に教えることがあります。

犯人が連絡に使ったスマホなどから、警察が情報を取り出せるようになります

警察が、ネットワークを通じて対象のスマホなどにつなぎ、中のデータを写して取り出せるようにします。

対象は、犯人同士の連絡や、被害を受けそうな人への連絡に使ったと考える、筋の通った理由がある端末です。
取り出せる情報は、被害を受けそうな人の名前や住所、犯行の日時など、その人を守るのに必要なものに限られます。

取り出した情報は、被害を防ぐ対応にあたる警察官に渡されます。

情報が取り出せるのは、条件に当てはまる場合だけです

この調べは、重大犯罪が起きた、または始まった場合で、次の3つの条件にすべて当てはまるときだけ行えます。

1つ目は、その犯罪を複数の人が共謀して行ったと考えられることです。
2つ目は、先ほど挙げた2つの場合のどちらかに当たり、被害を防ぐため急ぐ必要があることです。
3つ目は、ほかの方法では必要な情報をすぐに集めるのがとても難しいことです。

調べを行えるのは、必要な知識と能力があるとして、警察庁長官が指名した警察官だけです。

前もって裁判官の許可が必要です

警察官は調べる前に、地方裁判所か簡易裁判所の裁判官に書類を出して、許可をもらわなければなりません。

書類には、調べる理由、対象の端末、取り出すデータの範囲、調べ方の手順などを書きます。
裁判官は、条件に合っていると認めたときに許可状を出します。

関係ない情報は消し、端末を使っていた人にあとで知らせます

許可された範囲の外の情報にふれた場合、その情報をほかの警察官などに渡してはいけません。
調べが終わったら、そうした情報はすべて消さなければなりません。

調べたあとは、対象になった端末を使っていた人に、調べを行ったことを知らせます。
知らせる内容は、どの端末か、犯罪の名前、許可が出た日、調べた日、どのデータを取り出したか、関係ない情報を消した日などです。
この調べは、本人に知らせずに行われます。
専門家の会議は、まちがいがあったときに本人が救いを求められるよう、あとで知らせるべきだとしていました。

ただし、相手の居場所が分からないときなどは知らせません。
知らせると被害を防げなくなるおそれがあるときは、そのおそれがなくなってから知らせます。

公安委員会が、正しく行われたかを確かめます

調べを行った警察官は、所属する公安委員会に報告しなければなりません。

公安委員会は、許可の内容や法律の決まりどおりに行われたかを確かめます。
必要なときは、警察庁長官などに対応を指示します。

犯罪を捜査するための力ではないと書かれています

法案には、この調べの力は、犯罪を捜査するために認めたものと考えてはいけない、という決まりが入っています。

法律ができてから6か月以内に始まります

法律が国民に知らされた日から6か月以内で、政府が決める日から始まります。

✏️この法律が必要とされる理由

詐欺や強盗の被害が相次いでいるから

正体を隠し、メンバーが入れ替わる犯罪グループ(匿名・流動型犯罪グループ)による強盗や詐欺が、全国で多く起きています。

特殊詐欺の被害額は、2025年に過去最悪になりました。
「闇バイト」で集められた人による強盗も続き、亡くなった人もいます。

秘密性の高い通信アプリで、指示役や次の標的が分からないから

犯行の指示は、やり取りの中身を外から見にくい通信アプリで、顔を合わせずに出されるのが一般的です。

実行役をつかまえても、指示を出す人や次にねらわれる人をすぐには突き止められず、新しい実行役が集められて犯行が続きます。

政府は、続く被害を防ぐには犯人の端末にアクセスし、犯行の計画や標的を調べることが欠かせないと説明しています。

犯罪を1件ずつ取り締まるだけでは、次の被害を止めにくいから

警察庁が開いた専門家の会議は、犯罪を1件ずつ事件として取り締まるだけでは足りないとしています。
それでは、同じような犯行が繰り返されるのを止められないからです。

そのため、捜査とは別に、被害を前もって防ぐための手段が必要だとしました。

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👀意見が分かれるところ

通信の秘密やプライバシーを、必要以上に縛らないか

この調べは、本人に知らせずに、スマホに残ったやり取りなどから情報を取り出します。

  • 憲法が守る通信の秘密やプライバシーを侵すおそれがある、という指摘があります。
  • 専門家の会議は、正しい手続のもとで必要な分だけ制限するのは、憲法でも認められているとしています。
  • そのうえで、前もって裁判官が確かめる仕組みが必要だとしました。

この仕組みで、制限が必要な分だけにとどまるかが問われています。

犯罪と関係ない人のスマホや情報まで調べられないか

専門家の会議も、関係ない人の端末が調べられるのではという心配は、確実になくすべきだとしています。

  • 法案は、対象を犯人が連絡に使ったと考える理由がある端末にしぼっています。
  • 許可の外の情報は渡さず、すべて消すことも決めています。

これで心配がなくなるかは、評価が分かれる可能性があります。

公安委員会のチェックで十分か

調べが正しく行われたかを確かめるのは、公安委員会です。

  • 専門家の会議では、公安委員会の中立さや確かめる力を心配する意見が出ました。
  • 外部の専門家の手助けや、個人情報を守る国の委員会が関わる案もありました。
  • 一方、公安委員会の仕組みは警察の土台で、工夫すれば対応できるという意見もあります。

法案には、国会に報告する決まりはありません。
捜査のために電話などのやり取りを聞く「通信の傍受」では、政府が毎年、国会に報告しています。
国会への報告を義務にするべきだという意見があります。

どんな犯罪が対象になるのか、はっきりしているか

法案は、対象になる犯罪の名前を一つ一つは挙げていません。
複数の人が共謀した犯罪という条件も多くの犯罪に当てはまりうるうえ、あとから対象が広がるおそれがある、という指摘があります。

あとで知らせる仕組みは十分か

知らせると被害を防げなくなるおそれがあるときは、知らせるのを遅らせることができます。
これでは、いつまでも知らされないおそれがある、という指摘があります。

実施した件数などを公表するべきか

法案には、調べをどれくらい行ったかを公表する決まりはありません。

  • 信頼のために、あとで振り返れる形で公表することが大切だという意見があります。
  • 一方、公表で犯人が対策をとれるようになると、効き目が落ちるという意見もあります。

被害を防ぐための調べと、犯罪の捜査をどう区別するか

法案は、この調べの力は犯罪を捜査するためのものではない、としています。

一方で専門家の会議は、決められた手続をふめば、得た情報を裁判などの手続で使うことも許されるとしています。

被害を防ぐ目的と捜査との区切りを、どう守るかが問われています。

スマホの弱点をつく方法が、みんなの安全に影響しないか

  • 調べるには、スマホの弱点をついたり、使う人をだましたりする方法が必要な場面もある、という意見があります。
  • この意見は、その方法を認めつつ、みんなの安全をおびやかさない運用が必要だとしています。
  • 政府がスマホのまだ知られていない弱点を秘密にしておくことには問題がある、という指摘もあります。

よくある質問

Q. 警察はどんな事件でもスマホの中を調べられるようになるのか

A. いいえ。重大犯罪を複数の人が共謀して行ったと考えられ、急ぐ必要があり、ほかの方法では情報をすぐに集めるのがとても難しい場合に限られます。

対象は、犯人が連絡に使ったと考える理由がある端末に限られます。
前もって裁判官の許可も必要です。

Q. スマホを調べられたことは、そのスマホを使っていた人に知らされるのか

A. 原則として知らされます。犯罪の名前や、調べた日などが伝えられます。

ただし、居場所が分からないときなどは知らされません。
被害を防げなくなるおそれがあるときは、あとで知らされます。

🙋影響を受ける人

  • 被害にあいそうな人:警察から、被害を防ぐ方法を教わるなどの対応を受けます。
  • 犯人が連絡に使ったと考えられる端末を使う人:裁判官の許可を経て、データを取り出される場合があります。
  • 警察:被害を防ぐ対応が義務になり、調べの許可の申請や報告などを行います。
  • 裁判官:調べてよいかを審査し、許可状を出します。
  • 公安委員会:報告を受けて、調べが正しく行われたかを確かめます。

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掲載コンテンツについて

掲載されている法案情報は、国会に提出された議案などの公開情報を基に、チームみらいがAIを活用しながら背景情報を整理したものです。掲載法案は主に、内閣提出法案(閣法)を対象としております。

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