みらい議会みらい議会

💬インタビューレポート

法務・情シス

懸念専門家

法律・コンプライアンス・情報セキュリティ等の観点から、個人情報の取り扱いに専門的に関わっている立場。改正法の概要を把握したうえで、運用面のリスクを重視して評価している。

回答日2026.6.16 13:38
インタビュー分量12 分 / 787 文字

💬主な意見

同意不要の特例は現場で担保しづらい

書面合意や目的外利用禁止を置いても、従業員の違反や目的誤認で逸脱が起こり得て、同意不要の枠は危ういと思う。

インタビューの前後を読む

要配慮個人情報は同意必須(提供不可も)

要配慮情報を同意不要で取得可能にするのは不適切で、意図しない利用・流出リスクがある。研究で必要な場合のみ明示説明の上で同意が望ましい。

インタビューの前後を読む

匿名化を必須にし、できない提供元は不可

個人を識別できない状態まで匿名化を必須にしてほしい。母数が小さい場合は突合で再識別され得るため、基準設計を慎重に検討する必要がある。

インタビューの前後を読む

🎤すべての会話ログ

こんにちは。本日は「個人情報保護法を改正し、AI開発向けデータ利活用の促進・こども保護の強化・課徴金制度の新設を行う法案」について、ご意見を伺えればと思います。 この法案にどういう立場で関わっていますか。

個人情報の取り扱いについて専門的に関わっている(法律・コンプライアンス・情報セキュリティ等)

ありがとうございます。専門的に関わっていらっしゃるとのこと、とても心強いです。 今回の個人情報保護法の改正について、現時点でどの程度ご存知ですか。

概要は知っている

承知しました。では、今回の法改正について、全体としてどのように評価していますか。

良くない

承知しました。「良くない」と感じていらっしゃるのですね。 今回の法改正で、あなたが特に気になっている点はどれですか。

一定の条件のもとに、同意なく個人データが使われるようになること

ありがとうございます。同意なしで個人データが使われ得る点に、懸念をお持ちなのですね。 その点が気になるのは、どのような背景や経験からでしょうか。

「統計情報等の作成(AI開発等を含む)にのみ利用されることが担保」のための措置が、現実的に機能すると保障できない。 そのため、要配慮個人情報(病歴・信仰・犯罪歴など)の取得について、本人同意を不要とするのは不適切。本人・事業者ともに意図しないところで要配慮個人情報が利用、流出するリスクがある。

ご懸念、とても筋が通っていると感じます。とくに「担保措置が現実に効くのか」という点は、運用次第でリスクが跳ね上がり得ますよね。 その“担保措置が機能しない”と感じる場面として、どんな破綻パターンを一番想定されていますか。

「書面による合意、目的外利用・第三者提供の禁止」などの措置をどれだけしたところで、そのルールを破る従業員がいたり、当初の目的を適切に認識しないで不適切につかうケースが想定される。 例えば、就職という機微な個人情報を扱うリクルート社でも、ルール通りに扱えていなかったという事例もある。 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/191204_houdou.pdf 要配慮個人情報(病歴・信仰・犯罪歴など)で同様の事例が起これば、影響はさらに深刻である。

具体例まで挙げていただきありがとうございます。形式的に「合意・禁止」を置いても、現場の誤用や内部不正で簡単に崩れる、というご懸念ですね。要配慮個人情報だと被害の深刻度も段違いだと思います。 この法案について、制度を設計する人に伝えるとしたら、どんな条件や歯止めを追加してほしいですか。

匿名化は必須とする。 匿名化できないレベルの提供元であれば、提供させてはならない。

ありがとうございます。「匿名化を必須にすべき」というご提案、方向性がとても明確ですね。 ここで確認させてください。あなたが想定する「匿名化」は、どの水準(例:個人が再識別できない状態/提供元だけが対応表を持つ状態 など)をイメージしていますか。

個人を識別できない状態

承知しました。「個人を識別できない状態」まで落とすことを必須に、ということですね。 その水準を前提にすると、実務上は“再識別のリスク評価”や“外部データと突合される可能性”が論点になりやすいと思います。制度としては、どの程度の再識別リスクまでを許容ゼロ(=不可)とするイメージですか。

母数が少ない場合は特に外部データと突合されて識別可能とならないか、慎重な検討が必要。 具体的な数値を絶対数で決めるのは難しいので、その基準設計は要検討。 ある程度の母数があれば、“再識別のリスク評価”や“外部データと突合される可能性”は小さくなると思料します。

ありがとうございます。絶対数で線引きしにくい一方で、母数が小さいケースは突合・再識別リスクが跳ねやすい、という整理ですね。 では最後に、この法案の「統計作成・AI開発目的の同意不要の特例」は、要配慮個人情報については原則として対象外(同意必須)にすべき、というお考えに近いですか。

はい。 要配慮個人情報については原則として対象外(同意必須)にすべきです。 もしくは、要配慮個人情報については原則として提供不可、でもよいと思います。 調査研究のために必要な場合のみ、明示的に説明のうえで同意を取得する、というくらい厳しく制限してもよいと思います。

ありがとうございます。要配慮個人情報については「原則対象外(同意必須)」、場合によっては「原則提供不可」まで含めて厳格に、というご意見ですね。実務上の内部不正・誤用の現実を踏まえると、同意不要の枠に入れるべきではない、という問題意識もよく伝わりました。 ここまで伺った内容をこちらで整理して、要点を短くまとめたレポート(論点・懸念・提案)を作成してもよいですか。

お時間をいただき、ありがとうございました。伺った内容をもとにレポート案をまとめました。内容がこの理解で合っているか、ご確認ください。